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課題さっさと終わらせて年末年始楽しみたい!
ヒープリが終わるのは嫌です(半ギレ)セイバーは好きです(全ギレ)ウルトラマンZ続きあくしろ(過激派)
ーーーーーー作戦司令戦艦 最上ーーーーーー
作戦司令のため、複数人のオペレーターがパソコンやモニター等の端末機器を操作している。
各無線機からは、状況連絡の音声がひっきりなしに鳴っている。
「いよいよですな……」
忙しい中、最上の艦長であろう、海軍の軍服を身にまとった中年とも年寄りとも言えない渋い男性が夕呼に話しかける。
「今作戦における両軍将兵の挺身が、意味あるものとならんことを……期待しますぞ…」
夕呼はその言葉に、自信たっぷりとも言える表情を浮かべる。
「お任せ下さい提督。人類がBETAごときに滅ぼされる種ではない証拠を…今お見せしますわ。――それに、」
「……それに…?」
そう言うと、巨大モニターに映る戦術機を表す十数ものマーカーを見つめ、ニヤリと笑う。
「私には、優秀な部下が大勢いますので…特にあの二人は……」
ーーーーーー佐渡島 本島 A01部隊ーーーーーー
―――耳が痛い。凄乃皇の攻撃による影響だな。
そりゃそうだ、あれほどの轟音だもんな。いくら外部の騒音を減らそうと設定しても、音源がデカすぎてどう足掻いても……。
『――龍臥!おい、起きてるか!?』
「――…!!お…オス!!」
いきなりドデカい聞き覚えのある声が聞こえたかと思えば、武のものだった。
驚いて柔道のような掛け声を出してしまった。
それはそうと、俺自身に異常は無いか確認しなければ。
今ここは、12月25日の佐渡島。作戦…甲21号作戦。俺は…刻永龍臥。そして俺のすべき事……。
……よし、問題ない。
フットペダルを踏み込み、機体姿勢を整える。機体には先程の攻撃によって土埃が撒き上がり、それがまとわりついている。余計な事だが、深緑色の機体カラーと相まってちょうどいい迷彩柄になっている。
周りの機体は同様に土に汚れており、ロボットアニメオタクが見れば興奮気味になるであろう、いかにも格好良い様になっていた。
……何を考えている。落ち着け、今俺はロボットアニメ好きでも、ただの高校生でもなく、軍人なんだ。余計なことは考えるな。
『――続けて、A-02第2攻撃開始。各機、衝撃に備えよ』
遥の指示を聞き、今度は耳を塞ごうとしたが、パイロットスーツのヘルメットを被っていた事を忘れていた。
おかげで再び轟音を聞く羽目に遭った訳だが……。
――――――数秒後、土煙が収まり、表面が欠けたハイヴが顕になった。
それを見た瞬間、龍臥を含めた中隊全員が歓喜の声を上げていた。
『――いける、これがあれば人類は……!よし、何としてでもA-02を守りきるわよ!』
やる気が漲ってきたのであろう、水月がいつも以上に明るい声色になる。
龍臥もそう思っていた。しかし、これから起こる惨劇を知っているからこそ、彼は期待同様に不安も大きい。これを知っているのは自分だけ、そのプレッシャーに押し潰されそうになる。
『――刻永』
「…柏木……」
ウィンドウに映る彼の複雑な表情を見て、心配そうに優しく声をかけてくれた。
『どうかしたんでしょ、その顔。』
「……あ…あぁ。」
『ま、あまり深く考え過ぎると思うように動けないよ。リラックス、リラックス』
深く考えないなんて、無理だ。これから死ぬ人物にそう言われると、余計に考えてしまう。
こんなにも死というものが近い存在だなんて。自分も一度死んだが、改めてそう実感させられる。
(それに…俺の手は血に汚れている……。人を殺したんだ。俺はなぜ…この世界に来てしまったんだ。何故……)
その思考をも掻き消すように、警告音やら無線やら複数もの機器が一斉に鳴り響きだした。
(重力偏差警報……?…まさか!!)
