Witch Defense Forces(WDF)(完結)   作:ハヤモ

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緊急事態応急対応:
プランAは失敗。
ただちにプランBに移行。
WDFに集中砲火、気を引いている間に再度取り付いて下さい。
備考:
※真面目な作戦です。

でも酷い話になってきてるよね……自覚はあるんだ(殴)。

隊員:
あー、もう滅茶苦茶だよ(有翼型エイリアン初登場時セリフ風)。
気が狂いそうです!(地底に取り残された生存者風)。


61.第1次白雪姫作戦B

◆黒海方面

 

童貞故か、Kissもシなかった所為でプランAは呆気なく失敗。

直ぐにプランBに移行、509JFWことEDFは集中砲火を開始。

電磁投射砲、レールガンの凄まじい貫通力を誇る超加速した砲弾が無数に白銀の魔女に叩き込まれていく。

他にも重戦車タイタンのレクイエム砲やら副砲やらミサイルやら、対空兵装のニクスのミサイルやらリボルバーカノンやら、狙撃部隊の弾丸やらビームやらが飛んでいく。

Storm1もどこかにいるのか、大型ミサイルテンペストが飛来、爆炎が空を覆い尽くす。

 

激しい戦火。 烈火の猛撃。

 

いつかの平原での戦闘を彷彿とさせる。

が、それらは全て魔法陣……シールドで防がれてしまい有効打にならない。

やっぱりKissするしかないようだ。

 

 

「童貞野郎に世界を滅ぼされるのかよ! 最悪だ!」

「しっかりヤれよ只野!」

「本当だぜ! 下手すると世界の命運がかかってるんだぞ!」

 

 

随伴歩兵のStorm2……軍曹の部下達がブーブー文句を叫んだ。

隊長の軍曹は重症で寝かされているものの、比較的軽傷だった部下は戦場に立っているのだ。

 

そんな彼らの叫びは、激しい銃声の中でも無線越しで、しっかりと只野二等兵に聞こえた。

 

 

「黙れィッ! 軍曹ちゃんがこうなったのは俺の所為じゃない!」

「軍曹"ちゃん"?」

「まさかの男色」

「気持ち悪りィ……ヤダオメェ……」

「違ェよ! ウィッチの軍曹ちゃんだよ!?」

 

 

階級で言っている所為で、またも変な勘違いが起きてしまう。

それに反応するのは、ナニも男性隊員だけではなかった。

 

 

『キャーッ! 只野さん私たちをそんな目で!?』

『大切な人がいるのに。 イケナイ人♪』

『へんたーい♪』

『えっち! スケベ!』

『女の敵ね』

「魔女ども! 無線に割り込むんじゃねぇよ!?」

 

 

今のオープン回線に割り込みもヘッタクレも無いが、随伴歩兵として参戦している陸戦ウィッチが黄色い悲鳴を上げた。

対して、変に冷静になった部下のひとりが、解説するように言う。

 

 

「ああ、ウィッチの最低階級は軍曹だからな、たくさんいるんだろう」

「ハーレム志望? 浮気性?」

「無駄口叩くな! 良いから撃てよ!?」

 

 

馬鹿な会話をしている間にも、WDFからの反撃が始まる。

器用に片手でシールドを展開しつつ、もう片方を防衛線に向けると、手からビームが飛び出てきた。

 

 

「きやがるぞ!」

「誘導性のあるビームだと!?」

「ウィングダイバー兵装を積んでいるのか!?」

「手にはナニも持ってない! やはり【かの者】絡みか!」

 

 

それらビームは、ウィングダイバーの脳波誘導兵器ミラージュに酷似している。

だが当然のように、武器の類は持っていない。

 

となれば、かの者もやっていたサイコキネシス攻撃を連想する。

 

そのひとつひとつは、寸分違わず戦車1台1台、レールガンの1門1門、歩兵1匹1匹を正確に当てていく。

 

 

「ぎゃあっ!?」

「ぐはっ!」

「戦車の装甲がっ!」

 

 

ネウロイ討伐に出掛けた509JFWウィッチを屠ったのはコレである。

だが、ウィングダイバー兵装よりも出力が高いソレらは命を奪うには十分だった。

 

 

「うわぁ!?」

「ミラージュって、威力低い筈だろ!?」

「馬鹿! 相手はWDFだぞ!」

 

