Witch Defense Forces(WDF)(完結)   作:ハヤモ

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作戦内容:
激戦を制し、EDFは敵を退けただけでなく戦力を大きく削りました。
後方と寸断されたガリアに立て籠る残存戦力は、連合軍とEDFが包囲中。
チェックメイトの時が近付いています。
連合軍とネウロイのミリタリーバランスを逆転させる為、ガリアに進軍。 連合軍と共同でネウロイの巣を叩きます。
当作戦をエトワール作戦と呼称。 ガリア奪還を目指します。
備考:
カールスラント側はEDF、他は連合軍がガリアを包囲している。
501JFWとストーム・ワンが作戦に参加。
ガリア、特にパリは前回の砲撃でほぼ焦土化。 遮蔽物がない。 注意せよ。
装備:
PA-11SLS
ゴリアスD1
その他

にわか知識なので、間違いやオリジナルだらけ。


エトワール作戦発動! ガリアを解放せよ!
18.EDF進軍。 パリで凱旋パレードを!


エトワール作戦。

EDFと連合の共同で行われる、ガリア奪還という欧州大反抗作戦である。

カールスラントがEDFによって早々に奪還され、連合はガリアを包囲する事に成功。

EDFは当初、連合とは仲良くないので、丸投げされるかと司令部は思った。

しかし、ガリア奪還は連合にとって重大な事であった。 ガリアを奪還出来れば、そのままネウロイが居ないカールスラントに拠点を置ける。

欧州の補給線、生命線を守れる事にもなる。

そこを足掛かりに北南に分散したネウロイや、黒海方面に銃口を向ける事が出来るようになれば、早期ネウロイ殲滅も夢ではない。

また、EDFに丸投げして万が一、ガリアを奪還されるとなると、連合軍とEDFが直接銃口を向け合う距離になるという危惧も強かった。

仮にカールスラントを返還してくれなくても、ガリアまでEDFに占拠されるのは避けたかったのである。

そんなワケで。

連合と共同戦線を張る事になったEDF。

ネウロイからの反撃により、多少の痛手と作戦遅延を喰らったが、得られるモノを天秤にかければ些細な被害だ。

EDFとしても連合から得られるモノは得たい。

互いにとってただの足掛かりとしての作戦は、様々な思惑と希望と欲望を混ぜつつ一大決戦の様相を呈していた。

 

ストーム・ワンが潜伏する501統合戦闘航空団も、この作戦に投入される。

元々ガリア解放を目的として組織されたのだから、当たり前ではある。

が、しかし。

撤退戦から時間が経ってないのに、足並み揃わぬ連合軍が、良くガリアを包囲出来たなと隊内では疑問や歓喜の雰囲気が流れていた。

特にカールスラント出身メンバーのミーナ中佐、バルクホルン大尉、ハルトマン中尉は疑問符を出す。

彼女らは祖国が、EDFに占拠……じゃなくて奪還されている事を知らさせていない。

まさか「異世界からやってきた軍隊が"うっかり"ネウロイを殲滅して祖国を不法占拠しちゃってるぜテヘペロ☆」なんて言えないのである。 それこそ頭がオカシイと思われる。

事実、そうなのだから仕方ない。 どこぞの空軍大将も頭を痛めている。

そんなワケで、3人は基地内で疑問の声を出し合っていたのであった。

 

 

「ガリアを包囲したって、本当なのか?」

 

「ええ。 司令部からは、そう通達されてるわ」

 

「でもさー、私たちの祖国にはネウロイがいるんだろ?」

 

 

A.いません。 EDFがいます。

 

 

「ガリアを包囲するには、カールスラントに背中を見せなければならない」

 

「ええ。 でも、私たちの祖国には……やっぱりネウロイがいる筈よね」

 

 

A.いません。 EDFが(ry。

 

 

「なにか おかしくない?」

 

「そうね」「そうだな」

 

「まあ"包囲出来た"事もだけど。 カールスラントからたくさんの発砲炎を見たとか、そこからガリアを砲撃しているなんて話もあるんだよ」

 

「ネウロイじゃないのか?」

 

「ネウロイが、ネウロイの巣を攻撃する?」

 

「いんや、人間の部隊と見たね」

 

「まさか、生き残ったカールスラント軍?」

 

 

A.いません。 E(ry。

 

 

「あり得ないわ。 撤退は完了しているし、生き残ってもネウロイの瘴気にやられてしまう……まさか、ウィッチが?」

 

