Witch Defense Forces(WDF)(完結)   作:ハヤモ

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作戦内容:
WDFの護衛に就いていた501部隊より回収派遣要請。
南島が連合軍に強襲されました。
WDFを奪取されそうになったとの事。
現在、WDFを連れて逃走中との事ですが、孤島で逃げ切るのは困難です。
WDFが連合軍の手に落ちれば、この世界まで大変な事になります。
直ちに回収班を派遣。
WDFを回収、ベルリンまで撤退して下さい。
備考:
周辺でネウロイは確認されていない。
ただし、海上には軍艦、空には航空機。
EDFから大規模な部隊を割くのは困難。
Storm1、2で対処。


※イメージはMGの神回収任務。


67.南島逆強襲! WDFを回収せよ!

◆南島周辺空域

 

この世界ではオーバーテクノロジーのひとつ、大型武装ヘリ【ブルート】が夜の低空を行く。

喧しくも独特のローター音を響かせながらも、EDF司令官のおじ様ボイスは しっかりと搭乗員に伝わった。

 

 

『南島にいる501部隊から回収派遣要請があった。 事は急を要する。 頼むぞStorm2』

 

 

搭乗員であるStorm2、精鋭レンジャー部隊の軍曹チームに伝わる。

隊長の軍曹と部下で4人編成の彼らは、それぞれ短く了解すると、簡単にミーティングを始めた。

 

 

「状況を確認する。 WDFの居場所、南島の位置が連合軍に漏洩、襲撃を受けた。 護衛の501部隊が抵抗しているが、敵の手に落ちるのも時間の問題だ」

 

 

怪我から復帰した軍曹が部下達に説明していく。

WDFに怪我を負わされ、そのWDFを助けねばならないとは皮肉である。

 

 

「急ぎWDFを回収、出来たら501部隊も救助する。 連合軍は当然、抵抗してくるだろうが迷わず撃ち返せ。 以上だ、質問あるか?」

 

 

手短に終わらすと、ぶっきらぼうな部下がチカラなく手を挙げた。

 

 

「援軍ってのは、期待出来ないよな?」

 

 

どうせ答えなんて分かってると感じつつ、一応尋ねる。

が、今回はまだ希望がある答えが返ってくる。

 

 

「安心しろ。 Storm1と只野が来る予定だ」

「おっ! マジか!」

「だが遅れてくる。 その分、俺たちが働くぞ」

「……マジか」

 

 

とはいえ、そんなに都合良すぎるものではなかったが。

それに対して、別の部下が答えた。

普段は皮肉を言うヤツだが、真面目な受け答えも出来る人だ。

 

 

「仕方ない。 エピメテウスでもうひとりのWDF回収任務中だったからな」

 

 

付け加えるように、1番若い部下が言う。

 

 

「既に彼方では連合軍と戦闘になったそうですよ」

「……そりゃ大変だな。 他の部隊は動けないのかよ」

「ベルリンの本隊は連合に睨まれて動けない。 俺たちだけでやるしかないぞ」

 

 

ある意味、いつも通りの展開だった。

慣れてるとはいえ、相変わらずリスクが高すぎる。

だが、そんな際限ないハイリスクとプレッシャーの波濤を乗り越えてきたStorm2。

本部に信用されてるのも、この辺が理由か。

大戦中は、部隊が撤退するまでの時間稼ぎとして目前の本営……船団を壊滅させた実力もある。

 

 

「まもなく、南島の作戦空域に入ります」

 

 

パイロットがいう。

続けるように、戦略情報部から連絡が。

 

 

『501部隊からの報告やレーダーから南島にいる連合軍の戦力を分析しました。 海上には軍艦が数隻、揚陸艇複数、空には航空機が何機か確認。 既に地上には装甲車や歩兵が展開している模様です』

 

 

随分と豪華なラインアップだった。

WDFはだいぶ高評価を受けていると見える。

 

 

「最高だな」

「それをたったこれだけの人数でか」

「さあ、仕事を始めましょう」

 

 

部下達は皮肉を言い、嘆き、仕事を始める覚悟をする。

して、彼らを纏める軍曹が気合を入れるのだった。

 

 

