狐憑きのメソッド   作:蓬莱人形

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悩みに悩んで出来た第三話です


どうぞ!!


第三話

「…解った、話を聞いてやる、だから質問に答えろ。なんで僕の家が解った。」

今、僕は詩菜(仮)を前に座っている、詩菜(仮)はニコニコと笑っている、現在昼頃である。

「そんな~、遥人クンの方が引っ張ったのに、何言ってんの~。」

詩菜(仮)はニコニコと何やら突拍子の無いことを言っている、僕が引っ張った…?

そんな事あるはずが無い、あってはならない。何故なら僕はつい先ほどまでこの子から逃げるように自宅に逃げ込んだのだ、チラッと見えた向かいに住んでいる源さんの顔がポカーンとしてたのだ、常識では考えられないような勢いで走っていたのだろう…

それほどまでに必死に走っていたのだ、この子を引っ張るなんてあの状況下では有り得ないし、誰かの手を引く事でさえもできそうに無いほど焦っていたのだ。これをこの子は『遥人《僕》が引っ張った』と言った。どう言う事だ…

「僕は誰かを引っ張ってはいないし、ましてや貴女は引っ張って無かったんだが。」

「…え?…あ、忘れてた丁度神社で言い忘れた事があったんだ。」

「いきなり話題を変えるな、宗教勧誘ならお断りだぞ。」

「そんなんじゃ無いって~、ええっとー、あ、あったあった、実はこの幸せを呼ぶ壺を買って頂きたく…」

「宗教勧誘じゃなくって、押し売りだったのかよ!!って言うかそんなあからさまな壺、詐欺師が出てくる刑事ドラマでも見ないぞ!!」

「冗談だって、実際壺なんて持ってないし♪」

持って無かったのかよ…って話が逸れてないか。

何となく、本当に何となくだが、頭の中にフッっと幼稚園の時の友達、朝霧詩菜と遊んでいたころの景色が浮かんだ、あっちの詩菜ともこんなやり取りをよくやったなぁ…

…ッハ!!思い出に浸っている場合ではない!!

今は目の前にいる狐耳巫女を何とかしなくては!!

「話が逸れたが…いい加減質問に答えてくれないかな?」

詩菜(仮)は僕の言葉を聞くと、さっきまでのおちゃらけっぷりが嘘のように真面目な表情になり僕に向かってこう言った

「解ったよ…突然だけれど…遥人君、念のために言っておくけど、君が今朝体験した事故は確かに現実だよ、その事故で君は心臓を始めとする数か所の内臓を破損、妖狐の私が妖力…今は不思議な力って言っておくね、まぁそれで補ってあげてるから今君は生きているんだ。」

…は?

「待て待て!!え?何それ?」

「取りあえず聞いて!!…でもそれには条件があって、私が貴方に取り憑いていないと妖力が足りなくなっちゃって君の内臓の形を保てなくなるの…」

「つまりは僕の家にいたのも…貴女が僕に取り憑いていたからって事になるのか。」

「そういう認識で構わないよ、だから貴方は今私という妖狐に取り憑かれている…いわゆる"狐憑き"って言う存在になってるんだ…」

…よく解んないが、何やらややこしい状況になっていることは解った…

しかし、その話がどこまで信用できるのかは話が別だ、この子がどこかで嘘をついてるかもしれない、今のこの子の真剣な顔付きからはそんなことは無いだろうが、話が話だ…

「百歩譲って僕が事故に合っていることは認めるよ、あの感覚が嘘とは到底思えないし、でもさ、これ以降の話は何というか現実味が無いって言うか…」

「信用出来ない…って顔してるね。」

「そう、そうなんだよ…それを証明する証拠みたいな物も無いし…」

そうだ、証拠が無い、そもそも非科学的な話だ、あり得るわけがない…

「あるよ…"証拠"…」

彼女は"これだけはやりたくない"と言った顔で呟くように言った。それに付け加えるように「本当はこんな証明の仕方はやりたくないよ…危ないし…」とも言った目の前で話していたのでその言葉を僕が聞き逃す事も無く。

「どんなに危険でも構わない、証拠があるなら見せてくれ…」

と言った。

 

この後僕は、あの時の感覚をもう一度味わうことになった。

そういうのも、その言葉を聞いた詩菜(仮)は一瞬驚いた顔をして「ごめんね」と呟くと指を鳴らした。

 

次の瞬間体中から中身が消えていく感覚がしたと思ったら僕は血を吐いて自宅の床に突っ伏していた…

「ガハッ!?…お"ッグガッギャぁぁぁぁぁアアア嗚アア嗚呼ぁぁぁぁアアアぁァ嗚呼嗚呼アアアァァァァァァ嗚呼嗚呼あああァァァァ嗚呼ァァァァあ!!」

痛い・いたい・イタイ…体中が痛くてたまらない、詩菜(仮)は慌てて処置のような事を始める…

しかしそんな事に意識を向けていられたのも一瞬だった…

イタイ痛いイタイイタイいたい痛いイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

体中の痛みに悶えながら、僕は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・ぶ?」

声が聞こえる…

「だ・丈・?」

懐かしい声だ…

「遥・く・・・夫・?」

まさか、これって…詩い…

「遥人君!!大丈夫!?」

目が覚める、目の前にいたのは必死で看病をしている僕の詩菜(仮)の姿だった…

「詩…菜…?」

「うん、そうだよ…詩菜だよ…」

嬉しそうにボロボロ涙を零しながら僕の手を握っている詩菜(仮)、まさか僕の事で此処まで泣くなんて…初対面じゃ考えられないな…やっぱり彼女は詩菜なのか…

こんな事になったらもう信じるしかないな…

取りあえず、詩菜に謝っておかないと…

「ごめんね…疑ったりして…」

詩菜は涙を拭うと、にっこりと笑うと

「ううん、大丈夫、私こそごめんね。」

と言ってくれた。

 

