Witch Defense Forces(WDF)(完結) 作:ハヤモ
連合との仲は険悪ですが、互いにとって利益である内はギリギリの一線の攻防で収まっています。
WDFは諦め切れないようですが、格の違いを見せて黙らせます。
同時に、それら技術の一端を提供。
この世界の技術レベルでは整備も生産も困難でしょうが子ども騙しにはなります。
ビークルや武器を各地に輸送。
Storm1と只野二等兵は展示場を警備後、そのまま輸送隊を護衛して下さい。
備考:
現場指揮はStorm1に委託。
WDFは記憶処理後、改めて別場所に隠匿。
兵器構造や経緯に関して間違いがある可能性があります。
また、キャラ的にミスがある可能性があるかも。 ご容赦を……(殴。
WDF絡みの事件の傷跡は深く、EDFも連合も多くの人命を失った。
ネウロイではなく、人類同士の競り合いで死んだのだ。
その事実と結果もまた、ネウロイという怪異の所為にして あやふやに。
それで良いのか。 否。
そうでなくてはならない。
ネウロイに対処させるべき戦力が無駄に散った事実。
組織や国家運営する上で不利益な結果に違いない。 隠すのは道理だ。 下々に混沌を与えて喜ぶ運営者は失格だ。
ただ いつか……時代が流れていく上で歴史評論家らによって疑問視され、隠し通せなくなる日が来るだろう。
記憶処理や情報統制が追いつかず、事実を僅かに知る者も少なくない。
だとしても、今気にする話ではない。
先ずは目の前の事に生きねばならないのもまた、人類の置かれた状況故に。
「……隊長。 俺も記憶処理された気がするんです」
語るは只野二等兵。
二日酔いの様に やつれているのは、戦争という過酷な環境下にいるから……にしては、昨日の今日で様変わりし過ぎである。
ぶっちゃけるとWDFの2人にナニかされたからだ。 ナニかを絞られたのだ。
トラウマになりそうなので、その後に記憶処理剤をブチ込まれた為、記憶が曖昧に。
ジークフリート線の惨劇を処理されなかったのに今回処理された事を考えると、どんだけ2人の拷問が酷かったのだろう。
考えたくもない。
「気にするな。 大切なのは今だ」
淡々と言いたるStorm1。
不鮮明なフルフェイスヘルメットの下で、どんな表情をしているというのか。
「そうですね。 では状況が知りたいのですが」
只野二等兵は周囲を見回しながら聞く。
場所は どこかの格納庫だ。 広い。
白衣を着た者や、格好から軍人ではあるが士官以上の階級であろう者が何人もいる。
総じて彼らは鎮座するEDF製兵器を眺めては唸りを上げていた。
コンバットフレームやブラッカー。
フリージャーにデプスクロウラー。
なんと歩く要塞プロテウスまで。
グレイプ、ネグリング、ヘリ、レールガン、
他にも色々と。
さながら展示場。
そこを只野二等兵は警備している形に起立しているときた。
「ブリーフィングをしただろう」
「記憶が曖昧です」
「……説明しよう」
同情的な声を出されるくらいには、記憶処理の影響は仕方ないらしい。
「見ての通り、EDFの武装展示会だ。 連合とEDFはWDFを巡っていよいよ仲の悪さが如実になったが、ここで改めて武力差をチラつかせて黙らそうという狙いがある」
「今までも連合は見てきたでしょう」
エトワール作戦の時など、他にもEDFのチカラを見る機会は少なくなかった。
だが改めて見せるというのは、分かってないヤツを分からせる為でもあるとStorm1は語る。
「居合わせた兵士が分かっても、上層部が信じないんだよ」
「どこまで愚かなんですか」
尤もである。
WDFは高く評価していたのに、通常兵器の評価が低いとか謎である。
兵站を軽視するような真似はいけない。
1人の天才より100人の凡人が世界を維持しているのだから。
「だから、こうしてわざわざEDFが場を設けたんだ。 技術省の子も招いてな」
指差すStorm1。
先を辿ると、そこには見覚えのある女の子が。
「ハルトマン!?」
そう。 軍服が微妙に違う点や眼鏡をかけているのを除けば、501部隊に属するエーリカ・ハルトマンにしか見えない。
「只野の知るハルトマンではないぞ」
