Witch Defense Forces(WDF)(完結) 作:ハヤモ
501JFW含むウィッチーズによる制空権確保並びに巣への攻撃に合わせ、陸軍は砲撃による弾幕戦法を取りつつ、ガリア領内に突入。
ゆっくりと前進、確実に王手をかけます。
誤射を防ぐ為、連合軍との連携が重要です。
各指揮所とEDF本部からの無線に気を配り、味方の砲撃範囲に入らないよう注意して前進して下さい。
備考:
一部戦線での連合軍砲兵隊練度が低い。
補う為に、予め決められた地区に決められた砲弾数を撃つだけに留めている。
ストーム・ワンが遅れて合流。
装備:
PA-11SLS
ゴリアスD1
MG11
その他
戦術とか、詳しくない素人作者ですので、ご容赦を……。
連合軍並びにEDF、ガリア領内パリへ総攻撃を開始す。
遂に人類の反抗作戦、エトワール作戦が発動。
ガリアを包囲する連合軍とEDFの戦力は膨らみ続け、砲兵陣地からは、ひっきりなしに砲弾が放たれている。
その数に比例して、遠くガリアの地で土柱が無数に立つのが見えた。
それは弾雨の嵐。 その弾幕で進軍の為の露払いだと、手前にいるネウロイを吹き飛ばす。
一方、その様子に興奮していく兵士たち。
今まで敗走を繰り返していたのが嘘のように、兵士達の士気は高く殺気立っていく。
「ネウロイめ! 今日こそ引導を渡してやるッッ!!」
「よくも仲間を! 家族を! 仇をとってやるぜッ!」
「欧州からネウロイを一掃しろッ!」
「砲兵隊ィッ! もっとだ、もっと撃てェ!」
「ガリアを! 祖国を! 家を取り返してやるぞォッ!」
「駆逐してやる! 1匹残らず!」
「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」
特に"外側"で再編成されたガリア軍の若い連中は、命令違反を起こしてでも飛び出したり、銃弾がなくなれば銃剣突撃やスコップで突貫も辞さない姿勢だった。
当たり前だが、そんな事してネウロイは倒せない。 殺されるだけだ。
そんな無謀な若僧を、先輩たちがブン殴っては陣地に引き摺り戻している始末。
その様子を無線越しに知ったEDF隊員らは「頼れるのは俺たちだけか」と溜息をつく。
さりとて、エトワール作戦は成功させねばならない。
散々犠牲を払って失敗しましたは許されない。
包囲しているから、一見は人類優勢に見える。 しかし、それは見た目だけだ。
ネウロイ個々の戦力は均一とは限らない。 戦術をとるのも確認した。
かつてのエイリアン歩兵部隊が そうであったように、EDFもそうしたし、ネウロイもする可能性はある。
敵を侮るな。 γ型がそうだったように。
追い詰められたEDFが意地を見せたように、追い詰められたネウロイは今まで以上に凶暴だ。
「こちら本部。 全兵士へ、油断するな。 敵は戦術を知っている。 無謀な突撃は禁止する。 先ずウィッチーズに空を任せ、その後は連合軍と我々の砲兵隊が砲撃。 少しずつ弾着地点を前にズラし、合わせて地上部隊が前進する。 確実に行くぞ」
EDF司令官が、説明するように無線を流した。 釘を打たないと、勝確ムードのまま突撃しそうだったからだ。
一部の部隊がやらかしただけで、下手すると総崩れになる危険性を孕む。
それは避けたい。 苦労が無駄になる。
まずは兵士達の空の上を、パンツ丸出し……じゃなくて、短いズボンを見せつつ各国の飛行隊、ウィッチーズが飛んで行った。
空飛び交うネウロイを片付けて貰うのだ。
でなければ、安全な空から無防備な陸軍が惨殺される。
対空兵器は持ち込んでいるが、それだけで対処は不可能だ。
「眼福だな」「可愛いな」
「10代の女の子を真っ先に向かわすのかよ」
「貴重な戦力だ。 人類には後がないんだよ」
「やっぱパンツだろアレ」
EDF隊員らが口々に感想を呟きながら、連合軍の戦線から飛来していく魔女達を見送る。
歩兵隊の活躍は、この後だ。
先ず先行したウィッチーズが、制空権確保並びに巣への直接攻撃を開始。
ガリア上空へと差し掛かった際、陸戦ネウロイがビームを対空乱射したが、そこは機動力の高いウィッチーズ。
