落第騎士の令和剣客浪漫譚   作:caose

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 こちらでは絢瀬は自ら答えに達します。


父の答え。

 全員が試合開始を宣言したと同時に・・・一輝の姿が消えた。

 『『『『『!!!!!』』』』

 全員が探そうとする中絢瀬はと言うと・・・・。

 「・・・・!!そこ!?」

 絢瀬は『緋爪』を斜め上に向けて・・・斬り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 ガキィン!!・・・と言う音と共に・・・一輝が見えた。

 「まさかあの時に上に跳んだのか!?」

 「早くて見えなかった!!」

 観客がそう言うが・・・絢瀬は・・・冷や汗ダラダラであった。

 「(危なかった!師匠は既に攻撃していたんだ!目の力がなかったら一瞬で

終わってた!!)」

 長い事特訓に付き合っていただけにその勘は生かされていたが・・・

序の口であった。

 

 

 

 

 

 

 「《飛天御剣流》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「《双龍閃》!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一輝は予めに投げていた鞘を手に取ってそれを剣の上に叩きつけるかのように

ぶつけた。

 

 

 

 

 「!!ガハア・・・・!!」

 絢瀬はその衝撃に耐えきれずに頭に当たった。

 そして着地した一輝は絢瀬に向けて怒鳴るようにこう言った。

 「以前にも教えたはずだ!《飛天御剣流》において抜刀術とは基礎中の基礎!!それを疎かにし、剰え忘れるなど未だ半人前にも劣る愚か者の所業!!!

それで僕に勝つことなど烏滸がましいぞ!!」

 正に鬼のような形相でそう言うが絢瀬は立ち上げってこう言った。

 「まだ・・・まだだ!!」

 そう言いながら『緋爪』を構えると一輝はにこりと笑ってこう言った。

 「そうだ・・・それで良い。」

 そう言いながら攻撃の体勢に入ると絢瀬はと言うと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「《飛天御剣流》」

 

 「!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「《龍翔閃》!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 下から放たれる《龍翔閃》。

 本来ならば距離があるのだがそれを魔力で補填して疑似的に速くしたのだ。

 だがそれは一輝からすれば・・・猿真似以下である。

 「遅い!!」

 その攻撃を鞘で弾くと一輝はその反動を使って絢瀬の・・・後ろに回り込んだ。

 「しまった」

 「遅い」

 

 

 

 

 

 「《飛天御剣流》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「《龍巻閃》!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぎが・・・・ハアア・・・!!」

 背中に思いっきりぶつけられて手を地に付けた絢瀬を見てこう言った。

 「まさかこれで終わりなのか?」

 「はあ・・・はあ・・・ハアア・・・!!」

 「そんな体たらくじゃあ・・・」

 「親父さんの底が知れたも同然だな。」

 

 

 

 

 

 

 「!!・・・がアアアアアアア!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 絢瀬はそれを聞いて吠えるように立ち上がると一輝に向かってこう言った。

 「僕の事はどういっても良い!!侮辱しても仕方がない!!けれど!!!」

 「・・・父さんに対する言葉は例え師匠であっても・・・・許せない!!!!」

 そう言うと絢瀬は怒りの中で剣を構えて・・・こう言った。

 「僕は今日・・・貴方を超える!!」

 そう言うと絢瀬は正眼の構えで剣を構えた。

 そして一輝も其れに応えて・・・こう言った。

 「来い」

 「ハアアアア!!!」

 そして再び・・・剣戟がぶつかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・すげえ。」

 「一輝もそうだけど絢瀬も中々どうして、喰らいつくなア。」

 観客はその試合光景を見る中で一人がこう言った。

 「何だが緋村君・・・怖いね。」

 そう言うと何人もがこう言った。

 「ああ、確かに。」

 「まるで・・・剣の鬼だ。」

 「けど何だかいつもと・・・違うよな。」

 「確かに、何時もならあそこまで酷い事言わないのになあ。」

 そういう中でアリスはこう言った。

 「多分だけど・・・弟子だからこそじゃないかしら?」

 「え?」

 アリスの言葉を聞いてステラは何でと聞いた。

 本来師匠と言うのは弟子を想う者じゃないのかと聞くのだがアリスは

首を横に振ってこう答えた。

 「師匠だからこそよ。たとえ弟子であっても・・・いえ、弟子だからこそ厳しく接して超えさせようとしているのよ。自分と言う壁を」

 まあ、無理なんだろうけれどねと言うとアリスはこう締めくくった。

 「けれどそんな分厚い壁にどんな傷を与えるのか。

一輝君はそれを楽しみにしているのよ。」

 そう言った後に二人の試合を見続けた。

 それはステラも同じであった。

 正に一輝の実力は自身など他の人間と同じくらいのレベルとしか

思えないほどだ。

 だが・・・・だからこそ・・・あの場所に立ちたいと思った。

 一輝相手に・・・あの場所に・・・・最強の一角となりえる場所に。

 「絶対に・・・立つ!」

 そう言いながらステラは二人の攻防を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ハア・・・はあ・・・・・・はあ・・・。」

