Muv-Luv-Dragonewt   作:へらこじか

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文章力つけたい。
それはそうと、遊戯王新パックでシクが出なくて泣いたぜ!


#13 黒き獅子

横浜基地ハンガーにある戦術機は『吹雪』、『不知火』そして、未使用の『建御雷』。この三種類以外にモビルスーツが複数あるが、誰も気にならなかった。それどころか、あの戦闘映像を見た者はユニコーンを羨望の眼差しで見ていた。

 

「……孝之…?」

 

伊隅ヴァルキリーズの突撃前衛長(ストームバンガードワン)、速瀬水月はその黒い機体に惹かれていった。

その口にした名前は思い出の人物なのだろう。そんな感じのする声のトーンだった。

 

「…痛っ…!」

 

突然、なんの前触れもなく頭痛がした。訓練のし過ぎだったのだろうか?疲れたのだろうか?などと考えていると、頭の中に声が響く。

 

((こっちだ……ここだ……))

 

(孝…之…っ)

 

水月はその機体に向かって歩み始める。かつての想い人を求めるように…

 

 

 

 

 

 

 

「…で、どうする気?刻永。」

 

場所は変わって司令室。夕呼に龍臥はどうのようにするのか質問されている。

責任をとると言っても、相手を殺してしまうのは不味い。かといって手を抜けば、下手をすればこちらが死んでしまうかもしれない。

龍臥はその頭で数秒かかって答えをようやく捻り出した。

 

「…できる限り、敵機を無力化させます。ビームサーベルを使えば機体の四肢を切断して、飛行すらできなくすることができます。」

 

龍臥はもちろん、敵を殺さずに撃退する方法を考えていた。戦術機とモビルスーツでは天と地の性能差がある。

この方法が一番手っ取り早く、無力化でき、国連軍からこの中隊…否、横浜基地自体を守る方法だった。

 

「まぁそれが一番の方法ね。それしかないと言えば嘘になるけど…」

 

夕呼がまだ奥の手があるといったような顔をする。

相変わらず司令官は険しい顔をしている。

と、それを見た夕呼はその奥の手を告げる。

 

「00ユニット……それがあれば、戦術機のメインコンピュータを制御下に置ける。そうすれば無駄な戦いを避けられるでしょ?」

 

「00ユニット……」

 

龍臥は多少それについては知っている。何故なら、彼の友人、武の愛する人物…() ()()()が被検体だからなのだ。

彼女がもしその力によって戦術機を無力化できればそれに越したことはない。しかし、調()()が間に合わないかもしれない。調律とは、彼女に『人間らしい感情』を取り戻すことである。龍臥の提供した技術で00ユニット自体の性能は完璧だが、調律には武が必要であり、いつ国連軍が来るか分からないのである。

 

「博士…一つ、方法があります。」

 

龍臥は思い切って一番使いたくない方法を伝える。

 

「ユニコーンガンダム2号機…バンシィ・ノルンに搭載しているシステムがあれば、1日もかからずに調律を終わらせられるかもしれません。」

 

「あるシステム…?」

 

そのシステムとは、本来人が乗ってはいけないような…倫理観を無視するものであって、軍が使用するにはもってこいの機体だった。しかしそれが原因で悲劇が起こってしまい、バンシィを始め、ユニコーンなどのサイコフレーム搭載機は封印される形となった。

 

「ナイトロ というものです。そのシステムがあれば、彼女に人間らしい感情を取り戻すことが可能になるかと……」

 

「あら…まさか00ユニットの重要な部まで知っているのね。機密情報ダダ漏れじゃない」

 

夕呼が苦笑し、それがあれば調律できるのか聞いてきた。勿論可能である…とは言いきれないが、可能性はかなり高いと信じている。信じているのはバンシィのこともあるが、00ユニット自体のことや、彼女を想う武のことを第一に信じている。

 

「じゃ、夕食済ませたら早速実験開始よ。武にも伝えておいてね。」

 

龍臥は司令官と夕呼へ一礼し、その場を後にする。

 

 

 

---横浜基地食堂ーーー

 

 

「龍臥、どうだった?先生も、『オルタネイティヴ5なんてもの発動させるものですかーっ』って感じだっただろ?」

 

武が先程の龍臥を励ますように、冗談混じりに話しかけてくる。

言えない。否、言うべきなのだ。00ユニットの調律の件を。

 

「武…食事が終わったら博士の所へ行くぞ。博士が実験するって。」

 

「実験?また『半導体が100億個』だの言ったのか?」

 

「00ユニットの調律へ入るそうだ…」

 

武が目をギョッと見張る。00ユニットとなれば当然の反応だった。彼にとって彼女は大切な存在。それを調律する時が来た。事前に調律については夕呼から聞いていたのだろう。

 

「…ああ。分かった。行こうぜ…。……まずはメシ食うのが先だな!!」

 

武がニカッと笑う。

これだ。この笑顔を見るべきなのだ。BETAに勝ち、元の世界へ帰る…それはもう既に死んでいる龍臥には無理かもしれないが、武にはそれが出来る。

ならば武のために…人々の笑顔のため、前を向くしかない。落ち込んでいる暇などないのだ。

 

「武…お前を信じているからな。」

 

「…?おう!」

 

二人はいつもの…と言ってもまだ2日しか経っていないが、もとの笑顔に戻った。

 

「…!遥さん……」

 

「龍臥君、もう調子は戻ったみたいね。焦らずにね。」

 

「刻永!あんた国連軍に負けて部隊解体になったらぶん殴るからね!」

 