当たらないし、当たりそうになっても回避。
もし当たっても、シールドで防いでいる。
ウィングダイバーには無い利点の数々に、女性隊員らは羨ましそうに見つめたとか。
「ところで、EDF空軍は手伝ってくれないのか?」
「要請拒否だって。 海軍もね」
「俺ら側の世界での戦闘で、戦力を割けないんだとさ」
「使える航空機や艦艇が少ないからなぁ」
「カールスラント防衛戦の時みたいに、ピンチなら助けるらしいが。 そうじゃなきゃ、コッチの世界の問題だからな」
因みに501JFWの隊員は、EDF……カールスラント側からは見えない。 基地の位置的にも巣へのダイレクトアタック的にも戦線が違う為である。
しかし、しっかり全員参戦しているので心配ご無用です(VC:EDF広告官)。
ストーム・ワンも参戦しますとも。 今や巻き返しの時です。
《空戦域拡大! 全哨線で戦闘状態に入ります!》
《落伍者の救助を禁ず! 繰り返す! 落伍者の救助を禁ず!》
《くそっ!? 空のネウロイが多い!》
《撃てェ! 撃てェッ!!(ダダダダダッ!》
《おい! 本当に連合軍が圧倒しているのか!? この数はまるで(プツッ》
《おいどうした返事をしろ! くそっ、左翼からの連絡途絶!》
《右翼に展開中のウィッチ飛行隊、被害甚大! 負傷者多数!》
《怯むな! 制空権を確保しろ!》
《地上部隊の道をこじ開けるんだ!》
《隊長が! 隊長が撃墜された!》
《501統合戦闘航空団、担当空域の制空権を確保!》
《他の空域への援護に向かわせますか?》
《構わん! 予定通りネウロイの巣本体を潰させろ! これ以上敵に時間を与えてはならん!》
《了解。 501は予定通り作戦を続行せよ》
《こちら───飛行隊! ネウロイの抵抗激しく制空権確保は困難な状況!》
《───担当地区のネウロイ殲滅なれど、我が隊の被害甚大……撤退の許可求む》
《許可出来ない。 戦闘を続行せよ》
《増援を要請します!》
《墜落した……陸戦ネウロイが来る! 誰か! 誰か助けて! 死にたくない!》
《編隊が維持出来ません!》
《救援要請多数!》
《構うな! ネウロイ以外、目もくれるな!》
《お願い! 見捨てないで……誰か……》
《こちらEDF救援隊。 失礼ながら無線に割り込ませてもらう》
《落ち着け お嬢さん方。 EDFが救助する》
《EDF?》《後で説明してやる。 今は生き残ることに全力で集中しろ!》
《キャリバン救護車両前進!》
《負傷者収容急げ!》
《連合軍から退去勧告ッ!》
《無視しろ! 収容優先!》
《砲弾の雨は気にするな! 救護車両の走破性と装甲はヤワじゃねえ!》
《第1線、最終弾着!》
《諸元修正!》
《第2線地区への砲撃よーい!》
《歩兵隊に前進指示を出せ!》
《弾種榴弾! 次弾も同じ!》
《なに違う弾持ってきてんだ!》
《数が違うぞ! 用意した馬鹿は誰だ!?》
《おい! 砲の角度が高すぎる!》
《馬鹿野郎! それじゃ低い!》
《兵科訓練を終えたばかりのガキが多いんだよ!?》
《殴ってでも言う事聞かせろ! 味方を撃ちかねないぞ!?》
《ちんたら装填するなぁ!》
《訓練をやり直せガキどもめ!?》
《射程の足りねぇ短小砲兵は前進しろォ!》《タマナシは引っ込んでな!》
《誰が短小だ馬鹿野郎!》
怒涛の勢いで無線から声がする。
悲鳴や命令等が複重して犇めき合う。
EDFと連合軍、それぞれからの声だ。
中には華麗なウィッチーズには聞かせられない下品なのもあったが。
「ヨォし、みんな前進! 先走るなよ!」
「了解ッ!」
赤ヘルの隊長が指示を出す。
その声は只野二等兵の耳にも届き、皆と共に歩き出す。
歩兵隊といっても、ビークルと混成だ。
只野二等兵の横で量産型ブラッカーE1、ニクスB型が動いている。
だが、それ以上に圧倒的な存在が。
それに驚愕するは、ウィッチである。
「な、なんだ あの馬鹿デカい戦車!?」
言うのは曹長ちゃん。
軍曹ちゃんも驚き、目を白黒。
只野二等兵は視線の先を追いかけて「ああ」と声を漏らす。
そこにはデザートタンカラーの、巨大な戦車が。
全長25m。
巨大な履帯。 巨大な砲塔。
