Witch Defense Forces(WDF)(完結) 作:ハヤモ
非常事態発生!
501基地に駐在するマロニー空軍大将の【第1特殊強襲部隊】が運用する新兵器が暴走した!
【ブリタニア501統合戦闘航空団基地】及び航行中の扶桑海軍空母【赤城】が新兵器による攻撃を受け、危険な状況下だ!
猶予がない。 最も基地に近い偵察部隊【スカウト】は基地に突入、第1特殊強襲部隊を無力化、マロニー空軍大将を拘束。 抵抗するようなら射殺許可。
直ちにバックアップチーム【Storm2】投入。 スカウトを援護させる。
南島にいる【Storm1】は只野二等兵と501JFWの指揮を執り、現場に急行。
連合の新兵器【ウォーロック】を撃墜せよ!
備考:
海軍の支援も受けられる。
グダグダかも……。
34.潜水母艦エピメテウス浮上! 新兵器ウォーロックを撃墜せよ!
ブリタニア501JFW基地近海。
空を飛ぶ謎の飛翔体。
それはウィッチのユニットを組み合わせた見た目をした無人戦闘機。
動力は なんとネウロイのコア。
連合の、それもマロニー空軍大将によって極秘裏に進められていたネウロイ研究による成果だ。
ウォーロック。
恐らく魔術師からきているのでは、という名を与えられているソレ。
本当は何機か生産し、制御出来る様になってから実験的に投入、その有用性を上層部にアピールして量産。
してマロニーちゃんは、あわよくば世界の覇権を握ろうという野望があった。
が、しかし。 EDFの登場でカールスラントもガリアも解放された。 この実績、それを可能にした技術力や実力は上層部も認めるところにある。 実に面白くない。 これではEDFに覇権を奪われてしまう。
焦ったマロニーちゃんは、計画を前倒しにして、たった1機のみで実験運用開始した。
正史だと勿論違う。
501の宮藤軍曹がウィッチ型ネウロイと出会ったり、ウォーロックを見たりと、マロニーちゃんに都合の悪い事が起きた。
マロニーちゃんは宮藤が独断で動いた件を理由に501を解散させてしまう。 宮藤は命令違反等もあり、不名誉除隊の扱いに。 そこからは501のメンバーがバラバラになるのだが……というのが大雑把な流れだ。
この作中では、そんな悲しい事は起きていない。 代わりにスカウトがマロニーちゃんを遠くから監視。 これはカールスラント組がやっていた事に似ている。
ボロが出たら、もしくは隙があれば基地に突入、逮捕する計画なのだ。
「こちらスカウト。 基地から1つの飛翔体を確認。 例の戦闘機……ウォーロックの実験を開始したのかと思われます」
『こちら本部。 了解した、引き続き監視を続行せよ』
「了解」
さて。 そのたった1機のウォーロック。
歴史の修正力なのか、制御が不可能になり暴走。
「なにか様子が変だ……赤く光った!」
「基地を攻撃したぞ!?」
なんと501基地をビーム攻撃。 敷地の一部が吹き飛ぶ。 挙句に近くを航行中の扶桑海軍空母【赤城】にもビーム攻撃をする大惨事が発生。
「本部! 本部! 非常事態発生! ウォーロックが暴走! 基地を攻撃した! 近くを航行中の扶桑海軍空母、赤城にも攻撃!」
『なんだと!?』
遠く海の方。 赤城の脇腹で大きな水柱が立ち上がり、船体が大きく揺れている。
直撃こそ免れたが、耐ネウロイ装甲ではない。 旋回して戻ってくれば、飛行甲板なんて簡単に貫かれる。
次こそ撃沈させられる。 待っているのは海の藻屑。 そんな危険が差し迫っていた。
「味方じゃ なかったのかよ!」
「ビームだと? ネウロイなのか!?」
「なんなんだアイツは!」
