落第騎士の令和剣客浪漫譚   作:caose

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 一端休載しますね。


奥義伝授後編

 「さてと絢瀬殿、貴公も。」

 「・・・・へあ?!」

 絢瀬はそれを聞いて目を見開いて驚くと一輝はこう続けた。

 「あ、数は何も9発全部じゃなくて良いよ。何発でもいいから」

 そう言うがいやそれは無理だろうと絢瀬以外の面々はそう思っていた。

 然し絢瀬はと言うと・・・。

 目を瞑ってこう思っていた。

 「(確かに速くて反応できなかった・・・けど・・・!!)」

 其れでもと思っていた。

 師でもある一輝に近づきたい。

 そして超えたいと・・・そう思っていた。

 そして目を見開いて・・・放った。

 

 

 

 

 

 

 「『飛天御剣流』」

 

 

 

 

 

 

 

 「『九頭竜閃』!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放たれたのは・・・2発の刃。

「(二発!・・・それでも・・・!!)」

 絢瀬はそう思いながら一輝を見ると一輝はと言うと・・・。

 ニヤリと笑いながら同じように2発の刃を放った。

 「うわあ!!」

 絢瀬はそれにより全てが弾き飛ばされた。

 「・・・やっぱりまだまだか。」

 絢瀬は倒れている状況でそう言うと一輝がこう言った。

 「いや、数はまだまだだけど其れなりに出来ていたよ。」

 「だけど、僕と君とじゃあ決定的に欠けているものがある。」

 「其れは何だと思う?」

 一輝がそう聞くと絢瀬は暫くして・・・こう言った。

 「・・・力・・・ですか?」

 そう聞くと一輝は少しう~~んと言ってこう言った。

 「其れもあるが決定的なのは一つ。・・・体格差と体重ダヨ。」

 「・・・・・ああ!!」

 絢瀬はそれを聞いて目を見開いた。

 そして一輝はこう続けた。

 「そう、それがこの技における君と僕の違いだ。」

 「剣術とは使う人間の体格や実力で変貌する。」

 「ましてや突進術でもある『九頭竜閃』はそれが如実と出てしまう。」

 「つまり君が僕の『九頭竜閃』を同じ技で崩すのは殆ど・・・0だ。」

 「そんな~~~。」

 そう言って絢瀬はガックシと項垂れるように頭を下げた。

 せっかく教わった奥義なのにと思っていると一輝は・・・。

 「だが」

 そう言うとこう続けた。

 「これすらも破るとなればそれはただ一つ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それこそ『飛天御剣流』奥義・・・

『天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)しかない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『『『『『『・・・・・・へ?・・・・・』』』』』

 

 

 

 

 

 それを聞いて全員が目を見開いてそう言うと・・・ステラがこう言った。

 

 

 

 

 「ええっとさ・・・一輝、一つ聞いても良い?」

 「?・・・何でしょう?」

 「『九頭竜閃』が・・・奥義じゃないの?」

 ステラがそう聞くと一輝は肩を透かしてこう言った。

 「僕がいつ『九頭竜閃』が奥義って言ったの?」

 そう言って・・・全員がこう思っていた。

 『『『『『『(・・・・・・イヤ、あり得ねえわ~~~~。)』』』』』』

 そう思ってる中で一輝はこう続けた。

 「元来『九頭竜閃』は

『天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)』の形を諭し、実践させるために

作られたどちらかと言えば最終試験のような技なんだ。」

 『『『『『(いや、あれが最終試験って鬼畜試験か!!)』』』』』

 どんなバーサーカーが編み出した剣術何だよとそう思っていた。

 そんな中で一輝はこう続けた。

 「それじゃあ絢瀬殿、奥義がどんな技の形をしているのか・・・分かるかい?」

 そう聞くと暫くして・・・絢瀬は直ぐに構えた。

 そしてこう思っていた。

 「(『九頭竜閃』は最速の突進術!だったら・・・こっちは!!)」

 そう思いながら絢瀬は抜刀術の構えをすると一輝はこう言った。

 「正解だよ、最速の・・・神速の術ならばこちらはそれよりも上・・・超神速の抜刀術でやる。」

 それが答えだというとだがと・・言ってこう続けた。

 「それだけでは完成とは言えない。」

 「?」

 絢瀬は何でと思っている中で一輝はこう言った。

 「奥義を使うに必要な事・・・それは自らが答えを出さなければならない。」

 「まあ・・・その答えは本来僕が自ら体験させなければいけないけど

それは『七星剣武祭』が終わってからでも遅くはない。」

 そう言いながら一輝はこう言った。

 「だが覚えておいて。」

 「?」

 「その技は嘗て師匠が大師匠に対して使った際にもだが逆刃刀においても相手を殺すことなぞ造作でもない。」

 「!!」

 「師匠は『殺人剣』と言う理由で僕にはあまり教えてくれなかったけど

僕はそうじゃないと思ってるんだ。」

 「全ての剣と流派は使う人間によって違っていく。」

 「『活人剣』であっても人を殺めてしまうし『殺人剣』であったとしても

内容によっては多くの人を助けることが出来る。」

 「絢瀬殿、僕がこの流派を教える理由は2つある。」

 「一つは君が僕の弟子だから。最後まで教えたいと思ったんだ。」

 『・・・・」

 「もう一つは・・・君が僕に似ていたからだよ。」

 「・・・・え?」

 「君は無力がどういう事なのか知っている。」

 「君は力がどのような物なのかを知っている。」

 「絶望を知っている君だからこそ僕は・・・君に強くなって貰ってそれを後世に継いで行ってほしいんだ。」

 「・・・師匠。」

 「『飛天御剣流』」の理念は人々の自由と正義を守るという確固とした・・・

自由な視点で見なければいけないという約定がある。」

 そう言いながら一輝は歩きながらこう言った。

 「己の信念を貫け、それはその為の力の一つだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう言って歩いて去っていく一輝の姿を見て絢瀬はこう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・ありがとうございます・・・師匠。」

 そう言って絢瀬は頭を下げた。

 




 これで・・・お終い

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