「・・・それってどういう意味なの?」
一輝は目を点にしながらそう聞くとステラはこう答えた。
「・・・エエッとね。」
数分前。
「僕の父『綾辻 海人』は『綾辻一刀流』の師範なんだけどある試合中の
事故で入院してしまってね。ずっと一人で修業を積んでいたんだけどどうにも
最近スランプ気味に陥っちゃって。」
「フンフン。」
「それだけ工夫しても父のように行かなくてにっちもさっちもいかなかった
その時に、・・・緋村君の試合を見たんだ。」
「あ~~、あの。」
ステラはそれを聞きながら桐原と緋村の試合を思い出していた。
正直言えばあれは・・・化け物対蟻んこのような感じの戦いであった。
然し綾辻はこう続けた。
「あれを見た時・・・凄いと思ったよ。正直僕でも見分けることが
出来なかった」
「うん、大丈夫よ。あれ見て分かる人間なんて人じゃないんだから。」
ステラはそう綾辻に言い聞かせた。
「だから僕、あれから緋村君の試合を全部見てビデオに撮って資料として
見てるんだけどやっぱりわからなくて」
「大丈夫だから!アタシでも分からないんだから!!」
そう言うが綾辻はこう言った。
「だけどやっぱり分からなくてね。だからその・・・緋村君に一度相談しようと思ったんだけれど・・・ね」
綾辻はそう言いながら・・・顔を俯かせてこう言った。
「僕・・・男の人と話すのってね・・・父以外だと子供の頃から
一緒に・・・いる・・・門下生としか・・・話したことがなかった・・・から。」
「その・・・ね・・・何て話せばいいのか・・・分からなくて」
「まさか・・・1週間ストーカーしてたのって・・・。」
「・・・・そう。」
綾辻は真っ赤になりながらこくんと頷いたのだ。
「(うわああ・・・・何この人、本当に年上?)」
正直言えば人見知りもここまで行けば大したものだわとそう思っている中
ステラは綾辻に向けてこう言った。
「まあ取り合えず一輝には包み隠さず伝えておくからここで待っといてね。」
そう言って・・・前回の終盤に続くのだ。
「・・・成程ね。」
一輝は頭を掻きながらそう呟いた。
然し1週間もその状態ともなるとはなと思いながらステラはこう聞いた。
「それでどうするの?」
「どうとは?」
一輝はステラの言葉に対して疑問するがステラはこう聞いた。
「あの子の原因を解明するのかどうかよ?このままじゃあ正直な話
ちょっと可哀そうに思えちゃうからね。」
「それに、緋村君だってこんな学校で同じ剣客と出会えるなんてそうそう
ないわよ。」
アリスもステラの言葉を聞いてそう言った。
何せ今日至って大抵の騎士はランクや魔導が主なため、流派を学んでいる
剣客等希少価値レベルだ。
そういう意味では手を貸さない理由はないんじゃないかとアリスがそう言った。
一輝も助けを求めているのに手を差し伸ばさないなど飛天御剣流云々の前に
『緋村 剣心』の弟子としてそれでいいのかとと言う良心があった。
そして暫くして・・・・。
「綾辻殿、入りますよ。」
「あ、うん。」
綾辻は一輝の声を聴いて了承した。
そして一輝が中に入ると絢瀬に向けてこう言った。
「先ほどのステラ殿から聞いた話なんだけど・・・」
「御免なさい!!」
「おろ!?」
一輝はいきなり謝りに来た絢瀬を見て何だと思っている中絢瀬はこう続けた。
「僕!ずっと後ろを付け回していて・・・それも1週間!!」
「気もい悪い女だと思われても仕方がないというのは重々承知の上だよ!!!」
「今後一切は緋村君に近づかないと誓うしそれに」
「綾辻殿、少し待たれよ。」
「え?」
絢瀬は何だと思っていると一輝はこう提案した。
「お主の目的は相分かったし悩みも良く分かった。」
「だからさ・・・一緒に修行せぬか?」
「・・・・え」
「まあ、僕もまだまだ修行不足の身の上だから助言できることなど少ないと
思われるが」
「「(お前みたいな化け物が未だ修行不足って何処の阿修羅の国から
来たんだお前は!?)」」
アリスとステラは心の中でそう思いながら聞いていた。
「それでもと言うのであれば」
「ありがとう!!」
一輝が言い終える前に絢瀬は一輝の手をぎゅっと両手で包むように握って
お礼を言った。
そしてこう続けた。
「凄く嬉しいし光栄だよ!!」
「これからよろしくおねがいいたします!!『師匠』!!!」
「!!」
「?どうしたんです」
一輝の驚く顔を見て絢瀬は何だろうと思っていると・・・自分の手を見てあっと驚きながら手を離してこう言った。
「ごごごご御免!突然手を握るなんてはしたない事を!!」
「大丈夫ですよ、手を握られたことぐらいでそんなに慌てんでも。」
一輝はそう言いながらある事を思い出していた。
「(ああ、そう言えばあの時からだな。・・・『師匠』って呼んだのも確か)」
そう思いながら一輝は師匠でもある『剣心』の事を思い出していた。
そして絢瀬を見てこう思っていた。
「(僕の時もこんな感じでしたか?『師匠』)」
そう思いながら一輝は天井を・・・いや、明治にいるあの人たちを
思い出していた。
すると一輝は絢瀬を見てこう言った。
「まあ取り合えず夕食まで時間あるし・・・先ずは。」
「はい!」
「・・一試合しますか♪」
「・・・・へあ?」
『飛天御剣流』式スパルタ訓練の序章が始まろうとしていた。
この特訓は・・・普通に死にます!