Witch Defense Forces(WDF)(完結)   作:ハヤモ

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緊急事態応急対応:
【本部より全兵士へ】
WDF、シルバーを止めてくれ。
空軍、海軍、連合軍の協力を取り付けた。
全権はStorm1に委託する。
サテライトW1、バレンランド基地、最終作戦決戦仕様、使えるものは何でも使え。
ヤツを野放しにすれば、この世界も"誰もいない地球"になる。
出し惜しみはナシだ。
白銀を止めてくれ……頼む。
備考:
動ける者は戦闘に参加しろ。


51.INF

◆ジークフリート線

 

EDF本隊が遁走する一方、ストームチームはWDFと交戦中。

グリムリーパーは、髑髏が描かれたシールドで皆の盾となり、スプリガンは空を舞い、ビームを放つ。

Storm1は後方で無線機を取り出し、皆の指揮を執りつつ空軍に座標伝達。

 

航空機が放ったミサイル群や、軍事衛星サテライトW1によるバルジレーザーが空を裂く。

 

一方、ジークフリート線にいる【かの者】を知らない連合軍……501部隊は援護しようか迷っていた。

 

 

「私の目が狂っている事を願う……ッ!」

 

 

坂本少佐が、苦悶の表情を浮かる。

ネウロイのコアが見える目、眼帯を外して固有魔法の魔眼で白銀の魔女を見てみるも、やはりネウロイのコアは確認出来ない。

つまり、ネウロイではなくウィッチである。

 

 

「あの子の軍服、私達と同じカールスラント空軍のだよね!?」

「間違いない。 だが何故、友軍を攻撃している! それにユニットどころか武器も持たずに、どうやって!?」

 

 

歴戦のハルトマンとバルクホルンも動揺を隠せない。

今まで人ならざる怪異を相手に戦ってきただけに、同じ魔女が、味方である筈の同国の軍人が、人間が人間を殺しているなんて考えたくもない光景だ。

 

そも相手は、あの白銀は人間なのか?

それすらも怪しく、混乱する。

見た目も相まって、ユニットも無しに空を飛んで武器も無しに凄まじいビーム攻撃を行なっている。

多少ならまだしも、あれだけの能力を持つウィッチなんて見た事も聞いたこともない。

 

アニメのベルリン戦に備えて決戦兵器扱いをされた宮藤だって、あそこまでのチカラは出せないだろう。

 

 

「あの子……霧の中で見た子だわ」

「そうなのか?」

 

 

サーニャが言い、エイラが反応する。

やはり見間違いではなかった。

でも、謎は深まるばかり。

 

 

「EDFは、何か隠している」

 

 

ミーナはStorm1とのやり取りから、疑惑を深めるが、状況はそれどころではない。

 

 

「みんな、発進準備」

「ミーナ!?」「中佐!」「ミーナさん!」

 

 

ミーナに抗議する様に、バルクホルンやペリーヌ、宮藤やリーネは名を叫ぶ。

 

 

「相手はネウロイじゃないんですよ!?」

「友軍が攻撃を受けているのよ。 このまま静観するワケにはいかないわ」

 

 

言っていることは分かる。

分かるが、どうしろというのか。

まさか攻撃しろ、というつもりじゃ……。

 

 

「呼びかけを行い」

 

 

一拍おいて、

 

 

「応じない場合は射殺します」

 

 

冷たく言い放った。

 

 

「ッ!」

 

 

皆が狼狽え、坂本が叫ぶ。

 

 

「ミーナッ! 私たちウィッチは、同じウィッチと殺しあう為にいるんじゃないぞ!」

 

 

皆を代弁するように、そう言った。

少なくとも、現時点では。

ネウロイを倒し、人類の為に戦ってきた。

それなのに、守る対象である人間を……正確には分からないが……手にかけるなんて、出来ない。

出来る筈がない。

彼女らはエースだが、人殺しをした事はないエースだ。

 

もし、もしその一線を越えてしまえば、彼女達は一生の罪を背負って生きないとならなくなる。

 

 

「分かってる! 分かってるわよそんなこと!!」

 

 

ミーナは悲痛な表情を浮かべ目を固く閉じ、悲鳴の様に言い返す。

 

 

「じゃあ、このままEDFの皆が殺されるのを見ていろというの!? それこそ私達が何の為にここに来たか分からないじゃない!!」

「考え直せミーナ! 何か方法があるはずだ、殺さなくて済む方法が!」

 

 

残骸と言って良いほどに崩壊した要塞内で、甘く不毛な言い合いが繰り広げられる。

その間にも、外からは隊員や連合兵士らの悲鳴が響き渡る。

 

 

「あっ!」

 

 

そんな時だ。

宮藤の視界で、少年兵が白銀からの流れ弾に巻き込まれ、吹き飛んだのは。

 

 

「あ、ああ……!」

 

 

生ぬるい血の、鉄臭くも甘ったるい匂い。

宮藤は絶望感と吐気が込み上げ、吐きそうになるのを両手で口を覆い必死に堪えた。

よく見れば、側では背の低いウィッチが倒れている。

 

他に、他にも、何人も!