「戦闘用意ッ! 行くぞッ!」

「「「EDFッッ!!」」」

 

 

半分はドーントレスの銃座に着き、もう半分は降下に備える。

 

パイロットの目には既に戦艦や航空機、島から見える爆炎や兵士の持つ照明が点々と見えていた……。

 

 

 

 

 

ーーーーーEDFーーーーー

 

戦闘は直ぐに始まった。

警告ひとつなく、いきなり連合軍が照明弾を打ち上げて夜を照らし銃撃という挨拶をしてきたからである。

まず始めに、沖合で待機していた軍艦による対空戦闘がハナだった。

 

 

「対空機関砲、来ます!」

 

 

パイロットが叫び、回避運動を始める。

軍艦からは無数のマズルフラッシュが瞬いた。

 

 

「ブレイクッ! ブレイクッ!」

 

 

鈍重なブルートだ。 機関砲の弾丸が何発も命中してしまう。

 

 

「被弾した!」

 

 

揺れる機内。 だが、ヘリでありながら装甲が厚いブルート。

火花を散らし、装甲を削られながらも、なんとか耐える。

主砲を撃たれなかったのは不幸中の幸いだ。

 

 

「直ちに破壊する!」

 

 

軍曹が備え付けられている大砲のような機関砲【ドーントレス重機関砲】の砲口を軍艦の対空機関砲に向け、発砲。

ドゴォンッ、ドゴォンッという相手の機関砲の比じゃない重低音が響けば、次の瞬間には大口径弾が甲板ごと目標を吹き飛ばした。

操作している兵士もいたが、爆炎と煙で全く見えない。

だが、生きていたとしても無事では済まないだろう。

 

 

「容赦するな! 出来るだけ無力化しろ!」

 

 

だが手を緩めない。 生死がかかる。

反対側で操作する部下も、軍曹と同じように重機関砲を発砲。

軍艦の対空機関砲のみならず、主砲にも損害を与えた。

島に上陸するにあたり、危険は出来るだけ排除しなければならない。

 

 

「11時方向! 航空機、来ます!」

 

 

だが軍艦ばかりに構ってられない。

次には航空機の編隊が襲いかかってきた。

 

 

「舐めるなこの野郎ッ!」

 

 

すかさず、ぶっきらぼうな部下がブルートのドアを解放、速攻でPA-11を突き出してフルオート。

航空機は突然の事に回避が遅れて被弾。

全機が黒煙を上げて海面に激突、撃墜した。

伝説のストームチームは伊達ではない。

 

 

「このまま陸地へ向かい、WDFを捜索します!」

 

 

パイロットが言いつつ、ブルートは陸地へとフルスロットル。

捜索の為、低空飛行するが当然、障害物の無い空で飛行体とは目立つ。

夜で視界が効かないとはいえ、流石に装甲車や歩兵が気づき、銃撃を開始。

無数のマズルフラッシュが陸地で瞬き、金属音がブルートに響く。

だが対空用でないぶん、先ほどよりはマシだった。

 

 

「地上戦力を減らしつつ、WDFを捜索する!」

 

 

軍曹が言うや否や、ぶっきらぼう部下に銃座を譲り自ら降下。 続いて皮肉屋も続いた。

 

 

「あの高さから降りて無事だと!?」

 

 

高い位置から降りて、猫のように着地した軍曹らを見て驚く連合兵。

それがEDF隊員である、仕方ないね。

 

 

「見ろ! 重火砲を背負ってる!」

 

 

して気付く。

軍曹の部下の背中に大きな灰色の筒……【ゴリアスZD】が背負われているのを。

いつのまにか持ち込んだらしい。

 

 

「装甲目標は任せて下さい」

 

 

そう意気込む部下。

ゴリアスZDならば、この世界の装甲車など一撃であろう。

 

 

「頼むぞ」

 

 

頷き、島での捜索及び戦闘を開始する軍曹たち。

ゴリアスシリーズはEDFの大型ロケットランチャーで、ZDは強化発展型。

新型の大型ロケット弾を射出し、その威力は個人携行火砲の限界を超えた。

形状も従来のモノより厚くモノモノしい印象になった。

この大砲から放たれるロケット弾は弾速が遅いものの、セミアクティブレーザー誘導装置が搭載されており、発射後、照準を動かす事で着弾位置をコントロール出来る。

スコープも搭載されており、このことから、遠方への誘導が可能である。

 

