伝説の聖剣に選ばれたのは俺じゃなくて幼なじみの美少女剣士だったので、俺は別の方法で英雄になるべく塔を登る 作:ケツアゴ
「おい、少し疑問に思っていたのだが……あの小娘が気軽にこの拠点に来る事に所属する探索団は何も言わぬのか?」
小さい頃からの付き合いだった友達が鬼畜外道なロリコンになっていたという事実に俺がショックを受ける中、浴室に乱入して来た時のドレス姿で朝食を食べていたハティがそんな事を口にした。ああ、それは気になるよな。俺達は当事者だから事情を知っているけど、仲間になったばかりのハティには話してなかった。
「ロザリーが叱られないか心配か? 良い奴だな、お前」
「ふっ。もっと私を誉め称えよ。気分が良いからな。だが、違う。面倒事が煩わしいだけだ。幾ら顔見知りとはいえ、他の団の拠点に通い続けると向こうが邪推をするやもと思ってな」
「スパイとかか? 大丈夫や。
「お早う!!!」
「わふっ!? 何だ!? 敵襲か!?」
ルノア姉ちゃんが説明をしようとした瞬間、ボロい家全体が揺れる様な大声が玄関から響く。いや、実際に揺れて、声に驚いたハティが持ったフォークの先のベーコンが抜け落ちた程の声量だ。……てか、わふ、って……。
「都合良く来たな。……でも、朝っぱら来るなや。おい、アッシュ。お出迎えしたりや。ハティも疑問を解消したいやろ? 一緒に行ったら分かるで」
言われるがままに俺達は玄関へと向かう。扉を開ければ立っていたのは暑苦しい感じの大男だ。煌めく金髪、燃えるような同色の瞳、快活な笑みが特徴の太陽系の美丈夫。
「どうも。お早う」
「お早う、アッシュ! 今日もいい天気だ。この後で共に鍛錬でもしないか? むむ? そこの少女が例の存在か? お早う!」
「む、むう。お早う。……おい、アッシュ。このむさ苦しい男は誰だ
「……ダイナ・スターサイファー。さっき話題に上がったばっかりのSランク探索団・光熱の剣の副団長だ。んで、朝っぱらから何用なんだよ? ダイナさん」
「ああ、アンノウン殿からナインテイルフォックスに
「団長……セレスティナさんはその事を……」
「昨夜は随分と遅くまで眠っていたんだ。起こすのも悪いだろう? 起きた時に用事を終えたと伝えれば良いだろう」
いや、良くないだろ……。光熱の剣、Sランク探索団にしてパンダーラに継ぐ三面記事の常連。主にダイナさんとかが原因で、団長のセレスティナさんは後始末で胃を痛めているらしい。……今回みたいに善意で行動した結果ってのが余計に酷いんだよな。
「
「いや、良いんだが……」
「さっきから外でペラペラ喋っているだろうが、ど阿呆が」
呆れ果てたって表情のハティの指摘にダイナさんの表情が固まり、顎に手を当てて考え込む事数十秒。目を見開いて驚いた。
「しまったっ!?」
「……遅いだろ、気が付くのが」
「悪いな。おっと、少し便所を拝借するぞ。冷えたら催したんだ」
セレスティナさんの苦労が忍ばれる中、ダイナさんを中に入れる。足早にトイレに向かうダイナさん。ったく、相変わらず慌ただしい人だよ。早朝だったし人通りが無いから大丈夫だろうけどよ……。
扉を閉める時、聞き耳を立てている奴が隠れていないか一応確かめる。まあ、ダイナさんだって俺以上の馬鹿みたいでSランク探索団の副団長だ。俺に気付かれる相手に気が付けない筈がないか。
「……同盟関係? ああ、成る程な。随分と探索団の格に差があるがな」
ロザリーが好き勝手にウチに帰って来れている理由。それは光熱の剣とナインテイルフォックスが同盟関係に有るからだ。ダイナさんが未だ便所から出て来ないからって先に話を進めていたんだが、今度は別の事に納得出来ないって顔だな。
「元や、元。同盟ってのは互いの利益が必要やし、それが無かったら上が良くても下が納得せえへん。Aランク探索団だった頃に団員の遺族に補償金払う為の財産処理の手伝いして貰った後は筋を通して解消したわ。……まあ、今でも幹部とは個人的な付き合いが有るんや」
「人の子とは面倒だな。しがらみだの何だのと鬱陶しい事に縛られる」
