Witch Defense Forces(WDF)(完結) 作:ハヤモ
501のメンバーのひとり、シャーリーに発見された。
敵か味方か分からない。
最悪は発砲。
備考:
ストーム1は身を隠した。
バトル回。
にわかなので、キャラ崩壊が不安。
いつも通りですが。
チクショウ!
まさかこんなにも早く見つかるとは!
痛む腹を抱えながら、されど負けるかとPA-11SLSを構える。
熟す目にも止まらぬ神速でセーフティ解除、レーザポイントオン、場所は容赦なしの胴体真ん中。
念の為に倍率スコープの蓋を取る。
「早ッ!?」
「うるせぇ。 俺は殺りたい様に殺るんだよ」
「おいおい落ち着けって! 何もしない!」
嘘だッッ!!
喰う側から喰わす側になっただけだ!
捕まえて魔女料理を喰わす気なんだろう!
俺は詳しいんだ!
「また汚水物を飲ませる気だろう、知っているんだぞ! 仲間まで手に掛けておきながら、まだ足りぬと言うか!」
「違う違う。 アレは不幸な事故だった」
同情する様に声を掛けるシャーリー。
スタイル抜群の彼女の表情は、憂いを帯びた美少女である。
溢れ日と重なり美しい。
前までの俺なら即オチだったな。
だがなぁ!
もう俺は騙されないんだよ!
「大きなまん丸(な侵略性外来生物γ型)は可愛いが、もう騙されないぞ! お前の中身だってナニか分かったモンじゃない!」
「シツレイだな! コレ(胸)はホンモノだ!」
そう反論して、自慢気に豊満な胸部を両手で掬い上げて見せた。
まん丸が ふたつ浮き上がる。
それは501トップクラスの大きさだ。
スタイルと合わさって、俺のも大きくナリそうだが、
「ふふん。 触りたいか? 男だもんな♪」
「魔女め……!」
三下の様に見下してくる!
男の敵でもあったか!
だが俺を見つけた観察眼と、他のウィッチの追随を許さない速度。
緑の変異種を超えている。
固有魔法か。
ユニットも弄っているかもな。
「そのユニット」
「うん?」
「かなり速かったがシャーリー専用機かい?」
「唐突だね」
「お互い様だ」
「そうだよ。 私が自ら調整して、スピード重視にしているんだ。 凄いだろ?」
やはりか。
"ただの"二等兵には倒せない!
だがなぁ"地球防衛機構陸軍"の二等兵を舐めるなよ。
空ではアンタが上でも、陸はどうだ?
空の大尉殿はEDF陸の二等兵に勝てるか?
弱者を甚振っているつもりになれるのも、今だけだ。
このウサギの悪魔め……!
「俺はモブ兵士だ、だがなぁ……!」
トリガーの遊びを殺す。
「さっきから何の話だよ。 それより聞いてくれ、食べ物を」
食べ物。
それがトリガーになった!
「食べ物の話をするんじゃねぇえええ!」
情け容赦無しの近距離フルオート!
模擬弾なのと相手が魔女なので遠慮しない。
「うわっ!?」
さすが魔女。
魔法陣……シールドを展開して模擬弾を防ぐ。
だがなぁ、そんなの織り込み済みなんだよ!
「フッ!」「ッ!?」
右腕のみで銃を撃ちながら。
空いた左腕で所持していた手榴弾MG11の安全ピンを歯で外し、レバーを弾き飛ばしてシャーリーのユニット下に投げる。
普通は手榴弾のピンを歯で外すなんてのは、無理と言われるが……俺らEDF隊員なら出来る。
EDFに不可能は無い(暴論)。
「やり過ぎだろッ!?」
高速で急上昇するシャーリー。
刹那、彼女がいた辺りで小規模な爆発。
爆風と破片が彼女を襲おうとするが、既に高い高度に達しており無事であった。
基地にいるウィッチより、凄い高機動だ。
やはりユニットが他と違う。
それと、やはり固有魔法も疑う余地有り。
恐らく加速する系の魔法じゃないか?
「逃がさんッ!」
倍率スコープでズーム、空中に浮かぶシャーリーを捉えてフルオート。
「落ち着けって!」
シールドで防がれた。
くそっ。 模擬弾じゃ魔女のシールドは抜けないか。
このままでは勝てない。
次の手を考え始めた刹那。
『只野、そこを動くな』
ストーム・1隊長からの無線が聞こえたと思えば、
『機銃掃射、開始ッ!』
無線と共に、空中を高速飛行するナニかが。
シャーリーがいる場所を中心に、スクランブル交差点の光景を早送りしたような動き。
その物体ひとつひとつから、弾丸が放たれていた。
「ヒィッ!?」
悲鳴を上げたのは俺だったかシャーリーか。
すぐ脇を土砂が舞う。
俺とシャーリーがいる場所以外からモウモウと土煙が舞い上がり、視界が遮られた。
『今だ。 ユニットのみを撃て』
「ッ!」
何故とは考えない。
頭で理解するより早く、俺は銃を構えた。
センサー、ユニットの発する音。
彼女を取り巻く風、その流れを読む。
幸い今の謎の攻撃で呆けているのか、敵を前に……いや、下にしてホバリング。
当てやすい。
「迂闊なヤツめ」
容赦なく撃つ。
カァンッと煙の中で金属音と火花が散ったと思えば、次にはシャーリーの悲鳴が。
「うおおおッ!?」
煙を更に濃くする黒煙を撒き散らして、シャーリーは墜ちていった。
模擬弾だから精々バランスを崩せる程度と思っていたんだが。
どうやら当たりどころが良かったらしい。
「やり過ぎたでしょうか」
隣に隊長が来たのを確認し、ふと言う。
いくら演習、ウィッチとはいえ撃墜だろコレというのが正直な感想だ。
「問題ない」
「ですか」
「ウィッチは頑丈だ。 シールドも張れる。 ユニットの故障で文句を言われたら俺が直す」
「直せるんで?」
「場合によるが直せる。 501に潜伏している間に色々学んだ」
「そ、そうなんですね。 流石です」
エトワール作戦までだよな?
