最後ら辺から数分前。
一輝とアリスはヴァレンシュタインと出会っていた時の事。
「ほお、初めましてと言っておこうか緋村一輝。
私の名前はヴァレンシュタイン、聞いてると思うがアリスの師匠だ。」
「緋村一輝と申しますヴァレンシュタイン殿、貴方の事は触り程度ですが
アリス殿から聞いておられる。」
「そうか、君の事はアリスから聞いているから初めてあった気がしない
訳でもないがまあ良いだろう。其れでだがアリス、四之宮の予言通り
そっちに着いたのか?」
「まあ色々ありましたけど私が・・・いえ、『俺』と私が目指している景色が
先生とは違い始めたので。」
「そうか、まあ卒業と言うならお前は既に私の元から離れても十分に一人で
裏社会で生きていけると思うからな。それで良いだろう。」
ヴァレンシュタインは少し嬉しそうにしながらも一輝に目を向けてこう聞いた。
「まさか予想よりも早く来ることには驚いていたが君が何かしらの方法で
速めに来たようだな、それも我々の戦力の殆どを全滅して。」
「それは彼らに言ってください。」
一輝がそう言うとヴァレンシュタインはこう続けた。
「奴とはやり合ったが決着がついていないしそれに加えてアリスだけなら
未だしも君も加わるとなると下手したら私はここで終わりそうだからな、
済まないが緋村一輝君、お前にはとある騎士と相手してもらおう。」
そう言って指を空に向けさせて一輝とアリスがそっちに目を向けると
そこで目にしたのは・・・銀であった。
欧州の伝承に聞くとも言われるワルキューレの如きその美しさと同時に・・・
底知れぬナニカを感じるとアリスは・・・手を口で覆ってこう呟いた。
「まさか・・・彼女は。」
「知っているのかアリス殿?」
一輝がそう聞くとアリスは当たり前でしょと言って・・・こう続けた。
「全身を銀一色で覆った髪と鎧、そして双剣。間違いないわ、
嘗て騎士連盟の軍相手にたった一人で蹂躙したと言われる・・・世界最強の騎士
比翼の『エーデルワイス』・・・!!」
「世界最強・・・彼女がか?」
一輝が『エーデルワイス』を見て・・・剣気を鋭くさせた瞬間に
アリスは顔を青くして一歩・・・と言うよりもすぐに逃げたいと言う思いを
持ちながらもそれを押し殺してヴァレンシュタインに視線を向けると
アリスに向けてヴァレンシュタインはこう言った。
「ここでは手狭だな、移動するぞアリス。」
「・・・・何故ですか?」
アリスがそう聞くとヴァレンシュタインはこう答えた。
「簡単だ、お前とは久しぶりに一対一で戦いたいしあの姿はここで曝すわけ・・まあ曝しているがここでは手狭だからな。それに・・・
・・・・・緋村一輝対『エーデルワイス』と言う好カードの試合を見れないのは残念だがその前の重圧でお前が普段の実力を出し切れずに
戦うなどしたくなかったからな。」
そう言ってヴァレンシュタインは行くぞと言って近くにある山の中に
入ろうとするとアリスは一輝の方に視線を向けて・・・ゾッとしていた。
既に一輝は臨戦態勢に入っており剣気どころか殺気をも出しており何か言えば
間違いなく危険だと察知してアリスは内心一輝に向けてこう思っていた。
「(死なないでよね一輝君。)」
そう思いながらアリスはヴァレンシュタインについて行った。
そして一輝が屋上に向かって跳躍して駆け上って到着すると
『エーデルワイス』は一輝に向けてこう言った。
「お初めまして緋村一輝、私の正体を知って尚剣を向けるのは本来でしたら
蛮勇と言わざる負えないのでしょうが何故でしょうね?貴方が相手ですと・・・
私は今まで出し切れなかった全てを出せるとそう感じております。」
「それはそれは、拙者も嬉しいですよ。何せ・・・最強と呼ばれる貴方の剣技が如何ほどなのか?拙者の限界はここで更に超えれるのかどうかが
見極められそうですしね。」
そう言いながら一輝は『継裏』を構えると剣気と殺気が混じり合った気迫と『エーデルワイス』が無意識に放っている魔力が混じり合って
そこだけがまるで・・・異様な空間が出来上がっていることに
気づいているのかどうか分からないが異質になっていた。
すると『エーデルワイス』は一輝に向けてこう言った。
「我、遥かなる頂きにして終焉。一対の剣にて天地を分かつ者、
我が名は比翼の『エーデルワイス』。トップワン、ただ一つの頂点と言われる
少年よ。世界の広さと己の矮小さを知るが良い。」
「それはどうも、世界は見たことないですが拙者は・・・数多なる戦士たちの
強い意志と誇りある背中を見て今ここに立っている。拙者の名は緋村一輝、
飛天御剣流第13代『比古 清十郎』の弟子『緋村剣心』の一番弟子、故合って
そなたと剣を交えることになったこの機会・・・無駄にはしない。」
そう言うと互いに自身の獲物を構えて暫くすると・・・互いに目が鋭くなった
その刹那の隙に消えたかと思いきや・・・その向かい合っていた場所の中央で・・互いの剣戟が魔力を、剣気を、殺気を・・・混じり合ったそれらが全て辺り一帯に注がれるかのように・・・波の様に町全体を飲み込んで・・・音が消えた。
強者同士の激突は正に・・・殺し合いとなるしか言いようがない。