それから数日経ったある日、雨が降り注いでいた。
破軍学園の新聞部部長の日下部加々美は部屋の一室にテ資料整理をしていた。
資料には大量の・・・他校からの出場者に関するデータが至る所に
乱雑してあった。
一つは七星剣武祭に備えて特集を創るために使う事。
そしてもう一つは・・・緋村一輝が戦う相手が誰かの場合どの様に戦うのかを
シミュレーションしてその上で雑誌を書くと言う仕事があるのだ。
「まあこんなのって気休めにしかならないしそれに緋村さんだと
焼け石に水だろうけどなあ。」
そう呟きながら刀華での戦闘後に書いた本を開いてみた。
『破軍のナンバーワン敗れる!緋村一輝、一体彼は何処まで
駆け上がるのか!?』
「然しまさか生徒会長の十八番を相手取って勝てるなんて・・・
倉敷 蔵人ですら片手間で戦って勝つほどだからまあそうかもしれないけど
彼は一体何者なのかしら?」
そう言って蔵人戦の新聞を開いた。
『貪狼学園の倉敷 蔵人敗れる!勝者は我らが破軍学園の新星緋村一輝!‼』
「それにしてもあの一瞬で6連撃・・・いや、9連撃できるから
それくらいは余裕か、それ以前に分身はするわ斬撃を飛ばすはで彼って
もしかして宇宙からやって来たって言っても納得がいくわね・・・
『飛天御剣流』なんて流派聞いたことすらないもん。」
そう言って流派に関する資料を見開いても何処にも記載されていないのだからと思っているとある資料を見つけた。
「これは確か戦国時代の絵巻だよね・・・場所は・・・北方の国・・・
北ともなると東北・・・戦国時代から江戸時代にかけて存在する小国・・・
何か書いてあるな。」
どれどれと言って・・・こう読んだ。
『北方の国一度南雲の国よって滅びを迎えるもたった一人の男によって
窮地を脱す、その男は領民に慕われ、その剣技はまさに龍の如く天を舞い
たった一振りで5人もの敵を斬り捨てその姿はまさに修羅。江戸時代になり
徳川の世になった後かの一族姿消すもその流派は徳川にとって
脅威ともなりえりしその剣技をこう呼んだ。
『天を飛び北方の国領主《御剣》の名を冠しその剣技の名を
【飛天御剣流】と呼ぶ者ありし。』
「【飛天御剣流】・・・!!」
日下部はその資料を読んで驚愕した、飛天御剣流に関する手掛かりがこんな所で見つかったと言う嬉しさと同時に飛天御剣流についてをこれまでの戦闘記録と
伝説に準えてレポートとして纏めていた。
「飛天御剣流は多対一に特化した剣術だが一人相手になった際にそのリソースを絞れてしまうがためにその威力は絶大となる、また未だ飛天御剣流について
明かされていない事が多いがために今後も調査を行うものとする。」
そう書いてさて次はと思って今回の他校の選手達を見てみることとした。
「それにしても今回の大会には無名が多いわねえ、中学生リーグ出場者って殆どいないじゃないの?」
そう言ってその人間たちを読んだ。
「貪狼学園の『多々良 幽衣』、16歳で生まれは不明で武器はチェーンソー。
「巨門学園の『紫乃宮 天音』、試合結果は・・・6勝無敗でその内6勝が・・・不戦勝って何よこれありえないわ、一体如何やってそんな事やったのよ・・・!」
「禄存学園の『サラ・ブラッドリリー』・・・何だろうこの服装奇抜ね。」
「文曲学園の『平賀 玲泉』、見た感じピエロで正体は誰も知らない・・か。」
「廉貞学園の『風祭 凛奈』、言動は中二病で・・・まあそういう年頃なのよねきっと。」
「そして最後に武曲学園の『黒鉄 王馬』、あのお家騒動にも関わらずに
参戦するとは興味ないのかしらね?こっちは完璧、小学校時代は天才と呼ばれ
幾つものトロフィーを持つも中学生は何処も出ずに高校に入ってからも
七星剣武祭に出場しない・・・か、一体何の目的で出場・・・出場?」
日下部はそう言って今回の選手たちの行動を調べてみると・・・嘘でしょと
呟いてこう言った。
「こんなに『無名の一年』が出るなんて・・・あり得ない・・・!!」
普通ならば豊作の年と誰もが言うであろうが日下部は違っていた、
騎士であるならば力のある存在は誰もが本人の望まずとも眼にも停まるが
必定なのになぜ彼らは今まで・・・誰の眼にも止まらなかったのか
気になってしまったのだ。
無論それは一輝にも該当する者でありまさかとこう呟いた。
「(まるで・・・今まで日の当たらない世界にいた人達が
示し合わせたかのように・・・!!)」
まさかと思って今度は理事会や七星剣武祭運営委員会の顔ぶれ、
協力するスポンサーのリストと去年のリストと履歴を比べて見てそして
数時間後・・・日下部は辿り着いてしまった。
間違いないと思って今年出場する七星剣武祭のメンバーリストと・・・
アリスの写真に〇をつけた紙を見て・・・こう呟いた。
「この七校の中に・・・もう一校存在している・・・!!」
そしてと日下部はある資料を見てみた。
飛天御剣流の伝説に関する資料の中にもう一つ存在していた物・・・
それは記者としての直感から真実だと確信してそれを見た。
『幕末における新選組の資料抜粋・・・《あれは何だったんだ・・・
一人の華奢な男が現れた、奴は一振りで3人を殺しただけでは飽き足らず
他の仲間を一刀両断してきた、幸いな事に私は斎藤隊長が来てくれたおかげで
命拾いいたしましたがあの剣術はまさに完全なる存在だとそう思っております。
然し私はこう思っております、あの時の彼の顔はまるで・・・後悔と懺悔に
満ちていたと言う顔でした。息子がいる私から見て彼は・・・何か・・・
人の暖かさを欲していたと思われます。あの紅い髪と左頬の十字傷を
私は一生忘れないと思われます。》
吉村 貫一郎の日誌から抜粋
飛天御剣流については読み切りからベースにして最後の方は
《壬生義士伝》の吉村 貫一郎の演者の気持ちとなっております。