Storm1は説明した。
ナニか。 多重人格なのか。
変に身構える只野だったが、意外な事実を知る事になった。
「彼女はウルスラ・ハルトマン中尉。 501部隊にいるエーリカの妹だ。 今はカールスラント技術省に属する。 階級を持ったままなので、恐らく空軍からの出向の形か」
「妹!? 妹いたんですか、あのイタズラ娘に。 しかし そっくりだ」
「双子だからな、こうもソックリだと一卵性双生児だと思う。 ただし、人格は異なるからな」
「でしょうね。 妹の方は知的そうですもん」
さりげなく姉のエーリカをディスるような発言をする只野。
EDFだから許されるモンだが、偉い人に聞かれたら大変だ。
エーリカは私生活こそだらしないが英雄だし。 人類最多撃墜スコアは伊達じゃない。
因みにエーリカも かつては真面目な軍人だったらしい。
今の状態から想像がつかないが、変貌したキッカケは502JFWにいるニセ伯爵が遊びを教えたからだ。
サウナでStorm1と殴り合った、チャラ女ことクルピンスキーである。
そんな彼女はStorm1との約束通り509JFWの基地にいる間は真面目にサウナ掃除をしているそうな。
「おや、噂をすれば なんとやら」
とことこと、ウルスラが此方へやって来たではないか。
「すみません。 EDFの方とお見受けしました」
丁寧な口調で話しかけるウルスラ。
綺麗なエーリカである、只野は内心スゲェと思った。
やはり失礼な思考に違いはない。
「なぜ分かった?」
「そりゃ分かるでしょーよ!? 俺はともかく、隊長はエアレイダー装備なんですもん!」
一方で嬉しそうに質問するStorm1にツッコミを入れる只野。
通信ユニットを背負い、フルフェイスヘルメットを着用する人間なんて良くも悪くも目立つし、違う世界の人間だと疑われて然るべき者である。
「見た事もない装備でしたので」
「ほらやっぱり」
「それもそうか。 ところで、どのような用事だ?」
「はい。 展示されている兵器群と、説明書だけでは どれ程凄いのか想像の域を出ず。 直接質問しても良いですか?」
スオムス義勇独立中隊の頃のウルスラだったら、カタログスペックを見ただけで全てを理解した気になったかも知れない。
だが多くを見聞きし学んだことで、こうした行動に出る事が出来たのだ。
「良いぞ^〜、いやぁ嬉しいなぁ! 技術の話をするとなると民間人時代を思い出す!」
妙にウキウキになるStorm1。
嬉しいらしい。
そういえば、Storm1は元整備士だ。
軍用ビークルも取り扱っていた。
技術屋としての側面を垣間見た只野も、喜ぶ隊長の無邪気さに笑みがこぼれた。
「ありがとうございます。 早速ですが、あちらの二足歩行する機械人形について お聞かせ下さい」
青い機体を指差すウルスラ。
待機状態で、しゃがみこんでいる機械の巨人が鎮座中。
人間に近いシルエットだと、今にも動き出しそうで怖い。
実際にひとたび動けば、歩兵では対処困難な戦闘力を発揮する。
それを知ってか知らずか、周りの観覧者も戦々恐々に近寄っては離れている。
「コンバットフレーム・ニクスだ。 種類は色々あるが、展示されているのは簡易武装と軽装甲のA型だ……と、それは説明にあるからな、別の事が知りたいのだろう?」
「移動に脚を用いる歩行システムにした理由とは。 複雑化する事で整備に労力が必要になると思いますが、メリットは?」
「脚のチカラは偉大だぞ。 多くの場合、バイオームを選ばない。 歩行システムを開発、整備するに当たり巨額の予算が注ぎ込まれた。 それを差し引いても歩行という移動方式は重要だと言うことだ。 また人に似せるようにしているマニピュレーターも利点がある。 ニクス用に作られた武器に直ぐ換装出来るからな。 マシンガンとロケットランチャー以外に火炎放射器やグレネードランチャーなどがあるから近・中・遠距離戦に合わせたスタイルを取る事が可能だ。 機体そのものも、装甲は勿論アクチュエータを改良しているものは凄まじい機動力と馬力を生み出しており、兵器としては異例に感じるだろうがジャンプやブーストによる短時間の飛行を可能に───」
只野、技術屋の話についていけず!
