その言葉と同時に互いが抜刀したと同時に・・・全てが始まった。
「雷切!」
刀華が放った雷切が一輝目掛けて襲い掛かると一輝はそれを体を低くして躱すと
地を蹴って其の儘空中抜刀と言う離れ業で回転しながら刀華の首筋目掛けて放つも
それを刀華は持っている鞘で防御するもその回転其の儘に鞘を逆手で抜いて
顔面目掛けるも紙一重で躱して難を逃れるがそれを一輝は
其の儘膝蹴りで腹部を強打させたのだ。
「ごは!」
そしてその儘着陸した。
因みにこの間・・・僅か0,9秒である。
『ええ・・・ええと・・・何じゃこりゃーー!一体何が起きたのか
私にも検討が付きませんって一体何がどうなってんのか実況も出来ないって
誰かスローモーション撮影したカメラ持ってないかァ!?』
今までの戦いにどうやったんだと思いながらもマイク片手にそう言う実況者を
他所にその光景を見ていたステラ達もこう思っていた。
「ええとさ・・・今の見れた?」
ステラがそう聞くとアリス達もこう答えた。
「そうねえ・・・私が見れたのは着地する前に攻防があったのは分かるけれど
どんな攻撃だったかって事までは。」
「僕から見ればだけど間違いなく師匠の攻撃が当たった事だけは
予測できているけどさっきまでの動作となるとねえ。」
絢瀬自身ですら分からないと言っているがそれは無論生徒会メンバーですら
同じであり黒乃達はと言えば。
「矢張りやるな緋村、1秒にも満たさんがあれ程の攻撃を瞬時に
思いつくとは。」
「とーかちゃんも負けていないと思っているけどあそこ迄速いと
アタシでも避けれるか怪しいねえ。」
「あれが緋村一輝・・・何という剣術じゃ、あれ程の剣客が
今の世に居ろうとはのう。」
南郷先生はそう言って一輝を見つけているが更に動きを見せた。
「参る!」
一輝はそう言って刀をむき出しの状態で攻撃を始めた。
初めに鞘で刀華の剣を打ち上げようとするが刀華はそれを感づいて一歩下がって避けようとした瞬間に一輝が突如として・・・動きを変えた。
「な!」
刀華はそれを見て驚いたのだ、大抵の人間は一端動いてしまうと
一動作完了するまで止まらないはずなのにこの数瞬ともいえる間に一輝は常識すら塗り替えるかのように攻撃パターンを変えた。
鞘から放たれる攻撃を地を踏んだと同時に回転するかのように背中に
龍巻閃を叩きつけようとするも刀華はそれを察知して避ける時の手順を逆利用して一旦踏ん張って背面を守るかのように刀をぶつけようとすると
一輝はそれを鞘で巻き取るかのように飛ばしてから薙ぎ払った。
「がは」
刀華はその攻撃に肺の中にある酸素が無理やり吐き出されたかのような感触に
襲われて酸欠になったかのような感じで倒れそうなところを根性で踏みとどまって無手で雷切を放って一輝から距離を離して刀を取り返した。
「す・・・凄い。」
恋々がそれまでの戦闘を見てあの時のあれが未だ本気でない事に驚くと
同時に唖然としていたのだ。
これまで刀華があそこ迄負傷するなんて思いもよらなかったのか
眼を点にしていると泡沫は嘘だろと思いながらこう呟いた。
「何やってんだよ刀華・・・何時もみたいにさあ・・・戦ってよお・・・。」
力なくそう言っているが無理もない、嘗ては陸の黒船と恐れられ
どちらかについただけで勝敗が決まると言う多対一に特化した剣術であると同時に一対一にもなると最早虐めレベルでしかない圧倒的な強さとなりまあ今まで剣心が戦ってきた相手が全員人外レベルであったことから
苦戦していたような場面があったがあれは相手が強いだけであって常人相手だと
この様になってしまうのは言うまでもない。
「あれが緋村一輝の本気か・・・最早あれ程の攻撃を受けれるかと言われても
間違いなく否定するぞ。」
「・・・会長・・・一輝君。」
カナタはそう言って2人の戦いを見ていた、片や自身の親友、
片や彼の過去を知ってしまった手前何とかしたいと思っている中で
どちらを応援すれば良いのかとそう思っている中で・・・ある人間が試合会場の
出入り口にある通用口に立っていた。
そう、この間退院したばかりの蔵人だ。
今回の試合を聞いて態々南郷先生と共に入って見ていたのだ、
緋村一輝の戦いを、そしてこの試合の行く末を。
「おいおいおい『雷切』よお、ここでリタイア何てしねえよな!?」
そう言いながら試合前の剣気を思い出して・・・
三日月の様に口を歪ませるとこう言った。
「緋村一輝・・・俺は手前にリベンジする為に強くなるぜ、手前を倒せねえ限り七星剣武祭優勝なんて夢のまた夢なんだからなあ。」
そう言いながらトイレにでも行くかと言って会場の通用口から中に入るとそこで或る一団を見かけた。
「何だあれ?」
蔵人はそれを見てそう言った、黒服の男たちが何やら不審な動きをしていたので蔵人は追って行った。
これが完全なる黒鉄家の終わりを告げると言う行動に繋がるとは
夢にも思っていなかったのだが。
「(強い・・・完全に掌で踊らされている。)」
刀華はそう思いながらもう一度抜刀の構えをしているが
これは只の自身の攻撃のルーティンに過ぎないが一輝の場合は違っていた。
何時でも戦える様に右手に逆刃刀を、左手に鞘を構えているのを見て
こう感じていた。
確実にこのままだと負けるのが目に見えると。
ならばどうする?・・・負けを認めて降参するかと思うだろうが
彼女の場合は違っていた。
負けたくない!勝ちたい!!この格上の相手に勝って頂点に上り詰めたい!!!
そう、戦士としての欲求だけが刀華を突き動かしていた。
だがどうするのか?そう考えていると刀華はこう考えた。
「(今まで私は相手の電気信号から行動パターンを読んでいたけど彼はそれすら書き換えて挑んでくる、ならばどうやって彼の行動パターンを
完全に読み取るか?・・・いや違う!私は完全に間違っていた!!
彼の行動パターンを読むじゃなくて私が・・・
・・・・私が彼の行動パターンよりも先に攻撃すればいいんだ!!!
その為に必要な事は既に私が持っている・・・ならばここで使おう・・・・・
こんな私の為に全力を出してくれる『最強』に応えるがために・・・
・・・ここで死んでも悔い何てもう残ってないんだから!!)」
そう思っていると刀華は構えを解くと一輝に向けてこう言った。
「強いね緋村君!これまで戦ってきた中でこんなに勝ちたいなんて
『あいつ』以来初めてヨ・・・私は今日貴方を超えて頂点に上りつめるわ・・・
ここが私の死に場所となってもそれこそ本望よ!!」
そう言うと突如として刀華の体が淡く・・・黄色に発光すると周りの地面も
可笑しくなり始めたのだ、一輝の放った剣気で割れたフィールドの中から・・・
黒い砂がうねうねと生きているかのように現れると刀華は一輝に向けて
こう言った。
「これが私の全部!そして・・・私が一秒前の私すら置いてけぼりにする!!
私は貴方を超えて天に立つ!!」
そう言うと大声でこう言った。
「纏・雷!(てんらい)」
その声と同時に会場一体に大きな雷鳴が轟いた。
次回に続く。