 

「海岸から揚陸艇! 増援と思われます!」

 

 

さっそく獲物がやって来た。

遠方の海には新たな揚陸艇が複数接近、搭載物は装甲車と歩兵群。

軍艦と航空機の被害からヤバい連中が来たと感じたのだろう、バックアップチームを投入して来たのだ。

 

 

「上陸されたら厄介だ! 海の藻屑にしてやれ!」

「イエッサー!」

 

 

軍曹が指示を出す。

部下はゴリアスZDを構えると、やや上向きに発射。

豪快な音、後尾に噴出する大きな白煙、大きなロケット弾、してソレを発射するが故か無反動で済まず発射後は大きく砲口が上がってしまう。

それでも弾頭が初期に構えた方向に飛翔するのはEDFの為せる技だろう。

 

 

(ヘッ、あの兵士は下手だな。 砲弾を上に撃ってら。 しかもこの遠距離だ、当たる訳がねぇ。 自爆しなかっただけ褒めるべきだな)

 

 

してゴリアスZDを知らない、揚陸艇から見た連合兵は愚評した。

豪快な火と尾に引く白煙は空へと舞い上がっている砲弾は、照準をミスったようにも見える。

 

だが、驚くのはここからだった。

 

 

「なっ!?」

 

 

なんと、砲弾が吸い込まれるように揚陸艇へと落下してきたのだ。

そのまま隣……装甲車を積んだ揚陸艇に激突、大きな爆炎が海面を照らしては揺るがす。

 

 

「ば、馬鹿な!?」

 

 

揺れる揚陸艇にしがみつき、海水を浴びながら連合兵は驚愕した。

隣では既に、戦車と揚陸艇が鉄屑となり海の藻屑と成り果てている。

しかも元の形状が分からない辺り、ロケット弾の破壊力は凄まじい事が分かる。

 

 

「初弾命中! 撃沈!」

「次弾装填! もう片方も沈めろ!」

「了解!」

 

 

まだ遠方の陸地、海岸付近では部下が再装填。

それを軍曹が援護。 ブレイザーを撃ち、周囲の敵や装甲車を"蒸発"させていく。

 

砲弾が大型の所為か、リロードに時間が掛かるのが難点だが、先程のレーザー誘導により遠方の目標を確実に倒した。

真っ直ぐか、不安定な弾道、重力に従って落下するロケット弾の命中率なんて低いさ……そう甘く考えていた連合兵は直ぐに肝を冷やしていく。

 

そうだ……相手はEDF。

兵器のレベルがそもそも違うんだと。

常識が通用する相手では無いと。

 

 

「全員、海に飛び込めーッ!?」

 

 

察した隊長は慌てて、しかし有効な命令を下す。

皆は恐怖から逃げるように揚陸艇を乗り捨てて海へと飛び込み、泳いで離れる。

 

そこに再装填を終えた部下ぎ次弾を発射、ロケット弾が歩兵を乗せていた揚陸艇に命中、爆発。

 

 

「揚陸艇、全滅!」

「歩兵は逃げたか。 まあ良い。 WDFを急いで探すぞ!」

「はい!」

 

 

軍曹たちも時間が無い為、海に浮かぶ兵士を殺戮しようとはせず内地へ進軍していく。

それには連合兵は救われたが、無能ではなかったのも、死者は少なくて済んだ要因だった。

 

一方、空から捜索を続けるブルートと部下。

501部隊と交信を試み続け、ようやく断片的に通信をキャッチする。

 

 

『こち……東……至急、救…………頼む!』

 

 

若い女の声。 バイク音。 銃撃音。

だが肝心の言葉が聞き取れない。

チャフを撒かれているワケでもなし、戦闘で無線の機嫌が損ねたのか。

 

 

「駄目です。 聞き取れません」

 

 

パイロットがセンサーや地上を見渡しつつ言う。

同時に計器類や沢山のスイッチ群をパチパチと動かして周波数帯を弄ったり、呼びかけて反応を期待するも上手くいかない。

 

 

『マズいぞ。 よく周りを見てみろ』

 

 

無線越しに聞いていた司令官が冷静に、だけど焦る様に言った。

WDFが奪取されたら、何が起きるかも分からないのだ。

人類……国家や軍の思考ならば、悪用する未来しか見えない。

 

 

「こちら救護ヘリ! 501応答せよ!」

 

 

パイロットも頑張って探すも、見つからない。

 

 

(お嬢さんたち、生きてるよな!?)

