Witch Defense Forces(WDF)(完結) 作:ハヤモ
EDFは攻撃部隊を再編成、直ちに反撃を開始します。
コンバットフレームやAFVを中心とした先行部隊を壁役として全面に出し、歩兵は身を隠しながらネウロイを殲滅して下さい。
備考:
Storm1の方は身動きが取れない。
発進します がやったりと、まだスト魔女世界は続いておりますね(投稿現在)。
作者はギャグ話も好きです。
ちょっと、今回は文字が多めになりました。
◆ベルリンより北部戦線
EDF司令官は、戦闘可能な隊員を纏めて反撃
部隊を編成、直ちに北へと進軍させた。
北部や各地に散らばるネウロイの足並みが揃う事があれば、今度こそEDFは再起不能になる可能性が高い為である。
今回はEDFと連合軍の合同攻勢である。
恐らく防衛戦より被害が大きくなると踏んだ司令官は、味方の消耗を抑えるべく、コンバットフレームやブラッカー戦車を主軸とした部隊を前面に押し出して、歩兵の壁となるように命じた。
既にベルリンでは慌ただしく兵士が動いており、ネウロイを駆逐一掃出来ると心踊る者もいれば、反撃が失敗しないか不安になる者もいた。
一方で、各地で立て篭もり、孤立奮戦していた兵士らは本隊がベルリンで勝利、反撃を開始する事を知った事で再び歓声を上げる。
「本隊が勝ったぁ!」
「人類は負けてない!」
生き延びていた兵士らは決意を持って防衛にあたった。
各々に残された武器弾薬、物資をかき集め、再びEDFや本国の旗を掲げて戦闘を開始。
本隊への戦力を分散させる陽動作戦として、大いに貢献する。
最悪物資が尽きた場合、銃剣突撃も視野に入れる程である。
欧州で流れるラジオでは、この戦いでカールスラントの運命が決まると吹聴している。
事実、この戦いに敗北すれば、足並みが揃ったネウロイにカールスラントは蹂躙され、その上で再びガリアが陥落してしまうだろう。
戦闘に参加する連合軍の隊長格の兵士達も「此れは祖国の命運を決める戦さ也」と隊内で鼓舞していた。
◆ベルリン・高射砲塔要塞フラッグタワー
EDF作戦司令本部・司令官視線
司令官は、部隊編成の書類仕事を戦略情報部と共同で処理していた。
EDFだけなら、書類なんて後回しに出来たのだが、連合軍との やり取りが発生した為に手を焼いてしまう。
原因は、報酬や指揮系統はどうするか、である。
「司令官、顔色が良くありません。 そろそろ休憩なされては?」
「中佐、心遣い感謝する。 だが、これは今のうちに手を打ちたいのでな」
「そんなに問題がお有りなのですか?」
「うむ。 連合軍と足並みを揃える為にも、今後の付き合いの為にもな」
書類の中身というのは、連合の上層部が指揮権を握りたがっており、その延長線……カールスラント奪還後もEDFを顎で使う企みをしている件。
それから、統合戦闘航空団への礼である。
特に東で戦ってくれている502部隊のラル隊長からは既に《土産はあるんだろうな?(要略)》という趣旨の連絡が来た。
「準備で忙しいが……返答が遅れた分、礼の重みも増すからな。 恨まれて独断砲撃みたいな事をされるのも困る」
「それは無いと思いますが」
「故意でなくとも、エトワール作戦の例がある。 今後の付き合いもある」
EDFは直接502部隊に救援要請を出したワケではない。
つまり、本分……戦略上の理由等で戦闘に参加してくれている。
しかしながら、ボランティアではない。
ただ働きで命を賭けてはいない。
EDFがいなくても、そうした軍事行動を取っていたにせよ、結果として援護をしている形である以上、何かしら謝礼を用意しなければ失礼である。
でなければ仕返しを受ける……は、考え過ぎかも知れないが、今後の付き合いもある。
良い顔をする分には悪くならないだろう、という判断であった。
「だが連合上層部は何かと謝礼の催促やマウントを取りたがる。 歩兵部隊を派遣してくれたのは感謝するが、本来ならば連合軍が守らねばならないというに全く……ハァ……」
「……すみません」
「中佐は悪くない、上層部の問題だ。 なに、案ずるな。 我々が何とかしてやる」
司令官は安心させるように言った。
EDFは今まで絶望的な戦況に抗ってきた。
