Witch Defense Forces(WDF)(完結)   作:ハヤモ

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作戦内容:
人類を勝利に導いた遊撃部隊ストーム。
その分隊が再びチカラを貸してくれます。
共に防衛し、怪異を撃退して下さい。
しかし、我々に残された戦力は少なく、ネウロイの数は強大です。
それでも戦わねばなりません。
何故なら、EDFは敵に背中を見せないからです。
!?
レーダーが機影を捉えました!
これは……連合軍!?
連合軍からの救援です!
どうやら、この世界も見捨てたものじゃないようですね。
備考:
ストームチームは陸戦において強力です。



45.それぞれのストーム

◆ジークフリート線

 

 

「信じられん。 まだ戦闘が続いている!」

 

 

ガリア……マジノ線側から救援に向かった連合軍兵士達が驚いた光景。

それは未だに抵抗を続けているEDFがいた事である。

要塞は半壊し、それでも中から弾丸が飛び群がる怪異を撃ち抜き、空覆うネウロイを炎の渦に消していく。

変な二足歩行型の兵器もいる。

黒煙を上げてはいるが、ネウロイを砲撃しているあたり、人類側の兵器だろう。

ビームを受けても耐え続け、機関砲かという連射砲撃を喰らわせネウロイを吹き飛ばす。

だが、それでもネウロイは多く、要塞に集るような波状攻撃は続く。

ここの防波堤が崩れるのも時間の問題に見えた。

 

 

「数が違いすぎる。 俺達も死ぬぞ」

「だからどうした。 それが俺達の仕事だ」

「安全装置を外せ。 戦闘用意!」

 

 

兵士達は覚悟を決めて兵員輸送車から降車、歩兵銃の安全装置を外した。

こんな小火器で どうにか出来る数ではない。

それでもEDFを助けねば。

 

 

「そこの連合軍、待て!」

 

 

そこに声を掛けるは、Storm2こと軍曹チーム。

他にもレンジャー51部隊、偵察部隊が随行しており、中規模部隊と化している。

彼等は連合軍の近くまで駆け寄ると、状況を確認しあった。

 

 

「俺達はEDF遊撃部隊、Storm2だ! お前たちは?」

「俺たちはジークフリート救援部隊だ。 そちらも似たような形か?」

「そうだ。 あの要塞にいる友軍を助けるのが任務だ。 どうやら、互いにチカラを合わせるしかなさそうだな!」

「だが、勝ち目は無いぞ。 あの数を見てみろ。 恐ろしい軍団だ、お前達は増援を待った方が良い」

 

 

連合軍が、いつかのスカウトの様な事を言い、当の本人達は苦笑した。

魔獣の宴。 あの戦場は そんな感じだった。

戦争末期。

クイーンやキング、様々な侵略生物が集まり、エイリアンは勿論、巨大な怪生物も乱入。

あの場にいた人類はさながら、宴に用意されたディナーだ。

素人目に見ても勝ち目が無く、いくら英雄のStorm1がいたからって絶望感を出さずにはいられない。

しかし基地は壊滅、本部とも この時まで連絡が取れず、逃げる場所なんて無かった。

戦う他ない。

EDFは立ち向かったのである。

フェンサー部隊が皆の仇を打たんと、残された人類への被害を減らす為にと戦闘開始。

それに感化されたスカウトも偵察部隊でありながら戦闘に参加。

普通なら一方的に殺される戦い。

それでも皆は抗い、結果として勝利し生き延びた。

今回もそうするだけだ。 そうしなければ ならない。

なにより、あの時 助けてくれた英雄に少しでも貸しを返したかった。

レンジャー51もエイリアン幼生体と交戦した際、助けられた。

Storm1を助ける。 気持ちは一緒だ。

救援隊長の軍曹は連合軍兵士に言う。

 

 

「その増援が俺達だろう! 何の為にジークフリート線に来たか思い出せ!」

 

 

β型駆除の為に欧州に派兵された時の様な事を言う。

 

 

「おいおい! 俺達とあんたら合わせても、小規模な歩兵戦力しかないんだぞ!?」

 

 

連合軍兵士は冗談だろ、と言いたげだ。

歩兵隊のみで交戦なんて現実的ではない。

そんな彼等に、他に道はないと軍曹は続けた。

 

 