 

貴重なレールガンが吹き飛び、歩兵を巻き込んでいく。

だが、その程度は覚悟済み。

特に強靭な身体と戦闘服を見に纏うEDF隊員は、吹き飛んできたビークルに巻き込まれたところで怪我のひとつもない。

直ぐに立ち上がって戦線復帰する勇ましい隊員らを見て、戦車隊は直ぐに指示を出した。

 

 

「シールドの無い歩兵はタイタンの背後に隠れろ!」

「この程度の攻撃、タイタンが壊れるかぁ!!」

「怯むなっ! 撃ちまくれッ!」

「悲劇を終わらせろッ!」

「EDFッ! EDFッ!!」

 

 

歴戦のEDFは恐怖に耐え、かつての平原での戦闘スタイルや反省を活かして行動。

動く要塞とあだ名される重戦車タイタンを盾にしつつ、歩兵隊は必死の銃撃を浴びせる。

武装も兵士の数も、かの者と対峙した時より多いEDF。

だが、やはりそれでも、白銀の魔女は倒せない。

 

 

「やっぱ駄目か!」

「気を引くのが目的だ。 倒すのが目的じゃない」

「といっても、いつまで持つか分かりません」

「そこは只野に任せるしかない」

「てな訳で、頑張れよ童貞。 ソレを捨ててこい」

 

 

軽口を叩くくらいの余裕ならまだある隊員たち。

 

 

『カールスラント防衛の為でもあるのよ!』

『私たちの祖国を守って! お願いよ!』

『頑張れ只野さん!』

『頼む! 私たちの祖国を!』

 

 

カールスラント出身ウィッチが懇願した。

なんか、501部隊員の声も聞こえたが気にしてられない。

只野は揶揄われたり懇願されたりする忙しさにイラッとさせられつつ、しかし真面目にやらないと更に多くの人命が失われるのを防ぐ為にも行動する。

 

 

「"ドイツ"もコイツも……! ならお前らがヤれよ!」

 

 

文句を言いつつ、カタパルトに再度跨った只野。

その文句を真に受けてか、またStorm1が無線をしてきた。

 

 

『女の子同士じゃ、Kissしても効果が無いらしい』

 

 

只野が反応する間もなく、変な話を続けるStorm1。

 

 

『501部隊の坂本とミーナの例が』

『あー! あー! ストームさん その話は、ね? ね!?』

 

 

どこかで無線を傍受していたミーナからの割り込みで無線が切れた。

触れて欲しくない話題だったらしい。

が、最前線にいる只野は気にする余裕はなく、再発射に備えて顎を引く。

 

 

「結局は俺か! ヤッてやんよ!」

 

 

言い終わるが早いか。

再び発射される只野二等兵。

 

 

「ぬおおおおっ!?」

 

 

また空を舞い、鳥になる。

ウィッチもこんな光景を見ているのかなぁ、とか、また変に冷静になる頭で考えてる間にも、また柔らかいナニかにぶつかり止まる。

 

 

「グヘッ」

 

 

今度はWDFの背中だった。

背後から抱き着く形になり、胸を鷲掴みにしてしまっている。

 

シールドの無い、無警戒な背後を狙い、見事成功した結果だった。

 

とはいえ相変わらず砲手の腕はスゴかった。

思えばEDF戦車隊は空中を高速飛行するドローンに砲弾を当てられる腕前だ。

これも納得……なのか?

 

ああ、やわこい……って、味わってる場合ではない。

 

童貞野郎だと罵られても、恥辱を受けようとも果たさねばならない事はある。

 

 

「やぁ(定ry)」

 

 

だが挨拶から始める!

なんて軟弱な男!

 

挨拶されたWDFは、冷たい表情で背負い投げの要領で引き剥がそうとしたが、そこは只野にも意地がある。

 

抱き着き、今度こそ魔法を奪ってやると歯を食いしばって離れない!