それと比べれば、これくらいワケないと思いたい。
「それと司令官。 今回の反抗ですが、絶対に前線に出ないようにお願いします。 司令官は本部で随時報告を受けるだけで大丈夫です」
連合軍の話から一転、自身の話になった事で嫌そうな顔をする司令官。
ミーナ中佐の笑顔が怖い。
「大丈夫、大丈夫だ。 その事は現場からも散々に言われた」
というのも、ベルリン防衛成功後、直ぐに戦略情報部の少佐やオペ子、現場指揮官から激オコされたのである。
EDFが未だ組織として機能しているのは、司令官のような上に立つ者がいるからでもある。
無論、ストームチームの様な象徴的、優れた戦士も必要不可欠な存在だ。
しかし、軍事行動をとる上では やはり本部が必要であり、その司令官が戦場に出てしまうと混乱してしまう。
士気は上がるが、指揮系統は滅茶苦茶になるし、戦死してしまえばEDFは瓦解する恐れがある。
それに全ての情報を司令官に届けなければならないのに、その本人が動いてしまうと正しく届けられない。
この抗議内容には司令官も頷き詫びる他なく、渋々受け入れた。
本部が戦場になってしまったなら やむを得ないが、基本的には本部からは成る可く出ないようにする。
「だが、やむを得ない時が再び来るようなら参戦するぞ」
「やむを得ないなら、です」
苦笑するミーナ中佐。
それは自身も人の事を言えない時があるからか。
そんな矢先、無線機越しに戦略情報部の少佐から戦闘報告が。
「北部へ進軍した先行部隊が交戦。 市街地で待ち構えていたネウロイの軍勢がいたようです」
かつての市街地での乱戦状態か。
司令官は直ぐに対応、指示を出す。
「コンバットフレームを中心としたフォーメションを崩すな。 それと、孤立しないように注意させよ」
「了解しました」
直ぐに関係各所に連絡をとる本部員や情報部員。
ネウロイが本当に戦術的な行為をしているなら、もしくは考えられるならば、エイリアンの時のように苦戦するかも知れない。
だがEDFも養った戦闘経験がある。
簡単に殺される気はない。
(舐めるなよネウロイ……我々は簡単には倒せんぞ……!)
ミーナ中佐は、EDF司令官の思いを知る事なく、他の隊員らと共に出来る作業を手伝っていく。
それぞれが、色々な思惑で戦う中、現場の戦いは怒涛の攻戦が繰り広げられていた。
◆北部市街地
EDF、市街地にて交戦状態に入れり。
EDFはコンバットフレームとブラッカーA1を歩兵の盾としつつ先行、市街地を抜けようとしていた。
この際、コンバットフレームは量産型のニクスB型だが、ブラッカーは本来の基本設計とされるA型が先行。
これは市街戦での対テロリスト戦を考慮して榴弾砲にされて急造されたE型とは異なり、A型は砲塔旋回速度や装甲が良く、武装は滑腔砲。
砲弾は爆発しないが貫通力に優れている。
これは建物に榴弾を当てた際、近くにいる歩兵に爆風がいってしまわないようにする処置だが、他にも理由はある。
住民に配慮しているワケじゃない。
EDFがそんな事をする筈ないだろう(殴)。
歩兵を含む自軍が建物を利用した戦術を取れるようにする為である。
「ネウロイ野郎がお出ましだ!」
案の定というべきか、市街地を通過しようとしたところ、待ち構えていたネウロイの軍勢が攻撃。
EDF側も撃ち返し、互いに路地裏やら建物を利用して回り込もうとして、分隊同士も鉢合わせ、場所によっては白兵戦闘距離と乱戦に乱戦を重ねる。
「歩兵部隊! AFVから離れるな! 砲撃に頼れ!」
「路地裏に歩兵単独で入るなよ。 ブラッカーに任せとけ」
「コンバットフレームは歩兵を守るんだ!」
「フォーメーション崩すなよ!」
「孤立するなよ。 したら最後だぞ!」
市内では建物の屋根から撃ち下ろすネウロイがいたり、飛び降りて上空から奇襲する等の立体的な攻撃も行ない、強い抵抗の意志を感じさせる。
「ネウロイ野郎! 立体的に攻撃してくる!」
「スナイパー気取りかよ!」
「狼狽えるな! ウィングダイバーに任せろ!」
「ウィッチにも頼れ!」
対してEDFはウィングダイバーや航空ウィッチが屋根のネウロイを駆除。
航空ウィッチは機銃掃射や爆装しての軽爆撃をしつつ通り過ぎるが、歩兵サイドのウィングダイバーは逆に占拠して地上のネウロイを撃ち下ろす。