「EDFは勿論、連合軍に これ以上投入する戦力は無いだろうな」

 

 

ウォーロック事件に関わった軍曹は連合上層部の思考を考え、そう結論づける。

 

 

「友軍は今にも死に絶えそうになっている! だが奴らは こちらに背中を見せ、無防備な状態。 ならばやる事はひとつだ! いくぞ!」

 

 

突撃していくStorm2。

無謀なのか勇敢なのか。

 

 

「くそっ……! どうにでもなれ!」

 

 

続く連合軍兵士達。

太刀打ち出来ない、歯が立たない戦力。

それでも向かう。 止むを得ない。

EDF側は軍曹の言う通り、文字通り投入戦力が無い。

連合軍側は、上層部がパリ防衛戦力を割くのに躊躇した結果、やっと最初に動けたのが歩兵隊という有様だった。

続いて安全な後方から砲兵隊を展開しようにも、砲撃してしまうと、友軍のいる要塞ごと吹き飛ばす恐れがあり、動けずにいた。

エトワール作戦の反省もあった。

航空機に関しては、飛行型ネウロイの抵抗に遭い、上手く進んでいない。

モブウィッチーズの援護もあるが、同じ状況だ。

では指揮系統が国に依存しないJFWらはというと。

504は現地EDF小隊の援護のお陰もあり、ロマーニャ地方のネウロイ撃退に成功、カールスラントの援護に向かおうとするも、小隊は負傷者多数、ウィッチは魔法力が尽きかけており戦闘続行は断念。

506は元々ガリア防衛戦力としての側面から、上層部が"他国救援"に向かわせないようにしていた。

502はカールスラント東部から侵攻するも、ジークフリートとは真逆であり、途中にいるネウロイの群勢に手を焼いている。

他の統合戦闘航空団は拠点から遠過ぎたり、管轄外だったり、そもそも自分達の戦場にネウロイがいる激戦地だったりする理由で救援に来れない。

501は、ミーナ以外はジークフリート要塞の中だ。

魔力が切れて飛べなくなり、それでも生きる為に慣れぬ砲座に着いて抵抗している。

ミーナも救援隊に加わりたい気持ちはあるが、ベルリンが激戦地であるし、続く長距離飛行で魔力が無く戦えない。

 

とにかく結論としては……現状戦力で対処せよ、である。

 

 

「こちらスカウト。 ジークフリート線の戦闘に参加します!」

「レンジャー51。 Storm2と共に現地に到着した。 突入する」

《許可する。 健闘を祈る!》

「いくぞ!」

「うおおおおおおーーッ!!」

「EDFッ! EDFッ!!」

 

 

要塞に群がるネウロイに突撃敢行、吶喊!

後に続く連合軍歩兵隊。

 

 

「俺達も続くぞ!」

「ネウロイの気を引くくらいなら……!」

「時間を稼ぐ! その間にでも増援が来れば!」

 

 

ネガティブな やる気だったが、EDFを助けに来たのに逆に助けられるのもアレなので戦闘

に参加する。

 

 

「射程に入ったら撃て!」

「「「イエッサー!」」」

 

 

Storm2……軍曹が言い終わるが早いか、先ずは軍曹が発砲。

いや。 発射というべきか。

手に持つSFな銃からネウロイに似た、ビームのようなモノが放たれ、まだ遠くのネウロイが瞬時に蒸発する!

 

 

「なっ!?」

「ビームだと!?」

「噂に聞いていたが、本当に実用化していたなんて……!?」

「ここから500mは離れている筈だ。 なのに、ネウロイを正確に当て、瞬殺出来る威力……!」

 

 

驚く連合軍兵士。

EDFが通常兵器として使用している実弾兵器群だって、ネウロイ装甲を抉る威力で驚くのに、ビーム系まで出されては更なる驚愕と衝撃である。

 

そんな軍曹が使用している銃は、ブレイザーと呼ばれている。

原子光線銃で、ビームではなく凄まじい威力を持ったレーザーを撃てるのだ。

氷山を吹き飛ばすのに使われていた原子光線砲(EMC)を小型化、歩兵による運用を可能にしたもの。

小型ながら、出力はEMCの10%ほどもある。

が、生産コストがEMC並みで、僅かに生産された程度であった。

そんな高威力でレア銃を配備された軍曹の戦闘能力は相応に確かで、レーザーや倍率スコープ等の射撃補助装置がないのにも関わらず、このようにして遠くの敵にも当てられるから凄い。