地面を揺るがすように蠢いていた。
ブラッカーの何倍だよというソレは、まさに動く要塞。
歩兵の走る速度で、だけど しっかりと自分のチカラで前進中。
それが何台も並列して走っている。
初めて見れば、そりゃ驚くか。
「B651……タイタンだね」
「タイタン?」
只野二等兵は説明する。
タイタンは、全長25メートルの巨大戦闘車両だよと。
要はEDFの重戦車。 動く要塞というワケだが、やはり見た目通り機動性は悪い。
装甲と火力は高いのだが。
主砲は本来、艦砲として開発されたという、レクイエム砲を搭載。
搭載する為に砲身短縮をした影響で、初速がやや低下している。 だが当たればビルをも吹き飛ばす威力である。
「ガリアは砲撃の影響で、遮蔽物がないからね。 身を隠す場所がない。 だから歩兵隊の盾としてタイタンを用意したんだよ」
「そ、そうなんですね」「ほ、ほぅ?」
「遮蔽物の無い平原で活躍したなぁ。 それと敵前哨基地を破壊する時とか」
砲撃音をBGMに、歩きながら懐かしむ只野二等兵。
EDF隊員らにとって激戦となった戦いであるが、ウィッチたちは知らないので首を傾げるしかない。
「あの……タダノさんたちの世界で、なにが───」
『こちら本部。 ウィッチの曹長と軍曹、観測員として空に上がってくれ』
「……ッ」
何か言いかけた軍曹ちゃん。
しかし、本部からの無線指示で遮られてしまう。
「ほら、行くぞ軍曹!」
「は、はい! 了解です!」
曹長ちゃんに言われて、慌てて空へ飛ぶ。
名残惜しく地上を振り返る軍曹ちゃん。
只野二等兵は、何か言いかけた事に気付かなかったのか、優しく手を振って見送るだけだった。
「帰ったら……聞かなくちゃ」
PA-11を握り締め、心に決めた。
もっと。 もっとタダノさんの事を、EDFを知りたい。
「こちら軍曹です。 曹長さんと共に空からの観測を開始します」
今は、エトワール作戦に集中だ。
「ここからが本番だ! ビークルを盾にしながら決められた場所まで前進! 出てきたネウロイを各個撃破! 砲撃が終わったらまた前進を繰り返す! 慌てて前に出れば味方の砲弾でバラバラだと思え! 足並みを揃えるぞ!」
「「了解ッ!」」
生温く焦げた風。 ピリピリとした肌触り。
これこそが戦場だ。
とか、ふざけている場合じゃないよな。
連合軍側の501統合戦闘航空団、通称ストライクウィッチーズは早々に制空権を確保したようだが……他の飛行隊は苦戦している。
制空権を確保出来ていない地区もあり、被害は甚大。
軍曹ちゃんたちからの報告だと、墜落したウィッチが たくさん見えるらしい。
彼女らは陸戦ネウロイに集られており、危機的状況。
しかし、連合軍の無線では落伍者の救助は禁止。 墜落した子は見捨てるという。
流石に本部は幼き女の子らを見捨てられないのか、砲撃中にも関わらず救助敢行を指示。
キャリバン救護車両部隊を向かわせる。 位置は軍曹ちゃんと曹長さんが空から誘導。
低空を低時間飛ぶしか出来ないウィングダイバーには出来ない事だ。
「12時方向! ネウロイ2!」
隊長が叫ぶ。
即座に銃口を構えれば、そこにはα型に似たネウロイ2匹。
「ザコ2匹に我々は止められん!」
フェンサーが勇ましく言う。
返答するように、健気にビームを撃ってくるネウロイ。
しかし、フェンサーのシールドで跳ね返されたり、タイタンの重装甲に阻まれる。
俺が発砲する間も無く、武運拙く核を破壊され……光の粒子となって消えていった。
「遮蔽物がないからな! ネウロイは身を晒すしかない!」
「この勝負、我々の勝ちよ!」
「空は苦戦しているが、地上は圧勝!」
「余裕の勝利だ! 火力が違いますよ!」
「基地に帰ったら、キンキンに冷えたビールで乾杯しようぜ!」
「良いなソレ!」
「EDFッ! EDFッ!!」
おいおいおい!?
ナニ思いっきりフラグを乱立させてるんだ先輩たちは!?
俺らがソレを立てた時、ロクな目に遭わなかっただろうが!?
「こち…本部………後……せよ……げ!」
「うん? なんか無線の調子が悪いな」
ほら見ろ!?
嫌な予感がしてきたぞ!?
そう思った刹那。
ヒューッ!!