短期間だった筈なんだけど、"魔法の箒"の整備をもう覚えたの?
EDFの一部の開発班や整備班は"魔法の放棄"をしたというのに。
「まぁシャーリーも整備や改造の知識は高い。 自力で直して復帰してくるかもな」
「あぁ、ユニットを自分で弄っているとか言ってました」
「そうか。 遠くから観察していたがスピード重視にしていたようだな。 固有魔法も使っていただろうが、偵察ならスピードを抑えるカスタムが良かっただろう。 する余裕が無かったか、或いは急ぎたい理由があったか。 何にせよ最後は迂闊だったな」
「あの、何か要請したんですか」
「plan:X18だ。 指定座標に戦闘爆撃機KM6 18機が突入、スクランブル交差点のように飛び交い機銃掃射を行う」
えぇ……。
俺よりヤり過ぎィ!
「オーバーじゃないですか、それ」
「相手は魔女だ。油断は出来ない。 それに、ここで我々の強さを認識させる事で抑止力にもなる」
「徒党を組んでやって来たらヤバいと思いますが」
1機だけで結構大変だったぞ。
それも低高度にいたから倒せたものの、高度を上げられたら倒せない可能性が高い。
それこそ空軍案件だ。
対空兵器があれば抵抗出来そうだが。
「やりようはある」
「はぁ」
「とにかく、直ぐに移動だ。 今の戦闘で他の魔女が集ってくる」
いや、1番音を派手に立てたのは隊長だと思うんですがそれは。
圧倒的な火力!
圧倒的な正確!
圧倒的な速度!
シャーロット・E・イェーガー大尉は驚きと喜びの感情に満ちていた。
撃墜されたのにも関わらず、である。
「ははっ! いやぁ、ストーム1は何者なんだろうな!」
仰向けになり、広大な青空を眺める。
スピード狂である彼女。
故に興味は あの戦闘機群。
して、関わりのあるストーム・1。
ストーム・1は新人整備士として501基地に来たヤツだった。
その時は興味は大して無かった。
そもそも男性との接触を禁じられていて接点も無かったから。
でも、ある時。
私を含めてユニットの調子が とても良いのに気付く。
明らかにいつもと違う。
素直に動き、扱い易く、魔力の消費も少ない。
それも各々のメンバーの性格や戦闘スタイルを考慮した調整もされていた。
そこからだ。 興味が湧いたのは。
でも男性とは接触出来ない。
直接会って話を聞きたかった。
でも、きっと叶わない。
だから夜な夜な格納庫へ行って、せめて自分のユニットにどのような工夫や整備がされているか見てやろうと思った。
その時だ。 ストーム・1と出会ったのは。
突然だったから、私は慌てた。
別にヤマシイ事をしている訳じゃないと弁解したり、男性との接触は禁じられているのを理由に逃げようと思った。
でも、ストーム・1は笑って許してくれた。
それからというものの。
整備の話や効率強化、部品や調整の技術的な話を互いに交換し、頷き合い、共感して笑いあう仲になった。
嬉しかった。 同じ話を出来る仲間がいる事が。
でも時々不思議なヤツとは思った。
優秀な人材を集められているのは知っているけれど、こう……なんというか。
カリスマ性が高いというか。
思わず背筋を伸ばしてしまう、そんなヤツ。
きっと その頃から 只者ではないと本能で感じていたのだろう。
して、エトワール作戦。
ネウロイの巣の中で、まさかストーム・1を見る事になろうとは。
やはり ただの整備士じゃない。
彼は噂の……EDFという組織の者なのか。
あの戦闘機、ジェット機だろう。
それもEDF関係か。
速い。 とても。
また会ったら、その事も聞かないとな。
あわよくば。
乗せてくれないかな?
「それと、只野ってヤツも」
私を撃墜せしめた、只野二等兵。
油断もあった。
だが、相手の技量が高かったのも事実。
武器だけの所為じゃないだろう。
歩兵は詳しくないが、皆があんな感じじゃない筈だ。
二等兵、最下級。
でも強さと階級は必ずしも比例しない。
新人なんかじゃない。
幾多の修羅場を潜り抜けた、歴戦の戦士だ。
逆に何故、二等兵なのか不思議なくらい。
「勘違いされちゃったけど。 ああさて、食糧奪還は失敗したし。 ミーナとルッキーニに何て言い訳しよう」
綺麗な青空の下。
そう言うシャーリーだったが。
やっぱり その表情は、どこか嬉しそうだった。
描写って難しいですよね。
EDFメインだとしても、魔女も絡ませないと世界的にも……な。