「速いぞ!? なんて動きだ!」
歴戦のEDF隊員、それも多くのバケモノを観察してきたスカウトすら、その戦闘能力の高さに驚いた。
戦う羽目になれば、PA-11しか所持していない偵察部隊なんて瞬殺だ。
『こちら本部! バックアップチーム【Storm2】を投入する! スカウトは先行して基地に突入しろ! 第1特殊強襲部隊のマロニー空軍大将を拘束! 抵抗するようなら射殺を許可する!』
「スカウト了解ッ!」
「偵察部隊の仕事じゃない!」
「仕方ないだろう、人手不足なんだ! その分、仕事は増えるに決まってる!」
「この世界に来てから働きっぱなしだ。 次の休暇は いつ貰えるんだ?」
「文句言うな! 【Storm2】が来てくれるぶん、ありがたいと思え!」
「了解!」
EDFの軍用バイク【フリージャー】に跨り、基地へ急行するスカウト。 上空ではウォーロックがビームを乱射。 いくつかはスカウトの周囲に着弾して砂塵が舞うも、突き破り なんとか進む。
「くそっ、砂が口に入った!」
「直撃しなかっただけマシだ!」
「だが俺たちも危険だぞ」
再びビームが着弾。 フリージャーがよろけるも、素早く姿勢を立て直す。
普通なら横転してもおかしくないが、この隊員らは使い慣れているようだ。 しかし、いつ被弾するか分からない。 狙われたらアウトだ。
「後方にいるウィッチの曹長ちゃん、軍曹ちゃんを呼ぶ!」
「あの2人で対処出来るヤツじゃない!」
「偵察機代わりの子らか!」
「軽装だぞ!?」
「時間稼ぎにはなる! 本部にも連絡する!」
地面がデコボコしている中、上手く姿勢制御しつつ無線を再度飛ばすスカウト。
「本部! ウォーロックが暴れて危険だ! 対応する部隊を要請する!」
『既に向かわせている。 お前達は構わず基地へ向かえ』
どうやら本部も承知し、対処部隊を用意していたらしい。 この本部は多分有能。
「了解」
無線を続けながら、大地を駆け抜けるフリージャーバイク群。
軍用バイクなので出力も高く、装甲も施されている。 ウォーロックは強敵だが、なんとか撒けるチカラは持っていた。
「基地に突入したら、なりふり構わず司令室を目指すぞ! 陸戦隊、憲兵などの防衛隊が出しゃばってきたら蹴散らす! 第1特殊強襲部隊も同様だ!」
「イエッサー!」
「EDFッ!」
スカウトが501基地へ向かう中。 南の島にいるStorm1達は というと…………。
「で、俺たちはヘリ移動ですか」
南の島から飛び立つ2機のヘリコプター。 EDFの最終作戦仕様大型武装ヘリ【HU04ブルートSA9】だ。 パイロットは勿論、EDF隊員のストーム・1と只野二等兵である。
背後の搭乗スペースには、501のメンバーが缶詰状態。 輸送ヘリじゃないので仕方ないが、ユニットや武装を載せたので狭苦しい。 今、中でメンバーの声が飛び交っている。
「ヘリコプターとやらに初めて乗ったけど! お陰で大嫌いになりそうだ!」
「ちょっと誰だ! 私の お尻触ったヤツ!」
「ごめんなさいエイラ」
「サーニャ!? サーニャなら、い、良いんダナ」
「うぅ〜、狭いよシャーリー!」
「少しの辛抱さ」
「皆で、おしくらまんじゅう をする日が来るなんて」
「お前たち! 静かにせんか!」
「坂本少佐の仰る通りですわ!」
「ストームさん、只野さん。 ごめんなさいね」
騒がしい荷物。 叱る坂本。 謝るミーナ。
これも現場までの辛抱だ。 とはいえ、EDF側が振り回している部分もあるので申し訳なく口にする只野とワンちゃん。
「気にしないで下さい」
「謝るのは寧ろ此方だ」
