落第騎士の令和剣客浪漫譚   作:caose

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 やっと終わった。


一輝対蔵人後編。

 「何だ・・・」

 蔵人は一輝の感じが変わったことに気づいた。

 「殺気が変わった・・・ナニカするのか知らねえがなアあ!!」

 蔵人は『蛇骨刃』を更に速く、そして鋭い技を繰り出した。

 「《蛇咬》!!!!」

 右手1本で放たれるのは左右・・・同時の斬撃。

 どちらを防御しても一輝に命中するのは確実だと思われたその時に・・・・!!

 「なあ!!」

 蔵人はそれを見て驚くが観戦している全員がこう思っていた。

 

 

 

 

 

 「嘘だろ・・・・!!」

 「ありえない・・・。」

 「一輝が・・」

 「師匠が・・・・。」

 「「分身している。」」

 

 

 

 

 

 

 そうステラと絢瀬が言った。

 何せ今の一輝は蔵人の周りで数人になって取り囲んでいるからだ。

 すると蔵人はそれを見てこう言った。

 「へええ・・・それがアンタのノーブルアーツか?」

 それを聞いた蔵人の仲間達がそれぞれこう言った。

 「そうか!あれがあいつのノーブルアーツか!!」

 「それなら9連続同時にも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 『・・・阿保か。』

 

 

 

 

 

 「「「「「「へ?」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 一輝の言葉を聞いて蔵人の仲間達が素っ頓狂な声を出すと一輝はこう言った。

 『これは只の剣舞。緩急つけた動きをすることでこのように何人にも

別れることが出来る。』

 

 

 

 

 

 『『・・・ハアアアアアアア‼!』』

 それを聞いてアリス達も含めて全員が驚いていた。

 何せ分身をそんな事でやれるとは思いもよらなかったのだ。

 然し蔵人は周りを見てこう言った。

 「本体が一人ってんなら・・・こうすりゃあ良い!!」

 そう言いながら蔵人は『蛇骨刃』を伸ばして2人同時に仕留めようとするが

それは・・・はずれであった。

 「クソが!!」

 すると一輝は蔵人に向けてこう言った。

 『無駄だ。貴公の反射神経は確かに凄まじいがそれで本体を見破るどころか

幾人にも見えることから目から流れる情報に体が追い付かないはずだ。』

 「クソが!!」

 それを聞いた蔵人は毒づきながらも厄介だと思った。

 何せこれまで戦ってきた剣客は全員静動がはっきり分かれていたがこんな剣客とやる事など今までいないことから自分の反射神経が逆に枷となる事になるとは

思いもよらなかったのだ。

 

 

 『加えて』

 

 

 

 

 「!!」

 

 

 

 

 一輝が攻撃に転じたその瞬間に蔵人は一瞬の間を縫って後ろに下がった。

 

 

 

 「へ・・・甘かった」

 「其れはどうかな?」

 

 「は?・・・・・!!!!」

 

 

 突如蔵人の骸骨の刺青から血が・・・噴出した。

 

 

 

 

 