 

 

「俺達Storm2が正面でネウロイを引きつける! その間にレンジャー51とスカウト、連合軍は側面に回れ! 横腹を抉るんだ!」

「でも直ぐ再生するのを見たぞ!」

「ネウロイはコアを破壊しないと再生する! 様々な部位に弾を当て、赤い石が見えたら、ソレを狙え! それがコアで弱点だ!」

「イエッサー!」

 

 

成る程、了解と回り込む。

似た経験を積んでいたEDFの理解は早い。

エイリアン歩兵隊連中も、堅い宇宙服に覆われていたり足や腕が千切れても驚愕の再生能力を持っていた。

対処法として確立していったのが、1点集中砲火による部位破壊、そこから露出した本体を倒すというもの。

また、圧倒的な防御力を誇る金色の装甲に覆われたテレポーションシップや移動基地への攻撃方法も、下部のハッチ内の赤い場所が唯一の弱点であった。

ネウロイも似たようなモノか。

ならば対処しようがある。

歩兵隊は慣れた動きで有利な位置どりをし、攻撃していく。

 

 

「撃てー!」

 

 

未だ要塞攻撃に夢中になるネウロイの背中や横腹に浴びせられていく銃弾。

怯むネウロイ。

軍曹以外、自動小銃PA-11。

心許ない最低限な武装レベルだったが、それでもネウロイ装甲を抉る威力。

 

 

「俺たちだって兵士だ!」

「うおおおおッ!」

 

 

連合軍兵士も歩兵銃で銃撃を加える。

 

 

「やはり効かない!」

 

 

が、PA-11に劣る。

この世界の歩兵銃では太刀打ちできず、表面に火花が散るばかり。

 

 

「上層部め! 火砲のひとつも寄越さず、何が救援部隊だ!」

 

 

無い物ねだりをする連合兵士。

あったとしても、打開出来るか怪しいが。

 

 

「泣き言は聞かん!」

 

 

撃ちながら軍曹が叫ぶ。

ネウロイの群れが、レーザーで葬られた。

 

 

「だってよ! 残念だったな!」

「そんな事を言っていたヤツがいたな」

「そうですね」

「うるせぇ!」

 

 

軍曹の部下の面々が私語を喋る余裕を見せつつ、ネウロイ装甲を抉る。

そんな隊員らに、連合兵士達は勇気と疑問が湧いてくる。

 

 

「お前らは平気なのか? 怖くないのか?」

「怖いさ」

「なら、どうして」

「仲間が戦っているのに、帰る訳にはいかねぇだろ?」

「私語は慎め!」

「へいへいっと」

 

 

それだけか? と思いつつ、戦いに集中しなければと"無駄撃ち"を再開する兵士。

なんとなくEDFが、強くて情に熱い連中が多いのではと感じた。

 

 

「ネウロイが転進してきます!」

 

 

スカウトが叫ぶ。

要塞攻略の戦力を割いて、一部のネウロイが襲撃してきたのだ。

蜘蛛のようなヤツもいて、かつてのβ型を思わせた。

 

 

「へっ! 糸の代わりにビームを撃ってくるぜ!」

「飛び跳ねない分、楽だな!」

 

 

軽口を叩きながら、隊員らはネウロイを各個撃破。

勿論、小銃の威力もある。

だが、それだけでネウロイは倒せない。

地獄を生き延びた隊員らの練度が凄いのだ。

 

 

「走りながらコアを破壊している!?」

「すげぇ」

 

 

だが、やはり火力不足。

ネウロイは要塞攻略を休止すると、Storm2らに襲い掛かる!

 

 

「ヤベェぞ! 一気に来た!」

「地底の最奥地を思い出す!」

 

 

流石に、数が多過ぎて捌き切れない。

焦る隊員ら。

そこに、要塞から発煙筒が此方に投げられたと同時に無線が繋がる!