「この音!?」
砲弾が落ちてくる音!?
近過ぎるぞ!?
「総員タイタンの下に隠れろ急げェッ!!」
隊長が叫んだ次の瞬間!
ドォンッ! ドォンッ! ドォンッ!
ドォンッ! ドォンッ! ドォンッ!
ドォンッ! ドォンッ! ドォンッ!
「砲撃!?」「実弾だと!?」「うわぁ!?」「マジかよクソッ!?」「どこからだ!?」「良いから隠れろ!」「タイタンの下に伏せるんだ!」「急げ急げ急げッ!?」「馬鹿な!」「この地区への砲撃は終わったハズなのに!?」
砲弾の雨が降ってきやがった!
俺は先輩に倣って、タイタンの下に潜り込む。 タイタン搭乗員も状況を飲み込み、停車。 皆を守る。
タイタンから離れていて隠れきれない隊員は、フェンサーが庇う。
それでも溢れた隊員は、ニクスが覆うように守った。
しかし、面積が小さい。
匍匐姿勢で外を見れば、守りきれなかった何人かは吹き飛んでいた。
「くそっ、何が起きてる!」
「本部! 本部! くそっ、故障か!?」
先輩が慌てるように本部に連絡しようとするが、繋がらない。
俺も試したが、ダメだ。 他も同じだ。
こうも一斉に壊れるのは変過ぎる。
だとしたら……。
「そうだ!」
カールスラントの兵士が言っていたぞ!
ネウロイは無線障害を起こせると!
ならば。 あくまで可能性だが、今試めせる事はある!
「チャンネルを切り替えてみて下さい!」
「分かった……よし、繋がったぞ!」
アッサリ成功だ!
チャンネルを切り替える程度で繋がって良かった。
普通、無線の一切がイかれるもんだと思ったが……理屈は知らん。
繋がったから良い。
とにかく、本部に連絡だと赤ヘルの隊長が声を出した。
「こちらEDF───隊! 本部、聞こえますか!?」
『こちら本部! 無事か!?』
「はい! ですが、砲撃と思われる攻撃を喰らい、身動きが取れなくなりました! 被害拡大中!」
『くそっ! 間に合わなかったか!』
え、ナニ。
本部はナニか知ってるの? 本部の罠?
「何が起きてるんです!?」
砲撃の爆音に負けないように隊長は話す。
先輩たちは、匍匐姿勢でタイタンの外に銃口を向けて警戒中。 俺も同じく銃を構える。
『ネウロイの仕業と思われる無線障害を受けた。 連合軍との連絡も取れなくなり、既に足並みがバラバラになりつつある。 特に連合軍の砲兵隊が独自の判断で砲撃を始めたのが痛い。 恐らく、その砲弾が我々の部隊を襲っている』
おいマジかよ。
そこは砲撃止めようよ。
ナニしてくれてんだ連合の砲兵隊。
『直ちに後退せよ……と言ったのだが、使用チャンネルが障害に遭って伝わらなかった様だ。 すまない』
「いえ、無線がきて直ぐに砲弾が来ましたから、どちらにせよ間に合わなかったかと。 これから我々はどうすれば?」
『後退出来れば下がれ』
「了解」
そう言うと無線が切れた。
後退するって、この砲弾の雨の中をかよ。
「隊長! 砲弾が止むまで待機しては?」
『いや。 話しながら弾着数を数えていたが、明らかに定められた弾数を超える量を投射している。 いつ止むかも分からんから後退する』
「しかし、タイタンから身を晒すのは」
『身を晒さない。 タイタンをゆっくり後退させ、同じように匍匐前進で後退する』
ああ、成る程。
いやでもさ、どこまで匍匐前進……後退するんだよ。
「文句言うな」
「え? 言ってました?」
「顔が」
「えぇ」
「匍匐訓練だと思えば良い。 よし、みんな後退するぞ!」
「「了解」」
「タイタン後進!」
「はーい。 匍匐後退の時間よー!」
「そんなー!」
砲弾からの傘から出ないように、みんなで仲良く匍匐後退の お時間となりました。
ああ……ネウロイめ。
いや、連合軍め。
本当の敵は無能な味方……とかいう格言があった気がするが。
それはナポレオンの言葉だったかな?
やれやれ。 パリで凱旋パレードは、まだ出来そうにない。
見捨てらていくモブウィッチーズ。
助けに向かうEDF。
連合軍からの砲撃を喰らう只野二等兵たち。
後退して、仕切り直しへ。
助けてストーム・ワン!
作者のリアルもシンドイので、助けて(哀。