Witch Defense Forces(WDF)(完結) 作:ハヤモ
味方は多い。
連帯して敵を倒せ。
備考:
空軍、海軍、陸軍。 それぞれの戦場、任務を遂行する。
間違いがあるかも……。
アニメの 静香、応答せよ の話ですかね……マザーシップからのビーム砲撃を彷彿とさせるシーンがありましたね。
コメントでもEDFが出ていて、テンション上がりました(殴。
501基地近海
《耐圧壁開け!》
突如として浮上したEDFの潜水母艦エピメテウス。 自己紹介のアナウンスが響くと、すぐさま対空戦闘が行われる。
《赤城を攻撃している敵性航空機【ウォーロック】を撃墜する! 対空戦闘! 使える武装は全て使え! 出し惜しみはナシだ!》
《了解!》
《全銃座解放!》
《全砲門開け!》
《対空防御弾幕!》
《エリア防空!》
島のように大きな潜水艦表面に備わる沢山の対空機銃、対空砲から一斉に閃光が瞬いた!
ハリネズミのように四方八方へ弾幕が張られ、空中でボンボンボンッと砲弾の信管作動、爆発。 堪らずウォーロックは赤城から離れていく。
「なんて弾幕だ!」
「潜水艦がこんなに……!」
驚く扶桑海軍。
そして離れた事でミサイルの攻撃が可能に。 エピメテウスの戦闘指揮所(CIC)にいる隊員達は間髪入れず、攻撃入力!
画面を見る目の動き、キーボード等に情報を入力する手の動きは洗練され一切の無駄がない!
《目標、連合軍新兵器ウォーロック》
《攻撃準備始め》
《ライオニックミサイル35standby!》
《lock-on!》
《射線方向クリア》
《用意よし》
《全弾発射しろ!》
《撃てッ!》
潜水艦両脇のミサイルハッチから、35発ものライオニックミサイルが発射!
《全弾の発射を完了》
「潜水艦から煙が!」
「被弾したのか!?」
「いや、何かが発射されたんだ!」
「ロケット弾か!?」
「凄いぞ! 敵を追跡している!」
空中を飛ぶウォーロックを執拗に追いかけ回すが、ウォーロックはビームを発射して多くのミサイルを空中で爆発させた。
《攻撃効果ナシ》
《ミサイルを迎撃されました!》
《35発中、29発空中爆発! 6発ターゲットロスト!》
《自爆しますか?》
《構わん! そのまま飛翔させろ!》
何発かのミサイルは無事だったが、ウォーロックに命中する直前、高機動で回避されてしまい、明後日の方向へ飛んでいってしまった。
「そんな……! ロケット弾が!」
「落としやがった!」
「何発かは無事だったが、違う方向に飛んでしまったな」
「いや待て! 他にも何かが来るぞ!」
「航空機か!」
「速い! なんて速度だ!」
「ジェット機だ!」
だが、ミサイルに気を取られている間に接近した艦載機KM6戦闘爆撃機隊が機銃を撃ちまくる!
《全機突入ッ!》
《機銃掃射、開始ィッ!》
《堕ちやがれッ!!》
逃げ場がない、全面への機銃掃射!
背後からの奇襲もあり、高機動を持ってしても避けきれず、何発も背後に被弾するウォーロック!
