Witch Defense Forces(WDF)(完結) 作:ハヤモ
前回救出した兵士達の話では、大規模な撤退作戦中だったとの事です。
民間人及び政治家や軍部は、より西側や北南の国々へと逃れたと思われます。
また敵対勢力は以後、この世界の人々に倣い、ネウロイと呼称します。
どうやら黒海から欧州各国へ侵攻を始めた様ですが……。
元の世界の地形や名称とは異なる点が多く、EDFも人員不足から諜報活動に限界があります。
ですが足踏みをしていても仕方ありません。
偵察隊を編成、欧州軍などへのコンタクトを試みます。
これは互いに疲弊した我々や地球を救う為です。
備考:
救出した兵士を足かせにするのは勿論だが、今は治療中。
装備:
PA-11
その他
11.EDF(ネウロイ以上の未知)との邂逅
黒海にて発生した怪異のネウロイ。
仕組みも目的も不明な異質な存在は、少なくとも人類にとっては害悪であった。
ビームを撃ち人類を攻撃して街を焼き払い、瘴気をばら撒いて人々が住めない土地へと変えていったのだから。
そんなネウロイは瞬く間に周囲の国々に侵攻、占拠していく。
通常兵器が効かないといっても過言ではない防御力と攻撃力を備えるソイツら。
軍隊の必死の抵抗も虚しく、次から次へと都市が、国が陥落していった。
その魔の手は、確実に人類の活動圏を狭めており、このままでは欧州全てが飲み込まれ、やがては世界を飲み込む。
想像に難しくない、最悪のシナリオだ。
だが希望はあった。
ウィッチだ。
魔力を込めた攻撃に弱いネウロイは、ウィッチによる攻撃が有効とされる。
研究、開発されたウィッチ用の装備……飛行脚……ストライカーユニット等を装備して、戦場へと彼女達を投入。
まだ10代の、未来ある女の子を犠牲にして。
そうする事でしか……辛うじて、人類は戦線の維持を……いや。
侵攻の遅延、時間稼ぎをする事しか出来なかった。
そんな状況下。
大きな国、帝政カールスラント(ドイツ)が陥落寸前まで追い込まれており、続いてガリア(フランス)のパリ陥落も。
人類側は民間人の人命と、今後の防衛、反攻作戦に備えて大規模な撤退作戦を開始。
ダイナモ作戦等、ブリタニアへの撤退。 他、撤退作戦が複数。
戦力の温存、撤退してきた民間人の受け入れ、他国の軍隊への対処や再編成、防衛線構築が残された各国に求められた。
その切迫した戦局の中で、ブリタニアのダウディング空軍大将はブリアニア防衛とガリア奪還を目的とした統合戦闘航空団の結成をミーナ中佐(ウィッチ。 カールスラント空軍 第3戦闘航空団の司令。 501JFW結成時は、そこの司令官に)と共に説き、ついに認められる。
これは多国籍のウィッチで編成されていたスオムス義勇独立飛行中隊(スオムスいらん子中隊)の活躍や、ブリタニアに優秀なウィッチが集まったのも影響している。
(ただし人員集めに無茶をして、各国の不審を買ってしまい、失墜に繋がってしまう。 代わりになったのが、トレヴァー・マロニー空軍大将。 このオッサンの所為で501JFWは酷い目に遭う。 なんならアニメ開始前の時系列から色々酷い目に遭わせてたっぽいが)
統合戦闘航空団には500番台のナンバーが与えられ、1桁は設立順を表す。
ブリタニアは欧州の補給線の要衝で最後の生命線であり、絶対に失陥されてはならない。
欧州には、もう後がなかったのだ。
そんな所に、ポンとEDFの登場。
ネウロイが占拠したてのカールスラントに神出鬼没に現れ、ネウロイの勢力圏のど真ん中で暴れては殲滅。
今度はEDFがカールスラント(一部の街のみだが)を不法占拠。
国民がいないのを良い事に、人の家(国と、その街)の土地を勝手に使っていた。
間借り、間借りだから(言い訳)。
撤退や再編成に忙しい各国は、EDFの存在に気付くのが遅れ、EDF側の偵察隊が防衛線に出張り、兵士らにコンタクトを取った事で……やっと「ファッ!? なんだこの軍隊!?」となる。
怪しいが、ネウロイじゃないなら……と、互いに示談を進めていく事になった。
