桜の木の下で、あの星に誓う ~ヒナギクversion~ 作:アメざいく
「今日のライブ、大成功だったじゃない!!」
「あ~、ありがとうございます~。」
マネージャーの言葉にそう返したのは、今人気のアイドル・水蓮寺ルカ。
「それじゃぁ、明日は1日オフだから、ゆっくり休んで。」
「はい。では・・・。」
そう言って、ルカはライブ会場を去り、自宅へ向かう。
人気アイドルの自宅なんだから、高級住宅街のどっかなんじゃいか・・・とか想像する人もいそうだが、ルカの自宅は安いマンションの1部屋である。
「・・・は~・・・。」
家のドアを開けた途端、緊張が切れてその場にペタッと座り込んでしまう。
(・・・でも、ホントはアイドルをやりたいんじゃ、ないんだけどな・・・・。)
そんなことを思うルカの視線の先には、まだ完成していない漫画の原稿が。
今度の同人誌即売会に出すためには、今から書き始めないと間に合わない。
(・・・とりあえず、漫画の事は忘れて、明日は休も・・・・。)
ルカはそんなことを思いながらベッドへ向かうが、現在の時刻は午前3時、それにさっきまでネオンギンギラのライブ会場にいたとなれば、当然・・・
(・・・寝れない・・・・。)
そういう事である。
(え~っと、今の時間は・・・)
ルカのスマホに表示された現在の時刻は・・・午前5時。
(5時か・・・。・・・今からじゃどうせ寝れないし、散歩でもするか・・・。)
そんなことを思いつつ、ルカは散歩へと出かける。
「・・・でも、こんな朝から、仕事もせず散歩なんて・・・なんか、不安だな~・・・・。最近、ずっと仕事ばっかりだったからな~・・・・。」
そうつぶやきつつ、フラフラと歩き始める。
疲れも、眠気もピーク。
つまり・・・
フラッ
(あ・・・やば・・・。)
ルカがそう思うと同時に、ばたっと、ルカはその場に倒れてしまう。
「~♪・・・って、あれ!?あっ!!大丈夫ですか!?」
偶然、そこに通りがかったハヤテが、そんなことを言いつつ、ルカの救助に向かう。
・・・って、お前、なんでここにいるんだよ?
「う、う~ん・・・って、あれ?ここは?」
そして、ルカが目覚めた場所は・・・保健室・・・?
「目が覚めましたか。」
「え?」
慌てて横を向いたルカの視線の先にいたのは・・・ハヤテ。
「あなたは?」
「僕は綾崎ハヤテっていって、通りすがりの・・・。音がしたほうを見てみたら、あなたが倒れてたので、とりあえず、白皇の保健室に運び込んだんですよ。」
「え?・・・あ、ありがと・・・」
ルカがそう言ったその直後・・・
「おいハヤ太君!!」
ばっと扉を開けて、美希が入ってくる。
「うわっ!!美希さん!!」
「『うわっ!!』はこっちのセリフだ!!今朝突然、『女の子が倒れてたから、白皇に来て』ってメールが送られてきたから、急いできたんだぞ!!いまだに状況が理解できない・・・。ハヤ太君!!原稿用紙1枚くらいで、泉でもわかるくらいに分かりやすく説明しろ!!」
「えぇ~!?」
そんなふたりのやり取りを聞きながら、ルカが少し微笑むのだった。