「成程、そういう事なア。」
ここは破軍学園の理事長室。
その部屋の主にして煙草をくわえた麗人にして嘗ては騎士において
最強ランクの一人でもあった『新宮寺 黒乃』がステラ・ヴァーミリオンと
アリスからの報告を聞いてそう言った。
「あいつのも聞きたかったがなア。」
黒乃はそう言うとアリスはこう答えた。
「そう言えば彼女一輝君を見てから何か・・・幽霊を見た様な顔でしたね。」
アリスはそう言っていると黒乃はパソコンを開いてある動画を二人に見せた。
「それは!!」
ステラ・ヴァーミリオンが驚いてそれを見るとそこに映っていたのは・・・。
「ああ、如何やら人質の一人が動画で流していたそうだな。」
そう言いながら黒乃はあるシーンで止めた。
「丁度ここだな。確かビショウと言う男の能力は反射だったな。」
「はい、あいつは左手で吸収して右手で相手を弾き飛ばすという技でした。」
ステラ・ヴァーミリオンがそう説明すると黒乃はこう続けた。
「そいつを報告によれば・・・目にも止まらぬ9連撃で吹き飛ばしたのか。」
そう言いながら黒乃は動画の書き込み欄を見た。
『スゲエ!映画見てえ!!』
『あ!ステラ・ヴァーミリオン吹き飛んでパンツ見えた!!』
「黒乃先生、この書き込みした奴見つけられません?」
「まあ待て。続きはと・・・。」
無視ですか!とステラ・ヴァーミリオンが驚いているとこう続けていた。
『テロリストの親分がぶっ飛んだ!!』
『テロリストの雑魚ども昇天‼!』
「そしてこれか・・・。」
「ああ、一輝君があの子に伝えてたところね。」
『良いこと言うな、何だか・・・重みがある。』
『俺これ見終わったら親にお礼の花束やろうかな』
『大人になって汚い世界にいたとしても決して忘れちゃいけないな。』
『子供たちのいいお手本だ!!』
『今の大人にもな!!』
「凄い反響ですね。」
「ああ、『銃刀法違反』だとしてもこれほどの技と・・・ここまで性根が
真っすぐな奴はそうはいない。」
黒乃はそう言いながらパソコンを閉じた。
「それで奴は今どうしてる?」
そう聞くとステラ・ヴァーミリオンはこう答えた。
「ああはい。お店側からお礼として今日1日はショッピングモールで
泊まって良いそうですよ。」
そう言うと黒乃は店側の意図を明らかにした。
「大方、泥棒対策と言った処だろうな。」
火事場が付くがなと言うと二人とも納得した。
「成程ね・・・」
「最強の番人よね。」
お互い笑いながらそう言うと黒乃は二人に向けてこう聞いた。
「二人から見て奴の実力は如何見て取れた?」
そう聞くと暫くして・・・こう答えた。
「強いです・・・ただそれだけ・・・強さが違いました。」
格がとステラ・ヴァーミリオンは悔しながらそう言った。
そしてアリスもこう答えた。
「それに早いわね。身体能力だけであそこまで速いとなると魔力も加算させればトンでこないわ。」
「それに彼・・・結構な確率で修羅場を潜ってんじゃないのかと思います。」
「修羅場・・・だと?」
アリスの言葉を聞いて黒乃は目を細めるがアリスはこう続けた。
「自慢じゃないですけど私の能力はそう相手に認知されないと自負しています」
「けど彼はそれを只の1瞬で感知しました。あれ程となると天性では
片づけられません。」
そう言うと黒乃は暫く考えて・・・こう言った。
「案内しろ。」
「え?何処へです??」
ステラ・ヴァーミリオンは何だと思っているとこう答えた。
「ショッピングモールだ。」
「ふ~~。食べた食べた。」
「良いのかい坊や?もう少し食べても罰当たらないよタダだし。」
食堂にテおばちゃんがそう言うと一輝はこう答えた。
「いや、満足ですよ。・・・毒キノコの入った汁物に比べればどんな料理だって天国ですよ」
ハハハハハと乾いた笑いをしている一輝を見ておばあちゃんは
少し引き気味でこう言った。
「そ、そうかい・・・まあお腹が減ったら冷蔵庫にまだ残ってるから後で
電子レンジで温め直しな。」
「・・・おろ~~。」
それを聞いて一輝はヤバいと思った。
何せ明治時代にそんなもん無い為温めるとなると火で温め直すしか
道がないのだ。
それはまあ確実に知らないのだがおばあちゃんは一輝に向かってこう言った。
「・・・ありがとうね。」
「?」
「あの子を助けてくれただけじゃなくて大切なことを教えてくれて。
本当ならアタシらが教えなきゃいけないのにね。」
そう言うとおばあちゃんは一輝に向けてこう・・・お礼をした。
「だから感謝するよ。あんたみたいな若い子がいてくれるからこの国は何とか持ってるんだよ。」
そう言ってじゃああたし帰るねと言っておばあちゃんは去って行くのを見て
一輝はこう呟いた。
「違いますよおばあちゃん。僕は真似しただけですよ。」
「嘗て僕を助けてくれた師匠みたいに。」
「あの時自分の死が無駄ではないと言ってくれたあの偉人みたいに。」
「僕はそれを教えただけですよ。」
そう言ってこれからどうしようかと思っていた。
「そう言えば在庫品の本は好きに読んでいいよと言ってくれたからそれ読んで
今の漢字を覚えるか。」
そう言って一輝は倉庫に向かおうとすると・・・後ろから声が聞こえた。
「貴様が『緋村一輝』か?」
「?・・・どちらさまでしょう」
そう言って一輝が振り向いた先にいたのは・・・
「私は『破軍学園理事長 新宮寺 黒乃』だ。」
そう言って黒乃は煙草に火をつけてこう言った。
「お前に試してもらいたいことがある。」
「試してもらいたいとは一体・・・?」
そう聞くと黒乃はこう答えた。
「貴様に・・・魔力があるかどうかだ。」
次回は一輝はどうなるのか?