「フェンサー! 盾を構えつつ突撃!」
「ウィッチ隊も続けー!」
「近距離ならハンマーでブッ叩くッ!」
「フォースブレードで斬り伏せてやるわッ!」
また、白兵戦闘距離ならばとフェンサーと陸戦ウィッチがイオンミラー・シールドを構え後続を守りつつ突進、ハンマーや二刀流フォースブレードで潰し、斬り伏せる。
銃撃戦では不利だろうハンマーでもEDF製のは超振動発生装置(ヴィブロドライブ)の振動で、命中した物体のみならず周囲一帯を粉砕。
またブレードは、エイリアンのフォースフィールド(防御スクリーン)の技術を応用した武器で、フォースフィールドを刃に変えて"投射"、離れたネウロイも破壊、切断する。
また隊員の腕もあり、市街戦の様な隠れ進めて鉢合わす場所では近接兵器も役に立つ。
一方、なんと建物の中から、ビームを発射するネウロイもいた。
2階の窓から人間みたいに攻撃してくるヤツもいる。
そういうヤツは、ブラッカーが主砲で窓ごと撃ち抜いた。
「建物の中にもいるぞ!」
「炙り出せぇッ!!」
隊員らがドカドカと軍靴を響かせつつ扉を蹴り破り、火炎放射器で火の海にしていく。
その様子はまるで暴徒と見間違う勢いと恐ろしさだ。
空気が膨張する音と共に家を焼き払い、ネウロイ装甲越しに熱を伝播させ、中身のコアを破壊した。
通常兵器では破壊困難でも、EDF製と隊員の手にかかれば、なんとかなった。
「EDFヤベェよヤベェよ」
それを見ていた連合軍は震え上がるしかない。
いちおう、歩兵部隊として援護しているが、正直いなくても制圧前進出来そうな雰囲気である。
かたや、コンバットフレームや戦車がネウロイの軍勢を押し返している。
「ブラット2! 左を守れ!」
「ブラット2了解!」
「路地裏にネウロイ野郎!」
「ブラッカーを突っ込ませろ!」
狭い道でも、ブラッカーやニクスは難なく突入、隠れたネウロイを殲滅。
「すげぇ。 EDFの戦車は小さいから、強いのか疑わしい時もあったが……なるほど、狭い場所でも戦えるのか」
「人型の兵器も強いぞ。 強力な弾幕を張ってくれている」
連合軍が客観的な感想を述べる。
元々、コンバットフレームやブラッカーは市街戦闘を考慮して設計されたビークルの為、こういった入り組んだ戦場でも威力を発揮してくれていた。
特にブラッカーはコンパクトで、狭い路地裏でもグイグイ入っていけるのが魅力である。
勿論、歩兵部隊との連帯が必要不可欠だが、やはりその利点は大きい。
戦車兵も装甲には頼らず、被弾を避けるように路地裏や大通りを出入り、神出鬼没に砲撃する事でネウロイを撹乱させる。
「本部、応答願います。 まもなく市街地のネウロイを掃討出来そうです!」
《よろしい。 センサー反応が消失次第、北のジークフリート線へ再進撃せよ》
「イエッサー!」
気が付けば、ネウロイの大半は殲滅してしまった。
ネウロイも市街地で時間を稼ごうとしていたのだろうが、予想以上にEDFの残存戦力が強力無慈悲であった。
ベルリン防衛線でEDFの戦力を削ったネウロイは、恐らく後方で足止めして、その間に周囲のネウロイを集結させベルリンまで押し返すつもりだったのだろう。
ところが、各地に孤立奮戦する歩兵部隊が陽動の役割を担い、ネウロイ側は集結する事が出来なかった。
結果、現状戦力で対処しなければならなかった。
また別の理由として、隊員らが市街戦を何度も経験してきたのが大きい。
建物の屋根から砲撃してくるスナイパー気取りのエイリアンとか、背後に回り込まれての防衛線崩壊とか、包囲殲滅されそうになった事も数知れない。
その中で生き延びてきた隊員らの戦術は様々だったが、この場において大いに役立っている。
《カールスラント各地で孤立奮戦している仲間がいる。 彼らと合流しつつ、Storm1、2の部隊と合流。 キールを奪還だ》
「了解」
彼らは軍靴の音を激しく響かせ進む。
Storm3、4の援護の元、本隊はジークフリート線へと突入していくのだった。
◆ジークフリート線
只野二等兵 視点
「そんで、いつになったら本隊が!?」
俺はプロテウスで押し寄せるネウロイに砲撃しつつ、無線でStorm1隊長に尋ねてみた。
