Witch Defense Forces(WDF)(完結)   作:ハヤモ

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作戦内容:
我が軍の奮闘虚しく防衛線は後退。
とうとう本部を設置しているベルリンにまで押し寄せました。
後退してきた残存部隊と、呼び戻した部隊で防衛線を再構築。
ベルリンの壁となり、これを迎え撃ちます。
備考:
ジークフリート線にいるStorm1の部隊は孤立状態、此方には来れそうにない。


44."ベルリンの壁"と"死神の横槍"

ネウロイの軍勢、帝政カールスラント首都ベルリンに総攻撃を開始す。

 

遂にネウロイは、EDF本部があるベルリンに攻勢を開始。

数で勝るネウロイは、未知のテクノロジーを食い尽くす怒涛の進撃を持ってしてカールスラントを本気で奪取せんとする。

対する数で劣るEDFは、高火力の弾幕を持ってして戦力を補い応えた。

各地で敗戦を繰り返してきたが、今日までかつてない絶望を経験、生き延びてきた精鋭の人類だ。

士気は多少は下がっていたが互いに鼓舞し、元連合軍の隊員も彼らに感化して雄叫びを上げる!

 

 

「EDFの技術はせかいいちぃいぃ! 出来ん事は無いぃいぃ!!」

「輸送ヘリから飛び降りろぉ! パラシュートなんて飾りよー!」

「あってもローターに巻き込まれるしなぁ!」

「陸路のヤツはローリングで移動だぁ!」

「道を廃車が塞いでる? 体当たりすれば吹き飛ぶナニも問題はない」

「輸送車にセントリーガンやら防御力が上がる装置とか攻撃力が上がる装置を取り付けるんだよアクしろよ」

「C70爆弾を取り付けて敵の群れに突っ込ませるんだよー!」

「設営隊が作った立体駐車場に入るんだ! そこは安置だ、無いならアパートの通路にでも篭るんだな!」

「隊長が勝手に先行する? なら峰打ちして指揮権を奪えば良いんだよ!!」

「建物にネウロイがハマったぞ!」

「待て、ソイツは最後まで 取っておけ。 その間に物資を集めて回るんだ」

「お前はナニを言っているんだ」

「ニクスがブラッカーを蹴り飛ばしたー!」

「こっちはフェンサーがスラスターで吹き飛ばしやがった!」

「道にいるのが悪いんだよ!」

「射線に出てくるな!」

「なんで前に出てくる!?」

「ビビリは背後でミサイル垂れ流せ!」

「エアトータスでも何でも良い!」

「隠れる遮蔽物が壊れるダルォ〜!?」

「空爆してくれ!」

「誘導兵がいない!」

「馬鹿野郎、ヘリから爆弾を落とすんだよ」

「正規軍を見習え! あのフェンサーなんて空を高起動で動き回ってるぞ!」

「戦車がドリフトしてるうううう!?」

「ヘリのローターの上で戦っているヤツもいる!」

「バイクのヤツは360度ターンしながら機銃を撃ちまくってるよ!」

「なんで元連合軍はタンクデサント出来るのに、EDF隊員は置いてかれるんだ!?」

「慣性の法則を無視してる!?」

「EDFのチカラってスゲー(錯乱)」

 

 

EDF隊員のやり方を真似するウィッチや元連合軍兵士達。

EDF式訓練を施され、狂気の戦法と思考をする哀れなモンスターと化していたが、それでもネウロイは強かった。

北部で孤立奮戦中のStorm1とStorm2も、挟み撃ちを受けて苦戦していると報告が上がる。

もはやEDFに投入戦力は殆ど無く、ネウロイにカールスラントを奪われるのも時間の問題となりつつあった。

 

 

 

 

 

◆ベルリン防衛線

 

ベルリン防衛隊全兵士が、とうとう交戦を開始。

戦力不足から一点に集中配備、正攻法をするしか無いEDFに対して、数にモノを言わせ猛攻撃をするネウロイの軍勢。

無数のビームが飛び交い、異界の弾丸が怪異を貫く。

戦況は不利、それでも戦時に養った戦闘能力で打撃を与えるEDF。

既に激闘の地、ベルリンでは叫び声や悲鳴が飛び交っており、無線を開けば混線状態だった。

 

 