 「どうした?もう終わりか。」

 絢瀬は既に全身で息をしているのに対して一輝は未だに余裕であった。

 《綾辻一刀流》は本来はカウンターの剣術。

 どんな攻撃も往なして自身の攻撃に変換させれるのだが・・・相手が悪い。

 「(どれほどの攻撃であっても往なせれば問題ないけれど師匠の攻撃は

問答無用の二段構え!剣と鞘の二重攻撃と乱撃で往なすどころか受けとめるので

精一杯だ。正直この目がなかったらもう終わってたけど体が・・・もう。)」

 既に体力も限界に近づいているだけではなく全身が疲労状態だ。

 ここで例えギブアップしても良いだろうと誰もがそう思うが

絢瀬はこう思っていた。

 「(けどそうなったら師匠の言う通りに父さんの底を知らしてしまう!!)」

 「(父さんの為に・・・道場の為に・・・そして何より!!)」

 「(僕の・・・剣士としての誇りと本能に従って・・・・・!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・すまない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「(ああそうか。そう言う事だったのか。)」

 「(全く父さんは何処まで行っても父さんだよ。)」

 

 

 

 

 

 

 『俺の決闘だ!邪魔をするな!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 「(あの時父さんがあいつの勝負を受けた理由。)」

 「(どれほど叩き潰されても戦うことを諦めなかった理由。)」

 「(弟子たちや道場の事もあったと思うけれど本当の理由はたった一つ。)」

 「(・・・只々剣客としても本能に従っていたんだね。)」

 「(戦いたい!勝ちたい!!ただそれだけの事だったんだね。)」

 「(親子揃ってそういう所が似ちゃうなんて何て馬鹿なんだろうね。)」

 絢瀬はまるで子供のような屈託のない笑顔を見せてこう思い続けていた。

 「(あの『すまない』は僕らじゃなくてあいつに向けて言ってたんだよね。)」

 「(やり方はどうあっても病で朽ちていく自分に対してなりふり構わず

戦うことを望んでくれた彼に対して・・・。)」

 「《綾辻一刀流》を出し切れない自分で済まないって言ってたんだね。)」

 そして絢瀬は深呼吸をして・・・こう思っていた。

 「(師匠・・・貴方はそれに気づかせるためにこんな野良試合を

企画してくださったんですね。)」

 「(感謝します。そして・・・ありがとうございます。)」

 「(だからこそ・・・僕は今日・・・貴方に勝ちたい!!)」

 そう思った時の絢瀬の顔は父親と同じ・・・狼のような笑みを浮かべていた。

 勝ちたいという・・・本能に従った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「(やれやれ、やっとか。)」

 一輝はそう思いながら呆れ笑いをしていた。

 「(本当ならばここで終わらせたいのだがまあ、僕自身。)」

 「(結構楽しいんだよね・・・・!!)」

 まあ、一輝自身も結構楽しんでいたりする。

 ここ最近の騎士との戦いは工夫がなく単調な能力としての戦い。

 一輝からすれば只のお披露目会みたいな感じだったのだ。

 そんな中で自分の弟子となった少女が剣客として、一剣士として戦ってくれる。

 創意工夫をし、生と死の中で自らを鍛え上げる戦い。

 明治の中で一輝は剣心から・・・左之助から・・・敵味方問わずあらゆる人間の戦いを通してきた一輝にとって正に血沸き肉躍る戦いであった。

 「(何だか大師匠みたいだよなア、僕の思考って。)」

 そう思いながら一輝は『継裏』を抜刀の構えにすると絢瀬に向けてこう言った。

 「さてとそれじゃあ・・・イクゾ。」

 「ハイ!!」

 最早お互いに迷いなどない。

 あるのはただ一つ・・・。

 剣客としての本能が二人を突き動かしていた。

 戦いはまさに・・・終局に向かおうとしていた。




 今、師匠と弟子。
 二人の対決が決着に向かおうとしていた。
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