黒煙を上げる破軍学園の敷地内では幾つもの死闘が繰り広げられていた。
「無駄だ!脆弱な人間ヨ!」
「くう!」
折木先生は畜生と内心思いながら風祭がライオンに乗りながらこう言った。
「我が僕、魔獣『スフィンクス》は只の魔獣にあらず。我が血脈の力、
邪神呪縛法により魂と地に刻まれた邪悪なる聖痕は、魔獣の内に眠れる暗黒の力を
極限にまで引き出すことができる。最早人の身で抗いうる存在ではないわ!」
「お嬢様は『私の《隷属の首輪》は、首輪を装着した生物を自分のデバイスに
出来るの。元々人間なんかよりライオンの方がずっと体が強いんだから、
魔力も上乗せされるからもう滅茶苦茶強いんだよ!』と仰っております。」
「じゃああ初めからそう言え!」
栄次はメイド、シャルロットの言葉に対して内心キレ気味でそう言った。
中二病と言うのは大体であるが昭和後期から平成にかけてより現れた
思春期特有の精神的な物である為明治からやって来た栄次からすれば
日本語なのかそれと滅茶苦茶突っ込みたい奴である。
「私相手によく耐えれるな!」
「いえいえ、私からすれば貴方が強いだけです。」
シャルロットはそう言いながら攻撃を続けていた。
そんな中で栄次は四之宮に向けて何発か撃っているがそれらが全て・・・
シャルロットの花によって『偶然』にも命中していないのだ。
シャルロットが強いのかそれともと思っていると栄次は・・・
ライオンに向けて発砲した。
「?何じゃ貴様は、我に何か用か?」
風祭がそう聞くと栄次は折木先生に向けてこう言った。
「折木さん交代です!俺がこれを相手取りますからあの侍女を
相手取って下さい!!!」
「何言ってんの君は!あの動物は」
「俺ですとアイツに攻撃が当てにくいんです!だったら当てれる可能性が高い方にした方が良いと思っていますし相手は獣、ライフルで仕留めて見せます。」
栄次はそう言いながら構えていた、然しと折木先生は思っているが暫くして・・・こう言った。
「分かったわ、けど無理はしないでよ!」
「分かってますって。」
栄次はそう言って互いに交代すると風祭は笑いながらこう言った。
「フハハハハハ、脆弱な人間が!百獣の王に勝とうなど、
それも邪神呪縛法を持ちし『スフィンクス』に勝てるなどとは甚だ大笑いよ!」
「お嬢様曰く『魔力が無い人間が勝つなんてあり得なくて笑えるwwww』と言っております。」
「益々意味わからん。」
栄次はそれを聞いてもちんぷんかんぷんだと思いながらもライフルを
構えていると風祭は『スフィンクス』と共に猛スピードで襲い掛かった。
速攻で倒すと思って攻撃すると栄次はライフルを・・・『スフィンクス』の
口に向けて猿轡の様に防御した。
「ほお、己の武器を使って『スフィンクス』の進撃を止めたとしてもここで
その命邪神の贄とさせようぞ!」
そう言いながら『スフィンクス』がライフルを噛み砕こうとして顎に力を
加えようとした刹那に栄次はある事を思い出した。
血まみれになって死ぬギリギリまで自分を守ってくれた兄
樹にぶら下げられて嬲り殺しにされた両親
そして見えるは・・・志々雄 真実の顔
「死ねるか・・・死ねるか・・・こんな所で・・・家族の仇も討てなかった俺がここで死んでたまるかーーーーー!!」
そう言いながら栄次は噛み砕かれたと同時に懐から銃剣用の
小型ブレードを出してそれを・・・『スフィンクス』の右目向けて
深々と突き刺した。
「gaooooooooooo!」
「ウォォォォォォオオォォォォォォォォ!」
其の儘栄次は顎目掛けて膝蹴りを喰らわした後に鼻っ面に肘で潰すかのように殴った。
「goaaaaaaaaaa!!」
「『スフィンクス』!」
風祭は『スフィンクス』に対して大丈夫かと思いながら栄次に向けて
こう言った。
「己ーー!我が眷属を傷つけたなーーーーー!!」
「はあ・・・はあ・・・はああ。」
栄次はそれに対して肩で息するかのように立っていると『スフィンクス』は
開いている左目で見ようとした瞬間に・・・何やら震えあがったのだ。
「ど、どうしたのじゃ『スフィンクス』!我が眷属が何恐怖しておるのだ!!」
風祭がそう言うが『スフィンクス』は栄次の眼を見て・・・恐怖したのだ。
目の前にいる死にかけの男が普通では発せない殺気。
そしてその後ろにいる・・・鬼の存在に。
「へえ、彼凄いねって言うか僕ピンチじゃん!」
「黙れ餓鬼、調教してやる。」
「調教するって本当にこの人教師!?」
四之宮はそう言いながら辛くもだが黒乃相手に戦っていた。
そして王馬はと言うと・・・瀕死であった。
「はあ・・・はあ・・・はああ。」
息切れしながら血まみれで敵を・・・一を睨んでいると
当の本人はぴんぴんしていた。
「どうしたガキ、俺を殺すんじゃないのか?」
そう言いながらパイプで肩を叩いていると王馬はぎろりと睨みつけて
戦おうとすると一はパイプで受け止めて受け流すとこう言った。
「貴様は如何やら常人離れした筋力を持っているようだな、
だからこそ周りがここ迄壊れるのか。」
一はそう言いながら煙草を吹かしているが辺り一帯は瓦礫と化しており
何故当たらないと思っていると王馬は一に向けてこう言った。
「何故戦わない!それほどの力を持っているのに何故一撃を放たん!!」
何故と言うと一は・・・はんと鼻息荒らしてこう言った。
「阿呆か貴様は、一撃とは必殺。確実に殺せると言った時に出して当たって
初めて成功するものだ、そんな常識すら分からんとは貴様は如何やら三流以下と言った処だな。」
「ふざけるな!一撃の名の下に全てをひれ伏す事こそ最強!!