尚も青空をオーバーテクノロジーが飛ぶ。
こうなったのも、マロニーちゃんとウォーロックの所為だ。
元々、それら対処の為のバックアップであるから、使われるのは仕方ない。 だが、なるべくなら起きて欲しくなかった事態。
そんなワケで突然、501基地近海で暴れている新兵器ウォーロックを撃墜せよと命令を受け、島を離陸した御一行。
現場の501基地近辺まで距離がある。 島から出撃するので空路を使うのだが、ウィッチの飛行ユニットを使用しても魔力切れで辿り着けないか、着いても戦闘可能時間が僅かだ。 2人のEDF隊員に関しては歩兵である。 空は飛べない。 仮にウィングダイバーでも飛行可能時間的に 言わずもがな。
そこで要請されたのがヘリコプターのHU04ブルートSA9。 輸送ヘリ代わりという訳だ。 11人を2組に分けて凄い無理矢理詰め込んで運んでいる。
ヘリ自体は、それでも機動力の低下は大きく起きなかった(元々悪いが)。 ドーントレスSA重機関砲という大砲みたいな機関砲を左右に付け、加えて重装甲だ。 空の要塞と言われるだけありパワーは凄い。
そんでこれ、レンジャーの只野が要請した。 といってもストーム・1……ワンちゃんから発煙筒を貰って、代わりに投げただけだが。
「なんで俺が要請を。 ストーム隊長で良くないですか?」
「俺じゃ【N9エウロス】系以外のヘリを要請する許可が下りない。 だから、お前に頼んだ」
「発煙筒を渡しただけじゃないですか」
「気にするな。 EDFの良く分からん決まり事さ」
「はぁ」
無線で会話しつつ、並列して空飛ぶ要塞。 コックピットで只野は首を傾げるも、操縦桿を握り直した。
メタい事を言えば、EDF5の要請問題だ。 ビークルの要請はエアレイダーとレンジャーの2種兵科が行えるのだが、それぞれにしか要請出来ないビークルがある。 ブルート系はそのひとつ、という事だ。
「ヘリコプター。 垂直離着陸可能な航空機、か。 輸送機ノーブルという機体もそうだったが滑走路がいらない分、様々な場所で運用出来そうだな」
「でもこれ、そんなに早くないよー?」
「それでもだ。 魔力を消費せず、人員や物資を運べる。 それも場所を選ばない」
バルクホルンとハルトマンが狭い中で言う。 場所を全く選ばないワケじゃないが、滑走路を必要としないぶん、運用の幅は広いだろう。
「すまないな お客さん方」
「げっ、聞こえてた?」
「まぁな。 EDFの無線は優秀だろ?」
「そうだね、あはは……余計な事は言えないな」
「とにかく急ぐ。 行くぞ只野」
「了解です!」
バリバリバリと、異界のローター音が空に響く。 到着まで少し掛かるが、スカウト達だけで持ち堪えられるのか……!?
501基地周辺空域
「新しいユニット! 新しい武器! 連合の新兵器なんて倒してやります!」
そう意気込むは空飛ぶ軍曹ちゃん。 手にはレンジャーの武器【M1レイヴン】アサルトライフルが握られている。 PA-11より小型で、縦グリップが付けられている。 取り回しは良さそうだが、ウォーロックに有効なのだろうか?
そんな軍曹ちゃん。 スカウトのバックアップとして、曹長ちゃんと共に501基地周辺空域で待機していたのだが、出番がやってきた。
先発隊のスカウトから、ウォーロックという新兵器を足止めするよう言われたのだ。
後から来るという、もうひとりの軍曹さんの為にも、何より只野さんの役に立ちたいと やる気である。
「軍曹、先ず相手の出方を見ないと危険だ」
「曹長さん、EDFの兵器は強いんです。 ゴーグルも貰いましたし、きっと大丈夫ですよ!」