 

血の海だった。

血溜まりが繋がり合い、紅の大海が形成されていた。

中身入りヘルメットが転がり、逃げる兵士らに蹴られていく。

人間の肉塊が島となり、浮いている。

中には"親離れ"したものが小島となり、空いた腹部から漏れる腸が列島を形成している。

 

 

「見るなッ!!」

 

 

気付いたシャーリーが、ルッキーニの目を覆いながら皆に叫ぶ。

そういう彼女も、額に大粒の汗を出し、目を大きく見開いて精神が病みそうになっているが、それでも健気に皆を庇う。

エイラも目を固く閉じながら、サーニャを目隠し、リーネは顔を背ける。

 

ストライクウィッチーズは、女の子達が空を飛ぶ萌えアニメであるが、一方で戦時中の話だ。

 

描写はないが、一般の兵士らも参戦している手前、この様な惨劇は日常茶飯事でもあるだろう。

 

だが彼女らの多くは、こんな陸の惨劇に見慣れていない。

そういった戦場にはいなかったし、いてもマジマジと見ないようにしていた。

出血の描写はあるが、目の前の惨劇は個人の"綺麗な死に方"のレベルをゆうに超えてしまっている。

 

 

(戦争……これが、戦争なんだ……)

 

 

お父さんを奪った戦争。

家族を奪った戦争。

国や家を奪った戦争。

故郷を奪った戦争。

大勢の命を奪った戦争……。

 

ネウロイよりも、もっと恐ろしいなにかが、そこにあった。

 

宮藤や、他の何人かは無意識に現実から意識の糸を切り離した。

嗅覚、視覚、聴覚、その他諸々の一部。

足が地面に着いている感触はなく、自分自身が自分ではなくなって、離れたところから自分を見ている感覚だった。

眠気にも襲われて、気を失いかけてもいる。

これ以上はいけない。

そう脳がジャッジを下した結果だった。

 

10代の少女でありながら、よくやった方だ。

魔女だったから、かも知れない。

 

だが、この惨劇を生み出しているのも魔女だった。

 

 

「…………この状況で、上がるのは無理ね」

 

 

ミーナは力なく、諦めるように俯く。

皆の精神不安定の意味でも、離陸に成功する確率の意味でも。

 

 

「撤退を……EDFに、後を任せます……」

 

 

それは見捨てる決断。

助ける筈だったEDFを助けずに去る。

何の為に来たのか分からない。

 

 

(なにがウィッチよ。 なにが守ってみせるよ。 これじゃ、私たち……)

 

 

遠くなる意識の影で、悲鳴が木霊する。

嗚咽しそうになるのを、必死に堪えた。

 

 

「……ミーナ」

 

 

坂本が寄り添う。

掛ける言葉が見つからない。

 

爆音と連動して、僅かに残る天井からパラパラと崩れる埃が彼女達を汚していく。

純粋に小汚い、無力な連中だと罵るように。

 

そんな時だ。

 

 

《こち…ただ………二等…!》

 

 

無線にノイズが走る。

悲鳴とは明確に違う、直接耳に届く男の声。

それは段々とハッキリとしていく。

 

 

《繰り……ちら……の……兵!》

 

 

皆は顔を上げ、互いを見合った。

その声と名前は、皆の知る人物だったからだ。

 

 

《繰り返す! こちら只野二等兵! 救援に向かっています! 指揮官はいますか!?》

 

 

そう。

EDFの精鋭歩兵で自称下っ端二等兵。

只野二等兵である。

 

 

 

 

 

ーーーーーEDFーーーーー

只野二等兵視点

 

爆音と悲鳴が響くジークフリート線に、アンダーアシストで走りながら、俺は無線に呼びかけ続ける。

だが、未だに誰も出やしない。

 

 

「無線がイかれたのか?」

 

 

それでも呼びかけ続ける。

武器はないが、出来る事はやらせて頂きたい。

そんな想いで走らせて貰ってます。

 

 

《こちら501、ミーナです》

 

 

おお! ついに応答が!