 

 

《こちらStorm1! 軍曹、蹂躙の時間だ!》

 

 

軍曹の近くで赤いスモークが立ち昇り、輸送機ノーブルがコンテナを投下。

中から重武装コンバットフレームが現れた。

両腕にリボルバーロケットカノン。

両肩に拡散榴弾砲。

【ニクス デストロイキャノン】である。

 

 

「良いだろう。 使わせて貰うぞ!」

「おお! コンバットフレームがありゃあ、怪異なんて怖かねぇ!」

「あの時 見れなかった軍曹のニクス捌きが見れるのか!」

 

 

軍曹がコンバットフレームに乗り込むと、機械の兵士が立ち上がった。

隊員らが色めき立ち、連合軍兵士は またも驚いた。

 

 

「なんだ!? あの機械人形は!?」

「歩く戦車!?」

「手首に足があるぞ!」

 

 

コンバットフレーム ニクスを知らない兵士は驚く他ないだろう。

車輪で動かず、人間と同じように首と足、手があり動くのだから。

 

 

「喰らえ!」

 

 

軍曹が叫ぶ。

両肩の砲から榴弾がばら撒かれ、着弾すると同時に前方が爆炎に包まれた。

地面を揺るがし、世界の照度が一気に上がる。

その破壊の光は、近寄っていたネウロイの群れを纏めて世界から消し去った。

 

 

「陸戦ネウロイが全滅!?」

「なんて破壊力だよ!」

 

 

驚く連合軍。

そこを隙ありと、爆炎を突き破り母体と思われる大型ネウロイが現れたが、

 

 

「沈めッ!」

 

 

ニクスは両腕に装備するリボルバーロケットカノンをバースト。

連続して放たれたロケット弾が、母体に着弾。

榴弾砲に劣らぬ破壊力と衝撃が、母体をコアごとバラバラに吹き飛ばしてしまった!

 

 

「なぁっ!?」

 

 

驚きっぱなしの連合軍。

他にどうしようもない。

あまりに、あまりに圧倒的な兵器だった。

まさにデストロイ。

滅ぼし、破壊し、破滅させる。

その為に現れた悪魔の兵器。

その威力に連合軍は怯え、震え、恐怖した。

だが彼等は知らない。

デストロイな兵器は、EDFに数多ある事を。

 

 

「まだ細かいのが沢山いるぞ! 歩兵部隊、取り零しを頼む!」

 

 

軍曹が言うと部下達が了解し、取り巻きの小型機に銃撃を浴びせていく。

あの攻撃の後だと、歩兵の威力なんて微々たるものだった。

だがそれでも、EDF製の銃である。

次々とネウロイを掃討し、最早、残党狩りと呼んでも良いような事になってきた。

 

 

《こちら只野二等兵。 軍曹、援護します!》

 

 

そこに要塞から歩いてきた、ニクスとは違う兵器にも戦慄する連合軍兵士。

申し訳程度の主人公の登場には、誰も突っ込まない。

 

 

「うわっ! 歩いてきた!」

「デカいぞ!」

「ボロボロだ」

「良く持ち堪えたな」

「耐久性が高いんだろう」

 

 

それは胴体から足が生えた、ニクスよりも大きいビークル。

バスターカノンという連続発射可能の砲台が2門ぶら下がり、真ん中には回転式ミサイルポッドが2箱。

歩く要塞、陸戦の切り札。

BMX10プロテウス。

救援隊が来るまでのネウロイによる集中砲火で、特殊装甲板がヘコみ、黒煙や火花を上げていた。

ネウロイのビームは貧弱ではない。

相手によるが軍艦は真っ二つ、軍事基地は一撃で沈黙、歩兵隊は蒸発しかねない威力がある。

だが、EDF製のビークルは強靭。

特にプロテウスは要塞級。

まだ戦えると、左右にぶら下がるように付いていた砲塔が動き、ネウロイに砲撃を浴びせていく。

 

 

「操縦席の少年! もう少し丁寧に動いて欲しい! 砲弾を上手く当てられない!」

「初めて動かしたんですよ!? 無茶言わないで下さい!」

「只野〜、虐めちゃ可哀想だろー?」

「シャーリー! 君も砲手だろ!」

「みさいる、切れて やる事ないです……」

 

 

ビークル搭乗員からの雑談が戦場に響く。

それを搔き消すようにして、ちょっとしたマシンガンのように、砲弾が連続発射。

ネウロイが片っ端から吹き飛んでいった。

 

 

「アレも火力が高い!」

「スゲェな。 ネウロイが蒸発していく」

 

 

棒立ちしてしまう連合軍。

挟み撃ちをしていたネウロイは、逆に挟み撃ちを受けて、殲滅されてしまった。

 

 

「クリア! 今ので最後だった様だな!」

「そのようです」

《軍曹。 救援、感謝します》

「こちらこそ感謝する! 良く生き延びてくれた! お前達は意地を見せた。 人類のな」

 

 

なんか、コレ、連合軍兵士の俺たちは必要なかったのでは?

