Witch Defense Forces(WDF)(完結) 作:ハヤモ
レーダーで敵影を多数捉えました!
ガリアに立て籠るネウロイが、転進してきた模様です!
同時に、黒海側でもネウロイが攻勢を仕掛け挟み撃ちを受けている状況です!
その為、各戦線の兵士を移動しての増援は出来ません。 現状戦力で迎撃します!
なお、連合には伝えましたが、連合でも交戦状態との事で支援は期待出来ません。
にわか なので、間違いがあるかも知れません。 説明多め。
連合軍、撤退作戦終了から約1週間後〜カールスラントEDF仮設本部
EDFが突如として、帝政カールスラントに現れてから約1週間。
東の黒海と西のガリア、ネウロイの占領地に挟まれ続けるEDF。
持ち得る高火力の武器で、両端から来襲する半端なネウロイを返り討ちにし続けているが悪い状況に変わりはない。
元の世界で疲弊したEDFは、この世界から人員や土地等を確保しようと考えていたが、バケモノが跋扈する世界だったとは思いもしなかった。
只野二等兵を回収するという表向きの任務を投げて撤退する選択肢も考えた。
しかし、今後の士気への悪影響や言い出しっぺなのもあり、結局は遂行、回収に成功させる。
その後、撤退するか本部は逡巡する。
全盛期と比べられない程に疲弊した兵力で、ネウロイを倒しつつ土地の維持や交渉なんて無理だと思ったからだ。
今回のEDFには、幸いにも物資はある。 あるのだが……人員がいない。 とにかくいない。
武器弾薬があっても、扱う人員がいないのでは、戦線の維持すら困難だ。
本部すら軍として、組織として未だに機能しているのが不思議だとすら思った。
同様に間借りしている帝政カールスラント領を維持出来ている件も。
その点を踏まえ、いちおう本部は連合との交渉を試みる(オペ子には"本番"をやらせていない)。
ネウロイというバケモノに苦しめられている欧州だ、ウィッチのチカラナシでも対抗出来るなら、その技術は欲しい筈だと。
EDFの持ち得る技術ならば、現状のネウロイを圧倒出来る。
その技術を与える代わりに、人員と土地を寄越して欲しいと。
ところが、どうだ。
連合はEDFの技術を欲するのは予想通りだったが、見返りに人員や物資等の支援をすると"口約束"をしてきた。
大抵の場合、それらは約束ではない。
欲しいモノだけ奪うだけ奪い、与えるものはない、というオチだろう。
まだ"会話が出来る相手"だから良いが、元の世界で交渉団が全滅した経験を持つEDFだ。
特に"同じ人間"を怪しむのは何もオカシイ事じゃない。
だが、その腹が分かるなら、逆に利用してやろうとも考えた。
そんなワケで。
EDFは"連合そのもの"に期待するのは早々に諦め始めており、ただ一応、この世界の世論や同じ人類を"油断"させる為の簡易な支援はしているのである。
ストーム・ワンを501JFWに潜伏させているのも、その一環。
主導権を握り、EDFというチカラを徐々に世界に見せしめ、連合から予算や人員、土地を確保する計画なのだ。
その足掛かりとして本部は先ず、西部のガリア解放を目指す。
現在、砲兵隊がガリアのネウロイ陣地に軽迫撃砲を喰らわせている程度だが、EDFの技術力で行われる長距離砲撃は、一方的にダメージを与えていた。
その様子から、本部はガリアを制圧出来ると判断。
砲兵陣地を基点とし、稼働戦力を西部に集結させていく。
「黒海側の戦線から人員を割いたが……我々の世界から直ちに補填しなくてはな」
ダンディなおじさま……EDF司令官が机をペンで叩きながら、ボヤく。
その机の上には、この世界の簡易的な地図。
カールスラントと書かれた大きな場所に【EDF】とあり、東側に黒海、西側にガリア。
それぞれから矢印で【EDF】に目掛けており、それを阻むように扇状の線が引かれている。
西側のガリアの向こうにはヒスパニア(スペイン)、そこまで行く間には北南にも国々があり【連合軍】の文字、そしてガリア側に対して扇状の線。
北側にはブリタニア連邦(イギリス)で、ここには【501JFW】とある他【storm1】ともある。
このように、分かっているだけで多くの国と戦線があり、EDFのみで対処するのは困難。
元の世界から増援を呼ぶにも、向こうの治安維持問題もある。 限界があるのだ。
司令官も、先の分からぬ異界の戦争に介入するべきだったのかと思わず溜息をつく。