「遥さん…茜さん……ありがとうございます。俺…もう自分に負けません!」

 

涼宮姉妹も応援してくれている。皆もだ。いっそう負けられない。

 

ドアを開け重い足取りで水月が入ってくる。

その顔はいつもの彼女らしくなかった。いつもの、元気な上官ではなく…一人の女性としての顔でありながら沈んでいた。

 

「水月…どうかしたの?顔色悪いよ…」

 

「速瀬中尉…」

 

「ん…あぁ遥…あいつの声が……」

 

「声…?あいつ……?」

 

水月、遥、茜の三人で食事をとりながら遥は尋ねたが、

遥は意味がわからなかった。誰かの声が聞こえたと親友が言っているが、水月が告げたその声の主に驚愕する。

 

「孝之…の声が……聞こえたの…」

 

「…え?」

 

そんな筈はない。何故ならその者は…既に戦死していたから。米軍の忌むべき作戦によって……横浜基地が設立する前に……

 

「ちょ……え?まってそんな冗談…」

 

「冗談じゃないわよ…確かに聞こえたの…あの()()()()から」

 

その言葉を聞いて龍臥は驚愕する。『黒い機体』…それが間違いでなければ、とんでもない事になると思った。

決してニュータイプ故の予感ではなく、人間としての感覚だった。

バンシィ・ノルン…黒き獅子とも呼ばれ、NT専用機として開発されたモビルスーツ。00ユニットの調律に利用しようとしたシステム…『ナイトロ』を搭載した機体。

 

 

マズイ。急がなくては!

 

「え、ちょ、龍臥!?走らないとヤバいのか?調律間に合わないのか!?」

 

食事を終え、武を置いて急いで夕呼の元へ向かう龍臥。

 

「あ、来たわね。そんなに急いで…白銀は?…!」

 

「は…博士…っ!はぁ…はぁ…今は調律は……やめた方が……!!危険なんです!!」

 

「ど…どうしたのそんなに…何かマズイ事でもあったの!?」

 

荒い息を整え、龍臥はバンシィのナイトロについて説明する。

 

「バンシィノルンに搭載しているナイトロシステムは…普通のパイロットを一時的にニュータイプにするシステムなんです……」

 

「……それで?」

 

「それを使って、00ユニットに直接、武の思考を送って調律する予定でした…しかし……」

 

「……」

 

「あっ、やっと追いついた……ハァ……ハァ…」

 

武が入室してきたと同時に龍臥が声を荒らげて話す。必死にそれを止めるために。

 

「バンシィのサイコフレームに!他の誰かの思念が混ざっているみたいなんですっ!!」

 

「!!」

 

「それがどういう意味を指すか…博士なら分かりますね?……」

 

「…送るべき思考が…思念に邪魔される…」

 

その場にいた全員が凍りついたように目を見開いて固まった。

 

 

------------------------

 

水月はバンシィに導かれるように向かった。ハンガーへ向かい、強化装備も装着せずに。

その場にいた整備兵は何も心配などしていなかった。国連軍が来ることも…これから人間同士の戦いが始まることも…

 

水月がバンシィに乗りこむなんてことも。

 

「な…なんだぁーーー!!」

 

「黒い戦術機が……動き出したっ!?」

 

整備兵達はパニックになっていた。突然機体が動き出せば、驚いてしまう。当然、機体には戦闘用にリボルビング・ランチャーが付いたビームマグナムと、Iフィールド発生機が搭載されたシールドが装備されていた。

バンシィはハッチをマニピュレーターでこじ開けて外へ出ていき、バーニアを噴射し導かれるかのように何処かへ向かう。

 

「孝之…どこなの……?」

 

----------------

 

騒ぎを聞きつけ、ヴァルキリーズ全員が集まっていた。夕呼と武はバンシィを見たことはなかったが、どれほどのものかは想像できていた。

 

「バンシィ…誰が乗っていったんだ!?」

 

武が叫ぶようにメンバーを確認する。それと同時に遥が告げる。

 

「あれに乗っていったのは多分……速瀬中尉です!」

 

「な…速瀬中尉が…?」

 

「……」

 

武は驚愕していたが、龍臥は落ち着いていた。バンシィが人を侵食していくことは知っていため、焦らずに対処できると自分を信じていた。

 

「俺が……」

 

全員がいっせいに龍臥を見つめる。

 

「俺が速瀬中尉を連れ戻します!!」

 

「馬鹿なっ!大体、早瀬が乗っているとは限った話では…」

 

「映像にも残っているわ、伊隅。」

 

「…っ!しかし…刻永少尉に止められるのでしょうか!?あんな未知の機体を……」

 

「あれを持ってきたのは刻永よ。止め方もわかっているから志願した…そうでしょ?刻永。」

 

はい、と龍臥は頷く。伊隅は不安だったが、龍臥に賭けてみることにした。他の中隊メンバーもそうだった。

しかし龍臥は覚悟の眼差しで続ける。

 

「それに…止められるのは俺しかいないと思っています…ユニコーンを止められるのはユニコーンのみ……!俺がユニコーンを改造したNT専用機…ユニコーンガンダム4号機 『ドラゴニュート』で行きますッ!!!」

 

 

 

 

to be continued

 

 




ここに来て題名の由来判明です。
ドラゴニュート……竜人って意味です。その通り、一角獣、獅子、不死鳥ときたら……竜しかなかったのです!
では次回は戦闘描写満載ですッ次回もお楽しみに!!
今日連続で投稿するかも?
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