ちまちました小技を大きな力で蹂躙してこそ最強なのだ」
「ああそれと貴様の体だが見えない鎧でも纏っているのか?」
「「!!」」
一の言葉にステラと王馬は驚いているが一はこう続けた。
「貴様相手に『牙突』を繰り出していた時だが僅かに致命傷が狂ってな、貴様の攻撃が風である事も考慮して考えたのだが貴様は何のために
鎧を纏っている?」
そう聞くとニヤリと王馬は破れかけた服を引き千切ってその全容を・・・
明らかにさせた。
それは・・・異常な光景であった。
「何よ・・・その傷。」
ステラはそう言って王馬の体中の傷を見ていた。
全身切創、裂創、刺創、挫滅創と言った傷があるのに驚いていると
王馬はこう言った。
「貴様の言う通り俺の全身は風で覆われているが鎧ではなく拘束具、
俺自身が日夜強くなるために編み出した方法だ、その甲斐あってか今の俺の体重は500㌔!その俺にここ迄傷つけたとしても所詮は表層程度だ。
派手に血が出ているがそれでも俺を倒すには未だ力が足りん!!」
そう言うと王馬は一の目の前に現れてデバイスである刀『龍爪』を
振り上げてこう言った。
「この技は俺が極めた大技!この技受けきれると思うなよ!!」
そう言うと一はふーと煙草を吹かしてこう言った。
「ほお、それは以外に強そうだが何故何時もそれを纏う?強いのならば俺程度を雑魚と呼ぶ以上使う価値すらないと思うのだがな。」
それを聞いてステラは頭を傾げると一は王馬に向けて・・・
ニヤリと笑ってこう言った。
「どうせ大方どこぞの奴にぼろ負けして見えない鎧身に纏って
強くなった気でいて実際は自分の敗北を受け入れたくない為に言い訳かましているだけだろうがクソガキ。」
「貴様ーーーーー!!」
それを聞いて怒り心頭で自身の一撃を放とうとした。
「『月輪割り断つ天龍の大爪(クサナギ)!!」
「危ない!!」
ステラは王馬が放つ間違いなく魔力なしの人間・・・嫌あったとしても
細切れになる事間違いなしと思って助けようとして自身も大技を放とうとした
その刹那に一は・・・ぎろりと睨んでこう言った。
「大振りすぎて見え見えだな大間抜け。」
そう言った瞬間に一は・・・構えもせずにパイプを持っている右腕だけで・・・王馬の体を貫通して撃ちぬいた。
「な・・・n」
王馬は嘘だろと言う思いを持ちながらも其の儘・・・壁に激突していった。
「え・・・今の何?」
ステラは何があったと思っていると一はこう説明した。
「俺の『牙突』は本来『平刺突』と呼ばれる新撰組副長であった
『土方歳三』副長の技を俺なりに昇華させた技だ。」
「・・・新撰組・・・どっかで聞いたわね。」
「そしてそれには幾つもの派生技がある、先ずは奴相手に何度もやったのが
壱式、弐式は斜め下から放つ壱式よりも威力が高い技、参式は対空用の技なんだが今のが奥の手、間合いが取れん場所に伴い上半身をねじ込んで右腕の筋力のみで
敵を討ちぬく『零式』。」
まあこれだけだなと言うと崩れた壁から・・・腹部にパイプが命中して
貫いていた王馬が出てきた。
「ほお、今ので死んだ・・・ああ、お前さっきの鎧を命中する箇所に
集中させたのか。まあ正解だな、前にやった時には鉄並みの硬度を誇る盾ごと
奴の上半身と下半身を引き千切ったからな。」
「・・・オエ。」
ステラはそれを聞いて吐き気を催した、上半身と下半身が今の技で
引き千切られるってどんな技なんだと思っていると王馬は息も絶え絶えながらも
一に向けてこう言った。
「何故・・・最初・・・から・・・出さない」
「阿呆か、さっきも言ったろ?必殺の一撃はここぞと言う時に出してこそだと。
全くその実力では貴様の底も知れたものだな。」
そう言っていると王馬は貴様と言いながらもう一度『龍爪』を構えた瞬間に・・破軍学園全体に濃密な魔力と剣気が辺りを襲った。
それを感じて葉隠姉妹は倒れこんでしまい暁では全員が震えてしまい
『スフィンクス』に至ってはその大柄の体を隠すかのように風祭の体で
丸まろうとしていたが風祭も震えておりシャルロットも足が竦んでしまい
四之宮に至っては歯をガチガチとならしてしゃがんでしまった。
そして王馬も・・・顔を青くして震えながら座り込んでステラ、
生徒会メンバー、黒乃、折木、西京(こちらも震えていた)、栄次、張、多々良、サラがその巨大とも・・・異様とも言うべき剣気と魔力が混じり合った
場所にある・・・屋上に目を向けるとカナタがこう呟いた。
「もしかして・・・一輝君?」
そう言う呟きが聞こえる中で一は煙草を口に加えてマッチで火を付けると
こう言った。
「ふん、これは面白い事になりそうだな。」
そう言った屋上で繰り広げていたのは・・・・。
「ウォォォォォォオオォォォォォォォォ!」
「ハあああアアアアアアアア!!」
一輝と女性・・・・
・・・最強の剣士『エーデルワイス』が繰り広げられる死闘とも言うべき戦いが行われていた。
今度こそ会合です!