Witch Defense Forces(WDF)(完結)   作:ハヤモ

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作戦内容:
拠点の側に墜落した航空ウィッチの救助。
備考:
周囲は戦闘中。 敵味方の詳細不明。 孤立無支援状態下である事を踏まえ、速やかに回収、拠点に撤退する。

装備:
PA-11(自動小銃)
説明:
EDF主力自動小銃(アサルトライフル)。
現代で見られるような、一般的なシルエットをした小銃。
多くの隊員が使用する。 しかし、対人なら兎も角、群れを成し強固な対弾性を持つ侵略性外来生物には効果が薄かった。
ボルトアクションや、セミオート等の単発式がまだ主力である時代からしたら、フルオート可能の携行容易な歩兵銃であり性能も段違い。
またEDF製に見られる特徴として、ボックスマガジン系でありながらワンマグ3桁の装填数を誇る。 銃身が焼ける事もない。
謎の技術。 初期装備から既にややチート。


2.ウィッチ救出。

外を見て、俺は唖然とした。

ナニかが燃える臭い。 風。 銃声。 叫び。 緊張。

久し振りの戦場の肌触りは そのままに、違和感を感じたのは光景だった。

先ず、知らない街並みだ。

いや欧州に見られる洋風な街は同じよ?

戦時中だから、崩れてボロボロなのも分かる。

でも、明らかに建物の配置が違う。

時代も古い感じがする。

 

振り返る。

 

ココは変わらない。

芋ってる、拠点にしてる建物だ。

間仕切壁は崩壊し、ちょっとした広場になっている。

お陰で、物資を転がしやすい。

集積した物資が転がり、俺の寝床も見える。

奥には鈍い光を反射する、万が一の切り札だけど、修理中な搭乗式強化外骨格コンバットフレーム。

それと兵員輸送車グレイプ、急造品小型戦車105ミリ榴弾砲のブラッカーE1型。

これらもボロボロだが、動きはする。

そんなビークルが、なんとか収まるレベルには広い。

 

もう一度、外を見る。

 

うん。 知らない街並みだ。

なんなら銃声も聞き慣れない。

EDF製じゃないのは分かる。

 

 

「欧州、だよな?」

 

 

答えてくれるヤツがいないのに質問する俺。

独り暮らしが続いたからか、独り言が増えた気がする。

空に高い声が響いた。

釣られて見れば、女の子が空を飛んでいた。

ケモ耳、ケモ尻尾を生やし、パンツ丸出しで両足にレシプロ機みたいなのを着けている。

それが何人もいて、手には世界大戦時の銃火器を持っているときた。

スカウト程の観察眼は持ち合わせてないが、間違いない。

いや、間違いであって欲しかった。

 

 

「ッべー、マジヤッベーわ」

 

 

頭がイッてしまったようだ。

狂気の戦場でイカレるのは珍しくないが、自覚しているタイプっているのだろうか。

もしいるなら、それは俺だろう。

 

 

「だってそうだろう。 ケモ耳生やした美少女戦隊が、世界大戦時代の武器持って空飛んでるんだぜ?」

 

 

タイムスリップしたと言われるより、非現実的な光景にテンパる。

異世界物小説とか、萌え萌えアニメを見ていたダチなら順応出来ただろうが、俺には不慣れなモノだった。

 

 

「落ち着け。 俺にはEDFの防弾着と武器がある」

 

 

取り敢えず、アサルトライフルを抱き寄せる。

EDFの主力自動小銃PA-11。

使い慣れた銃だ。

細かい傷だらけの黒い銃身は、一見歴戦の武器で強そうだが侵略性外来生物には威力不足。

その代わり安定しており、確実な動作から信頼性が高い。

戦場で武器の動作は、そのまま生死に直結するからな。

戦前から生産されていたのもあり、予備部品や弾薬が多くある。

それは欧州でもそうだった。

その為、芋生活では信用出来る護身用として装備する。

レーザーサイトやスコープを載せた改修型もあるにはあるが、壊れたら嫌なので出し惜しむ。

別に外に出るワケじゃなければ、それで良い。

センサー機能が生きているサングラス・ディスプレイもある。

薄汚れた、だけど十分な防弾性のヘルメットと、アーマーも着用している。

 

大丈夫。 大丈夫だ。

俺は死なない。

今日も、生きている。

明日になれば、いつもの欧州さ。

 

とか思っていたからか。

 

すぐ外の通りで、デカい音。

何かが落ちてきた、墜落音。

 

 

「ッ!」

 

 

反射で銃口を外に構えた。

外では黒煙をばら撒きながら、地面を滑るように移動するナニか。

まるで飛行機が落ちたかのような、しかし明らかに人間サイズ。 色々悟る。

 

 

「さっきの女の子か!?」

 

 

それ以外ナニがあるのか。 ドローンか?