技術格差や価値観の違いもあり司令部同士、無線を繋ぐのに苦労したが、何とか会話をする事が出来た。
以下、要略。
「ネウロイから、"うっかり"カールスラントの一部を掠奪……じゃなくて"解放"したんですが。 土地や資源を分けてくれるなら、受け渡しとか、おう考えてやるよ。 おたくら、どうします? アクしろよ」
「ガ、ガリアを解放しないといけないので……501JFWも結成したし……そ、そうだ。 位置的に挟み撃ちが出来ますよ。 同じ人類同士、協力しましょうよ。 ね? ね?」
「えー、どうしましょう。 人的資源がなぁEDFもなぁ(黒海側からもネウロイが来るので)」
「おのれぇ。 偵察隊を人質に……じゃなくて、保護してるから迎えに来る感じで、どう?」
「は? コッチにはおたくらが取り残した民間人や兵隊を預かってるんで。 オマイらが迎えに来て、どうぞ(来たら"保護"しちゃおうね★)」
「ネウロイに占拠されたガリアを挟んでいるのに、なんで迎えに行く必要があるんですか(半ギレ)」
「あれれぇ。 おじさーん、どうして自国民を切り捨てる発言しちゃうのかなぁ?」
「軍隊は撤退したばかりで、再編成中なんで!」
「なお、この無線は録音されており、君たち疎開先の国にいつでも爆音で流せます。 それと預かっている生存者リストも流します。 これを避難した家族や親族が知ったら喜ぶよね。 でも、国が見捨てたと知ったら士気が激オチちゃんだよね。 ウィッチとか、クーデターとか起こしちゃうんじゃーないの?」
「そんな事出来るワケないだろ!」
「馬鹿野郎EDFは勝つぞお前」
「終了! 終わり! 解散! 閉廷!」
要略終了。
つまり、いきなり化かし合うどころか喧嘩をして交渉決裂。
異界のヤベェ存在だし、仕方ないね。
取り敢えず互いに中立を保ち、501JFWら連合軍がガリアを何とかして進軍してきてから考えましょうかねぇと作戦司令部が思案。
言い訳としては、陸軍が多大な損失を被ったので(ブラッカー戦車等のAFV数両。 生産、修理、整備能力が低下したEDFなので強ち間違いではない)、現地空軍にも頑張って貰わなければ困りますというものだ。
なんというか、いつかの陸軍と空軍の関係の様である。
今回は世界が違う軍隊とはいえ、共通の敵がいる人類同士仲良く出来ないのかと言いたい者もいるだろう。
でも人類は愚かだから多少は、ね?
「…………と、言うわけだ」
「いや分かりませんよ!? 突然、ナニをシてヤッちゃってるんスかEDFは!?」
見舞いに来たストーム・ワン隊長に今のEDFの状況を教えられた只野二等兵は思わずツッこんだ。
足が痛むのも気にしない、心の底からの叫びだった。
「どうやら上層部は只野を助けたついでに、この世界からの支援を受けたいらしい」
「支援をお願いする言い方じゃなかったですよね、本部の言い草!?」
「そこは要略したからな。 真に受けるな」
「でも本音は?」
「その通りだと思えば良いんじゃないか?」
「EDFゥッ!?」
只野二等兵は頭を抱える。
面倒臭い事に巻き込まれてないか、コレは。
そりゃ元の地球がヤバいのに、他の世界を救ってる余裕なんてない。
それでも干渉する理由があるなら、そういう利益を求めての事だろう。
なんなら地球を見捨てて、こっちの世界に居座る可能性すらある。
下っ端の只野二等兵が知らなくても良い情報だったが、この世界に来た第1隊員として教えてくれたようだ。
その好意は素直に嬉しく……ない。
世の中、知らない方が幸せな事もあるんだねやっぱと只野二等兵は改めて思う。
「何とかなるさ」
「いやぁ、帰った方が幸せなのか、俺には判断出来ませんね。 ハハハ……ハァ」
「元気出せ。 ほら、君に懐いているウィッチがやってきたぞ?」
言われて、テントの入り口を見やる。
すると初日に助けたウィッチが、お椀を持ってやって来た。
服はEDFがクリーニングしてくれたのか、綺麗な軍服になっている。
が、ズボンが無い。
純白パンツ丸出しの格好、恥ずかしくないの?