「なんにせよ、この世界の者の協力は必要不可欠だ。 10代のウィッチといえど、EDFの為に戦って貰うぞ」
欧州に後がないように、EDFにも後がない。
使える者は、なんでも使う腹だった。
砲兵隊の護衛として派兵された只野二等兵や助けたカールスラント空軍ウィッチや陸軍兵士も例外ではない。
救助した民間人もEDFの人員として組み込んでいる他、連合とのコネに使えればという意味で原隊や疎開先には向かわせていない。
本人達には、人類領と分断されていて戦線を押し上げないと原隊や家族の元に帰るのは無理と言い訳している。
勿論、ぞんざいには扱っていない。
余る物資を持ってして、丁重に扱っているつもりだ。
特に民間人に関しては、無償で衣食住を提供している。 風呂だって入れるし、欲しいものがあれば与えている。
保護、避難民への待遇としては破格の待遇。
貴重な甘味や衛生用品、この世界には無い高品質な物品の数々。
これには皆、目を白黒させつつ驚き、大変喜ばれた。
保護民らの評価は上々である。
少なくとも、EDFにはソレをやる余裕くらいならあった。
物資を消費する人員がいないから、という皮肉付きではあるが。
「しかし、10代の女の子も戦場に投げ出さなければならない状況だというのに、連合には呆れるな……利権争いをしているそうだし、本気で人類領を守る気があるのか?」
EDFの世界も仲良しこよしではなかったし、一枚岩ではなかった。
だから、あまり連合の事も強くは言えないが……それにしたって、もう少し足並みを揃えられないかと思ってしまう司令官であった。
何度目か分からぬ溜息をついた、その時。
「大変です!」
机の上に置いていた無線機から、女性の声が。
戦略情報部の少佐からだ。
随分と慌てている様子。
「どうした? 何があった?」
「ガリア方面のネウロイが攻勢に出てきました! その数、千を超えています!」
「なんだと!?」
「同時に黒海方面でもネウロイが同じ戦力で攻勢に出ています!」
「くっ! ネウロイめ、我々を挟み撃ちにするつもりだな!?」
その報告に、思わず声を上げてしまう。
連日砲撃を喰らわせていたが、それがマズかったか。
どうやら蜂の巣を突いてしまったようだと司令官は若干の後悔をする。
だが、幸か不幸か。
ガリア方面隊にはガリア解放の為に、戦力を配備していたところである。
ブラッカー戦車、コンバットフレームの配備は間に合っていない。
だが、レンジャーやフェンサー部隊といった歩兵隊が現地に到着している他、砲兵隊に迫撃砲と砲兵を増員させたばかりだ。
それで対処出来ると願う。
「ガリア方面隊は現状戦力で対処させる! 黒海方面隊が気掛かりだ! 空軍に爆撃要請!」
「しかし、空爆誘導兵が現地にいません! 乱戦状態に突入した場合、正確な誘導による爆撃が必要不可欠です!」
「構わん! 防衛戦線ギリギリを爆撃させ、残りは陸軍で対処する! コンバットフレームも現地には配備されている、戦線を持たせる様に伝える!」
「了解しました」
司令官は素早く無線を切り替えて、今度は各方面隊に繋ぐ。
「聞こえるか? こちら本部、かなりの数のネウロイが押し寄せてくる。 各自、これを迎え撃ち、絶対に陣地を守れ! これより戦闘の指揮を執るッ!!」
叫ぶように言うと、周囲の本部人員や大きなモニターが降下、慌しく動き回る。
やがて簡易な戦闘指揮所が完成すると、本部は指揮を執り始める。
「くっ……こんな時、あの男達……ストームチームがいてくれれば……!」
誰にも聞こえない声で、欲しい者を言う。
だが無い物ねだりをしても仕方ない。
あの伝説の遊撃部隊は、今はこの世界にいない。
その部隊所属の ひとり、ストーム・ワンはいるものの、遠方に出払っており、手元に置いとくべきだったかと後悔すらする。
だが、あの男でなければ、この世界の人員掌握は無理だ。
だから501に潜伏されたのだ。 スカウトではなく、伝説の男に。
だが、いないならば。
いるEDF隊員で生き残らねばならない!
「全兵士へ! 撃って撃って撃ちまくれ!」
だから、本部はそう言うのだ。
生き残りたければ、希望を掴みたければ戦えと。
続くか未定。
間違いがあれば、ごめんなさい……。
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