「うおおおおお!」
「やったか!?」
「いや、まだ飛んでいるぞ!」
「くっ! しぶとい!」
「頑張れEDF!」
「頑張ってくれー!」
「ヤツを倒せッ!」
「「EDFッ! EDFッッ!!」」
いつのまにかEDFを応援し始める扶桑海軍。
そんな中、ウォーロックは火花と爆煙を出しつつ、まだ戦えるとビームを発射。 KM6は散開して素早く回避。
《回避!》
《散開ッ!》
《悪足掻きだ!》
《空軍を、海軍を舐めるなぁッ!!》
《大きく弧を描いた後、アプローチする! その間は母艦に任せるぞ!》
《了解!》
一撃離脱。 KM6は散開し、ウォーロックの脇を音速で通り抜け、一度地平線へと退避していく。
《第1番機銃から第25番機銃は直接狙え!》
《砲手は撃て!》
《レールガン、よぉく狙えよ!》
《主砲、レクイエム砲! 照準合わせー!》
《陸軍とは違う、本場のレクイエム砲を見せてやるぜッ!》
《撃ちーかた よーい!》
その間にも、対空砲火で動きの鈍ったウォーロックを攻撃。 怯んでいる間にエピメテウス艦長は赤城に無線を送る。
《赤城、聞こえるか? こちらエピメテウス艦長。 航行可能であれば戦闘海域から離脱せよ》
突然の出来事と無線に動揺するも、そこは指揮を執る者。
すぐに対応したやり取りを交わし、行動に移していく。
「すまない、直ちに当海域から離脱する」
赤城は満身創痍で よろよろと遅く、だけどなんとか自力航行で離れていった。
幸いにもウォーロックは赤城を攻撃しに行かなかったが、代わりにエピメテウスを海の藻屑にせんとビームを狂乱射。
《うおっ!?》
《ご乱心だ!》
《それだけ追い詰めたって事よ!》
エピメテウスの周囲で水柱が無数に上がる。 ただ照準は合っておらず、直撃は免れた。
《うおおおっ!?》
《掠りやがった!》
《確認しろ!》
それでも擦り傷は負ってしまう。 後尾で装甲融解、浸水発生!
《第4ブロック被弾ッ!》
《浸水発生!》
《ダメージコントロールッ!》
《対空弾幕、もっと張るんだ!》
《ダメコン急げ!》
《排水急げ!》
《ウォールフィルム処理急げ!》
大きく揺れる船内。 エピメテウスのダメージコントールは直ちの応急処理が必要と訴えた。
《こちら砲手! 第4ブロック、早く浸水止めろ! 照準がブレる!》
《ナノマシン・カプセルを撃ち込め早く!》
《第4ブロック誰かいないか!?》
急かす艦内放送。
第4ブロックでは濁流の中、EDF隊員が気合いと ど根性で損傷箇所に前進中。
「だぁー! 今やってんだろチクショウ!」
文句を言いつつ亀裂が見える所まで来ると、【リバースガン】を構えて修復カプセルを撃ち出した。
亀裂周囲でカプセルが破裂。 半透明の液体が亀裂を覆うと直ぐに硬化。
半透明の装甲で塞がり、浸水も止まる。 診断パネルでも確認、レッドからイエローに。
一時凌ぎだがコレで良い。
《コレで満足か!?》
《処理確認!》
《第4ブロック浸水止まりました!》
《よくやった!》
《礼に砲撃を見せてやるよ》
《ここからじゃ見えねぇよ馬鹿野郎》
軽口を言い合いながら、砲手が照準を合わせる。 砲身転回が軽やかなレールガンが1番槍を放つ!
《レールガン撃ちーかた始めー!》
やや軽やかな、しかし加速の磨きが掛かった鋭い弾丸が射出される!
この弾速をウォーロックは見切れない。 しかし砲口が向くのを確認し、横方向へ回避運動を取った事で片腕部分を破損させるのみに留まる。 撃墜ならず。
《目標中破!》
《トドメは任せろ!》
続く【レクイエム砲】。
重く大きな砲塔と砲身は、転回速度に難があったが、陸軍の重戦車【タイタン】に搭載されているモノよりデカく強い。
というのも、レクイエム砲は元々海軍関係である。 戦車に搭載させる為に砲身を短縮した経緯があり、そのせいで性能が低下したようだ。
だが"海軍"のエピメテウスに搭載されている主砲のレクイエム砲は"ガチ"だ。 初速も速い。
レクイエム砲は当たればビルをも吹き飛ばす威力!
当たればウォーロックは木っ端微塵だ!
《主砲レクイエム砲、撃ちーかた始めー!》
号令。 刹那!
ドゴォォォォォオオオオオンッッ!!!!!
空気を揺るがし、衝撃波が空を伝い、遠くの大地を震わせる大砲撃が炸裂ッ!
ウォーロックは巨大な爆炎に包まれ、世界の照度が一気に増す。
《やったか!?》
《どうだ!》
《攻撃効果を確認せよ!》
して爆炎が晴れる前。 モニター越しに、煙の中から僅かな赤い閃光が瞬く!
(むっ!?)
艦長は本能的危機感から命令を下した!