しかも501の隊長、ミーナだ。

信頼出来る情報を教えてくれるハズ!

 

 

「良かった、呼びかけ続けた甲斐がありました! 状況を教えてくれますか!?」

 

 

走りながら聞いてみるが、直ぐに返答がこない。

状況が逼迫している様子だからな、戦闘中か?

 

 

《……白銀のウィッチから無差別攻撃を受けています。 現在、ストームチームが応戦中。 死傷者多数。 来ちゃ駄目、勝ち目は無いわ》

 

 

想像出来る最悪の範疇だった。

現場は阿鼻叫喚の地獄絵図か、死体……肉塊が飛び散り血の海に沈んでるんだろうな。

恐らく生存者がいても混乱の渦中だ、指揮官はいていないようなもんか。

 

 

「分かりました。 501は?」

 

 

と言いつつ向かう。

誰も期待してないだろうが、立ち向かわなきゃならない。

EDFだから、仲間がいて、大切な子が暴れているから。

 

 

《退避します。 このままでは、損耗が激しくなるばかりです》

 

 

震える声。

無線に僅かに混ざる銃声、爆音、悲鳴。

戦場だ。

だが、ミーナは、501はまだ安全な所にいる筈だ。

じゃなきゃ、無線をしている余裕なんてない。

 

 

「戦ってないんですね」

《ッ!》

 

 

怒りからか、怯えからか、息を呑む音が伝わる。

侮辱するつもりで言ったんじゃない、仕方ない事だ。

俺だって逃げたさ、皆を見捨てて。

特に今回は特殊過ぎる。

魔女に魔女を殺せとは、あんまりだ。

だから……気を楽にしてあげよう。

本音を言えば中佐である彼女に、まだ指揮系統が生きている隊に指揮して欲しかったが仕方ない。

 

 

「俺も逃げます。 武器がありませんから」

 

 

優しい、嘘をつく。

穏やかに、戦争を忘れられるように。

子供たちには酷過ぎる。

 

 

《……分かりました。 ベルリン方面への撤退を予定しています、只野さんも……生き延びて、会いましょう》

「了解です。 通信終了」

 

 

無線を切り、このまま走り続けた。

撤退? ベルリンに?

元の地球で俺は逃げたが、逃げた故に思ってしまう。

それをして、助かるのかと。

かつての、俺たちの地球みたいにならない事を願う。

 

戦争後期。

都市部を離れて、山に逃げた人々に対し、エイリアンは怪物を投下して殺しにかかっていた。

WDFが、それをするかは分からないけど、エイリアンの因子が組み込まれているなら、或いは分からない。

 

俺は欧州で運が良かったに過ぎない。

だがそれも長くは続くまい。

この世界で生き延びれるか保証は無い。

 

爆音が響き、光の槍が空を割く。

かなり近い距離からだ。

 

 

「サテライトW1のバルジレーザー? なんにせよ、穏やかじゃないな」

 

 

その根元へ、今はひたすらに向かう。

Storm1は必ずいる。

戦うにせよ、逃げるにせよ、合流しなくちゃな。

 

やがて、爆音が身体を震わす頻度が増えると共に、横たわる屍が増えてきた。

損傷も段々と激しくなっている。

中には破裂して死んだような者もおり、臭いも相まって最悪だ。

 

 

「全部が軍曹ちゃんの仕業だなんて、考えたくない」

 

 

寝起きから、覚醒するに従って見えてくる現実のように、惨状は進む程に酷くなる。

軍曹ちゃんが正気に戻ったら戻ったで、罪の意識から潰されないか心配だ。

その前に解決方法を見つけるなり、俺が殺されないか心配しないとならないだろうけど。

 

どうすれば良いのか。

解決策もナシに血の海をピチャピチャと走り、増える死体を跨ぎながら、俺はやがて現場へと到着する……。

 

 

 

 

 

ーーーーーEDFーーーーー

ジークフリート線

 

 

「ここまでとは……死神を超えたか」

 

 

EDFの死神、グリムリーパーは遂に膝をついた。

シールドは既に形無く、漆黒のパワードスケルトンからは火花を散らせ、鎧のつなぎ目からは赤い流血。

黒い鎧は屈辱の汚泥に塗れる。

 

 

「もはや翼は……」

 

 

スプリガンは背中のウイングがもげてしまい、コアも損傷。

武器へエネルギー供給が出来なければ、空を飛ぶ事も叶わず地面に這い蹲る。

 

彼等ストーム隊を援護する者はおらず、あるのは崩れた要塞と死体の山。

もはや壊滅状態といって差し支えない状況下だが、それでも尚、戦う者がいた。

 