もうね、弾薬も無ければ戦力もない。
救援部隊は来てマジノ線のネウロイは倒したけど、未だにキールから敵が来やがるんだよ。
このままだとマジでジークフリート線は崩壊だ。
『耐えろ。 本隊は直ぐそばまで来ている』
耐えろって。
一体、何日此処に籠っているんだよ。
隊員も連合軍も、ウィッチも負傷者だらけ。
要塞は瓦礫に近い。
プロテウスは特殊装甲板がボッコボコ。
砲手席でも煙と火花が散っていて、警報が喧しい。 むせる。
「少年少女、生きてるかー!?」
操縦席の少年兵と、ミサイル操作しているウィッチに語りかけた。
もうダメだ。 ふたりは脱出させる。
「赤いランプが点滅してます、なんかヤバいです!?」
「こっちも、煙が充満してきて……けほっ」
「今すぐ脱出して。 要塞に戻って、空いている銃座に着きなさい」
「えっ!? 銃座なんて……!」
「私も……!」
おいこら一等兵に軍曹。
お前らはナニを学んで、その階級についたんだい。
それとも訓練もソコソコに階級を上げないといけない程に逼迫しているのかね、連合軍は。
ウィッチに関しては軍曹スタートだとしてもだ、銃くらい訓練されてるだろ。
あれ、なんだろう。
EDFも逼迫しまくってるのに俺、戦争初期から生きてきて二等兵のままなんだけど。
……考えるのはやめよう。
大切なのは階級ではなく、生き残る事だ。
「俺も最初はそうだった。 だけど、使ってみれば なんて事はない!」
戦わねば生き残れない。
死にたくなかったらナニかしろ、である。
「使えないですよっ」
おのれガキんちょめ!
「使ってもないのに使えないとか言うんじゃない! 説明書にネガティブな事が書いてあっても使わないと分からない事もある!」
スラッガーライフルとか、スプラッシュグレネードとか、M4レイヴンとか!
大抵は説明書通りかなうん、な事になって若干の後悔を味わうんだが。
でも要塞内にあるEDF製の重機関砲とか連射砲は使えるハズだ。
クセはあるし、連射砲は言うほど連射性能は良くない気がしたが、使えんことはない。
というわけで使え。
「なんにせよ、ここにいたら死ぬよ?」
トーン低く言って脅す。
嘘ではない。 本当にここにいたら死ぬ。
「わ、分かりました! 要塞内でじゅーざに着きますっ」
「着きますっ!?」
モニター越しに少年少女が脱出、要塞に駆け足で戻るのが見えた。
よしよし。 後は砲手だけで良い。
「で、私らは?」
放置していたシャーリーが尋ねる。
急かすな。 今、説明すっから。
「砲弾は余ってるな?」
「少しだけな」
「全部ネウロイにくれてやれ。 あの世には持っていけないからな」
「おいおい、まさか此処に籠る気か?」
だから急かすな、そんなワケない。
俺は そんな情熱隊員じゃないんで。
「弾が切れたら同じように要塞に戻るよ」
「分かった! んじゃ、最後は撃ち尽くすのみ!」
そう言うと、爆音と共に派手にネウロイが吹き上がる。
やがて弾切れになったのか、静かになるとシャーリーが要塞に引っ込んだのが見えた。
本当に少ししかなかったのね。
いや、仕方ないんだけど。
逆に良く持ったものである。 無駄撃ちをしなかったのだな。
考えて行動出来る子だ、シャーリーは。
「只野! お前も早く来い!」
しかも二等兵を心配してくれるとか、優しいねぇ。
お言葉に甘えよう、ノイズが酷いガンカメラ一杯に赤色ビームが迫っているからね。
「そうさせて貰うよ」
砲手席から飛び降りた刹那、ビームはプロテウスに直撃。
装甲板を貫通し大破、爆発。
機体はバラバラに弾け飛んでしまった。
「大丈夫か!?」
「大丈夫だよ。 それより早く要塞内に入るんだ」
脚力強化装置、アンダーアシストを起動。
凄い速さでシャーリーの脇まで来ると、そのまま抱きかかえ、要塞まで退却する。
「ちょっ……速いな!?」
「EDFの補助装備のお陰だな」
「それ、後で私にも見せてくれよ」
「落ち着いたらね」
ネウロイが追撃のビームを撃ってくるが、その前に要塞内に転がり込む。
そのまま適当に空席の銃座を探す事にした。
「空いている銃座はあるかな!?」
ズラリと並ぶ銃座。
どれも無理矢理銃座仕様にした やっつけ感が凄い。 溶接痕とか剥き出しの配線とか。
