アリスは一輝と共に外に出ると一輝は芝生に・・・いや、
既に荒野と化している場所で不二が作ってしまった捲れ上がった岩の上に座って
酒を飲むとアリスは近くに座ってラベルが煤けたボトルから酒を出して飲み始めた。
互いに無口から始まって暫くすると・・・一輝がアリスに向けてこう聞いた。
「アリス殿一つ宜しいか?」
「あら何かしら?もしかして告白かしら!?イヤだわ~~!やっぱ私って
罪な女よねえ。」
くねくね体を動かしながらそう言っていると一輝はアリスに向けて・・・
殺気を放ってこう聞いた。
「お主は何を隠しているのだ?」
「!!」
ゾッと来る剣気がアリスの体を金縛りの様に締め付けた。
動けない事と一輝は間違いなく自分の正体を確信しているんじゃないかと
思っている中でアリスははぐらかそうとこう言った。
「な・・・何言ってんのよ一輝君、私が何か隠し事しているなんて
女には秘密が付きもの」
「お主は拙者らと話すときもそうだがどこかしら線引きをしているかのような
感じだったのでな、それとだがお主と誰かは分からないが・・・
立ち聞きしてもらったぞ会話を。」
「!!」
それを聞いて迂闊だったと思っていると一輝はこう続けた。
「其れにお主みたいに感情を隠すことができる相手と戦った事があるから
そう言うのが分かったからな。」
そう言いながらある男を思い出した。
同じ人斬りに拾われて強くなってその人を尊敬していると言う
数々の類似点があるがただ一つ違うのは・・・弱い人たちを守るためか
そうでないかという違いの只一つだ。
喜怒哀楽の内喜以外の感情を封印して一輝が知る中で最も強い野心があり
高いリーダーシップと強者を纏め上げれる自身が知っている中で最凶と
呼ぶべき存在にして懐刀。
志々雄 真実が有する十本刀の中で最強の存在。
最速の移動法『縮地』を使いこなすことができる『天剣』・・・
『瀬田 宗次郎』の事を。
そんな事を思い出している中でアリスはどうするべきかと思っていたが・・・
体が動けない事にやきもきしていた。
本来ならば殺さないまでも幻想形態で失神させると言う方法があるのに・・・
動くことが出来なくなったのだ。
今動けば間違いなく影に入り切れる手前に倒されると本能で察してしまった事に対応が取りにくくなっている中で一輝はアリスに向けてこう聞いた。
「お主が何故拙者らと敵対するのか聞きたい、内容しだいでは
ここで斬ることとなるが・・・その前に聞きたいのだアリス殿・・・
お主の心の中で今なお燃えているその炎は何のためだ?」
そう聞くとアリスは・・・顔を俯かせてこう言った。
「ねえ・・・貴方は大切な人を喪った事があるかしら?」
アリスが子供だった頃、アリスはユーリと共に仕事をしていた。
ユーリは盗みやマフィアと共に薬物売買における見張りをしている中でアリスが行っていたのは・・・暗殺であった。
自身の能力によって僅かだが金が入る事から子供たちは何とか食い物に困る事はなかったのだ。
そして優しいシスターのおかげで住む場所もどうにかできているが
ここ最近は・・・そうはいかなかった。
地元の役人たちは教会を壊して新しい建物を造るために立ち退きを迫っていたがシスターはそれをずっと拒否していた。
何でも大きな大会が開かれるらしくその為か・・・ホームレスや
ストリートチルドレンであるアリス達を目の敵にしておりいつの間にか近くにいるストリートチルドレンは自分達しかいなくなってしまって自分達も他所の街に
移住を考え始めていた。
「ユーリは皆を引っ張っていて、私から見てもあの子は・・・太陽だったわ。
何時でも凍り付いていた皆を笑顔にして氷を解かすことができる
そんな存在だったわ。」
アリスはそう言いながら煤けたボトルを見てこう続けた。
「あのボトルはユーリが・・・子供たちが自分達みたいに他の皆を
守れることが出来たら飲めるとか言って幼稚園くらいの子達も飲ませて
確かめる・・・速い話が度胸試しだったわね。」
そう言いながらアリスは空を見上げてこう続けた。
「こんな生活がずっと続ければ良かったのに・・・そう思っていたのに・・・
アイツらはユーリを!!」
アリスが仕事から帰って来た時に見たのは・・・半壊した教会裏の物置だった。
「み・・・皆ーー!!」
アリスは急いで中に入って見ると・・・誰もいなかったのだ。
朝方でまだ子供たちが起きているわけじゃないのに何故と思いながらあるものを見て目が止まってしまったのだ。
あったのは・・・何時も自分が仕事で見る・・・血痕であった。
然もそう時間が経っていないそれを見てまさかと思って大通りまで続く
それを当時は雨が降っていたがためにうっすらとだがそれを頼りにして進んだ。
もしかして子供たちのか?と最悪な状況を一瞬過るも頭を振って否定したが・・世の中はそんなに甘くはなかった。
そして教会の前の通りにある側道の煉瓦塀まで続く血痕の主を見て・・・
アリスは悲鳴を上げながらこう言った。
「いやあああアアアアアアアア!!ユーリーーーーー!!」
そこで目にしたのは腹部から出血する・・・ユーリの姿であった。
続く。