凄い顔になって、ナニがナンでも唇を奪ってやると必死だが真面目である。

 

 

「ぐぎぎ……ッ!」

 

 

WDFもKissされるのが分かってるのか、ナニされるのか知らないのか。

ブンブンと振り回して只野を引き剥がそうとする。

 

側から見たら、Kissをしたい男と拒む女の子であり、変態による犯罪現場でしかない。

 

 

『ヤれ! 只野!』

『只野二等兵!』

『只野さん! 終わらせて下さい! この悲劇を!』

 

 

司令官と戦略情報部の少佐と その部下が叫んだ。

 

ここまでされて、ヤらないのは男じゃねぇ。

決意のままに、只野は内側の熱い鼓動を身体に響かせて魂の脈動すら感じ取る。

 

して、もがいている内に軍曹ちゃんの正面に出た!

 

刹那!

 

 

「EDF!」

 

 

いつもの叫びと共に唇に突撃。

 

突然の柔らかな感触に、生気のない目を見開く軍曹ちゃん。

 

両手はチカラなく だらん、として、次には目を とろん とされてしまう。

 

所謂、ずきゅーん、である。

 

なんか、暑苦しく凄いサイテーなKissな気がしてくるが、この瞬間、彼の任務は果たされた。

 

 

「やったぞー!」

「はっはー! やりやがった!」

「EDFッ! EDFッ!」

 

 

歓喜に沸く隊員たち。

北京決戦での勝利以来である。

ヤッた事はアレだったが。

 

だが、防衛プランを立案したStorm1は油断しない。

ミーナからの謎の妨害から立ち直り、素早く無線を繋ぎ直すと声を上げる。

 

 

『喜ぶのは まだ早い! 攻撃効果を確認しろ!』

 

 

ハッとし、銃を構え直し再警戒する隊員ら。

そうだ、終わりではない。

攻撃(Kiss)したからって、全てが終わったワケじゃないんだ。

 

コマンドシップを撃墜した時だって、人類の決定的な勝利だと ぬか喜びしてしまった。

そのあと現れた搭乗員……かの者 と死闘をする事になったのだから。

 

今回はナニが起きるか分からない。

これで終われば良いが。

 

そう願いつつ、見守っていると。

 

 

「あっ!?」

 

 

ひゅー、と重力に従って落下を始める2人。

気付いた只野は軍曹ちゃんを庇うように抱きしめて……どすん、と地面に落下した。

 

どうやらハジメテを奪われて魔力を喪失し、"ただの"女になったようだ。

 

 

「攻撃効果、絶大……」

 

 

スカウトが無線でチカラなく言うが、Storm1による指示が飛んだ。

 

 

『今すぐ お姫様らを回収しろ!? 連合軍に拉致られる前にな!』

「い、イエッサー!」

 

 

慌ただしく動き回る隊員と連合兵。

互いに殴り合いながら、救助に向かうのであった……。

 

 

 

 

 

結果としては、EDFの勝利である。

気絶していた2人を回収班が連合軍との揉み合いの末、なんとか回収に成功。

 

だが、大量殺戮をやらかしたWDFの記憶があると自殺レベルと判断され、取り敢えず記憶処理剤を軍曹ちゃんに打ちまくられた。

 

記憶の方は何とか誤魔化せたようだが、周囲の目や記憶、連合軍を完全に騙せる筈もなく、世界各国の政府関係者や、彼女に怨みを持つ者に彼女は狙われてしまう事になる。

 

それに、問題は他にもあった。

曹長ちゃんの存在が残っているのだ。

 

そっちも連合軍は嗅ぎつけており、狙っているときた。

 

EDF、509JFWはコレの無力化を図る為、本腰を入れていくことになるのだった。

 

 

『ああ、それと只野。 WDFのチカラはKissくらいじゃ完全に打ち消せない。 チカラが暴走しないよう定期的にKissしてあげるか、それこそ【自主規制】しないと駄目だ』

「ファッ!?」

『頑張れ童貞。 この際、ソレを捨てろ』

「いや、ちょっと……」

 

 

まあ、そういう酷い話は続く。

戦争はそもそも酷いものだが、これはこれで別次元の酷さだった。

 

まあ……アニメでも戦時を描く一方で"実り"が大きくなる呪いとか"ズボン騒動"とか"キュッ"とか"泥酔もっさん"による"ずきゅーん"とかあるし、多少は、ね?

 




WDF事件は完全には終わらないのである……。
続くか未定(殴)。

ウィッチ:
ネウロイが空気なんですけど。

司令官:
現場はそれどころではない!(エイリアンとのドンパチ初期時風)
隊員:
それどころじゃないんだぞ!(怪生物乱入時風)
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