 

 

最悪のシナリオが浮かび、汗が出る面々。

そんな時だ。

 

 

「11時方向スモーク!」

 

 

前方で赤い煙が上がり始めた。

辺りでは銃撃が起きており、車やバイクと思われるエンジン音も混ざる。

 

 

『支援要請か!?』

「向かいます!」

 

 

操縦桿を倒し、急いで駆けつける。

地上にいる軍曹も、道中の敵を薙ぎ払いつつも前進。

すると、そこには。

 

 

「あっ! あれは!」

 

 

EDFの軍用バイク【フリージャー】が大地を駆け抜けているところだった!

普通のと違うのは、側車が付けられている事だ。

運転手はシャーリーで、側車には相棒のルッキーニ。

して無理矢理乗るようにして、ターゲットのWDF、軍曹ちゃんがいる。

白銀の美しい髪の毛が、夜の闇を寄せ付けない神々しさを放っていた。

が、悪く言えば目立つ色だった。

 

 

「イェーガー大尉にルッキーニ少尉! あっ、ターゲットのシルバーも確認!」

 

 

シャーリーなのに、相棒の二輪車【ラピット号】じゃないのは南島に持ち込んでいる暇が無かったからだ。

代わりにフリージャーがあるのは、EDF設営隊が簡単ながら南島に設備類を設置した際に島内移動用として共に置いてかれたから。

本来付いていない側車が旧作EDFのバイクの如く付いているのは、弄るのが好きなシャーリーがバイクに興味を持って改造した為である。

当初は無断改造としてイケナイ行為だったが事今に至っては大きな逃げ足として役に立っていた。

 

 

「連合軍に追われてます!?」

 

 

だがピンチに変わりない。

追手の連合兵も偵察用バイクを持ち込んでおり、追いかけ回していた。

加えると装甲車もいる。 発砲すらしている。

キズモノにしたくない、という発想は無いらしい。

そんな危険な弾丸を、ルッキーニがシールドを張って防いでいる。

だが放置していれば、やがて喰らってしまうだろう。 魔力は無限ではない。

 

 

『援護せよ。 周囲の敵を排除』

 

 

司令官が言うが早いか。

ドーントレスが火を噴き、装甲車が木っ端微塵。

近くにいた敵バイクも爆風で吹き飛び横転。

隙をついてパイロットが無線を繋ぎ直し、連絡を取り合った。

 

 

「イェーガー大尉! EDFです、助けに来ました!」

『おお! 逃げ回った甲斐があった!』

「回収します! 先の広場まで行けそうですか?」

『了解! エスコート頼む!』

 

 

シャーリーの乗るフリージャーが夜の闇にエンジン音を響かせ、爆進していく。

ヘルカスタム程のヤバさはないものの、シャーリーが自分用にピーキーに調整している、言わばシャーリーカスタムだ。

ハンドリングは良好らしく、プレーンでも暴馬なフリージャーを上手く乗りこなしていた。

 

 

「見事なドライビングテクニック。 大尉も只者じゃないですね」

 

 

見ていた若い部下が褒めた。

世界最速さん(3期アニメで記録が抜かれたようだが)である一方、滅茶苦茶な運転をしてそうなシャーリー。

だが粗暴な運転しか出来ないワケじゃなく、しっかりと技術を持ち合わせているのだ。

まあ……この場で発進しそうでしないギャグ世界線ムーブをかますワケにもいかないが。

 

 

「WDF、シルバーは無事ですか?」

『軍曹か? 兵士とのいざこざで気絶しちゃったけど無事だ!』

「了解」

 

 

南島のゴーストタウン……戦争で放棄された町……にさしかかるシャーリー達。

すると、立ち塞がるように装甲車が回り込む。

空から丸見えだったパイロットは、直ぐに報告した。

 