「もっと弾幕を張れェッ!」

「くそっ! 【アイアンウォール作戦】を思い出すぜ!」

「ネウロイの攻撃が激しすぎるッ!」

「根性で押し返せッ!」

「EDFを、なめんじゃねェ! Storm1抜きでも守って見せらぁッ!」

「空軍が何機かやられた! 墜落してくる!」

「うわあああッ! こっち来るなー!?」

「避けろ!」

「無茶言うな!」

「祈っとけ!」

「空からもネウロイの軍勢!」

「空軍は劣勢か!」

「対空要員を寄越してくれッ!」

「そんな人員いねぇよ! 気合いで撃ち落せッ!」

「いつも通り陸軍歩兵隊か! 仕方ない!」

「エメロード 一斉射ッ!」

「テェッ!!」

《コールド1より補給部隊! 弾薬が切れそうだ、予備弾薬を用意してくれ!≫

《コールド2もだ!》

《了解しました!》

《こちらスカウト! 少数のネウロイが後方に回り込もうとしています! 遊撃部隊と推測されます!》

《無傷で通すな! 殲滅しろッ!》

《アイアンウォールの二の舞は御免だ!》

《ぐわぁッ! 腕が! 腕があああ!!》

《衛生兵ー!》

《こちらニクス3! 装甲融解! 銃身もやられた! 給弾不調、だ、脱出準備し……うわあああッッ!!ーープッ》

《どうした! 応答せよニクス3!》

《レンジャー2からの連絡も途絶ッ!》

《工兵隊前へ! 工兵隊前へーッ!》

《フェンサー部隊! シールド構えーッ!》

《ドーベル隊も前進! 歩兵を守れッ!》

《くそッ! 最初の頃より強すぎるッ!》

 

 

戦場での会話や無線では味方の怒号が飛び交っている。

しかし、ネウロイの攻勢は母体となる大型ネウロイによる火力支援を元に進撃してきており、ベルリン制圧に取りかかろうとしていた。

それに対抗すべく、EDFは正規隊員、元連合軍問わず、徹底抗戦を辞さない構えをとっていた。

ネウロイの動きは全てが統一されており、素人が見ても、付け焼刃となる連合軍との差は歴然であった。

もし東のユーラシア大陸、オラーシャにいるネウロイや西のロマーニャ地方のネウロイが転進してきたらと思うと震えが止まらないと、戦略情報部の少佐が本音を漏らす。

 

しかし、とある遊撃部隊だけは別の作戦を実行に移すため、密かに前線から離脱していた……。

 

 

 

 

 

◆ベルリン・高射砲塔要塞フラッグタワー

EDF作戦司令本部・司令官視線

 

 

「ぐっ! 予想以上の攻撃だな!」

 

 

私は今、屋上の高射砲座で戦っている。

理由? 本部を置くベルリンが最前線になったからだ。

ガリアに逃げれば良いと考える者もいるが、そんな事をしたらカールスラントは陥落だ。

銃声と砲撃の音がここまで聞こえてくる。

私も戦わねばならない。

だが大丈夫だ。

優秀な部下達がいる。 周りには今日まで生き延びた隊員もいる。

いざとなれば地下道から脱出すれば良い。 心配は無用だ。

それに、私は司令官である。 ビクビク後ろに籠っていれば、兵の士気がガタ落ちだ。

してStorm3、4に命令した『作戦』を完遂させるには、もっと敵の目をこちら側に向けさせねばならない。

私が直々に奴らの相手をしなければ。

 

 

「司令官! 危険です! 中にお戻り下さい!」

 

 

ミーナ中佐よ、ごもっともだが難しいのだ。

 

 

「少ない兵士を万に1つでも補うには、私も戦わねばならん!」

「EDFの司令が戦死したら、本当に瓦解してしまいます!」

「その様な事態は想定済みだ! そうなれば戦略情報部の少佐やオペ子が引き継ぐ! ナニも問題はない!」

 

 

かつての総司令官の様な事を言ってしまった。

ううむ……総司令部も、最後はこうであったのであろうか。

オペ子も戦時末期は病んでしまったが、今は落ち着き多くを処理出来るまで成長した。

全体指揮を執るのは難しくも、部隊を指揮出来るくらいは出来るだろう。

実際、かつて本部も襲われた時があった。

その時は残存部隊の指揮が執れなかったが、代わりに指揮を執るような事をしていたからな。

 

 

「戦意が溢れているのは良いのですが、まだその時ではありません! 戦死する事態になれば、士気も落ち、兵士の命に直結します!」

 

 

 

ぐぬぬ……ミーナ中佐の訴えに、冷静になってきた。

私はココで簡単にくたばる気は全くないが、もし死んでしまえば……考えたくもない。

激しい戦闘とはいえ、EDFはまだ持ち堪えている。

最悪は残存戦力と共に地下道から脱出。

手札にある"銀の死神"を使う手すらある。

だが、それは避けたい。

ならば……やはり私が対処するべき事案なのだ。

見ていろ連合軍にネウロイ連中!

直ぐにでもキールまで押し返してやるぞッ!

ふんッ!

 

 

「そうだな……すまなかった。 中佐の助言に従おう」

 

 

頭に血が上っていた。

私も歳だな。

 

 

「中佐も自身の家族、501が孤立奮戦しているのが心配であろう。 なのに、我々に気を遣ってくれるとは。 色々と迷惑をかけて申し訳ない」

「はい……いえ。 美緒……坂本少佐が戦闘指揮を執ってくれていますし、皆は強い子たちです、それに」

「それに?」

「ストームさんが、いますから」

 

 

自信を持って、堂々と言われた。

驚いた。 Storm1の影響がこうも……。

彼の勇敢な姿勢に、我々も影響を受けたが……ウィッチーズにも影響を与えるか。

 

 

「はっはっはっ! そんなにも彼が気に入っているか!」

「なっ……!? 違います! 変な意味では! 私は坂本少佐の方が! あ、いえ! 指揮能力の話ではなく! 好意という意味でもなくてですね!?」

 