ゴーグルを人指し指でコンコンと叩いてみせる軍曹ちゃん。 半透明で、ワイドが横に広い。 スキーゴーグルのような見た目だ。
これでEDFの隊員達に見えている機能を軍曹ちゃん達も使えるように。
センサーや照準、武器残弾等が表示される事で戦い易くなった。
「装備に頼りきるな」
「訓練もしてきましたから。 【ウィングダイバー】のお姉さんにも教わった機動もありますし、ユニットもEDFの部品が使われてます。 お陰で魔力消費を抑えつつ、機動力が向上しました!」
曹長ちゃんの心配をよそに、ウィングダイバーのような機動……ブーストによる加速や、空中ローリングのような、素早く態勢を立て直すクイックリカバリーの機動をして見せる。
「ほら! 今までのユニットじゃ、ここまで出来ませんでした。 でも、これなら どんな敵が来ても勝てそうです!」
「そういった慢心が、命を落とす事に繋がるんだ! 気を引き締めろ!」
「了解ですッ」
曹長ちゃんが一喝、返事をする軍曹ちゃんだが。 ニヤついた表情から、浮かれているのは明らかだ。
この状況は危険だ。 EDF製の武器を持たされているとはいえ、軽装である。
渡されたM1レイヴンは新型と聞いているが、あくまでPA-11と比べたらの話。 ソレを直接言われてはいないが、曹長ちゃんは何となく分かる。
EDFの武器レベルには、もっと上がある。
して、これは"旧式"アサルトライフルだ。
EDFは物資が潤沢そうで、そうじゃない部分もある。 新兵器などがそうだ。
歩行システムが壊れたニクス等を修理施設に送らず、トラックの荷台に乗せて砲台として再利用しようと したくらいだ。 新兵器を開発する余裕が無ければ、修理する設備もないのだろう。
いや。 あるとしても数が足りていない。 道具も部品も、なにより人も。
なら、偵察任務に代えの効き難い、数が多くないだろう新兵器を渡すだろうか?
EDFは兵士を使い捨ての駒にしない組織。 もしそうだとしても、苦渋の決断の末だ。
それは何となく、曹長ちゃんは肌に感じている。 だが懐事情はある。 それを否定する気はないが、死ぬ気はない。
曹長ちゃんは、最悪は自分が盾になってでも軍曹や皆を守ろうと覚悟する。 して、ゴーグルに映るセンサー反応から声を出した。
「まもなく戦闘になる。 私の後に続け!」
「了解ッ!」
敵より高度を上げ、一撃離脱戦法を取ろうとする2人。
だが、ウォーロックは そこらのネウロイとは違うという事に、この時の2人はまだ知らない…………。
ブリタニア周辺空域
レンジャー4人組は、本部の命令により武装ヘリHU04ブルートSA9で移動していた。
彼等が考えた移動方法はStorm1と一緒のようだ。 だが、こちらは左右のドーントレス重機関砲を隊員が操作している。 迎撃態勢は整っていた。
「万が一、ウォーロックとやらが向かってきたら、直ちにドーントレスで迎撃しろ」
「「了解」」
隊長兼パイロットの"軍曹"が指示を出し、彼の部下が了解した。
センサーを厳とし、ガンナーも目視で周囲を見回して警戒する。
「つってもよぉ、ヘリで空中戦はキツイだろ!」
部下のひとりが、ぶっきらぼうに言う。 対して他の2人が宥めるように言った。
「移動中だからな。 他にどうしようもない」
「抵抗出来るだけマシです」
「まっ、しょうがねぇ。 その時は その時か」
考えても仕方ないと、再び銃座に集中する部下達。
ヘリの機関砲で空中戦は難しい。 ドーントレス重機関砲の旋回能力、連射能力は低く、素早く空中で動き回る航空機類を撃墜するのは困難だからだ。 射角等の制限もある。
