俺は待てない…ニブニブニブ
(-何だあの…きょにゅ…超乳!ゲフンゲフン。駄目だろ俺…女性耐性ないのに…ああもう…ネェル・アーガマに帰りたい…ハロをなでなでしたい……)
さっきまでの威勢はどうした。と思いつつ、女性だということを意識せずに会話を試みる。
龍臥は身にあった事を逐一話した。
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「-で、それがあなたに起こった事ってことで…いいのね?」
夕呼は、龍臥の話した事柄に間違いがないか確認するよう聞き返す。
「……知っている人がいない中で、よく一人で戦い続けたな……」
武の元いた世界は今存在する人達と同じメンバーでありながら、世界そのものだけが違っていた。
平和な世界から一転、地獄そのものと言える世界に来てしまった身としては龍臥に共感するものがあった。
「いや…ひとりじゃないさ。ハロ達がいてくれて、楽しいよ」
「ハロって…あの緑色の?」と武。
「あんな機械も、モビルスーツだっけ?見たことないものばっかだし…あんた何者?」
夕呼は右手側-霞がいる方をチラッと見ながら質問する。
「(ああ、もう女性が相手だと緊張する…武がいてくれてもこれか…)ただの元高校生ですよ……まぁ、この現状を好きになれないので戦っていますが。(?)」
緊張で意味が分かりずらいことを言ってしまう。
霞の反応を見るが、嘘は言っていないらしい。
「…で、あなた本当に私達の味方…オルタネイティヴ4計画の促進者でいいのね?」
龍臥はもちろん、と肯定する。
「これから色々とモビルスーツについて、説明したいのですが…お時間を頂いてもよろしいでしょうか?」と丁寧に頼む。未だに目を直視しずらい。
「もちろんよ。これが人類に勝機をもたらすかもしれないでしょうから。」
「では…まず、あの6機のモビルスーツ…ジェガンといいます。あのジェガンにはハロを搭乗させ、戦闘に参加させています。」
「ちょっと待て!?ハロってのを戦術機…いや、モビルスーツに乗せているのか?」
武は驚いた顔をする。
本来機体は人が乗るものであり、当然の反応だった。
「ああ。俺の機体に乗っているハロが俺の戦闘データを解析して、インプットしたらしいから、連携プレーが気持ち悪いほどさ。」
…と話していると夕呼が質問する。
「そのデータ、私達に貰えないかしら。もしそのデータがあれば…私の研究が進むんだけど。」
「悪用しなければ、差し上げますよ。」龍臥は微笑んで答える。
ニヤりと笑う夕呼をよそに、武が興奮気味に質問する。
「あの真っ白な機体…龍臥のモビルスーツはなんて名前で、どんな性能なんだ!?」
きたか、と龍臥は予想通りの展開に安心する。
「俺の機体は『RX-0 ユニコーンガンダム』と言って、単機でハイヴ攻略が可能な性能を秘めている。」
「「単機でハイヴを!!?」」
二人同時に驚愕する。
「ありえないわ。確かに、ハイヴ攻略の要となる機体や武装はあるけど、絶対的なものは存在しない。」
「ユニコーンにはある機能があって、それも重要ですが特に、武装が重要なのです。」
龍臥は一呼吸し、その内容について話す。
「ビームマグナムという武装です。従来のビームライフルなどの、ビーム兵器のおよそ4倍の威力があります。その武装を装備しており、ハイヴを外から破壊が可能という訳です。」
ビーム兵器について夕呼は考えたことはあるが荷電粒子砲のように、小型化が難しいものであると思っていた。
しかし、今この基地にそれがあるのだ。
科学者としての血が騒ぐ。
「ビーム兵器…バルジャーノンの世界みてぇだ…」
武はビームというものに感嘆の息を漏らす。
「それが単機攻略が可能な理由?ならその兵器を装備させた戦術機でも可能じゃない?」
「いえ、ビームマグナムは発射時に異常ともいえるGと衝撃が機体に響きます。そのせいで、普通の機体なら耐えられずにマニピュレーターがぶっ壊れます。」
「でもユニコーンなら耐えられて、支障もなく発射可能って訳…」
龍臥は肯定する。
それと同時に武が次の質問をしてくる。
「ユニコーンの隠された機能ってなんだよ?自爆…って訳でもないだろ?」
正直、この機能についてはあまり答えたくはなかったが、彼らと協力するなら必要だった。
「ユニコーンには…『NT-D』という機能があります。それを発動すると、全身を覆っている装甲がスライドし、内部のサイコフレームという装甲が露出します。」
龍臥は小型端末…この世界にはない、スマートフォン型の端末の画面に映し出された映像を見せる。
「…!?これが……!?」
その映像は龍臥の初戦闘時、その場にあった戦術機の残骸をハックして入手したものであった。
赤い輝きを放つモビルスーツを見て二人は驚愕した。
見たこともない機動、基地内に停めてあるユニコーンの変形、一本角がV字に割れ顔が現れる様子…。