《急速潜航、面舵一杯ッ!》
《急速潜航、面舵いっぱーい!》
《全砲門、機銃収納!》
《発射管閉じろ!》
《ハッチ閉鎖!》
《耐圧壁閉鎖!》
《第4ブロックの者は直ちに退避!》
《対衝撃体勢!》
何故とは考えない。 故にと動く隊員。
弾かれた様に操作し、エピメテウスは全砲門、機銃を瞬時に収納。
一瞬にして海中へと身を潜める。 刹那。
ドゴォォォォォオオオオオンッッ!
爆煙の中から極太ビームが放たれた!
エピメテウスが浮かんでいた辺りに着水、今までの比じゃない水柱が摩天楼の如く上がる!
《ぐっ!?》
エピメテウスは、水中で何とか回避した。 このまま潜航していくが"沈む"んじゃないか不安になる。
《ダメージコントール!》
《異常ナシ!》
《装甲圧分析!》
《先程よりビーム出力が抑えられています。 見た目ほど大きな威力はありません》
《威力を下げる代わりに範囲を広げたか》
《レクイエム砲が……何故、無事だった》
《砲手が落ち込んでいます》
《あー……元気出せ》
エピメテウスは潜航しつつ、次の手を考える。 レクイエム砲は確かに当てた。
なのに倒せなかった。 機銃を喰らってダメージを与えられる相手にも関わらず、である。
(エイリアン連中の金色装甲じゃあるまい。 横や背面からの攻撃は受け付けた。 今のは正面。 正面では効果がないのか?)
考えていると。
センサーに味方反応。
《航空ウィッチ2認む》
《敵味方識別装置確認》
《所属EDFスカウト》
《真っ直ぐウォーロックに飛んでいきます》
《なんだと?》
《おお。 噂の魔女か》
《10代の女の子が戦場に!?》
《可愛いな》
《本当にいたのか》
《脚の装置で飛んでいるのか》
《陸軍のウィングダイバーと違う》
《なんで けもの耳に尻尾が生える?》
《パンツ丸見えだぞ》
《ズボンは?》
潜望鏡を上げて確認。 そこにはウィッチの後姿。 けもの耳に尻尾。 上は軍服なれど下半身はパンツ丸見えの少女が映る。
(いかん! ウォーロックに正攻法は危険だ!)
何度見ても不思議に思うがしかし、それどころではない。
《無線繋がります》
《繋げ!》
《繋ぎます》
少女の身を案じ、無線を繋ぐエピメテウス。
潜水しつつも声を掛けた。
《こちらEDF潜水母艦エピメテウス! スカウトウィッチ聞こえるか?》
「わ、わわっ! 突然無線が!」
「EDFの潜水艦?」
《ウォーロックに正面から挑むのは危険だ! ここは我々に任せ、諸君は退避されたし!》
「大丈夫です! 曹長さん、行きましょう!」
「おい待て軍曹ッ! くそっ!」
《ウォーロック正面に出ます!?》
《敵射程圏内ッ!》
《よせ! 引き返さんか!?》
《ダメです! 行ってしまいます!》
注意喚起も虚しく、吶喊してしまう軍曹ちゃん。 後に続く曹長ちゃん。
(恐らく撃墜されてしまう! 先手を打たなければ!)
エピメテウスは直ぐに潜望鏡を引っ込ませ、再び浮上準備に入る。
《ウォーロック背面に浮上!》
《ヤツは正面からの攻撃を受け付けない!》
《奇襲を掛け撃墜する!》
《浮上後、飛行甲板は救難活動に当てよ!》
《救命ランチ、下ろし方よーい!》
《機関最大船速!》
《ヨーソロー!》
潜水した状態で、その巨体は海中を進む。
ウォーロックに対潜能力があるか不明だが、今のところ発見された様子はない。
闇雲に海面にビームを乱射している乱射魔と化しているが、全て当てずっぽう。
1発とてエピメテウスの側ですらなかった。
《発見された様子はありません》
《よし。 このまま潜航、背面に出るぞ》
だが予断を許さない。 吶喊した2人が気掛かりだ。 再攻撃準備中のKM6に連絡を取る。
《KM6! スカウトウィッチがウォーロックに立ち向かってしまった! 注意せよ!》
《ナニィ!? センサーに反応があると思ったら噂の魔女か!》
《退避するように言ってくれ!》
《こちらからの攻撃の邪魔だ!》
《無視された》
《マジかよ》
呆れと驚愕が混ざる。 EDF隊員の中には人の事を言えない者もいるが。
501JFWなら軍規違反、謹慎しまくるヤツもいるし。 ハルトマンとか宮藤とか。 命令違反上等。
《手のかかるお嬢さんだなオイ!》
《彼女らより先に攻撃、撃墜せよ》
《無茶言うな!》
《ミサイルなんか撃ったら、可愛い女の子まで木っ端微塵だぜ!》
《機銃だって巻き込むかも知れねぇ!》
《そちらからも呼びかけてくれ》
《ちっ。 しゃーねぇな!》
だが今は良くない。 今の戦闘爆撃機隊にとってもウィッチは迷惑だった。
連帯が取れていない、予定の無い事をされると皆が大変なのだ。
へ? Storm1(プレイヤー)は良いのかって?