確認しには行かない。

女の子にしろ、ドローンにしろ、関わるのは御免だ。

 

 

「可愛そうだが……俺はもう、EDFじゃない」

 

 

危険を犯してまで見に行く価値は無い。

頭がイッて、妙な幻覚を見てるだけかも知れない。

きっとそうだ。

一晩眠って、そうしたら いつもの欧州。

怪物が跋扈する、クソッタレな世界に戻っている。

 

それも嫌だ。

でも、今の状況は。

 

…………守るべき人類が、存在している。

 

 

 

「ああっ! 分かったよクソッ!!」

 

 

気が付いた時には駆け出していた。

罪の意識からは逃げられない。

なにより、隊長の影響が強かったかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ………うぅ」

 

 

ひとりの可愛らしい女の子が、崩れた欧州の町に横たわる。

背が低く、まだ10代やそこらと思わせる体格。

擦りむいたのか、あちこちから、赤黒い色が滲んで見えて痛々しい。

ただ妙なのは軍服と思われるモノを着用しており、両足には第二次世界大戦で使用されていた戦闘機のデザインをした筒を履いている事だ。

こんな兵装はEDFには存在しない。

近いモノでウィングダイバー装備があるが、あちらは背中に着け、鳥のような大きな翼を携えるが、彼女は足のみだ。

先程、空を飛んでいた女の子で、ウィッチと呼ばれる魔女のひとりだ。

恐らく戦闘中、被弾したか何かで墜落したと思われる。

何とか生きているが、武器は何処かへ行ってしまい、当の本人も怪我で思うように動けない。

そんな無防備な彼女に集るように蟻の様な形をした怪物がにじり寄る。

 

 

「ネウロイッ!」

 

 

金属のような生命体のような、なんとも言えないソイツら。

α型を思わすソレは、少なくとも友好的な様子ではない。

 

 

「い、いや……!」

 

 

彼女は怪物に気がつくと、腕で這って離れようと もがく。

匍匐前進と言うには粗末が過ぎる、ナメクジのような動き。

対して蟻モドキの方がずっと速い。

このままでは彼女は餌食になる。

喰われるのか刺し殺されるのか、はたまたビームでも撃たれての射殺や爆散か。

どんな惨い死に方かは分からないが、絶命する事には変わらない。

 

 

(死にたくないっ、死にたくないよぉっ!)

 

 

いつ襲って来るか分からない苦しみに怯え、絶望に挫けそうになった、その時。

 

 

この世界にもα型がいるのかよ畜生がああああッ!!

 

 

若い男の雄叫び。

撃ち鳴らす銃声は、戦場のドラム奏者。

 

その小銃弾は、吸い込まれるように怪物の群れに飛び込んでいく。

無数の火花や怪物の欠片が激しく飛び散り、突然の攻撃に怪物は怯んだ。

 

 

(味方!?)

 

 

見捨てられていない事に刹那の喜びを感じ、音のする方を見やると、

 

 

「えっ!?」

 

 

そこにいたのは、見た事も無い格好の兵士。

 

薄汚れたヘルメットやプロテクターにアーマー類。 目には黒い眼鏡みたいなもの。

武装は見た事も無い歩兵銃。 激しくマズルフラッシュを焚いており、機関銃さながらである。

なのに手ブレなく、しかも走りながらの射撃で怪物に攻撃を当てまくっていた。

ウィッチなら兎も角、一般兵にしては かなり……いや、達人かと思わせる腕前だ。

或いは銃が良いのだろうか。

 

絶望を忘れて疑問と驚愕で、ぽかんとしていると。

その兵士はあっという間に女の子の側までやって来た。

身構える女の子。 対して、兵士は優しい声色で語り掛ける。

 

 

「助けに来た! もう大丈夫だから!」

 

 

戦場で、それも戦闘中で こんな優しい言葉を出せるものかと、再び驚いてしまう。

兵士は、返答を待たずに左腕で少女を肩で担ぐ。

残る右手で、小銃のトリガーに指をかけ、肩に当てて銃を安定させる。

すぐさま怪物に銃弾を浴びせつつ、兵士は後退。

建物の陰まで退避すると次の瞬間には、

 

 

「きゃっ!?」

 

 

激しい風。 激しく変わる光景。

空を飛んでいる時とは違う感覚。

 

陸を高速で移動していたと気が付くのに、少し遅れた。

 

だって。

人外の速度で、兵士は走っていたのだから。

 

 

「えっ? えぇ!?」

 

 

担がれた少女が、進行方向とは逆を向く。

追手の怪物……ネウロイが、一瞬だけ見えて、すぐに見えなくなった。

 

あっという間だった。

 

 

「突然ごめんな! でも、俺の拠点に着いたら治療出来るから! 少し我慢して?」

 

 

そう言われつつ、どこかの建物に入る兵士。

怪我の痛みも忘れて驚きっぱなしの少女だったが。

 

その建物の中にある異界の兵器群を見て、またも驚愕するのであった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ? これって少女誘拐? 拉致?」

 




第1モブウィッチ。 にわか故に、キャラを出せない……。
続くか未定。
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