これまで、XM3…新OSを開発した武は、ここまでの機動はXM3にもできないと確信した。
夕呼はこの映像は見たことはなかったが、ユニコーンの戦闘映像は確認したことはあった。その映像は伊隅ヴァルキリーズが持ち帰った残骸にあったからだ。
「すげぇよ…すげぇ!!これがあれば…人類がBETAに勝てるかも…この機体、すげぇよ!」
武は大興奮だった。ビームマグナムの重低音で発射されるビーム、要撃級の鋏角を焼き切るビームサーベル…龍臥の操縦も含めて、龍臥に輝いている目で褒めちぎっていた。
これには龍臥もたじたじだった。自分が開発した訳ではなかったが、ここまで人に褒められたことはなかったため、嬉しい反面照れくさかった。
武は同年代であり同性、しかも同じ別世界の人間ということで強い仲間意識が芽生えていた。この世界での…初めての『親友』ともいえる存在に出会えた。
「はいはい!男同士の仲良し話はそこまでにして」と夕呼は間に入って話を続ける。
「あなた、何が目的?」
「人類の勝利は勿論、未来ある子供達が笑って暮らせる未来をつくるためです!」
龍臥は心の底から思ったことを話す。
「じゃあ、決まりね。龍臥…あなたはこれから武と同じ部隊に入ってもらうわ。」
「?武と同じ…?」
おおっ、と武はまたも嬉しそうな反応をする。
「伊隅ヴァルキリーズ…A-01部隊ね。伊隅大尉のことは、あの戦場で会話したんでしょう?」
これはまた、伊隅が持ち帰った記録にもあった。
「龍臥…あなたは臨時少尉として入ってもらうから、そのつもりでね。ビシバシ使って、人類の勝利に貢献してもらうわよ!」
夕呼は龍臥を味方として認めてくれたようだ。
「分かりました!刻永 龍臥 臨時少尉、精一杯頑張らせて頂きます!」
夕呼は微笑む。
武は満面の笑みだった。心強い味方ができたのだから…。
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数分後、武を含めた伊隅ヴァルキリーズがミーティングルームに集まっていた。
そしてそこに二人…夕呼と龍臥が来る。
「全員聞け。副司令から聞いたが、これから新たに衛士が編入される。」
伊隅大尉が全員に報告。と同時に部屋の扉が開き、夕呼と龍臥が入ってくる。
(女性ばっかやんけぇぇぇぇ!中隊からしてもしやと思ったらああああああああぁぁぁ!!)
龍臥の脳内ではコロニー落としが起こっていた。しかし表情では冷静そのものだった。言わずもがな、堪えている。
武は待っていましたと言わんばかりに目線を送る。
「彼が今回から編入される衛士よ。自己紹介を。」
夕呼が言うと龍臥が発言する。
「刻永 龍臥 臨時少尉 、只今 着任しました!以後、よろしくお願いします!」
よく通った声ではっきりと発し、敬礼。
「よく来た、刻永少尉。貴様を歓迎する!…それに、ここでは堅っ苦しい言動は必要ない。では、我が隊のモットーを教えておく」
「死力を尽くして任務にあたれ!中隊復唱!」
「「「「「「「「「「死力を尽くして任務にあたれ!生ある限り最善を尽くせ!決して犬死にするな!」」」」」」」」」」
「-以上だ。刻永少尉、復唱!」
「死力を尽くして任務にあたれ!生ある限り最善を尽くせ!決して犬死にするな!」
「よし、今の言葉…よく頭に刻んでおけ。ではメンバーを紹介しよう。」
(刻永…こいつがあの時の…)
伊隅は龍臥があの時の者だと確信しながらメンバーを紹介していく。
「CP将校の涼宮遥中尉だ。怒らせるなよ?おっとりしているが怖い女だから気をつけろ」
「な…何言ってるんですか大尉…よろしくね、刻永少尉」
桃色の長い髪の女性が涼宮遥中尉。
「B小隊指揮、速瀬水月中尉だ。」
「白銀少尉に続いて、男が編入ね…まぁいいや、よろしく。」
ポニーテールの青い髪の女性…彼女こそが龍臥と交信した内のひとりである。
(現実で見ると…本当に綺麗な人だな…)
龍臥の能内は少し落ち着いてきた。
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「-そして、白銀武少尉…こいつとは面識があるような感じだな。仲良くしろよ?」
武は嬉しそうにこちらを見てくる。
龍臥も微笑み返す。
「では紹介も終わったことだ、貴様をコキ使ってやるから覚悟しておけ!」
「-はい!」
龍臥は仲間ができ、共に戦えることに感動していた。
「よし…では全員、解散!」
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「…水月、どうかした?」
遥が、険しい顔をしている水月に聞く。
「……あの刻永って子…なんか分かんないのよね…」
「?」
「なんかこう……
「え?そうなの?」
龍臥のニュータイプ能力について気が付いたのは、水月ただ一人だった。
to be continued
学校帰り、鬼滅アイス買って食べましたが…イラストって使い回し多いっすよねほんと…
では次回もお楽しみに!