遊撃部隊だから良いんだよ(言い訳)。
《こちらKM6。 お転婆娘よ、聞こえるか?》
「わっ! また無線が!」
《退避しろ。 EDFに任せとけ》
「私だって仮にもEDFです!」
《スカウトだろーがって、おい!》
《ちっ! 無線を切りやがった!》
《馬鹿野郎!》
《野郎じゃねえだろ》
《じゃあウィッチならぬビッチだ》
独断専行され、少女に対しても容赦なく侮辱するパイロット。
だが戦場とは常に不測の事態が起こり得る。 EDFなんて特にそうだ。 今まで何度酷い目に遭ってきた事か。
《フルスロットル!》
《一気に接近、機銃掃射でウォーロックを叩き落とす》
《手のかかるお嬢さん方を救出する》
《間違っても女に弾を当てるな》
《ぶっとい棒(ミサイル)も禁止だ》
《下ネタかよ》
《私語は慎め! ガチでやるぞ!》
《了解!》
速度を上げ、ウォーロックにアプローチをかける戦闘爆撃機隊。
大切なのは対応の仕方だ。 足掻いて今日まで生き延びてきた。 1940年代の西暦異世界でくたばる気は毛頭ない。
《戦闘爆撃機隊、速度を上げました!》
《会敵予想時刻修正!》
《ウィッチとの誤差は!?》
《ウィッチの方が先です!》
《間に合わん!》
艦長は逡巡する。 ここで浮上、本艦を危険に晒してでも攻撃するか。
幼い少女の命と乗組員の命、エピメテウスへの被害を天秤に掛ける。 どちらを選んでも皆は恨まないだろう。 言ってしまえば浮上しないのが正解かも知れない。
人類の……EDFの切り札をここで損傷させてでも少女を助けるメリットは無い。
だが、それでも。
《エピメテウス浮上! 攻撃準備にかかれ!》
艦長は助ける方を選んだ。
初老の彼もまた、EDF隊員だったから。
《りょーかいッ!》
《浮上します!》
《被弾覚悟!》
《ダメコンスタンバっとけ!》
《ウィッチを守るぞ!》
《絶対だ!》
士気が上がる乗組員達。 若い声に釣られて、艦長は口角が上がってしまう。
(わしも歳だな)
エピメテウス浮上。
ウォーロック背後ではなく、正面に出る。
帽子を被りなおし、改めて戦闘指揮を執る。
《間違っても味方に当てるな。 注意を此方に向けさせられれば良い! 対空戦闘始め!》
《了解!》
《撃って撃って撃ちまくれ!》
《救命ランチ、下ろし方始めー!》
再び武装展開、機銃が、砲弾がウォーロックを撃ち始める。 同時に救命ボートが海に投げ出されて浮かんでは離れる。
ウォーロックは、向かって来ていたウィッチを攻撃しようとしていたが、脅威である大物を潰そうとしたのか。
思惑通りエピメテウスに攻撃を開始。 ウィッチの軍曹ちゃん達は無視した。
正面にナニか秘密があるのか。 今度は避けもせず真っ向から砲弾を受けつつビームを撃っている。 全くよろけもしない。
(布石は打った、勝算はある。 正面の秘密は分からんが、あのエアレイダー、Storm1が来る)
よく見ると、ウォーロックに直接砲弾が当たっていない。 手前で火花、爆発が起きていた。 見えないシールドでもあるのか。
一方、エピメテウス浮上に驚いているウィッチ……軍曹ちゃんに曹長ちゃん。 空から見ても、そのスケールに目を白黒させる。
「大きい島!? EDFの文字……これがエピメテウス!?」
「なんて大きさだ! 火力も凄まじい!」
「わ、私だって負けるかぁ!」
「馬鹿!? 味方の対空砲火の中に突っ込むヤツがいるか!」
負けじとウォーロックに突っ込む軍曹ちゃん。 止めようと追いかけ続ける曹長ちゃん。
エピメテウスの対空砲火エリアに突っ込むが、勇敢ではなく無謀である。
《攻撃中止!》
《撃ち方止め! 撃ち方止め!》
《ウィッチに当てるな!》
そして友軍誤射を避ける為、攻撃を止めてしまうエピメテウス。
それをチャンスだと、ウォーロックは大出力のビームを放とうとして、
《させるかぁ!》
ウォーロックの横腹に銃弾の川が流れた!