蚊帳の外へ追いやられていくような感覚と、得体の知れない恐怖を目の当たりにする連合軍。

 

 

「なんという……なんということだ!」

「ヤベェよ。 EDFヤベェよヤベェよ」

 

 

"ヒェッヒェッ"で震える兵士たち。

そこに温かな言葉をかけるは、Storm1。

 

 

《救援に来てくれた連合軍兵士にも、感謝する。 助かった、ありがとう》

 

 

いや、何もしてないんだが……。

思ったが言わなかった。

言ったら、自分たちの存在意義が更に薄れそうだから。

なにより、圧倒的なチカラを持つ異界の者達に、下手な言葉を使ってはならない錯覚に陥っていたからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ベルリン防衛線

 

 

崩壊寸前の防衛線、"ベルリンの壁"。

波状攻撃を仕掛けるネウロイに、EDF隊員らは満身創痍だった。

だが、彼等が引きつけている間に側面に回り込んだ遊撃部隊。

黒きフェンサー、死神部隊のStorm3。

ウィッチに出番を奪われて、あまり活躍の場がないウィングダイバーの精鋭部隊、スプリガン隊のStorm4。

本部からの攻撃開始命令を受け、とうとう攻撃を開始する!

 

 

「異界に来てまで戦争か。 笑えるな」

「ウィッチには負けられないぞ!」

 

 

グリムリーパーは、スラスターで高速移動。

スプリガンは飛行ユニットで低空を舞い、戦場に横穴を開けた。

 

 

「何か来るぞ!」

「速い!」

 

 

元連合軍兵士が気づき、声を上げる。

高速に、不規則に動く事で、敵に的を絞らせない戦術を取る彼ら。

決して多くはない人数だが、速く不規則な為に実際の人数より多く見える。

 

 

「ネウロイが気付いたぞ!」

 

 

彼らに気付いたネウロイ。

的を絞れず乱射するも、誰1人として当たらない。

して懐まで入り込まれると、死神の1番槍が突き刺さり……内側からバラバラになった!

 

 

「なんだと!?」

「何が起きた!?」

 

 

驚く元連合軍兵士に、側にいたEDF隊員が説明する。

 

 

「ブラストホール・スピア。 槍だ」

「槍だと!?」

 

 

銃ではなく、槍。

良く見ると、確かに黒い槍のような物が見えた。

そんな原始的な武器でネウロイが倒せる訳がない……そう思う兵士に、補足する。

 

 

「槍は機械式。 目にも留まらぬ速度で伸縮して、標的に突き刺さる。 して、高圧プラズマで内側から破壊する恐ろしい兵器だ。 だが接近しなければならない運用方法から、使っているのは僅か。 その僅かな隊員が……彼ら、グリムリーパー隊。 Storm3だ。 かつて俺たちの世界で起きた紛争では、歩兵では破壊困難とされるコンバットフレームを何機か撃破したが……今じゃ、その時を上回る強さだろう」

 

 

説明されても良く分からなかった元連合軍兵士達。

高速で動く黒きフェンサー部隊の圧倒的な強さ、捨身戦術。

瞬く間に蒸発していくネウロイの群れ。

それは命を刈り取り、冥府へ送る者たちの様子。

 

 

「死神だ」

 

 

兵士は震える声で、そう言った。

 

 

 

 

 

ーーーーーー EDFーーーーーー

 

グリムリーパー隊が狩りをしている傍ら、赤いスプリガン隊は美しく空を踊る様に舞う。

ネウロイからのビームをひらり、ゆらりと避けては、お返しにとビームを撃ち返して確実にネウロイの数を減らしていった。

 

 

「おお……!」

 

 

負傷し、壁に寄り掛かかる兵士らは見上げ……思わず息をほぅ、と吐く。

硝煙と血生臭い戦場で我を忘れ、痛みも忘れて見惚れる美しき花である。

 

 

「……きれい」

 

 