 

赤くなるミーナ中佐。

若いって良い事だな……そう思えると言うことは、やはり歳だ。

一気に老けた気持ちだよ。

いやなに、面白いと思える事も増えた。

 

 

「分かっている。 年寄りの戯言さ。 それよりも……ここまで敵が食いつくとはな」

「はい。 ネウロイは総攻撃をかけています、戦況は思わしくありません」

「うむ。 だが この状況が続けば、上手くいけばジークフリートまで一気に押し返せるかも知れん」

「と、いいますと?」

 

 

ミーナ中佐も食い付いてきた。

ジークフリート線まで距離があるのみならず、現在の状況は表面だけでも劣勢を強いられているからな。

各地で孤立、ゲリラ戦を展開するなどして奮戦している歩兵部隊もいるのだが、とても反撃して押し返せる状況ではない。

だが、それを可能に出来るかも知れない。

私は要塞内部に戻り、机の上にあるカールスラントの地図に指をさして説明した。

 

 

「地図を見れば分かるが、北のジークフリート線はキール側から来るネウロイと、ガリアのマジノ線を陥落させたネウロイからの攻撃を受け、挟み撃ちを受けている」

「はい。 こちら以上に厳しい戦況です。 ですが、ストームさん達が奮戦しているからこそ、ベルリンは持ち堪えています」

 

 

事実である。

Storm1、2がネウロイ戦力を引きつけているからこそ、こちら側の攻撃は"この程度"で済んでいるのだ。

感謝しなければな。

何とか助けてやりたいが、今直ぐは無理だ。

 

 

「ならば、北部が持ち堪えている間にココにいるネウロイを殲滅、救援に向かわねばネウロイの足並みが揃ってしまう。 506はガリア防衛、504はロマーニャ地方に現れたネウロイに対処中。 他の航空団は……いや、増援は期待出来ない。 EDFは連合軍に頼らず、自力で何とか打開しなければならん」

 

 

ミーナ中佐は静かに聞いてくれた。

爺の譫言に付き合ってくれて、ありがたい。

 

 

「これ以上のネウロイ侵攻を阻止する為には、我が軍がベルリンの壁となり踏み留まらねばならない。 だが戦力が少なく、防衛線とは名ばかりの集中配備となってしまった。 対するネウロイも真正面から1点集中攻撃を仕掛けている。 多少のネウロイが回り込もうとしているが、その程度だ。 して我々を1人残らず殲滅する……"筈"だったのであろう」

「"筈"、というのは?」

「Storm3、4のコードネームを持つ遊撃部隊が側面に回り込んでいる。 攻撃命令を待っているだろうな」

 

 

ミーナ中佐は地図を見つめ、少し考えてから質問をした。

 

 

「しかし、遊撃部隊の戦力は? ネウロイの戦力は強大です」

「人数だけなら2個分隊、いや。 それ以下だな」

「それでは死に逝く様なモノです!」

「言ったであろう。 人数だけなら、と」

 

 

そう。 人数だけなら。

だがストームチームは精鋭中の精鋭。

敵の大群相手に時間稼ぎどころか、船団すら殲滅させる戦力を持つ。

 

 

「何か強力な武装を?」

「光学兵器と……"槍"だ」

「槍!?」

「原始的なものではない。 言っておくが"なげやり"ではないからな」

 

 

そんな戦力が、死神の横槍がネウロイの群れに刺されば……どうなるか。

 

 

「見ていろネウロイ。 手札の枚数はカードの裏で隠す事も出来るのだぞ……!」

 

 

 

 

 

◆ベルリン防衛線

 

同日。

ネウロイの緩まぬ猛攻に、EDF隊員も悲鳴を上げ始める。

 

 

「うわああああッ!!」

「もうダメだぁ!」

「俺は弾が無い!」

「何が防衛線だ! 集中配備するしか対抗出来ない戦力で、どう守れってんダァッ!」

 

 

モブ隊員達が、ある意味いつも通りの やかましい悲鳴を上げていた。

ただ、それだけの元気はあるという事で、銃撃の手は緩めない。

 

 

「諦めるな! 撃てば当たるぞ、撃ちまくれ!」

「後で衛生兵を呼んでやる!」

 

 

隊長格の赤ヘル隊員らが励ますが、ベルリンの"小さな壁"は、いつ崩壊しても不思議ではなかった。

だが、崩壊するのはネウロイの群勢となる。

始まりは、突如として流れてきた無線。

 

 

《本部からの命令を確認した》

 

 

───それは黒きフェンサー達。

───Storm3、死神部隊と恐れられた最強格の部隊。

 

して、EDF隊員らは次のワイルドボイスに激励されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《こちらグリムリーパー。 救援に向かう。 持ち堪えて見せろ》

 

 




Storm4「私たちの紹介が……」
Storm3「死神とウサギの組み合わせか。 笑えるな」
Storm4「ぬかせ」

只野二等兵「ミーナ中佐! 俺は!? 俺も頑張ってるよ!?」
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