あの後一輝達は校舎の裏手にある森の広場に来ていた。
ここは高く聳え立つ木々が木陰となっており、またコンクリートが少ない為
涼める場所なのだ。
そしてそんなところで行われているのは・・・・。
「ねえ、アリス。これって訓練?」
「いいえ、ステラ。これは訓練じゃないわ。」
「そうか。幻覚じゃないんだ。良かったー。」
ステラとアリスはある場所を見てそう言っているがその理由が・・・これなのだ。
「『龍墜閃!」
「ぷぎゃ!?」
「『龍翔閃!』
「ぽぎゃ!?」
「『龍巻閃‼!』」
「ウワアアアアアア!!」
「「完全に・・・殺す気だ。」」
そうお思うのも無理はない。
何せ『飛天御剣流』現継承者『比古 清十郎』曰く・・・。
『技ってのは手取り足取り教えても意味をなさない。一度戦って喰らって初めて戦う時に役立つってもんだ。』
詰まる話が死ぬ気で戦って覚えろである。
無論剣心も一輝に対しては自分から離れさせるためにそうしたのだが
持って生まれた観察眼故かどうかわからないが意地で覚えきったのだ。
無論一輝はどちらかと言えば絢瀬の悩みを何とかするという目的のために
こうしているのだ。
「はい、また型が乱れた。足の重心をしっかりと教えたとおりに
保ちながら振れ。」
「はい!」
「隙あり。」
「ぼぎゃ!?」
「そういえば絢瀬さんの悩みって技事態だったとはねえ・・・。」
「まあ、本人はお父さんを真似ていたらしいけどそれが伸び悩む
理由だったとはねえ。」
絢瀬の悩みの原因。
それは父親でもある『海斗』の型を真似ていたのだがそれが悩みの原因だと
最初にそう言ったのだ。
それは初日の事である。
『良いかい、其方の悩みの原因は・・・其方の父君の型を真似ているからだ。』
『それって・・・どういう意味?』
『お主と父君とでは体の使う部位がまず違うし体格も違う。そればかりは
特訓したところでどうにもならぬ。』
師匠もそうだしなとそう言うとこう続けた。
『このままいけば体に異常をきたすか最悪二度と《綾辻一刀流》を使えぬことになるだろう。』
『!!そんな!?』
『現に師匠もそのせいであと5年で《飛天御剣流》を使う事が
出来なくなっているんだ。』
『エ』
『納得できないであるのも無理はないが体格と筋力。これに合うように
《綾辻一刀流》を変えるか別の流派にするかと言う二択しかないのだがお主は前者であろう?』
『ああ!』
『ならば僕はステラ経由でお主の足元の矯正するから常に
それを意識しながら鍛錬を続けるよ・・・今のままで』
『ハイ・・・・ェ?・・・今の・・・ママ?』
『そうだよ?矯正するなら戦いながらやらなきゃいけないからね。』
『・・・覚悟して挑んでね。』
『・・・・・・・』砂になった。
『ま、意識が戻ったら覚えておいてね。』
其れじゃあと言って戻るのを見た一輝に対して二人はこう思っていた。
「「(私・・・あのポジションじゃなくて本当~~~~に・・・
良かった~~。)」」
そんなこんなで3日間実技での特訓で生傷(失神付き)の絶えない生活を
送っているのだが絢瀬はこう思っていた。
「(やっぱり緋村君は強いや!相対して良く分かったよ!!それに自分でも
強くなっていくのが良く分かるよ!!)」
意外に+思考であった。
実力のある人間に稽古されることによって毎日何処を矯正すればいいのかを
勉強している為それらが実を結んでいることが良く分かるのだ。
そして等々・・・・。
「『飛天御剣流』龍翔閃!!」
「そこ!?」
絢瀬はそれを見て咄嗟に防御してそのまま・・・一輝に向けて刃を向けた。
「!!」
一輝もそれに気づいて素早く避けるが・・髪の毛1本が切れた。
「「「!!!」」」
それを見て3人は驚いた。
何せ公式戦において毛1本も斬られていない一輝に初めてダメージを
負わせたのだ。
最早この時点で勲章者だと思っている中一輝はこう言った。
「うむ、取敢えず型は何とかなったようだね。」
「あ」
絢瀬は一輝の言葉を聞いて自分の今の状況を見た。
確かに嘗てとは違って下半身に力を行き渡ることが出来るようになった。
「やった・・・やった!やったー!」
絢瀬は一輝に一太刀入れられた事、そして何よりも自分の悩みを
自分の意思で克服出来たことに喜んでいたのだ。
すると一輝は・・・こう呟いた。
「それならそろそろ・・・上げるか。」
「「「・・・・・エ?」」」
喜んでいた絢瀬と目を輝かせてもしかしたらと言うアリスとステラが
目を点にするがこう続けた。
「それじゃあそろそろ・・・本格的にしようか。」
「え、ちょっと待って下さい師匠。・・・まさか・・・まだあると?」
「そうだよ?これまでは矯正するために力抜かしてたからね。ここからは」
そう言いながら一輝は『継裏』を抜刀の構えにするとこう続けた。
「本気で行くからこれまでのような失神程度じゃあ済まないよ?」
「あ、けど『九頭龍閃』は使わないから大丈夫だけど・・・聞いてる?」
一輝はそう言いながら絢瀬の顔を見ると絢瀬は既に・・・・。
「・・・・・」真っ白。
真っ白になっていた。
それを見たアリスとステラは絢瀬に対して・・・手を合わせてこう思っていた。
「「(どうか安らかに・・・逝ってください。)」」
「さあ・・・逝くよ」
「何かイクの字が違わない!?」
それから暫くは・・・悲鳴と断末魔が響き渡ったそうだ。
絢瀬「あれを経験すれば大抵の事は耐えれるよフフフフフフフフフフフフフフフ」
アリスとステラ「「先輩!こっちに戻って!!」」