だが数々の死線を潜り抜けた優秀な隊員らである。 特にこの者達は【かの者】を倒すのに一役かった者達。 襲われても何とかするし、きっと生き延びる。
そんな彼等はStorm2。 EDF隊員の多くは知っている精鋭部隊。 通称軍曹チーム。 レンジャー兵科の部隊だ。
チームリーダーの軍曹と、3人の部下から構成される。 装備は部下3人はスタンダードなPA-11であるのに対し、軍曹は【ブレイザー】と呼ばれるレーザー銃を使う。
これは山を一瞬で消滅させる高圧エネルギーを生成、照射する原子光線砲【EMC】の約10〜12%の出力を持つ。 ネウロイのビームよりヤバいんじゃないか。
さて。 EDF隊員なら【Storm】を知っている方は多いだろう。 EDF伝説の遊撃部隊だから。
EDFシリーズに出てくるchord nameであるが、EDF5のStormは、4つの部隊(或いは個人)で分ける事ができる。 Storm2は、そのひとつに当たる。
チームリーダーの軍曹の持つブレイザーは強力だが、彼本人もまた、能力の高い隊員。 洞察力に優れており敵の攻撃パターンや弱点、それらに対する攻略法を確立させてきた。
開戦から5ヶ月程経ち、撃墜方法が未だ分からなかったテレポーションシップを撃墜する事に成功させ、戦術的な行動を見せるエイリアン歩兵部隊の癖から、戦術の講義を行ったりしてきた。
また、民間人時代のStorm1を助け、入隊した後も度々作戦を共にしてきた。 恐らく1番、Storm1と関わりの深いチームである。
「基地に近付いたな。 センサー反応も近い。 間も無く戦闘になる。 戦闘用意!」
「イエッサー!」「EDFッ!」「やってやりますよ!」
基地に近くなる。 直接降りられそうなら降りるし、司令室を狙えるなら狙う。
ウォーロックが邪魔するなら戦うだけだ。 作戦行動中に怪生物アーケルスが乱入する事もあった様に、臨機応変に対応すれば良い。 いつも通りだ。
「むっ!」
してEDFの呪いが発動する。
センサー上で、高速接近する物体を確認。 間違いない。 ウォーロックだ。
「きたぞ! 12時方向、迎撃だ!」
「さっそくお出ましか!」
「チクショウ! 来るんじゃねぇよ!」
「撃ちます!」
直ぐに進行方向に2つのドーントレス重機関砲が向けられた。 既に目視で確認出来る程に接近されており、直ぐに部下がトリガーを引く。
「このぉ!」
「堕ちやがれ!」
ドゴンドゴンドゴンッ、と最早大砲を連発した重撃音が空気を揺るがし、世界を響かせる。
だが、変態機動を取れるウォーロックは空中で急停止、急上昇。 アッサリと弾幕を回避した。 ウィングダイバーもビックリの機動力。
「ナニィッ!?」
「なんて ふざけた運動性能だ!?」
「しまった! 上を取られた!」
ヘリの上を取り、ビームを撃ち下ろすウォーロック。 軍曹は直ぐに操縦桿を倒して回避するが、ブルートは機動力が低い。 ビームが脇腹を擦り、装甲が融解。 警報が機内に鳴り響く。
「ブルートの重装甲が一瞬で!?」
「マジかよ!」
「ヤツより高度を上げましょう!」
「駄目だ! 狙い撃ちされるだけだ!」
真上で射角が取れず、逃げるだけになるブルート。 そんな相手にも、ウォーロックは容赦なくビームを乱射する。
「このままでは……!」
そんな時。 ウォーロックより高い高度から、2つの影が急降下。
「"軍曹"! 今だ撃ちまくれッ!」
「了解ですッ!」
可愛い2つの声が無線越しに響き。
次の瞬間。 空から銃撃の雨が降り、ウォーロックに着弾、無数の火花が散る!