「いくらウィッチでも、何人規模って話だ。 物資弾薬の問題もあるが、ガリアまで相当の距離だぞ。 そこから砲弾を正確に弾着させられる兵器や人員なんてない」

 

「変な話だよねー。 まっ、ガリアを奪還出来たら確かめに行けるんじゃない?」

 

「そうね。 今はエトワール作戦に集中しましょう」

 

 

疑問はあれど、彼女らはベテランの軍人だ。

今は今に集中しようと締めくくり、話は終わる。

 

ガリア奪還に成功すれば501JFWは解散、各国の原隊に戻るだろう。

その時、カールスラント軍である彼女らは祖国奪還の為に戦い、再び領土へ戻る機会もある筈だ。

その時になったら確かめれば良い。 そう考えて、各自の持ち場に着こうとした時。

 

 

「なんの話だ?」

 

 

不意に若い男の声が。

男子禁制の場所を平然と歩く奴なんて、アイツしかいない。

 

 

「「ストーム・ワン!」」

 

 

EDF伝説の兵士である。

この人も随分な立場だが、いつのまにか謎のカリスマ性で501JFWを掌握していた。

3人は自然と背筋を伸ばして直立不動の姿勢をとる。

特に驚くべきはハルトマン中尉か。

彼女は私生活がだらしなく、階級を気にしないが、仲間を助ける邪魔になるなら将軍閣下にだって楯突く性格だ。

そんな彼女すら、表向きは整備士のストーム・ワンを上の人間だと認めている。

ストーム・ワンは最初こそ、ミーナ中佐と一触即発の危機だったのに、この短期間で相当である。

絶望を乗り越えて、エイリアンの神、指導者と思われる かの者を倒したのだ。

普通の人間枠に収まらないのだろう。

 

 

「はい。 カールスラントに友軍がいるのでは、と」

 

「本来、それは有り得えませんが、兵士の間で噂になっていると聞きます」

 

 

ストーム・ワンは「成る程」と頷いた後、莞爾として微笑んだ。

 

 

「俺がいなくとも、EDFは上手くやっている様だな」

 

「えっ?」「EDF?」「それは?」

 

「エトワール作戦で知る事になるだろう。 なに、安心して良い」

 

「何かご存知なのですか?」

 

「ああ。 だが、今は内緒だ。 楽しみにしていなさい」

 

 

そういって、彼は職場となる格納庫へと言ってしまった。

まるで父の様な、威風堂々とした頼もしい背中だった。

何か知っている様子でもある後ろ姿に、しかし楽しみにしていろと言われては年頃の子としては気になるし、ワクワクしてしまう。

 

 

「なんだろ!? なんだと思う、トゥルーデ!?」

 

 

ハルトマンが、プレゼントを喜ぶ子どものように、バルクホルンを愛称で呼ぶ。

対して2人は、少しの困惑を交えつつ、言葉を発するのだった。

 

 

「私が知る訳ないだろう!」

 

「極秘任務中の部隊が?」

 

 

考えても仕方ない。

なんにせよ、エトワール作戦に参加する日は近い。

 

立て籠るネウロイからの熾烈な抵抗で、激戦になる事が予想される。

連合軍も稼働戦力の大半を注ぎ込む決戦だ。

戦死者も半端な数では済まない。

だが、勝算はある。

勝てば、人類は初めてネウロイの巣を破壊し、領土を奪還出来る事になる。

それは人に希望をもたらす事になるだろう。

 

ミーナ中佐は願う。

501の全員が生きて、この作戦を成功させられる事を。

 

でも彼女は、まだ知らない。

人類は既に勝った事があるのを。

カールスラントは既に、取り戻している事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「EDFッ! EDFッッ!!」

 

 

EDF、ガリアに進軍開始。

いつもの雄叫びと共に、決して多くはない稼働戦力を持ってして前に進む。

只野二等兵や、ウィッチの軍曹、曹長も引き連れて。

 

絶望を乗り越えてきた精鋭たちだ。

きっと今度も、乗り越えられる。

 

 

「大丈夫……大丈夫だ」

 

 

今日も生き延びる。

生き延びてみせる。

 

只野二等兵は思った。

でも、それは皆も思った事だった。

 

その為に。

隊員らは、今日も銃を握り前に歩き続ける。

勝利を掴む為。 希望を掴む為に。

 




にわか知識なので、間違いやオリジナルだらけ。
エトワール凱旋門?
あっても、EDFの砲撃で全壊しています。
守るのは地球であって建物ではない(言い訳

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