 

「その先に装甲車が道を塞いでいます! 路地に退避出来ますか?」

『分かった!』

 

 

素直に、して綺麗なドリフトで速度を落とす事なく狭い路地に入るシャーリー。

見事であった。

それに気付いた装甲車が、民家を破壊しながら進もうとするが、

 

 

「させるかよ!」

 

 

ぶっきらぼうな部下が、ドーントレスの大口径弾を撃ち物言わぬスクラップに変えてしまう。

 

だが、それを皮切りに どこからともなく闇から湧いてきた連合兵士たちがシャーリーに銃撃を浴びせていく。

 

 

「罠!?」

 

 

装甲があるフリージャーであるが、乗り手は露出しているし、側車は非正規で強くない。

 

 

『ルッキーニ伏せろ!?』

『うわあっ!?』

 

 

突然の事に頭を低くするも、被弾して大きく横転してしまうフリージャー。

投げ出されるシャーリー、ルッキーニ、軍曹ちゃん。

しばらく地面に転がり、痛みで身動ぎするも連合兵が集り始め危険だ。

 

 

「ターゲットのビークル、破損!」

『なに? 無事か!?』

「大尉、無事ですか? 応答して下さい!」

 

 

返事を待っている場合ではない。

部下たちはドーントレスで周囲の敵軍に攻撃、近寄らせないようにするも、何人かは抜けてしまう。

して、気絶中の軍曹ちゃんを肩で担ぐとバイクに乗せて逃げ始めてしまう。

 

 

「くそっ!」

 

 

流石にコレをドーントレスで撃つワケにはいかない。

だが、そのバイクの進路上に待ち構えるように皮肉屋がPA-11を構えてバイクのみを撃ち抜く。

今度は連合兵が横転、投げ出される側になった。

 

 

「夜の市街地だ。 静かにするんだな」

 

 

そう言う部下の横を軍曹が素早く駆け抜けてWDFを担ぎ、その足で先の広場へと向かう。

倒れるシャーリーとルッキーニは可哀想だが、任務の優先はWDFだ。

 

 

「救護ヘリ! 先の広場で回収してくれ!」

「了解!」

 

 

レンジャーであり修羅場をくぐり抜けてきた猛者であるStorm2。

少女を担ぎながら全力疾走しても、息切れのひとつも起こさない強靭な肉体である。

それに続く部下も、大筒のゴリアスZDを背負いつつ ついていく辺り、彼らも凄い。

 

Storm2が広場に到達するタイミングで、ブルートは乗り込める高さでホバリング。

軍曹は放り込むようにWDFを機内に入れると、自身は降りて離陸を促した。

 

 

「軍曹!? どこ行くんです!」

 

 

部下たちがヘリから離れるStorm2を呼び止める。

だが、Storm2は足を止めなかった。

 

 

「501を救出する。 お前たちはベルリンまでWDFを護衛しろ」

 

 

なんと、501を助けるという。

そんな時間は無い、そう言いたかったがStorm2の決意は固い。

 

 

「EDFの為に働いてくれた子ども達を見捨てられない。 それに入院していたぶん、働かないとな!」

 

 

そう言って、戦場へと戻ってしまった。

部下は追いかけようか迷ったがしかし、WDFを守らねば本末転倒だと考えて……苦しいが、ベルリンに撤退する事に決めた。

 

 

「パイロット、退け! 退いてくれ!」

「軍曹! 必ず戻って下さい!」

「後から大将も来る筈だ!」

 

 

言って夜空へと舞い上がり、退いていく部下達とWDFを乗せたブルート。

 

 

(あとは頼んだぞ)

 

 

それを見送る軍曹。

ブレイザーを握る手に、チカラが入る。

 

 

「さて」

 

 

軍曹は目の前を見た。

いつかの時のように、大地を揺るがすように敵軍が迫ってくる。

 

 

「装甲車に歩兵隊に、海には戦艦。 俺ひとりに豪勢だな、だが」

 

 

構え、してニヤリと口角を上げて言うのだ。

 

エイリアン連中より楽だと。

 

 

 

 

 

《こちらStorm1。 まもなく南島に到着する。 軍曹……持ち堪えてくれ》

 

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