 『クラウド‼!』

 蔵人の仲間達がそれを見て驚くと一輝はこう説明した。

 「緩急つけれるという事は剣その物に纏わりつく空気を真空上にして鎌鼬を

作ることすら造作もなく」

 「加えて貴公が反射神経を使うことが出来るのは目で見れること限定だ。」

 「見えない斬撃相手では対処も困難だろう?」

 そういう中で口からも大量に出血している蔵人はこう言った。 

 「つまり・・・お前の攻撃を・・・躱すにゃあ・・・完全に・・・剣から・・・避けりゃ・・・あ・・・良いって・・・事・・・だろ・・・うが!」

 蔵人はそう言いながらフラフラと立ち上がるのを見て一輝はこう忠告した。

 「止めておけ。今の攻撃は腸にも届くであろう大けがだ。

無理な動きをすれば内臓が飛び出て貴様は」

 「・・・構わねえ。」

 「何?」

 蔵人の言葉を聞いて一輝は何だと思っていると蔵人はこう続けた。

 「俺は・・・今・・・まで・・・退屈・・・して・・・たん・・・だ」

 「ランク・・・風情・・・で・・・上・・・とか・・・下・・・とか・・・

決めて・・・うんざ・・・り・・・だった」

 「けど・・・剣客・・・は・・・違ぇ・・・」

 「自分・・・の・・・腕・・と・・・心・・・意気・・・で・・・

自分・・・の・・・・未来・・・変えれる・・・から・・・な」

 「剣は・・・自由・・・だ」

 「俺は・・・・これ・・・1本・・・で・・・全て・・・を・・・手に・・・

入れる・・・んだ!!」

 「そんな・・・中・・・で・・・やっと・・・『命・・・賭けた・・・戦い』が・・・出来る・・・んだ・・・よ。」

 「死ぬ・・・・んなら・・・・!!」

 「剣客どじで死にダイ!!」

 フーフーと荒い息上げながら蔵人は睨みつけていた。

 溢れ出る出血から見て立つのもやっと。

 視界など殆どぼやけてしか見えないが目だけは・・・ギラギラと輝いていた。

 「・・・ハアアアア・・・・」

 一輝はそれを聞いてため息交じりでこう言った。

 「全く、君も海斗殿も兎に角完全に戦う事に全てを賭けている。」

 「未だこんな真っすぐな剣客がいたことに・・・正直嬉しいよ。」

 そう言いながらにこやかにそう言うが一輝は目を鋭くさせてこう言った。

 「ならば・・・そんな貴公に敬意を払って先ほどの動きにおいて

最高の剣技をお主に与えよう。」

 「そう・・・こな・・・く・・・じゃな!!」

 蔵人はそう言って構えるとこう思っていた。

 「(まさかここでこんなバケモノに会えるとは神様も良い贈り物

出してくれるぜ。)」

 「(恐らく次が俺の・・・間違いなく人生最後の攻撃)」

 「(この2年間、つまらねえと思っていたが最後にこんな剣客と

戦えるんだ。)」

 そしてにこりと笑いながらこう言った。

 「(あの世に逝く良い土産話になりそうだぜえええ!!)」

 そして自らの絶技を・・・放った。

 「『八岐大蛇』---!!」

 渾身の力を持って振るうは・・・八又の骨蛇。

 分かたれた8つの攻撃が全て・・・一輝目掛けて放たれた。 

 本来ならば全ての攻撃に対応できないはずなのだが一輝は刀と鞘を

逆手持ちにして先ほどの剣舞を使って全てを・・・往なした。

 「ハハハハハ・・・・ハーははははアハッハアハ!!」

 蔵人はまるで狂ったように・・・然し、歓喜の笑みと笑いを浮かべ、

こう思っていた。

 「(二年間!待ったかいがあったぜえええええええ!!)」

 そして一輝も技を放った。

 嘗ての剣心の敵であり、紆余曲折をへて味方にもなり時代に残された御庭番衆の仲間の為に「最強」と言う称号を仲間と共に手に入れようとしたこの世で最も

仲間思いで優しい忍び。

 『四乃森 蒼紫』が繰り出した最強の連続剣技。

 その名も!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「『回転剣舞  六連』!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一瞬で放たれる六連撃を蔵人は全てを・・・喰らった。

 

 

 

 

 

 「ぐ・・・ファアアア・・・・・」

 蔵人は最早死人一歩手前の様に・・・倒れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 『クラウド‼!』

 蔵人の仲間達が駆け寄ると一輝はこう指示を出した。

 「そこのお前。」

 「!?」

 「すぐに救急車を呼べ。」

 「お、おお!!」

 「そこの女。」

 「!!」

 「お前は救急道具をありったけ持って来い。ここは道場だ、

医療道具ぐらいならば倉庫にあるはずだ・・・速く持って来い!!」

 「ああ・・・ああ!」

 「それとステラ殿。」

 「!?」

 「お主の技で湯を沸かしてくれ」

 「分かったわ!!」 

 「アリス殿と絢瀬殿は僕と一緒にこいつを治すぞ。」

 「え・・・ええ!」

 「はい!!」

 アリスはマジかよと思っているが絢瀬はそれを聞いてすぐに準備を始めた。

 「縫合用の糸はあるか?」

 「あ、はい。昔父さんが現役の時に使っていた糸が未だ倉庫に」

 「ねえ一輝君。直したことあるの?」

 アリスがそう聞くと一輝はこう返した。

 「前に師匠の治療を見た時程度だからうろ覚えだが・・・

やらないよりはましだ」

 そういう中で一輝はこう言った。

 「あんなに真正直な剣客を死なすことは僕にとって絶対に許さないからね。」

 そう言って・・・治療を開始した。




 皆はちゃんと病院で治療するんだよ。
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