だがラインアップは凄いな。
大型武装ヘリブルートに搭載されているドーントレス重機関砲、ピットブル連射砲、地底戦用歩行タンク デプスクロウラーのFK200ガトリング砲、スナイパーキャノン、バーストキャノン、ラピッドバズーカ砲、ヘビーショットガン、火炎放射器のインシネレーターまである。
おいおい、N9エウロスの大型レーザー砲バルチャーもある。
レールガンに搭載されていた、自衛用の機関銃もあるな。
本体ビークルが壊れたかナニかで、無事な武装をもぎ取って付けたのだろう。
後はフェンサー装備の約1分もの間、射撃を続行出来る装弾数に優れたUT2ハンドガトリング等がある。
だが、付けたヤツも凄いな。
だって、どれもモニター越しに操作する為、身を晒さずに敵を攻撃出来るんだもの。
これらには魔力切れで飛べなくなった501部隊の面々や、先程の少年少女、連合軍兵士らが着いており、不器用に、だけど必死に操作している光景が広がっていた。
「当たらないぞ! 銃身がズレているんじゃないのか!?」
バルクホルン大尉。
それもEDFクオリティ。
弾道はね、レーザーサイト通りにはいかない場合もあるんだよ。
だから貴女の馬鹿力でモニターを叩くのは お止めなさい。
調子の悪いテレビの直し方じゃないんだよ?
「クセが酷いよー! 後付けしたみたいだから調子が変なんじゃないのー!?」
ハルトマン中尉。
ごめんよ、それもEDFクオリティ。
なんか武装によっては"滑る"んだよね、慣れるまでが大変。
というわけで早く慣れて下さいウルトラエース。
「操作に慣れませんわね……!」
ペリーヌ中尉。
そうなんだよ、でも慣れればイけるよ。
だから、その調子で黙々と頑張って。
「これ凄いねー! おもしろーい!」
ルッキーニ少尉。
操縦桿で遊ばないで。 それと無駄撃ちダメ。
射撃の腕は天才的らしいので、真面目にやれば戦力になるんだろうけど。
うん。 だから真面目にやって下さい。
「大丈夫……身を晒さないから、安心して撃てる……!」
リネット軍曹。
順調にネウロイを倒しているね。
使っている武装のクセにも慣れてきた様だ、特に離れたネウロイを撃ち抜いている様子。 狙撃が上手い。
「怪我している方は!? 私が治します!」
宮藤軍曹。
銃座には着かず、代わりにショルダーバッグに医療品を入れて、負傷兵を治療して回っている。
医療に心得がある様だ。
ありがとう。 衛生兵も正直足りていないからね、助かるよ。
「サーニャは私が守るんだ!」
エイラ少尉。
ナニか言いながら、ネウロイを片っ端から撃ち抜いて撃破している。
器用ナンダナ。 レンジャーの様々な武器を持たせても扱えるかも知れない。
「エイラ……ありがとう。 でも、皆の事も守ってあげて」
リトヴャク……言い難いのでサーニャ中尉。
不慣れに銃座で操作しているが、頑張って発砲している。
「口じゃなく、手を動かせ!」
坂本少佐。
一生懸命に銃座で戦ってくれている。
脇の日本刀……こちらだと扶桑刀か、なんか気になるが。
弾が切れたら突撃とかは止めて下さいね。
「うんじゃ、私もいっちょやるか!」
シャーリー……イェーガー大尉。
空いてる席に座って、プロテウスと同じようにドカンドカンと撃ち始めてくれた。
既に慣れてきたか。
「俺もやらなきゃな」
空いてる銃座は……ラピッドバズーカ砲があるな、使おう。
俺は席に着くと、すぐさまトリガーを引きっぱなしに。
すると、砲弾がマシンガンかよって連射速度で吐き出され、正面のネウロイの軍勢を爆炎の海に沈めてしまう。
だが、見た目は派手な割に威力が無い。
現に爆炎の海より上陸してくるネウロイが映る。
「クタバレってんだ!」
だが嘆く暇があるなら撃てとばかりに撃ち続ける。
赤いヤツも硬かったが、撃ち込みまくる事で倒す事が出来た。
同じやり方でやる、他にないなら そうするしかない。
そんな抵抗線の中。
銃撃や爆音に混ざり、ヘリのローター音が 微かに聞こえた。
センサー反応でも、友軍表示の水色の丸がポツポツポツと出始めており、思わず隊長に無線を入れる。
「隊長!」
『言っただろう。 本隊が来ると』
言うが早いか。
ローターの音量が一気に上がる!