対してウルスラは興味深そうに頷いては、メモを頻りに取っていた。
真面目である、只野は また失礼な感想を抱いた。
「───であるからして、ニクスはロマンと整備士泣かせでありながら、EDFの誇る……おおよそ人間同様の活動が可能で強力な搭乗式強化外骨格というワケだ」
「勉強になります」
完全に置いてかれている只野は、拗ねるようにして警備モードに入った。
叩かれたらドローンの如く赤く光るかも知れない。
「あの戦車は───」
「EDF主力戦車ブラッカーだ。 展示されているのは榴弾砲のタイプE1型」
「小型ですね」
「市街地戦闘を想定し開発された経緯を持つ為だ。 狭い道路を移動し路地にも入れるようにな。 榴弾砲もテロリスト……いや、群がる敵を一掃する為に開発された。 元々は貫通力がある滑腔砲A1型を装備する予定だったが、途中でプラン変更にされた。 その弊害としてEタイプは急増品、装甲や砲塔の回頭速度に難がある」
テロリストのところで逡巡したのは、子どもに大人の争い事を教えたくなかったからだ。
こんな状況でも、子どもに言いたくないものはある。
只野は察して、ちょっぴり切なくなった。
「1人乗りとありますが」
「そうだ。 この世界の戦車は役割分担をした戦車兵が複数乗り込むだろうが、ブラッカーは完全に1人で操作出来るシステムになっている。 自動装填システムに照準器が───」
「機銃は 無いようですね」
「細かいことを気にしてはいけない」
「細かくねぇよ! 付けろよ機銃!?」
思わず只野はツッコミをかます。
ブラッカーの武装が、いつまでも主砲1本だけなのは いただけない。
滑腔砲や榴弾砲、長距離砲などのバリエーションや口径、機体の基本スペック向上のみならず、その辺は考慮されなかったのか。
「ナニを吼えるか只野クン。 その辺はアレだ、随伴歩兵に任せるんだ」
「戦車単独で動く場合もあるでしょうよ! 機動力の違いもあります!」
「隊員なら気合でついて行く」
「ここにきて根性論語らないで!?」
言ってることも分からなくはないが、無理があるものは無理である。
歩兵は人類史上、最古の兵種であり軍の骨幹をなす戦力だし装備次第では戦車や航空機とも戦える。
EDF隊員の場合、既に多くの実績がある。
が、それとコレとは話が違う。
歩兵は歩兵、戦車は戦車である。 戦車も対応の幅は広い方が良い。
「ウルスラも思うよね!?」
只野、子どもを大人の争いに巻き込んだ!
さっき思った事はなんだったのか!