追いついた戦闘爆撃機隊による攻撃だ。
思わず回避行動、距離を取るウォーロック。
《チッ! ウィッチに当たらないよう照準をずらしたからな!》
《1発くらい当たっても良いのによ!》
《魔女っ子もビビって逃げれば良いのに!》
《とにかく再攻撃準備だ!》
《アプローチが間に合わないかも知れない》
《だからってのんびり飛んでいられるかよ》
再び地平線へと退避していく戦闘爆撃機隊。
ウィッチが かなり邪魔だったらしく、満足に攻撃出来なかった。
そんな お邪魔虫のウィッチ……軍曹ちゃんは、突撃しつつM1レイヴンによるフルオートを実行。
「私だって役に立つんだああッ!」
軽量弾が前方にバラまかれ、ウォーロック"正面"で火花が散り、よろけ、高度が下がる!
「やったぁ!」
倒したと油断して銃口をずらし、空中停止してしまう軍曹ちゃん。
だが、それがウォーロックの狙いだった。
EDFの攻撃が甘い理由はウィッチであり、この子は"重要"であり【潰すべき標的】と判断してしまったのだ。
ルーキーな行動、EDFの動き。
そこから刹那的に戦術を組み上げ、ウォーロックは勝った。 勝ってしまった。
「逃げるんだ軍曹ーッ!!」
《スカウトウィッチ回避せよッ!?》
鬼気迫る表情で曹長ちゃんが、艦長が叫ぶ。
ウォーロックは、それを合図にビームの閃光を煌めかせた。
「───え?」
曹長ちゃんを向いて、再びウォーロックに顔を向けた時。
目の前が真っ赤に染まる───。
「間に合えーッ!!」
決死の覚悟。 曹長ちゃんがEDF式飛行ユニットに全力の高圧で魔法力を流し込み、緊急出力発揮。
凄まじい加速力を生み出すと、そのまま軍曹ちゃんに体当たりして───。
曹長ちゃんが軍曹ちゃんの代わりに。
赤いビームに飲み込まれた。
「そ、曹長さあああんッッ!?」
吹き飛ばされ、叫び、海に落下する軍曹ちゃん。
シールドの魔力が無かったのか。 生身で巻き込まれた曹長ちゃんは黒焦げになり、ユニットから爆炎、黒煙を空に引きながら海へと落下した。
「あ、ああ……あぁ」
死んだ? 私のせいで。 たった一瞬で。
自分の招いた結果に、軍曹ちゃんはショックを受け意識を失くす。
堕ちていく2人の少女。 エピメテウス艦内は蜂の巣を突いたような大騒ぎとなる。
《いかん! 救命ランチ急げ!》
《救命処置だ最優先事項ッ!》《生体センサー反応消滅ッ!》《出血性ショックか!?》《馬鹿野郎諦めんなッ!》《まだ戻せる!》《回収するんだ急げ!》《心電図解析用意!》《心室細動検出急げッ!》《電気ショック準備ッ!》《チャージしとけッ!》《もうしてる!》《医療班スタンバイ!》《クリア!》《手術室用意ヨシッ!》《輸血パック十分か!?》《アドレナリン剤出しとけ!》《絶対死なすなッ!!》
動揺をするがしかし、歴戦のEDF隊員らだ。
どうするべきか分かっているし、何よりここは戦場。 戦闘中だ。
レールガン レクイエム砲 副砲 銃座 対空砲は全てヤツに向けられた。
(おのれウォーロック……ッ! 貴様は絶対に許さん!)