エアレイダー。 Storm1だ。

 

 

「EDFッ!」

 

 

アーマーの一部が欠損、フルフェイス・ヘルメットの隙間から血を流しても、彼は膝をつかない。 つくわけにはいかない。

 

 

「うおおおおおおッ!!」

 

 

咆哮を上げながら、長方形の箱にアンテナ類が付いたような銃、リムペットガンを空中にいるシルバーへ向けてトリガーを引く。

光る缶ジュースのような吸着爆弾が射出されるが、突如現れた赤い魔法陣の壁……シールドによって防がれる。

シルバーはシールドを引っ込ませると、付着していた爆弾はボトボトと力なく落下する。

 

 

「想定済みだ!」

 

 

構わず起爆トリガーを引く。

空中で、シルバーの足元付近で爆発する爆弾。

爆炎は彼女を襲い、フラつかせるが、それだけだ。

大した損傷は見受けられず、白い柔肌は染みひとつない。

 

 

「まだだッ!」

 

 

だが、それすら想定済みだとばかりに、炎に紛らせてビーコンを撃ち込む。

エイリアンの巨体ではなく、10代の小さな女の子の体に当てるのは難しい筈なのに、なんとか撃つ。

それには白銀は反応出来ず、間違いなく胴体に張り付いた、見事。

刹那。

 

 

『120ミリ制圧破砕砲、ファイヤッ!』

 

 

地上制圧機、ガンシップDE202から放たれた120ミリが、ショットガンのように彼女の上空で降り注ぐ。

散弾なので、空中目標への命中率は悪くない……そんな算段からだ。

対して白銀は、相変わらずの無表情で右手を上にかざしシールドを展開、完全に防いでしまう。

それも、空を……否。

地球を飲み込むような、アース・イーターのような巨大なシールドで。

 

 

「なんだと!?」

 

 

さすがのStorm1も、見ていたストームチームも驚きを隠せない。

シールドベアラーやら金の装甲を散々に見てきたが、まさか見た目10代の少女が これ程のチカラを出すなんて。

 

 

「俺たちは、あとどれくらいの死神と会えるんだ? 楽しみだな」

 

 

グリムリーパーは、瀕死の中でも軽口を叩いた。

逆に言えば、それくらいしか出来なかった。

 

 

「地上も空も、全て白銀の舞台か。 私たちはとんだ大根役者だ」

 

 

悔しそうにスプリガンは言う。

装備が壊れた以上、彼女の言う通り舞台……戦場では無様に這いずり回るのが精々か。

なんにせよ、舞う事は叶わないだろう。

 

そんなストームらを完全に消去しようと、白銀は指先から矢のように鋭いビームをとばした。

最優先は未だ闘志が消えぬStorm1だ。

 

 

「くっ!」

 

 

それを紙一重でローリング回避。

Storm1は諦めず、起き上がると同時にビーコンガンを白銀の下、地面に照射し続ける。

やがて大凡の座標を受信した相手から無線が入る。

 

 

『バルジレーザー照射ッ!』

 

 

そう。

EDFの軍事衛星サテライトW1の、サテライトコントロールにバルジレーザーを要請したのだ。

それも出力が凄まじい最高レベルの照射モードZ。

宇宙から地球の地上に向けてレーザーをぶっ放す、EDFのヤベェ超兵器のひとつである。

軌道上から地上に向けて照射されるレーザーは、本来なら当西暦世界には使えない。

だが、転送技術により上手い事使えるようにしている。

そこ、御都合主義とか言わない。 良いね?

 

だが、そんな超兵器すら生温い。

白銀は極広シールドで防いでしまう。

レーザーはシールドに穴を開けようと、バチバチと火花のようにレーザー光を散らし続けるが、シールドが破れる様子はない。

 

 

「だが、その間は他は出来ないな!」

 

 

だがそれも計画の内だと、Storm1は更なる要請を続ける。

 

 

『テンペスト発射!』

 

 

今度はテンペストミサイルを要請。

極秘建造されたバレンランド基地から、巨大ミサイル テンペストを飛ばしてもらったのだ。

作戦領空到達まで時間がかかる為、その間に別の攻撃に移行。

 

これらも全部、転送技術のお陰だから。

そこ、突っ込んではいけない。

 

 

「ふっ!」

 

 

白銀がレーザーを防ぐのに夢中になっている間に、Storm1は自動歩哨銃の最高峰のひとつであろうZEXR-GUNを設置、起動。

凄まじい自動追尾機能と連射速度で白銀を蜂の巣にせんと弾丸を叩き込んでいくが、

 