 

どうやら僕はかなりの時間意識を失っていたようで、時計を見ると夕方の六時ごろになっていた…

今朝、感じていた今日は長い一日になるという感覚は何だったのだろうかと疑問に感じたが、今夜僕の身に降りかかる摩訶不思議な出来事なんて、ましてや今日を皮切りに僕の今までの日常に妖怪やらと大きく関わる非日常が絡んでくる事など知る由も無かった。

 

 

 

・・・夜、大体八時を回った頃だろうか、僕は外出していた、と言うのも詩菜が油揚げが食べたいと軽くゴネたからでもある。

丁度冷蔵庫の中に油揚げが無く、諦めろと言ったのだが「今日、ご飯くれなかった癖に…」と涙目で言われ、状況的な事情があったにせよ、渡せなかったのは事実であり、何となく責任を感じたので近くのコンビニまで歩いている所だ。

「まったく…何で夜中に出かけにゃならんのだ…」

口調が可笑しかったが、今のは僕である。

「あっぶら揚げ♪あっぶら揚げ♪」

僕のそばをふよふよ浮かびながら付いて来ているのは詩菜である、さっきからずっとこの調子で「油揚げ油揚げ」と歌っている、浮かんでて周りの人に見られたらどうするんだと思いさっき聞いてみたら。

「私はこの見た目の時は霊体だから、おんなじ狐憑きか妖怪・または霊感の強い人しか見えないんだよ。だから大丈夫♪ブイブイ♪」

と言っていた。

しばらく歩いて僕はコンビニに着く、コンビニの食品コーナーの中から油揚げを手に取るとレジに通す。

会計を済ませ帰路に着く…

道の途中で詩菜がなにかを感じたようで耳がピクリと動いた…って動くのか!?ソレ!?

「遥人、気を付けて、近くに…"いる"」

詩菜が真剣な顔立ちで言って来たので思わず身構える、すると前からキャキャキャと言う鳴き声を発しながら犬がやって来た

「何だ…ただの犬じゃないか…」

僕はほっと胸を撫で下ろした、しかし、詩菜は犬がこちらに駆けてくるのを見ると「避けて!!」と叫んだ。

その言葉に反射的に体を逸らす、次の瞬間、犬は僕がいたところ、丁度首元のあたりを通り過ぎていた…爪で喉を引き裂こうとするような体制で…

「…遥人、一つ言い忘れた事があったよ…」

詩菜が犬を警戒しながら僕に話かけてくる。

「一度妖怪なんかに関わった人は夜、たまに妖怪に出くわす事があるって事…」

詩菜が言うには目の前に現れた犬は妖怪だという、恐らく捨てられた犬の恨みつらみが集まって怨霊になり、最終的に今の形で妖怪になったのだろう…って推理してる場合か!!詩菜は妖狐と言う位だからやっぱり妖怪もいるのだろうと思ってたけど、まさかこんなに早く出くわすとは思っても見なかった、今朝していた嫌な予感はコレか!!

「良かった、妖力からして大した妖怪じゃない、今の遥人でも十分に倒せる。」

え?詩菜…?何言ってんの!!僕は確かに狐憑きだけど今日なったばっかだよ!!

「安心して、私が戦い方を教えるから…」

その時も妖怪(面倒なのでイヌと呼ぶことにする)は襲い掛かってくる、僕はそれを躱す

「教えるって、どう戦えって言うんだ!!」

「そうだね、まずはこれ!!」

そういうと詩菜は僕に触る、すると、僕は体から力が湧いてくるのを感じた、頭のてっぺんとお尻のあたりに違和感がある…触ってみると狐耳と尻尾が生えていた。

イヌが飛びかかって来る、先ほどの詩菜のお蔭からか飛びかかってくる様がよく見える、僕は反射的にイヌを叩き落とすように手を振る。

するとイヌはキャインと鳴きながら地面に叩き付けられた。

「それは、『憑依』という術で、さっきやったのは私の力を遥人も使えるようにしたの。彼奴はまだ倒せてない、次いくよ、遥人、悪いけど『詩菜と入れ替わる』って強く願ってくれる?」

詩菜と入れ替わる…?どういう事だ…?

まあ仕方ない、今は詩菜に従わないといけない…入れ替わる、入れ替わる…

「さて…さっさとけり付けちゃいますか」

ふわっとした浮遊感とともに詩菜の方を見ると、詩菜が人間状態のまま実体化していて、右手には何処から出したのか槍を持っていた

 

 




やっと本格的な開始ですよ。
これから面白くできたらいいな。

実は次の話に書く予定だった話を少し盛り込んだのは内緒…(あ)

感想、待ってます!!
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