しかも歳の差があるとしても初対面、二等兵が中尉に この言い方。
近くで聞いている軍人がいなくて良かったと思う。
「連合軍の戦車にも、多くの場合取り付けられています」
特に表情を引かせずに語るウルスラ中尉。
この子も大物である。 元よりそうかも知れないが。
「ほら隊長。 EDFの戦車にも付けるよう具申するんですよアクするんですよ」
「くっ! 姑息なマネを!」
とか漫才みたいにやり取りするStorm1も、いちおう作中では(名誉)大将である。
ある種、恐ろしい光景を生み出し続ける只野のように、あまり気にしてはならない。
EDFは愉快な仲間達で構成されているからね(逃避)。
「……まあ、確かに。 他の隊員も言っている者がいたからな」
なんと愉快な変態ばかりに思えたEDF隊員にも、只野と同意見の者がいたらしい。
なら付けろよ。
「お願いしますよ。 レールガンにも護身用のマシンガンがあるんですし」
そうなのだ、レールガンには護身用のマシンガンが装備されているのだ。
銃手が必要だが、そういう概念がEDFにある事を意味する。
もっといえば重戦車タイタンにも機銃は付いている。
なんでブラッカーには無いのか。
「レールガン?」
ここで食い付くはウルスラ。
大人の争いは醜いが、時に子どもがソレを止める。
美談にすれば聞こえは良い。 だからって大人が起こして良い理由にはならない。
「それは……電磁投射砲ですか。 あの青い塗装がされた」
「うむ。 火薬ではなく電磁気のチカラで弾丸を超加速、飛ばす兵器だな。 フレミング左手の法則だ。 ビームや電撃攻撃と違い実弾兵器だ」
「凄い技術力です」
レールガンは、原理自体は古くから知られてはいたようだが。
軍部は事あるごとに研究をしてきたが、様々な問題を解決出来ずに実用化の目処が立たずにいた。
弾丸が加速するほどレールとの接触を保つのが困難で、空気抵抗やら摩擦熱の損失が増大し、大電流になるとレールや弾丸が蒸発する危険性がある。
飛ばす為の電力はどこで確保するのという問題もある。
それでもEDFの科学班は四苦八苦して実用化に漕ぎ着けたとでもいうのか。
そも、EDFは衛星砲を実用化している他、通常兵器にも見た目の質量以上に弾薬が込められたマガジンを何食わぬ顔で使用しているワケだが。
レールガンと比べて、果たしてどっちが凄いんだろう。
「EDFが使用しているレールガンは貫通力が凄まじい。 よほど装甲が堅牢でなければ並んだ敵を纏めて一掃出来るぞ」
と、色々と言い始めるStorm1。
置いてかれる只野。
関心してメモるウルスラ。
「本当なら俺から君にあげたいところだが。 残念ながら連合軍に提供する程レールガンの在庫が無い。 すまないな」
「個人的にプレゼントしないで!?」
恐ろしい事を平然としようとするのはStorm1も同一だった。
レールガン横領。 謎の見出しは見たくない。
「いくらEDFの管理がガバガバだからって、それはマズいですよ!」
「……そうだな。 久し振りに語ったから興奮の坩堝のまま要請をするところだった。 すまない」
「要請しないで下さい!」
思えば南島で、料理の為だけに空軍を呼んでいたStorm1。
マトモなのはボクだけか。
「残念です。 カールスラントの技術でも、ここまでの事は……いえ。 いつかは」
「1940年代のウチに無理でも、いつかは出来るさ、たぶん。 だから今はありのままを愛して」
テンパり意味不明発言をするも、レールガンの話は終了した。
もう少し現実味のある話をする方が有意義かもだし。
それを恐らくは思ってないだろうがStorm1が話を振った。
「そうだ。 ウルスラは技術省で兵器を開発しているんだったな。 空対空ロケットなどに関わっていると聞いた。 となると、501部隊のサーニャが使用しているフリーガーハマーの基を作ったのか。 凄いな」
説明口調だが気にせず、ウルスラは礼をいう。
「ありがとうございます。 ですがEDFの技術力を見てしまうと、とても」
「日進月歩。 時代が進めば そうなるさ。 君にしか無い良いところだってある」
「そう、でしょうか」
口説き文句ではないにせよ、頰を染めるウルスラ。 姉が見たらどう思うのか。
ただStorm1が仕方ないと言わなかったのは技術屋の、或いは彼女の尊厳を気にしてなのかも知れない。
「そうとも。 例えば、どんなのを開発した?」
「ヘルメットと銃を一体化したヘルメット銃を少々」
