落第騎士の令和剣客浪漫譚   作:caose

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 試合は始まったぞ。



試合開始

そして暫く経って最初に動いたのは・・・刀華である。

 ぐんと膝を落として前屈みになって体を押し出すような感じで初っ端から

最大加速した。

 両者の距離はざっと20mだが刀華にとってはそんな距離は誤差の範疇、

関係ないのだがその近づき方こそ珠雫の狙いであった。

 「凍てつけ・・・『凍土平原』!」

 その言葉と同時に珠雫の足元を中心として氷が張り巡らされたのだ。

 その氷は一瞬でリング全体を覆ってしまうほどであり更に間髪入れずに

珠雫は『水牢弾』と言うこれまで多くの選手の動きを止めた技を放った。

 それを三連射することによって行動を止める又はいつも通りに

相手をいたぶる余興として放ったようだが相手はベスト4・・・並大抵ではない。

 刀華は其の儘減速せずに寧ろスケートの様に滑りながら『水牢弾』を躱して

滑りやすい氷の床を最大限利用して駒の様に一回転しながら自身が持つ

デバイスであり一輝の持つ『継裏』と同じく鞘付きの代物、『鳴神』を正に

目にも止まらぬ抜刀術で未だ遠い間合いにいる珠雫目掛けて放った時・・・

珠雫はにこりと笑ってこう言った。

 「そんなの分かっていましたよ生徒会長さん♪」

 そう言って回避すると30m級の津波を顕現させて

それをぶつけさせて防いだのだ。

 「伐刀絶技『障波水連』、この壁を突破できるのでしたらやってみてください?

この純水の水に通せるのでしたらね!」

 そう言ってニヤリと笑いながら珠雫はそれを使って水を幾つかの槍として

放ったのだ。

 だだだだだだだだだだと放たれる水に刀華はすぐ様に回避する中で珠雫は

こう説明した。

 「分かりますかこの現状?貴方の雷は確かに私の水とは相性としては最悪ですが

それは不純物があるからです、ですがこの技にはそれすらない!

全く混じりけのないこの水こそ貴方の天敵!!貴方は成すすべなく

敗北するのですよ!!」

 アハハハッハと笑いながら攻撃している珠雫であったが刀華は・・・

シュッと言う音と同時に抜刀して攻撃したのだ。

 然もそれは・・・一撃ではなかった。

 連続攻撃なのだ、然もそれは全て同じ個所に集中的にだ。

 「何度やっても無駄ですよ!純粋な水の前にそんな攻撃・・・!!」

 珠雫はそう言いながら防御していると突如として・・・ふら付き始めたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「え!?何で珠雫がふら付くのよ!?」

 何でとステラがそう言うとアリスがこう答えた。

 「魔力の集中における酸欠よ。」

 「酸欠?」

 そんなのなるのとそう聞くとアリスはこう説明した。

 「良いステラ、混じりけのない純水を出すって言うのは簡単そうに見えて

複雑なのよ。魔力で造った水だとしても水は空気中で交じり合うから結局のところ混じってしまう、だからこそ珠雫はそれをさせない為に魔力で

調整していたんだけど高難易度の集中力、正に針に糸を何百回もミスなく

成功させる様な物、その為何度か酸素を補給しなければならない所を

していないのよ。恐らく生徒会長さんはあれを見て一瞬で理解したからこそ

時間稼ぎに打って出たって所ね。珠雫は小柄だからそれに必要な酸素の要求量を

計算した上でね、全く厄介な手合いよ生徒会長さんは。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・・この!!」

 珠雫はそう云う中で『障波水連』を見ると既に半分以上が蒸発しているのを見てヤバいと感じたのか一度閉じさせたのだ。

 「!」

 それを好機と見たのであろう、刀華は一瞬でその場所に向かって

抜刀しようとした瞬間に・・・抜刀出来なくなっていたのだ。

 そして足が何故か動けなくなったと同時に・・・巨大な氷の塊が刀華に襲い

掛かったのだ。

 そしてその儘・・・押しつぶされてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ~あ、これはあの偽善者に充てようと思って考えていたんですけどねえ。」

 珠雫はその光景を見てそう言った。

 以下に速かろうが所詮はFランク、圧倒的魔力と其の絶妙な操作で

叩き潰すと言うコンセプトの名の下に考えたこの戦法は見せなきゃいけない程に

彼女は追い込まれていたのだ。

 それを否定するかのように珠雫は平然とした表情で使ったのだが・・・

突如として氷の塊が花開いたかのようにぱカリと割れて壊れた先にいたのは・・・無傷の刀華であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『す・・・素晴らしー------!!何というハイレベルな

攻防なのでしょうか!?私実況を仰せつかっておきながら何一つ言葉を

挟めませんでした!!』

 そう言った瞬間に客席からガヤガヤと声が聞こえた。

 「何だよあいつら・・・本当に人間なのかよ!?」

 「生徒会長さもそうだがベスト4相手にあそこまで戦える1年って

一体何なんだよ?!」

 「あの一瞬で防御、反撃、切り札ってどんだけ手数を重ねてんだよ!?」

 「お互い化け物ぞろいだな、これがBランクの力。」

 互いにそう言っているが一輝だけは違っていた。

 「本当に互角なのでしょうか?」

 「?どうしたんです師匠?」

 絢瀬がそう聞くと一輝はこう続けた。

 「確かに珠雫殿も凄いが刀華殿は本気で試合をしているのか気がかりでな。」

 「え・・・それってどういう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「へえ・・・よく見てるじゃん緋村一輝。」

 「「「!!!!」」」

 それを聞いて絢瀬達が驚いて見るが一輝は普通な感じでこう言った。

 「声を掛けるのでしたらもう少し気配を絶った方が良いですよ?先輩方??」

 そう言って現れたのは生徒会役員の2人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 御禊 泡沫と貴徳原 カナタであった。




 続きます。
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