あれから更に数日たった。
一輝の絢瀬に対する特訓は更に苛烈さを増して本人曰く・・・。
「・・・何度か分からないけど綺麗なお花畑が見える河と橋があったんだよ。」
「それって・・・まさかね。」
アリスはまさかと思いながら口を濁すが絢瀬の言葉を聞いて・・・確信した。
「そしたら死んだおじいちゃんとおばあちゃんとお母さんが手を振ってるのを
見かけれるんだよねえ。」
「其れもう完全に死の国じゃないですか!?」
そうツッコミを入れるが絢瀬はこう続けた。
「そしたらね。大柄の男の人がお酒持ってきてこう聞くんだ。」
「『何でこんな所に娘が一人いるんだ?』」
「それで事情を話したら・・・いきなり抜刀されたよ。」
「何それそこ天国?」
地獄じゃないのと言うと絢瀬はこう続けた。
「それで暫くしたらこう聞かれたんだ。」
「うんうん。」
「『何故飛天御剣流を受けきれるんだ?』」
「それで僕の師匠の事を言ったら・・・いきなり9連撃浴びせられたよ。」
「まさか・・・・。」
「そしたら意識失う前にこう言われたんだ。」
「『あのバカ孫弟子に宜しく伝えておいておけ』・・・って。」
「・・・間違いなく一輝君の師匠・・・よね?」
アリスはそう聞くが絢瀬は首を横に振ってこう続けた。
「いや、師匠曰く『あの人は僕の師匠の師匠だから大師匠だよ。』って」
「大師匠って何でいんのよ!?」
怖って言いながら二人は・・・ショッピングを楽しんでいた。
「それにしても良いのかな?こんなことして??」
絢瀬はそう聞くがアリスはこう答えた。
「大丈夫よ、一輝君からも『絢瀬殿は恐らくあまり使わない箇所を使ってて
疲労しているはずだから今日1日ゆっくりと寛がせるようにしてほしい』って
頼まれたのよ。」
「・・・師匠。」
絢瀬はそれを聞いて少し喜んでいる中アリスはこう聞いた。
「ねえ、聞きたいんだけれど良いかしら?」
「?何だい??」
絢瀬は何だろうと思っている中アリスはこう聞いた。
「貴方は一輝君の事をどう思ってるの?」
そう聞くと絢瀬は暫くして・・・こう答えた。
「そうだな、最初はストーカー紛いな事をしてきたのに悩みを聞いてくれるしちゃんと指導もしてくれるしそれに・・・。」
「それに?」
絢瀬が何か言いかけたのでアリスは何だろうと思って耳を澄ますと絢瀬は
こう答えた。
「・・・僕が何故強くなりたいのかを聞かずにしてくれることなんだ。」
「?」
アリスは何だと思っている中・・・真正面から声が聞こえた。
「はははっ、やっぱりな。どこかで見た面だと思えば、絢瀬じゃねえか。」
「----!!」
絢瀬はその人間を見て両目が驚愕に見開かれた。
身長180㎝ほどの長身で染めた髪、サングラス越しから見えるどう猛さが
滲み出る三白眼。
派手な臙脂色の上着を着崩しており大きくはだけた胸元からは嗤う髑髏の刺青が顔を覗かせて周りの人間を遠ざけていた。
すると大柄の男性が絢瀬に向けてこう言った。
「最近顔見せ無くなったと思ったらこんなとこで会うとはなあ。」
「ハッハー。おもしれえ偶然もあるもんだ。」
そういう中取り巻き達がこう言った。
「ねえ、クラウドオ、誰と話してんの~?」
「早くゲーセン行こうぜェ」
「お?おいおい絢瀬ちゃんじゃないのお、おっひさー」
「おいおい、手前『蔵人』が話しかけてんのにシカトかあ?」
「随分とお高くなったじゃねえの?おお??」
そう言うが絢瀬は取り巻き達に向けてこう言った。
「ああ、ごめんね。今僕は蔵人の言葉を聞くのに必死だから
君たちの言葉聞いてなかったよ。」
そうくすりと笑いながらそう言うと取り巻き達がこう言った。
「手前!良い度胸じゃないの!?」
「あの時みたいに泣き顔作らせてやらあ!!」
そう言いながら周りの客がいるにも関わらず殴りかかろうとしているが
当の絢瀬はと言うと・・・。
「(相手は5人。女はビンタ。男の内一人が拳、一人が蹴り、後の二人は
武器持ちか。)」
そう確信して絢瀬がとった行動は・・・これであった。
「なあ!?」
「ああくそ!」
「避けるな!!」
只々避けるだけであった。
一輝と特訓しているうちに頭をクリアにさせて一瞬で対応できる思考能力を
手に入れたのだ。
然も相手は神速の抜刀術を自在に扱うことが出来る『飛天御剣流』の現使用者。
そのしごきによるものなのかどうか定かではないが並大抵のブレイザーや
こう言う人間相手ならば余裕で躱すことが出来るようになった。
そして暫くして絢瀬がとった行動は・・・。
「「「ウワアアアアアア!!」」」
足にケリを少し加えて転ばすことであった。
「(これで3人)」
「このアマあ!!」
「いい気になりやがって!!」
二人はそう言いながらメリケンサックやナイフを出した。
「キャアアアアアアアア!!」
流石に周りの客をそれを見て驚くが絢瀬は何も言わずに・・・蔵人に
向かって行った。
「「手前無視すんじゃねえ!!」」
そう言いながら向かって行くが絢瀬は・・・。
「ほい。」
メリケンサックを持った男を避けて背中を軽く押しながら転ばせ。
ナイフを持った男は脇に指で刺突してナイフを捕ってから転ばせた。
「「グアアア!!」
二人はそのまま転んだが絢瀬はナイフを持って蔵人に向かうとナイフを
渡してこう言った。
「何時か必ず僕は取り戻す。僕自身の実力で」
そう言うと蔵人は絢瀬を見てこう言った。
「・・・『七星剣武祭』で待ってるぜ。」
おら行くぞお前らと取り巻き達を叩き起こしてその場から去って行った。
「綾辻先輩!大丈夫ですか!?」
「ああ、アリスさん。僕は大丈夫」
アリスに対して絢瀬はにこやかにそう言うと・・・生徒手帳から通知が来た。
恐らくは次の対戦相手なんだろうと思って開くとそこに書かれていたのは・・。
『綾辻絢瀬様の選抜第十一試合の相手は、一年一組《緋村一輝》様に
決定しました』
「・・・嘘でしょ?」
アリスはそれを見て驚愕するが絢瀬はと言うと・・・。
「・・・師匠?」
まさかの事態であった。
然し彼女の目にあるのは・・・驚きではなかった。
青ざめそして・・・何かを覚悟したかのような表情であった。
果たして何を考えているのか?