《こちら攻撃ヘリ ホーク1! 待たせたな!》
思わずモニター越しに空を見上げた。
黒いボディに赤色が混ざったヘリが飛んでいた。
「おおっ! 対地制圧ヘリコプター【EF31ネレイド】か! 頼むぞ!」
そう、圧倒的な対地制圧能力を持つヘリコプター、ネレイドである!
来てくれた機体の武装は、自動捕捉オートキャノンにロケット砲か!
《その声は只野か!》
なんだ、パイロットは俺を知っているのか。
「ああ! 頼みますよ!」
《おう、任せろ》
頼もしいな!
ところが、ネウロイカラーが災いして、見た連合軍兵士らが悲鳴を上げる。
「うわああ!? ネウロイだぞ撃てッ!?」
ネウロイカラーなソレにビビり、思わず撃ちまくる連合軍兵士。
慌ててネレイドは回避行動を取った!
《馬鹿野郎! 味方だぞ!》
『Storm1から全兵士へ! 空のヘリを撃つな! 友軍だ!』
「お前ら止めろ! 撃ち方止めー!?」
ホーク1や隊長が怒る様に撃ち方を止めさせ、俺も同じ並びにいる兵士らに叫んで止めさせた。
うん、色はね……仕方ない。
取り敢えず友軍だと気付いた兵士が撃つのを止めてくれたタイミングで、気を取り直したホーク1が敵の群れ後方から接近。
始まるな。
《これよりジークフリート線のネウロイを掃討する! 地上部隊は退避されたし!》
《Storm2了解した! 頼むぞ!》
前線のどこかにいるだろうStorm2の無線が流れてくる。
同時に、散り散りに奮戦していたビークル乗りの隊員等が要塞に引っ込んで来た。
後は友軍に、ネレイドに任せよう。
「ナニが始まるんです?」
「大惨事大戦だ」
尋ねる連合軍兵士にふざけつつ、見ているように促し……それは始まった。
先ずはネウロイの軍勢後方から進むようにしてロケット弾を8発バースト発射。
ネウロイの群れに刺さるようにして爆発、爆発、爆発!
群れを吹き飛ばし、続いて自動捕捉オートキャノンが、下方にいるネウロイに無数の弾を叩き込む!
瞬く間に陸戦ネウロイは蹂躙、殲滅されていく。
「ネウロイが……喰われていく」
あっという間に数を減らしていくネウロイ。
そこに後続のレンジャー、ウィングダイバー、フェンサーや航空と陸戦ウィッチ、ブラッカー戦車、コンバットフレームが突入してくる!
「早くしないと獲物が無くなっちまうぜ!」
「突撃ッ! 突撃ィイィイーーッ!!」
「EDFッ! EDFッッ!!」
その様は波濤。
大波は直ぐにネウロイの軍勢を飲み込み、ジークフリート線のネウロイを消し去っていく。
その様子から、とてもベルリンが陥落しかけていたとは思えない。
いや……きっと、連合が余計な事を言って基地機能や部隊の移動をされていなければ、もっと早期にネウロイを倒せたのかも知れない。
「あ……あぁ」
その様子を見て、呆けている少年兵。
心配だ、声を掛けるか。
「君、大丈夫か?」
「ひっ!?」
肩を叩いたら飛び上がり、軽い悲鳴を上げられ……ギギギ、と首をこちらに動かすと、
「EDFは……僕たちを殺しませんよ、ね?」
変な事を聞かれてしまった。
なんというか、俺は彼の恐怖した目を見て悲しくなった。
ウチらの上層部は、この世界の人々に こんな目で見られたいのだろうか。
ウィッチの軍曹ちゃん。 かの者。
WDF計画。
本格的に実行されたら、EDFは世界を恐怖という統制下に置くつもりだろうか。
もし、もし そうならば。
俺は計画を頓挫させてやる。
そして。 軍曹ちゃんを助けたい。
軍曹ちゃんを再登場させないと……と、思いつつ。