「いや、それじゃあアンタは人間じゃないみたいじゃない。……いや、そうだったわよね。どう見ても人間だからつい忘れそうになっちゃうけど。でも、家族が居るなら社会だってあったんじゃないの?」
ああ、そうだよな。てか、そもそも秘宝の箱に入っていた事とか謎が多いんだよ。使命を持ってるのは分かったけれど、それを誰が決めて、どんな経緯で箱の中に居たのかは謎だぜ。スコルがハティの居場所を知っていて、俺が運命で定められた主って言ってたんだし、予め誰が何かを決めて二人に伝えたって事だもんよ。
「……そうだな。貴様達と共に
腕組みをし、心底面倒臭いって表情だったハティだけれどミントの問い掛けに底意地が悪そうな笑みを浮かべて答える。此奴、平気な顔で無茶言うよな。
そんな思惑を感じ取った俺とミントが少しムッとした時だ。カチャカチャとベルトを締める音と共にダイナさんがある提案をして来た。
「便所でひり出しながら聞いていたが、丁度良かった。参加してみるか? ウチが受けた破壊依頼」
「汚いやっちゃ。こっちは飯食ってる途中なんや。少しは考えんかい、ボケ!」
「それはすまなかった。でも悪い話じゃ無いだろ?」
こりゃ格好のタイミングだな。都合が良いにも過ぎるし、良い事の後で同じだけの悪い事が起きそうだけどよ。しかし急な話だ。ミントは当然だけれど俺もいぶかしんだ目でダイナさんを見る。これを提案しに来た……って事は流石に無いよな?
「んで、そんな話、あの堅物が簡単に許可するとは思えへんのやけど?」
「いや、それがGランクの
「事前に言わん方が悪いわ! そないな重要な話、ちゃんと許可取ってから提案せえや。……ウチもミント達に経験積ませてやりたいが、後からいざこざになるのは勘弁や」
「俺が黙っておけば大丈夫だろう? 下の者には分からないって」
「お前やから信用ならんのや! あーもー! 元々の用事済ませて出直せや!」
「それなんだが幾つか伝言があって……ワルキューレと思しき不法探索者が増えてる事以外は忘れてしまってな。後でメモを持って来る」
「いや、次はお前以外の奴を寄越せや。手間が省ける」
「!?」
……こりゃ長くなりそうだな。飯を食い終わった俺は通るついでにハティの空き皿も下げて流しで洗い始める。後ろからはダイナさんとルノア姉ちゃんの漫才みたいな会話が続いてるし、不法探索者なんて不愉快な名前を聞いたから気分転換がしたい。……ああ、そうだ。
「ハティ、街の案内ついでに必要な物を買いに行こうぜ」
「気が利くではないか。実はどうしても欲しい物が有ってな」
これから暫くはダウロゴの拠点で一緒に過ごすんだし、どの辺にどんな店があるかって教えていた方が良いだろう。そんな軽い気持ちで誘ったんだが随分と嬉しそうに寄って来る。
「欲しい物? まあ、アクアスフィアから得たエネルギーが結構な値段になったけど、あまり高いのは勘弁してくれよ? ウチの拠点、ボロいから修繕費を貯めてるんだ」
「別に拘りは無いからそこそこの物で構わん。ほら、両手を出せ」
言われるがままに差し出した手をハティは掴み、そのまま胸元と太股に持って行かれる。思わず掴んだ右手に伝わったのはスベスベの手触りと凄い弾力を持つ胸。左手はそのままスカートの中まで移動させられ、気が付けば尻を触っていた。
俺の右手の指は弾力に負けないようにと力が入り、そのまま上下に揺らされれば当然だが目の前でユサユサと大きな胸が揺れる。反対に小振りで形の良い尻は柔らかく、指先が沈みそうで……。
「触っての通り、私は下着を持っていなくてな。ミントやルノアに同行を頼むのは悪いだろう? なら、貴様に同行を頼もうと思った。デート、という奴だ。悪い気はせんだろう?」
不適に笑う姿は悔しいが美しい。まあ、先に買い物に誘ったのは俺だし、仕方無いか……。
「おい、ウチ達に悪いって何がやねん。胸か? 胸の余計な脂肪について言っとるんか?」
「って言うか、何時まで揉んでるのよ、変態アッシュ」
「ウチには居ないから分からないけど、
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