「噂のウィッチか!」
「軍曹! 空から女の子が!」
「もうひとりの"軍曹"か。 しかし若すぎないか?」
「ケモノ耳に尻尾? 何故パンツ丸出しなんだ」
驚くStorm2の面々。 突然の事だったが、ありがたい。
「こちらStorm2。 救援感謝する!」
「こちらスカウトウィッチの曹長だ! 感謝はコイツを倒してからだ!」
曹長が叫ぶ。 戦況は思わしくない。
ウォーロックに弾は当たりはしたが、M1レイヴンは連射性能は高いものの、軽量弾。 距離による威力減衰、命中しても弾丸の性質からか対してダメージを与えられていなかった。
その証拠に、ウォーロックは機動力が高いまま、海の方へと逃げていく。
「そのようだな」
軍曹は、コックピットの窓から去り行くウォーロックを見る。
アーケルスのように、通常弾が効かないとかEMCやバルガじゃなきゃ倒せないワケではなさそうではある。
「逃げられましたね」
「惜しいな、もう少しだったのに!」
「いや、あの機動力の高さを維持している事から、見逃されたと見るべきだな」
部下達が口々に言う。
ヤツは高速で飛び回る。 EDF陸軍歩兵隊も幾度となく空飛ぶ敵、強敵を倒してきたが、アレは簡単には倒せない。
そう考えていると。 "ウィッチの軍曹"が声を掛けてくる。 コックピットの軍曹に向けて手を振って。
「初めまして。 私もスカウトウィッチの軍曹です」
「そうか。 俺も軍曹だ、共に戦おう」
2人の軍曹が簡単な挨拶をする。
互いに無線越し、ガラス越しながら敬礼を交わした。 妙な出会いというか、偶然というか。
だが今はゆっくり話していられない。 それぞれ与えられた任務を遂行するべく行動を再開。
「俺達は501基地に向かったスカウトの援護に向かう。 君たちは どうする?」
「ウォーロックを追撃します」
「分かった。 無理はするなよ」
「"軍曹さん"も」
そうして別れるそれぞれの軍曹。 互いに武運を祈りつつ、再度 空を飛ぶ。
早く事態を収拾せねば。先行したスカウトは守備隊と悶着しており、ウォーロックは扶桑海軍空母赤城の方へ再び向かってしまった。
特に赤城がピンチだった。 護衛艦やウィッチがおらず、発艦した航空機も瞬時に悉く撃墜されてしまったのだから…………。
して、赤城を救う為に。
あの潜水艦が浮上する事に発展する……。
501基地近海
《発艦した戦闘機隊、全滅!》
《速すぎて機銃が当たらない!》
《狙うな! 弾幕を張れ!》
《赤城の機銃だけでは……!》
《弱音を吐くな! それでも扶桑男児か!》
《扶桑海軍の意地を見せろッ!》
扶桑海軍の空母、赤城は今、沈没寸前まで追い込まれている。
ビームが掠り、その箇所から浸水や火災が発生。 傾斜角がついて傾きつつある。
飛行甲板は大規模な火災発生。 消化班が必死に消し止めているが、収まらない。
その甲板の左右に飛び出る様に備わる対空機銃で、扶桑軍人が撃ちまくっているが、ウォーロックに当たらない。 当たっても、あまり効果が認められなかった。
「艦長。 どうされますか」
「戦闘機隊は全滅、援軍は間に合いそうにない。 やむを得まい」
艦長が帽子を深く被り直す。
退艦命令を下そうとした、まさにその時。
「な、なんだアレは!?」
赤城の側で、突如として巨大な島が浮き上がった。 大きな波が立ち、赤城が揺れ動く。
これは……よく見ると巨大な舟、潜水艦だ!
「せ、潜水艦浮上! 所属不明!」
「ネウロイじゃないよな?」
「で、デケェ……! まるで島だ……!!」
戦闘中であるが、あまりの出来事、スケールのデカさに硬直する搭乗員たち。
表面には大きな字で【EDF】とあった。
「いーでぃえふ?」
「半舷上陸の時、聞いたことがあるぞ……! 欧州を救った、謎の軍隊の噂を!」
すぐにその島。 いや、潜水艦の表面にある多くのハッチが開口。
数多の機銃、主砲のレクイエム砲、副砲、レールガン、ミサイルハッチオープン、滑走路となった表面装甲……飛行甲板からEDFの戦闘爆撃機KM6が次々と飛びだしていく。
して、準備が整ったと言わんばかりに、潜水艦から無線が入ってきた。 渋く、歴戦の艦長の声だった。
『こちら潜水母艦エピメテウス! 浮上した!』
そう。
それは全地球防衛機構海軍……EDFの潜水艦にして、3隻中、唯一1隻のみ生き延びた人類の切り札。
【潜水母艦エピメテウス】である。
不勉強なのと、妄想が加わりカオスな展開? に。
間違えている部分があれば指摘してくれると嬉しいです。
エピメテウスの大きさや武装は妄想です。
潜水母艦と無線でも言っていたと思いますが、潜水艦のイメージ通りなのか潜水……潜航、浮上をするようですね。 あとライオニックミサイルというのを撃ってくれます。
どんな形なんでしょうかね……撃沈してしまった2隻と同等なのか否か。
それはそうと今後、どうなるのか……。