「お主は捨て子であったのか。」
「ええそうよ、子供だけで生きていくなんてあの場所は悪夢同然よ。
だからこ何でもしたわ、殺しに盗みなんて日常茶飯事だったわ。」
アリスはそう言いながら酒を飲むと続きを語った。
「ユーリのあの姿は・・・今でも鮮明に思い出せれるわ。」
『・・・ァ・・・ああ・・・アリスか・・・良かっ、た・・・無事・・・だった』
『どうしたのよユーリ!一体何があったの!?』
アリスがそう聞くとユーリは途切れ途切れであったがこう答えた。
『・・・分から・・・ねえ、・・・セルゲイ・・・の、奴らが・・・
いきなり・・襲って・・・来て、こう言った・・・んだ
《ゴミ掃除》・・・だっつうて・・・皆・・・連れて・・・かれて・・・
行って・・・・・・不甲斐・・・ねえ。』
『マフィアがって何でヨ!ちゃんと上納金を支払っていたのに何で!!』
『分かんね・・・ゲホゲホ!‼』
ユーリが咳き込むと足元に・・・血だまりがまた出来たのだ。
ユーリが吐血したのを見てアリスは慌ててこう言った。
『もう喋らないで!スミマセン!!誰か来てください!?お医者さんを!・・・お金ならありますから誰か助けて下さい!‼』
そう言うとも・・・大通りで在りながらも誰も彼もが
遠巻きから見ていたのに視線を逸らして歩き始めた。
誰も彼もがアリス達から遠ざかるのでアリスは近くにいる人に服を掴んで
こう言った。
『ねえお願いよ!仲間が死にかけてるのよ!!お願いします電話だけでも
良いから!‼』
そう言うが服を掴まれた人間は・・・アリスを振りほどいてこう返した。
『ふざけんなよ!あいつらに知られたら今度は俺達が標的なんだぞ!!
つうかお前らみたいなストリートチルドレンが死んでもなあ・・・
誰も悲しまないし所詮は社会の屑なんだから死んでくれよ本当に!‼』
『な!‼』
『こっち来ないでよね!汚らわしいったらないわ!‼』
そう言いながら誰もがゴミを見るような目つきでアリス達を睨みつけており
其の儘立ち去るのを見てアリスは内心クソと思いながら顔を俯かせていると・・・ユーリは声を振り絞ってこう言った。
『誰も・・・助けてなんか・・・くれない・・・俺達・・・
ストリートチルドレンを・・・助ける・・・奴なんて・・・シスター・・・
位な・・・もんさごほごほ!」
『・・・・ユーリ・・・!!』
ユーリの言葉を聞いてアリスは自身が理解していることを思い出した。
自分たちは棄民、誰も助けてくれるはずなく生きるためには戦って
生き残るしかないと言う・・・もしここで志々雄がいれば
こう言っていたであろう。
『所詮この世は弱肉強食、弱い奴は只死ぬしかなく強い奴しか生き残れない』
嘗て宗次郎に向けて言った言葉、これを若し聞いていたらアリスは・・・
どのような存在になっていたのか・・・恐らく知るも恐ろしい程
変貌していたであろう。
『けど・・・俺達は・・・屑に・・・なり下がらねえ・・・!‼』
『え?』
『俺達は・・・《カッコいい大人》だ!・・・誓った・・・ろ?・・・』
『何で・・・今そんな事・・・言うのよ?』
『あいつらを・・・助けて・・・やって・・・くれよ?』
『ナニ馬鹿なこと言ってんのよ!私始めて貴方と敵対した時には
負けてしまっているし今だって』
『ふふ・・・嘘?・・・だ、お前が・・・手加減・・・している・・・事位・・知っている・・・からさ・・・頼む。』
『ふざけないでよ!そんな最後の言葉なんて誰が聞いて堪るもんですか!!』
そう言うとユーリは・・・初めてアリスに向けてこう言った。
『お願いよ・・・助けて・・・アリス。』
『・・・ユーリ・・・?』
あのユーリが初めて女言葉を使った、それを聞いて何故と思っているとユーリの眼を見て・・・アリスは悟ってこう返した。
『ああ・・・分かったよ・・・・ユーリ。』
まるで鏡を見ているかのような感じであった、何時も男の子らしいユーリと
女っぽいアリスがこの時だけ・・・互いの性別で語ったのだから。
するとユーリは酒瓶を出して・・・こう言った。
『それを持って・・・連れて行って・・・くれ・・・・お前の・・・
生きる道・・・そして・・・
辿り着いて・・・私達が・・・私達でいられる・・・本当の・・・居場所に。』
そう言って等々ユーリは・・・眠る様に瞼を閉じて息を引き取った。
『お、いたいた。兄貴、アリスの奴戻ってましたよ!』
『ヨシ捕まえろ!但し顔に傷なんてつけんなよ?こいつ一人であの餓鬼ども
20人分の稼ぎになるんだからよ!‼』
そう言っているとアリスは2人に向けてこう聞いた。
『何で・・・こんな事したの?』
そう聞くと2人は笑いながらこう答えた。
『へへへ!決まってんだろ?公共事業?って奴だよ!お偉方から
街を綺麗にしてくれりゃあ手前らからの上納金なんてはした金な程の大金が
転がり込むんだからよ?』
『まあ世の中弱肉強食って言う位だからな?諦めなよ、抵抗すりゃあ
こいつみたいにゴミの様にくたばっちまうんだからよ!?』
そう言うとアリスは・・・2人に向けて顔を振り向いて・・・こう返した。
『じゃあ私もその公共事業?って奴に参加しようかしら?』
そう言うと2人は笑ってこう返した。
『ギャハハッハ!そうだぜアリス?お前が来てくれりゃあ俺達は
幸せなんだからよ!?』
『そうそう、ここで死なねえようにするって言うのが
大人の世の中の渡り方って奴』
そう言った瞬間に・・・片割れの男の顔が何かによって貫かれて
何も言わなくなった。
『へ?兄貴??』
何でと思ってアリスを見てガンつけようとするも・・・顔を真っ青にした。
そして足が震えあがりながら座り込むと・・・アリス・・・だったものが
笑いながらこう言った。
『あら何?怖いの??まあ仕方ないわね・・・だって・・・
・・・・・弱肉強食ってこう言う事なんでしょう?』
そう言って男が最後に見たのは・・・・・・
・・・・・・漆黒の悪魔の様な鎧を身に纏ったアリスが尻尾の様な刃物を使って殺そうとしている姿であった。
それはまるで・・・血に濡れた狼のようであった。
最期のこれ・・・分かる人は分かるよねえ!!