Witch Defense Forces(WDF)(完結) 作:ハヤモ
ネプチューン作戦は成功に終わりました。
多くの犠牲の果てに、我々は勝利したのです。
そしてある程度の称賛と褒賞を貰いました。
悪くいえば、手切れ金です。
……そうです。 EDFは撤退します。
あの絶望蔓延る地球へと。
ですが、これが最善だと信じます。
この世界にとって我々がガン細胞にならぬ内に、エイリアンはエイリアンの星へ帰らねばなりません。
WDF。
魔女と世界を守った軍隊としての体裁が残るうちに。
地球にもまた、我々を必要としている人達がいるのですから。
さぁ、帰りましょう。
ここまで付き合ってくれた兵士の皆さん。
本当に ありがとう。
只野二等兵への辞令:
EDF第251駐屯基地へ配属。
ゲーム誌に掲載されていた情報参照。
EDF6、人類最後の砦となる基地。
発売前に書いてしまったりしているので、設定が異なる場合があります。
◆ベルリン
只野二等兵視点
作戦終了後、ベルリンに戻った俺たちは荷造りをする事となった。
特に称賛される日々も凱旋パレードもない、華やかで温かな対応をされる事もない。
ああ、いや……本部と情報部が ならないように、意図的に仕組んでるんだ。
変な しこり が残らないようにな。
だから、こんな夜逃げするような行為に勤しむ訳だ。
世界が違うから足が付く事もない。
遺産は沢山残るだろうけどな。
この世界の未来で騒がれそうだ。
ふむ……。
そう考えると、俺たちの世界で言うオーパーツの都市伝説の類も こんな感じだったのかもな。
エイリアンの遺産。
無かった事にされて埋め直されるのか、それとも再利用されるのか。
まっ。 どうでも良い。
俺たちは魔女の世界から逃げて、絶望蔓延る世界へ戻る訳だし。
「只野、本部から お前に辞令が出ている」
荷造りが終わった頃、隊長が複数ある紙切れの1枚を渡してきた。
何気なく貰って見てみる。
期待なんてしていない。
今更、階級上げたり勲章を貰える訳じゃあるまい。
で、内容がこうだ。
「EDF第251駐屯基地に配属?」
と、簡潔に書かれていた。
なんだ第251駐屯基地って。
228でも221でもない。
全く知らん基地だ。
「地下施設を備える、残存する駐屯地としてはマトモな部類の場所だ」
「地下ですか。 本部が拠点にしていた所ですかね」
「さあな。 ただ、ここにいる連中、みんなしてソコに向かう」
「それって」
他の基地は無いって事か。
ははっ……絶望的。
「暗い顔をするな。 お前宛の手紙も来ているぞ」
今度は何枚かの、別の紙を渡してきた。
質の悪い、今の紙とは別の質感のモノだ。
差出人は……1枚目はルーデルか。
「えーと……『願いを叶える手伝いをしてくれて礼を言う。 ありがとう』……か。 短い付き合いで手紙を出してくれたのか、嬉しいね」
無事に帰れたっぽいし。
良かった、良かった。
この世界が、本当に平和になる事を願っているよ。
ネウロイが消えて、人間同士の正義の戦争とやらが無くなり、嘘つきの為の平和が来たとしても……。
「もう1枚は宮藤か……『あの時は、ごめんなさい。 でも きっと、いつか戦争がなくなって、ネウロイとの悲しい戦いが終わると信じてます』……ねぇ。 戦争は俺も嫌だよ。 ホント、終わって欲しい。 そう願う」
俺らの世界……復興の目処が立たない絶望の世界だろうな。
生き残れるのかな、俺。
幸せになれるのかな。
こんな事、考えてちゃ持たないから この辺で思考を停止しよう。
「音読するのか、お前は」
突っ込まれた。
いや、良いじゃん。
ここには隊長しかいないんだし。
とか思ったからか、軍曹ちゃんと曹長ちゃんがやってきた。
「あっ、仁さん! どうですか、荷造り終わりましたか?」
「この男の事だ。 チンタラやってたに決まってるだろう」
曹長ちゃん、酷い。
だからこそ事実は言わねば分からないのだ。
「悪いけど終わってるんだな」
「む……そうか。 すまない」
そうやって素直に謝れるのは好感が持てる。
それもまた、生き延びる秘訣になりそう。
「で、その。 本当に2人とも……俺たちの世界に来るのか?」
「勿論です。 私は仁と一緒なんです。 一緒じゃなきゃ、嫌なんです」
「その……私もだ。 お前は危ないからな、私たちがいなきゃ生きてけないだろ?」
「そりゃ君の方だろー?」
「な、なにを!」
「冗談だよ。 2人とも、ありがとう」
照れる2人を見て癒される事しばし。
隊長が重々しくも、はっきりと告げてきた。
「只野、この世界に残っても良いんだぞ」
「それじゃ仲間を見捨てる気がしまして」
「宮藤たちに会わなくて良いのか?」
「このまま消えちゃうのが良いかなって」
「はっきり言うが、元の世界は絶望的だ」
「覚悟しています」
「良いんだな?」
「はい」
覚悟を揺らがさないで欲しい。
でも、それだけ俺の事を心配しているんだろうな。
手紙を書いてくれた子もいて。
軍曹ちゃんも、曹長ちゃんも。
隊長も。
俺って幸せ者だね。
元の世界が阿鼻叫喚の世界でも……俺は頑張れる。
きっと。
「ではゲートに向かう。 あまり長く起動していると、連合が手を出してくるかも知れないからな。 行くならパッとだ」
「了解」
先行するStorm1。
俺はWDFの2人の手を繋ぎ、後をついていく。
「行こうか、軍曹ちゃん。 曹長ちゃん」
2人は頷いてくれた。
共にゲートに向かう。
不思議と足取りは軽かった。
ゲート前にはEDF隊員だけがいて。
共に戦ってくれた非正規の、"509"はいなかった。
まぁ、無理に付き合わんでも良いしな。
寧ろ十分付き合わせた。 ありがたい。
「さようなら……ストライクウィッチーズのみんな。 魔女の世界」
先頭集団がゲートの光へ消えていく。
俺たちも倣うようにして続いた。
こうして、俺たちEDFは魔女の世界から姿を消した。
代償と報酬は釣り合わない結果だったと思う。
だけど、確かに この世界に来て、戦ったのは紛れもない事実なんだ。
そう主張したところで、歴史の教科書には載せてくれないだろうけど。
そんな事は、良くある話なんだろう。
でも、それでも良いかもな。
誰かが……それこそ自分自身が、それを覚えていれば、それが全てなんだ。
そして、俺の、俺たちの歴史は続く。
生きている限り、続いていく。
───違法移民を取り締まるぞ!
───1匹足りとも残してはならない!
───戦って、戦い続けろ!
「EDFッ!!」
───歴史は絶望の世界に引き継がれる。
EDF第251駐屯基地。
地球防衛軍6へ続く。
これにてWDFの物語を終わらせていただきます。
ここまで読んでくれたEDF隊員の皆さん、改めてありがとうございました!
なんか、書いていて「違う。 これじゃない」感があったり
これは……ツマラナイんじゃ……などと、色々と後悔もありました。
ですが、お話を完走する事が出来たのは良かったと思っています。
未完成放置作品が増えなくて、安堵しております。
ただ、書く事の難しさ、他の作者様のように面白い作品を書けたら良いのになぁ……と羨ましく感じたりもありました。
また何か書くかは分かりません。
ですが、またどこかで お会いできたら嬉しいです!
何度目かになりますが、ここまで読んでくれて、本当に ありがとうございました!
ハヤモ