妹さんは、珍兵器の開発もしていたようだ。
アニメで紹介していたアレだ。
時期的にはもう少し先の未来の筈だが、EDFに触発されたんだろう。
いちおうマトモそうなのもあり、ロケランは良かった印象はある。
だがヘルメット銃という、名前からして想像し、なんとも言えない気分になる只野。
「あー……うん。 面白いね」
「素晴らしい!」
「は?」
称賛するStorm1。 本気だろうか。
「本気ですか隊長!? そりゃ考えたって」
「考えなくても名作だ! 只野には分からんのか!」
「分かりませんよ!?」
「なら被れ。 そうすれば分かる!」
「分かりたくありません!?」
「何故だ! ヘルメットは被ってるから、目線と連動する! つまり、上手くやれば照準が容易なのだ! 是非EDF隊員に広めよう!」
「ヤメテエエェ!? 珍兵器は間に合ってるでしょおおお!?」
またもウルスラそっちのけで漫才する隊員。
子どもが発端となる争いだと、その子まで苦しむので良くない。
「そうだな。 お前というレールガンより強いチン兵器がいたな」
「ヒドッ!? 好きでなったワケじゃねーですよ!」
「だが未だにヤッてないんだろう。 その意味ではチン兵器失格だ!」
「意味分かんねー言い回しでディスりまくるのヤメテくれませんかねえぇ!?」
技術の話から珍兵器の話になり下ネタで知性の感じない醜い小学生以下の争いに発展する。
オーバーテクノロジーが陳列するなかで、ナニしてるのか。 陳謝して欲しい。
てかさ、女の子の前でナニ晒してるのか。
「あ、あの……私まで恥ずかしいので…………ヤメテ下さい……」
今度は真っ赤な顔でボソボソと静止の言葉を投げかけるウルスラ。
周りから兵器より注目されており、羞恥心で涙すら浮かんでいる。 俯いて身体もプルプルしちゃってる。
例により子どもに喧嘩を止められる美談(?)が成立するのだった。
やはりか、悪いのは大人である。 どう見ても。 これを大人とは認めたくないものだが。
「すまない。 知的な論争の最中に感情論を出すのはNGだった」
「今のどこが論争なんですか。 ただの下ネタじゃねーですか」
捨てゼリフ風に吐き捨ててプチ戦争は終結した。
信じられるだろうか。 これでも大将と二等兵なんだぜ?
「ヘルメット銃の話題は止めておこう。 兵器とは恐ろしいな、会話するだけで戦争が起きたぞ」
「開戦経緯を詳しく述べて下さい、そんでもって どっちが悪いか胸に手を当て聞いてみて下さいね」
停戦状態のふたり。
反目は止めろ。 同じ仲間だろ。
228基地奪還作戦の時を思い出せ。
「話題を変えよう。 ここに展示されているものの一部は、連合軍に譲与される。 政的な理由が含まれるのは言うまでもない。 だが、これにより双方が多少なりとも平和になる筈だ。 少なくとも、俺は信じたい」
静かに語るStorm1。
ウルスラの前で大人の事情を言うのは、兵器開発を行う彼女もまた、国家戦略上に組み込まれているだろうからだ。
勉学の為、というにはハードだが賢く生きていくには人間関係や組織関係の仲の良し悪し……派閥等も知らなくてはならない。
大人の争いには巻き込まれない方が良いが、その火種自体にならない為にも必要な事である。
「…………はい。 私も、信じます」
「俺も信じます」
それを知ってか知らずか、前向きの発言をしておく。
願わくば。 人類が自身の闇に呑まれぬよう。
祈る気持ちを心の隅で感じた時。
騒ぎが起きた。
「大変だーッ! 外で! 地中から突然ネウロイがーッ!!」
ひとりが会場で叫ぶと。
一瞬の静寂の後、皆はどったんバッタン大騒ぎに発展してしまった。
いけない。 迫る危機を告げる時、パニックを起こさないよう配慮も必要だというのに。
いや仕方ない。 緊急事態だ。
一気に緊迫する中、もはやココは戦場だ。
だが歴戦のStorm1はニヤリ、と笑みを浮かべるのだ。
「ウルスラ中尉」
「は、はい」
突然に階級で呼ばれ、思わず姿勢を正す。
Storm1の言葉は、自然とそうさせる。
只野も呼ばれてないが綺麗に直立、隊長に体を向けている。
「せっかくだ。 実際に見て触り、学ぶと良い。 EDFのビークルのチカラをな」
親指をビークル群に向けて、共に来るよう促す。
「いくぞ只野二等兵!」
「EDFッ!!」
叫び、適当なビークルに乗り込むべく走る隊員ふたり。
ウルスラも慌てて付いていったのであった。
いちおう、終わりを模索中。