 

「なに!?」

 

 

それすらもシールドで防いでしまう。

空覆うシールドを張りつつ、地上に対してもシールドを張ったのだ。

そのうち宮藤など、そういった芸当が出来る子もいるが、魔女のノウハウに疎いEDFは驚きである。

 

驚いてる間にも、テンペストが飛翔。

シールドは空と地上に張られているが、この魔力を消費している状態でテンペストなどという戦略レベルの超火力に耐えられまい。

そう考え、Storm1は誘導ビーコンに切り替えると、容赦なく白銀に照射。

テンペストは迷う事なく白銀にトップアタック、その頭上に広がるシールドに着弾して巨大な火球を生み出した。

それはシールド表面を伝うようにして広がり、空は炎の海と化す。

 

空は火の海、大地は血の海、死屍累々。

 

インフェルノの悍ましい光景の中、その轟音は終焉を知らせる幕引きに感じさせる。

否。 そうであってくれ……生存者は願う。

 

 

「やったか!」

 

 

Storm1か、チームの誰かか、はたまたモブ生存者か分からないが、地獄の終わりを願う声を上げた。

だが現実は無情にも、舞台の閉幕を許さない。

 

 

「なっ……!」

 

 

爆炎が晴れた先。

無傷の白銀は浮いていた。

皆、絶句した。

 

 

『砲身融解ッ! 修理が必要だ!』

『我々は人類の勝利を確信している』

 

 

サテライトコントロールと、バレンランドからの無線が虚しく耳に届く。

 

 

「馬鹿な……こんな事が」

 

 

かの者と同等、いや。

超えている究極生命体。

 

それを前にして、人類の英知を結集した超兵器群は役に立たない。

 

 

この程度、生温い。

本当の地獄を見せてやろう。

 

 

白銀はそう言うかのように、身体が光り輝いた。

して、次には流星の様にStorm1に体当たりを仕掛けた!

 

 

「ッ!」

 

 

咄嗟に護身用散弾銃、サプレスガンを持ち発砲。

散弾は確かに白銀に命中するがしかし、先程の超兵器と比べると豆鉄砲以下のそれで止められる筈がなく、そのままStorm1は攻撃を受けてしまう。

 

 

「Storm1ッ!?」

 

 

ストームチームは叫んだ。

我らの希望が、こんな形で終わって欲しくない。

 

そう思い、センサー反応を見る。

まだ、Storm1は健在だった。

 

しかし、地上には既に姿は確認出来ず。

上には白銀が宙に浮いているだけ……いや、Storm1もいる!

 

 

「グ……ッ!」

 

 

なんと白銀は体当たりに見せかけてStorm1を掬い上げていたのだ。

それも片手で、エアレイダーの重装備ごと。

 

 

「俺を確実に殺す為に……ッ」

 

 

その意図を察し、Storm1は必死に暴れた。

ミシシッ、と嫌な響きが地獄にいやに響く。

それもそうで、今、Storm1は白銀に握り潰されそうになっているのだから。

 

 

「ガハァッ!」

 

 

内臓が悲鳴を上げ、筋肉がブチブチと音を立てて切れていき、骨は折れ、中で刺さり、一部は体外に突き破って露出した。

 

 

(ただで死ぬワケにはいかない……ッ)

 

 

せめての意地にと、なんとか片手をビーコンガンに持ち替えた。

 

何をするか?

決まってる。

 

EDF隊員なら、やった者もいるだろう。

それはα型や有翼型に喰われた者、或いは……怪物の群れの中心。

絶望した時、それをやる。

 

Storm1は、ビーコンを自分の頭に照射し続ける。 自爆だった。

 

 

「シルバー! 俺と地獄に堕ちろッ!」

 

 

刮目して叫んだ刹那!

 

 

『ファイヤ♪』

 

 

謎の女科学者の声が聞こえたと同時。

天より無数の光の槍が降り注ぐ。

それはバルジレーザーではなく、もっと別のチカラ。

 

EDF総司令部が恐れ、封印した機密衛星兵器。

 

神をも滅する光の槍。

 

 

スプライトフォール デストロイモード。

 

 

無数の光の槍はStorm1ごと白銀を貫き余り、地獄にきて殺戮を尽くす。

 

 

「ストームワアアンッ!?」

 

 

その光景を見たストームの面々、501は思わず叫ぶ。

 

加えて只野二等兵も叫ぶ。

軍曹ちゃん、と。

 




間違いあるかも……。

書くの難しいです……。
もちろん、これで戦いは終わらないワケですが、果たしてどうなるのやら。
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