それでは、この作品でもよろしくお願いします。
目の前が、血で染まっている。
俺のものではない。俺の家族の血だ。
俺は震えながら、倒れている家族のもとへ向かう。
親父は腹部を貫かれ下半身を失い、お袋は四肢をもぎ取られていた。
小町が一番マシな状態だったが、すでに息はしていない。
何故、どうして、誰がこんなことを――
未だに信じられない。家族が死んでしまったなんて、嘘だ。これはなにかの悪い夢だ。
そう思わずにはいられない。だがこれは現実だ。小町の手が、とても冷たい。
俺は泣いた。泣き叫んだ。何故、俺の家族がこんな目にあったんだ。一体誰が、こんなことをしたんだ。
すると、後ろから人の気配、視線がした。俺はすぐに、その方向を向く。
「……」
すると奥の方から、刀を持ち、炎のような絵柄の羽織を纏っている派手な髪型の男性が出てきた。この人が、俺の家族を殺したのか?
……いや、違う。この人じゃない。この人からは悪意が感じられない。
なら、何故この人はここにいるのだろう。
「君がこの少女の兄か!?」
その人は大きな声でそう問いてきた。
「……あんた、誰っすか……?」
俺はその質問に、質問で返す。それがいけないことだと分かっていても、そうせざるを得なかった。
「うむ!俺は鬼殺隊炎柱、煉獄杏寿郎だ!それで、君がこの少女の兄か!?」
「……そうです」
「そうか!ではこの少女から君に伝言がある!」
小町が……俺に?いや、そもそもこの人は小町がまだ生きている時に会ったのか?
「少女は君にこう言っていた!『お兄ちゃん。ごめんね。小町たち、死んじゃうみたい。お兄ちゃん一人だけ残してごめんね。でも、お兄ちゃんには生きてほしい。早くこっちに来ちゃダメだよ。小町たちは、いつでもお兄ちゃんの味方だからね。あ、今の小町的に評価高い』だそうだ!いい妹さんを持ったな!」
「……小町っ……!」
俺の目から再度、涙が溢れる。すまん小町……!すまん……!守れなかった……!俺は小町のお兄ちゃんなのに……!守らなければいけなかったのに……!
「うむ!これで俺の任務はお終いだな!ではな少年!」
「あ……。ま、待ってください!」
「む!?なんだ少年!」
「……俺の家族を殺したのは、誰なんですか?あなたは、なにか知っているんですか?」
「うむ!君の家族を殺したのは、鬼だ!鬼とは人食いの生き物のことを言う!鬼殺隊は、その鬼を倒すための組織だ!十二鬼月がいるとの情報があったので、柱である俺が来たが、間に合わなかった!すまない!だがもう安心してくれ!十二鬼月ではなかったが、その鬼は倒した!」
「……俺でも、その鬼を殺せるようになれますか?」
「分からん!人の力は人それぞれだ!だが、鬼を倒すために強くなりたいというのなら、俺の所で鍛えてあげよう!」
……小町、親父、お袋。すまん。でも、どうしても許せないんだ。俺の家族を殺した鬼というものが、どうしても許せない。そして、鬼によって殺される、悲しむ人達を、これ以上出したくない。見たくない。
こんな思いをするのは、俺だけで十分だ。
「……お願いします。俺を鍛えてください。鬼を、倒せるようになりたいんです」
「うむ!承知した!ではついて来るといい!遺体の処理は鬼殺隊の者がやってくれる!」
「……はい」
俺はずんずんと歩いていく煉獄さんの後を追って、ゆっくりと歩き出した。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
本来、先に『やはり俺がもう一つの現実で戦うのはまちがっている。』を投稿する予定だったのですが、映画『鬼滅の刃無限列車編』を見て感動し、衝動的に書いてしまいました……。
もう、何度泣いたか……。
この作品は、取り敢えずお試しです。ですが、もう物語の大筋は出来ておりますので、連載は続けると思います。
次の投稿は、『やはり俺がもう一つの現実で戦うのはまちがっている。』の予定です。
それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました!また次話、または次の作品にてお会いしましょう!
ここまでのお相手は、辻谷戒斗でした!