そのポジションにいる少女……ウィッチーズも彼女らに見惚れていた。

ウィングダイバーは、年上のお姉さんに当たるが、大人の魅力と踊りに目を奪われていたのだ。

 

 

「観客が大勢いる。 最高の踊りを披露しないとな」

 

 

そんな彼ら、彼女らを咎めずに観客とするスプリガン隊。

戦場で踊る様にしてネウロイを次々と撃破する様子は、ショーを見ている気分だ。

やがて落ち着いてくると、死神とスプリガン隊が合流。

互いに、昔のような軽口を叩きあう。

 

 

「ウサギの お嬢さんか。 相変わらず飛び跳ねているな」

「グリムリーパーは、腕が鈍ったんじゃないか?」

 

 

決して反目している訳じゃない。

互いにヘルメットの下でうすら笑みを浮かべ、素直に再会を喜べずにいるのだ。

ストーム隊と かの者との死闘から数ヶ月以上。

互いに生き延びたのは奇跡だったから。

 

ところが、そんな軽く捻くれた挨拶の間に入り込む少女らウィッチーズ。

 

 

「お姉さま方を悪く言わないで下さい!」

「そうだー!」

「死神だかなんだか知らないけど、お姉さまを悪く言うのは許さない!」

「お姉さまの方が、ずっと強かったもん!」

 

 

勝手にスプリガン隊を お姉さま お姉さまと呼んでは、死神に唸る子猫や子犬達。

そこに壁を作るは、元連合軍の男達。

 

 

「おいおい! 死神部隊の方が強かったぞ!」

「撃破数なら上だった筈だ!」

「そうだ! ウィッチとは違う、力強さってもんがある!」

「死神部隊の方がスゲェだろーよ!」

 

 

大人気なく、少女らウィッチーズに食ってかかる男たち。

そんな、勝手に始まった男女の論争に"死神"と"ウサギ"は互いに目を合わせて両手を軽くあげて見せて苦笑すると、

 

 

「「反目は止めろ」」

 

 

かつて本部に言われた事を言うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ベルリン・高射砲塔要塞フラッグタワー

EDF作戦司令本部・司令官視線

 

 

流石は遊撃部隊ストームだ!

ベルリン防衛線に押し寄せたネウロイのことごとくを撃破。

続く報告では、北のジークフリート線のネウロイも撃退したという。

 

 

「Storm1、Storm2、指揮下のEDF隊員や駐在していた連合軍は勿論、501の皆も無事だそうです!」

 

 

報告に安心する私とミーナ中佐。

Storm1とStorm2がいるからな。

きっと皆、無事だろうと思っても不安な気持ちは続いていた。

その屈託から解放され、胸を撫で下ろす。

 

 

「ああ……良かった」

「通信、繋がります。 中佐、代わりますか?」

「良いのですか?」

「勿論です」

「……こちらミーナです」

《坂本だ。 ミーナ、そっちも無事か!》

「ええ……ええ! EDFの皆が守ってくれたわ!」

 

 

ミーナ中佐は目に浮かんだ涙を拭いながら、通信相手の坂本少佐と話す。

嬉しそうで良かった。

悲しい涙なんて、誰も見たくないからな。

だがしかし……やはりというか、ストーム隊の戦闘力は群を抜いている。

今後の重大な局面では、フーリガン砲の時の様に使用していくしかないな。

それも"銀の死神"を実戦投入しない為にも。

特にStorm1。

彼は絶対に、EDFに必要な決戦兵器の一種だ。

 

 

「キャリバン救護車両は負傷者回収! 戦闘可能な者は、ジークフリート線に向かえ!」

 

 

私は負傷者をベルリンに残して、戦闘可能な者達で部隊を再編成。

ここで驚くべき事に、増援として送られてきた連合軍兵士が到着。

どうやら北にも送られているらしい。

連合軍も捨てたものではないな。

まぁ……保身に走る上層部連中の事だ。

広報の情報操作の結果だとしても、後で見返りを要求されるだろうな。

だが、現場はそれどころではない。

その話は後だ!

 

 

「我が軍はカールスラントからネウロイを殲滅する!」

 

 

仕事は残っているぞ。

当然、報酬は貰う。 イロを付けてな。

 




なんか、ストーム2の話が伸びて、
3、4が少なくなってしまった……。
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