ところ変わって東京都新宿市の摩天楼の中に聳え立つ30階建ての高層ビルの
最上階にある支部長室の・・・責任者である日本支部長『黒鉄 厳』の姿が
そこにあった。
だがどうやら彼は・・・不機嫌そうであったのだ、その理由がこれ。
「そうか、娘は負けたか。」
『お相手はあの《雷切》では仕方ない事と思われますが選抜戦などと言う下らない方針が無ければお嬢様は難なく代表入りを果たしていたでしょうに全く。』
「確かにな、実力ある物が先頭に立つべきだ。高い能力を持つ者こそを
優遇すべきであると言うのにあいつは聞く耳を持たぬ。」
『仕方ありませぬ、奴は・・・あの男の教え子です。』
「彼か・・・忌々しい指導をしおってからにと言うが・・・それとだが
例の彼はどうだ?」
例の彼と言って電話の向こうにいる男がこう呟いた。
『奴ですか・・・奴は未だ健在、それどころか連戦連勝でこのままでは
代表も間違いないと言われておりますが破軍学園の連中は情けないですなあ。
Fランク風情に傷一つも付けられないとは・・・こうなれば真正面から《雷切》か《シャルラッフラウ》の戦わせるかそちらの権限で《学生騎士》の
資格取り消しと言うのは』
「忌々しいがそれが出来る事ならやっている、
だが騎士の資格管理をやっているのは《国際魔導騎士連盟》の《白髭公》である
本部権限であって奴が何かしらの悪事をしていると分からなければ対処が」
「その男についてですが私に一つ妙案があります。」
『黒鉄 厳』の言葉を遮るようにして現れたのは・・・闇から
滲み出たかのような恵比須顔のこれまた肥満体系の男がニヤニヤと
意地悪そうな顔で出てきたのを見て『黒鉄 厳』は気だるげにこう言った。
「『赤座』か、妙案があると言ったが何がある?」
そう聞くと『赤座』はニヤリと笑ってこう答えた。
「フフフフ、奴についてですが詰まる話が悪い情報があれば
宜しいのですよね?」
「ああ、そうだが。」
「それでしたら・・・こう言うのは。」
何やら悪事を働いているようだが・・・世の中そうは問屋が卸さないのが
当たり前だ。
彼らは今己らがやって来たことについての後始末と清算をその身に
刻み込まれる時がやってきていることにまだ気づいていない。
そんでもって日曜日に一輝達と生徒会一同は奥多摩にある合宿所に
やってきてまず取り掛かったのが・・・昼食の準備である。
嫌なんでまず初めに探さないのと思われるであろうが奥多摩の合宿所は
兎に角只広い為に砕城と貴徳原が管理人に聴取する間に残りのメンバーでカレーを作ることと相まったのだ。
調理器具は何故か既に用意されているらしいので一輝達が準備する中でステラは深呼吸してこう言った。
「ん~~、空気が美味しいわ。それに涼しくて気持ちいいわ。」
「アスファルトが無いから空気が程よく冷やされているんだよ、
まあこの国は殆どが亜熱帯だけどね。」
「(拙者がいた明治じゃああそこ迄熱くなかったなあ、
それどころか夜には打たせ水をして涼んでいたし。)」
一輝はそれを聞いてそう思っているがまあ当たり前であろう、
何せ温暖化の影響で暑くなってしまっているので仕方ないと言えば
仕方ないであろう。
するとステラと重荷調理器具を洗っていた兎丸が一足早く運び終えると
バドミントン器具を持ってステラに向けてこう言った。
「ねえねえステラちゃん!洗い終わったら一緒にバドミントンやろうよ~~!」
「良いわね!私強いわよ!?」
「何オー、アタシだってフットワークじゃ負けない」
「けど師匠には走りですら負けたよね?」
絢瀬がそう呟くと兎丸が・・・少し止まったかと思いきや体育座りをして
こう呟いた。
「そりゃあさ、アタシ負けたけどさ、あの時最大加速だったら間違いなく
勝ってたはず」
「いや無理でしょ?その前に倒されてますって先輩。」
「ステラちゃん!それ言わないでよ~~!!」(´;ω;`)
兎丸が涙ながらそう言うのを見ながら絢瀬は切った野菜を持って来て
こう聞いた。
「生徒会長、これで良いでしょうか?」
「うん良いね絢瀬さん、それじゃあ後は私がやっておくね。私のカレーは
自家製カレー粉味は保証済みよ。」
「わあ、それは美味しそうですね。一輝君の方は如何かな?
サラダ任せたけれど??」
そう言いながら見てみると既に終わらせていたのだ、然も何故だか絢瀬が切ってボールの中に放置されていた野菜の皮を切って煮込んでいた。
「あの師匠?何しているんですか??」
そう聞くと一輝はこう答えた。
「うむ、汁物がいるかなって思ってな。野菜の皮は中身以上に栄養が豊富だからそれと肉で捨てられていた脂身を入れて少々腹に来るのを野菜でおさめればよいし丁度良く近くに野イチゴが鳴っていたから添えておいたよ?」
そう言っていると刀華はそれを見てへ~~と言いながらこう続けた。
「緋村君って料理上手いんだねえ、初めて聞いたけど今度やってみよう。」
「料理は余すことなくちゃんと使って初めて料理だからな、
あと少しだから頑張りましょう。」
そう言って調理をやっている中で一輝はこう思っていた。
「(何せ師匠といる中で食べられる草やキノコとか教わったからなあ、
いやあ野宿生活で培った経験が生かせるって良いなあ。)」
そう思いながら調理している事など2人は知る由もなかった。
次回は探索。