艦長はモニター越しに空中で鎮座するウォーロックを睨むと、命令を下す!
《撃ち落せェッ!!!!》
刹那。
ドゴォォォォォオオオオオンッッ!!!!!
ドゴォォォォォオオオオオンッッ!!!!!
ドゴォォォォォオオオオオンッッ!!!!!
エピメテウスの総火力が、ウォーロックに叩き込まれる!
世界を揺るがし、破壊し尽くすと言わんばかりのチカラが、たったひとつの標的に押し寄せる!
だがヤツは回避しつつビームを連射。
的確に砲弾を撃破し、防げない分は"正面"で受け止めた。
《攻撃効果認められず!》
《構わんッ! 爆炎が目眩しになる!》
《回収班、その間に急げッ!》
撃墜ならずとも、その辺は考えての攻撃。 完全に自暴自棄な攻撃にあらず。
この爆炎の防壁で、ウォーロックは弾頭の撃破に忙しく、終わっても爆炎越しに正確な射撃は困難。 その間に回収する算段だ。
《スカウトウィッチ2名の回収に成功!》
《艦内に収容しました!》
《よし! 急速潜航! 眩ますぞ!》
《KM6戦闘爆撃機隊へ! 本艦は潜航します、帰還座標は後に伝えます!》
《KM6了解ッ!》
《急速潜航、面舵一杯ッ!》
《急速潜航、面舵いっぱーい!》
《全砲門、機銃収納!》
《発射管閉じろ!》
《ハッチ閉鎖!》
《耐圧壁閉鎖!》
再び潜航、巨大な潜水艦は海中へ消えた。
爆炎越しにソレを認めたウォーロックは、消えた箇所周辺にビームを乱射。 やはり当たらない。 して、見えない敵に釘付けなままだ。
《……勝ったな》
艦長が力なく勝利宣言を言う。
スカウトウィッチ2名が重篤なのに、ナニを言っているのか。
乗組員達は度重なる心労で変になったのかと、失礼ながら思った時。
レーダー類を見ていた乗組員が叫ぶ!
《み、ミサイル ウォーロックに接近ッ!?》
全員が思わず外部モニターを見た!
《ライオニックミサイル6基ッ!》
《最初のヤツか!?》
なんと、最初に撃ったライオニックミサイルが延々と飛んで戻ってきた!
《───忘れ物だ、ウォーロック》
いつかの英雄の声が聞こえた、刹那。
ドゴォォォォォオオオオオンッッ!!
ウォーロックの無防備な背中に6基すべてのライオニックミサイルが命中!
ウォーロックの機体は粉々になり、破片を海へと落下させた。
《な、何が起きたんだ……?》
乗組員達は勝利を喜べず、呆然とモニターを見るばかり。
ターゲットロスト、遊んでしまったミサイルが戻る。 これはどういう事なのか。
《…………英雄が倒したんだ》
艦長が皆の為に説明をする。
やはりチカラなく、であるが。
《陸軍兵科エアレイダー。 遊撃部隊Storm leader。 chord name Storm-1》
言われて理解が早いか遅いか。
モニター及びセンサーに、2つのヘリと11人の空飛ぶウィッチの姿が映る。
して、再び無線が入るのだった。
《実際には お初にお目にかかるなエピメテウス》
無意識にモニターを操作、最大望遠。
ヘリのコックピットを見ると。
片方には一般的なレンジャー隊員。
もう片方はフルフェイスヘルメットに、無線機器類を身体に付けた兵士が。
片手には【ライオニックミサイル】の誘導ビーコン銃が握られていたのだった。
《こちらStorm-1。 ミサイルのプレゼントをありがとう。 危うく撃墜されるところだったよ》
やっと乗組員達は理解した。
ウォーロックは、英雄が倒したのだと。
色々突っ込みどころ満載かも。 それをいったら常に、がついてしまいそうですが。
WDFの話等、なんとなく構想を練りました。 でも、辿り着くまでメンタルや継続力が持つか心配……。