「タダノさん、調子はどうですか?」
「大丈夫だよ。 ところで…………その…………ズボン、無いの?」
「え? 履いてますよ?」
「あぁ……その事なんだが、ウィッチは この格好が普通らしい」
「マジっスか。 世界の精神状態おかしいよ」
「ウィングダイバーも中々際どいラインだと思うが、こちらの世界はダイレクトだな。 ナニ、そのうち慣れるさ」
「だといいんスがね」
「それじゃ、お邪魔虫は消えるとしよう。 後はウィッチと仲良くな」
ゲンナリする只野。
対してウィッチの気持ちを考えてか、テントを後にするストーム・ワン。
後に残るはウィッチと只野二等兵のみ。
また初日と同じく、ふたりきりだ。
「あの……EDFにとっては、この格好は良くないのでしょうか」
「い、いや。 気にしないで。 この世界で普通なら普通の格好をしてるのが良い。 EDFもオカシイところがあるから。 病気だから」
「う、うーん? 病気だとしても、きっと良い人達ですよ!」
「半分間違いだよ。 EDFは病気だし、良い人達でもないから」
過去や今を振り返り、事実を述べる。
EDFの変態ぶりは戦前からである。
移動にダッシュではなくローリングを繰り返したり、ガードレールや街灯、放置車両をローリングのみで破壊。
高層ビルから落下してもピンピンしているし、ビークルに轢かれても同様。
ヘリのローターの軸に起立するという変態ぶりすら見せる。
アンチマテリアルライフルを立った状態で撃つだけじゃ飽き足らず、時に飛び跳ねながら撃っている隊員もいる。
兵器の中にも、槍やランスといった、接近しなくてはならないモノもあり、銃撃戦では不利だろソレとかある。
気でも狂ったのか、中には銃ではなくガスバーナーを振り回しているレンジャーもいた。
抱き枕の見た目をした、ハンマーを振り回すフェンサーもいた。
装甲車を痛車にする隊員もいた。
厳しい訓練や技術研究の果て、そのようなスキルを体得したとも考えたが、ナニかオカシイ。
改めて考えると、自分自身も変態だったかと思う。
思ったら悲しくなってきた。
これ以上はいけない。
「まあ、良い人ってところは間違いじゃないかな。 そう願いたい」
「……は、ははは」
乾いた笑みを浮かべるウィッチ。
少しはEDFのヤバさを理解してくれたのだろうか。
「そ、そうだ! ごはん作って来たんですよ私! 食べて下さい!」
「そうなんだ。 ありがとう」
「食べさせてあげます。 あーん♪」
「いやいや、自分で 出来……る?」
お椀の中にスプーンを突っ込み、差し向けてくる、笑顔純度100%のウィッチ。
が、スプーンに乗せられたモノは紫色の謎の液体。
未知の変色した物体が具材として混ざり、変な臭いもする。
ジャイ●ンシチューかな、コレ。
「ごめん。 闇鍋ならぬ魔女鍋的な?」
「あははは。 タダノさんってば、面白い事を言うんですね」
「いやいや全然面白くないと思う。 それから色々悟ってお願い!?」
「良いから食べて下さい。 食べないと身体が弱りますよ!」
「寧ろ弱まるわ!? 誰か助け、ごぷっ!?」
無理矢理、只野二等兵の口にスプーンをねじ込むウィッチ。
そして、
「ゴファッ!?」
「キャー!? タダノさんが吐血したー!?」
メシマズとかいうレベルじゃねぇ。
理解不能の味である。
実は毒薬なんじゃないか。 兵器すらある。
その後、騒ぎに駆け付けた衛生兵らの懸命な蘇生活動により只野二等兵は一命を取り留めた。
同時に当ウィッチには料理禁止命令が下されたとさ。
「あの料理、スプラッシュグレネードとかに混ぜたらどうだ?」
「ナニソレ凶悪」
「やめて差し上げろ」
そんな変態開発班を、ストーム・ワンが止めたとか止めなかったとか。
ギャグ回。
実際のストパン世界の歴史と矛盾、異なる点があると思います。 不勉強故に。 すいません。
今後、EDFはどうなるのか(未定)。
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