『――司令部より緊急連絡!A-02一部機能停止!空間座標固定不能!ラザフォード
「!!」
『なっ……!?どうして……?』
『早瀬、取り乱すな!………各機、直援展開!指示を待て!』
『――嘘…であろう……?』
『A-02姿勢制御不能…―――墜ちますッ!!』
焦る面々。墜落していく凄乃皇。それを見ることしかできない龍臥。
いつかこうなるとは思っていたが、分かっていてもいざ来るとなると不安な気持ちになる。
『――純……夏……』
武がボソリとその名を呟く。龍臥は瞬時に秘匿回線を繋げ、武へ連絡する。
「武、心配するな…。それに、
『それは分かってる……だけど……』
「今は、指示を待つんだ。俺達は軍人なんだ。子供じゃない」
その言葉に納得したのか、それともそうではないのか、武はそのまま黙りこくってしまった。
龍臥はモニターを操作し、メモを黙読する。
(『・凄乃皇の墜落→慌てずに指示に従い、最善の行動をとる』か……)
自分で入力した内容だが、当たり前の事を書いており、あてにならない。しかしこの内容が今やるべき事なのだ。
いつでも動けるようフットペダルに足を置き、操縦桿を握る。
無線が砂嵐の如くザーザー鳴り、司令部からの指示が入る。
『――白銀、刻永―聞こえているわね?』
秘匿回線にてウィンドウに夕呼の顔が映し出される。
瞬間に武が慌て、彼女へ真っ先に訊きだす。
『――先生!凄乃皇に何かあったんですか!?』
「まず、XG-70の機体機能は全て正常…」
『「!」』
感情的になる武とは反対に、事務的に現状を伝える夕呼。その副司令としての姿勢に、龍臥は少し感心した。
『なのに再起動コードを受け付けないのよ。…その意味は、分かるわね刻永?』
油断していた龍臥へ彼女が確認してきた。龍臥は考えられる事を言うことにした。
「…00ユニットが…機能を停止してしまった…」
『そう、そういう事』
正解だったみたいだと、この状況で置いていかれていない事に安堵する。
『遠隔操作で主機の再起動ができない原因は00ユニットが自閉モードに陥ったこと』
『――それで先生……俺は何をすればいいんですか?』
『――だから白銀、あんたは00ユニットを回収して戦域離脱しなさい』
「…博士」
龍臥は思い切って訊いてみることにした。
「凄乃皇は……まさか……」
『……えぇ、そうよ……。作戦プランGに従って最終的には爆破するわ』
『ばっ…爆!!?』
武の声色、息遣い、彼が焦っているのが手に取るように分かった。
『凄乃皇を…爆破するんですかッ!?』
『…そうよ。あんな大きな機体、時間も無いんだしバラして回収なんてできっこないし』
またしても事務的に言う彼女に、龍臥は不気味さを感じた。
何故そこまで機体を簡単に捨てる事ができるのか、この状況下だからと言って、技術者としての焦りはないのだろうか?これが「天才」なのか、と――。
しかし、今は従うしか方法がない。
「武、00ユニットさえあれば人類は……。勿体ないが、ここは作戦に従うのが筋ってもんだ」
『龍臥…お前まで……!…………ッ…――そう…だな……』
『流石分かってるじゃない、時間が無いから伊隅に繋ぐわよ』
機体の安全コードと制御キーは隊長である彼女が持っている。そのまま彼女に、凄乃皇内部から直接入力させるのであろう。
ウィンドウがもうひとつ増え、伊隅が映し出される。それと同時に夕呼は指示を3人に出す。
『この任務は00ユニットの無傷での回収が最優先。ただし、時間が許す限り、手動での自律制御の起動を試みる。一番遅い艦が安全圏に到達する前に起動出来なければ最終的に爆破処理する――いいわね?』
『『「はい!」』』
この先、何が起こるか分かっている龍臥でさえも、この場にいて上手くいくと思っていた。しかし現実は甘くない。
彼が思う以上に、これからの出来事は非常に残酷なものであった。
to be continued
白トカゲ「我らの出番は……どこ…ここ…?」
久々の更新です。不定期ですが、失踪だけはしないので安心して下さい!!
では皆さん、また次回で!!