第伍話の三笠と別れた後の執務室にて
指揮官「さて、三笠にあの様な事を言ってしまったのだから、KAN-SEN達のある程度の要求を受け入れないといけない。さてどこまで容認するべきか…その線は引いておかないとKAN-SEN達のやり体放題になってしまう。」
どの様にするべきかを考えを巡らせる中で扉をノックする音が聞こえる。
指揮官「……………誰だ。」
???「ベルファストです。御主人様、まだ起きていらしたのですか?夜ふかしは健康に良くありませんよ。」
またしてもこのメイドかと思いながらもいつまでも扉の前に居座らせるのは流石に悪いだろう。
指揮官「……………とりあえず、入って来い」
ベルファストに入室を促す
ベルファスト「まだ執務中でしたか?」
指揮官「いや、少し夜風に当たってきただけだ、昨日分の執務は既に終えている。何か用でもあるのか?」
ベルファスト「いえ、執務室の明かりがまだ消灯していなかったと思いましたので立ち寄っただけにございます。」
指揮官「そうか、ちょうど良かった。君にいくつか質問をしたいと思う。」
ベルファスト「そのご質問は今で無ければならないのですか?」
指揮官「ああ、今がいい。」
ベルファスト「では、そのご質問とは一体どの様なものにございますか?」
指揮官「ベルファスト、君は今、この母港での艦隊活動に何か不満、もしくは要望などはあるか?差し支えなければ教えてもらえるか?」
俺はベルファストに促す事にした。まぁ、ある程度は予想がつくので、それ以外の意見が出てくれば彼女らへの対応を少しは改めてもいいのかもしれん。彼女をソファーに座るように促し考えさせる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ベルファスト視点
私は御主人様に試されてるのでしょうか…私はこの母港でも早い段階から配属しているので、御主人様がどのような御人柄なのかはある程度は理解出来ている…と思いたいものです。半端な答えでは今の艦隊運営状況を変える事は叶わないでしょう…。
私は他の艦隊運営状況を知らない訳では無い、中には暴力的な方が居れば、秘書艦に執務を丸投げをする方もいらっしゃる。と聞き及ぶ事は知っているのでそれ等を御主人様と同列にするなど言語道断です。
誰とも顔を合わせないのには何かしらの理由があるのではないかとは確信を持っていえます。だからこそ半端な答えを出す訳にはいきません。
御主人様は御一人で作業を邪魔をされて集中力を損ないたくないのでしょう。私達KAN-SENに不干渉を貫くのを緩和するのを…。
今の状況は一部のKAN-SEN達には快く思わない方々もいらっしゃるので双方に、メリットが良く且つ落とし所のある妥協点を先程の不満、要望を出さなければいけないのですね。
これは一種の試練でしょうか?海上でのセイレーンとの戦いの駆け引きみたいなものでしょう。それよりも難解な御主人様の発言に私は考えを巡らせることにします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
指揮官視点
ベルファストは考えにふけってしまったようだ。だがそれでいいのかもしれん。
ここで即答でもすれば艦隊運営を考え直す必要があったな。
彼女らは今は戦い抜く事しか考えていないだろう。しかしセイレーンとの戦いが終わった後を見据えなければならない。
何故なら誰かに依存しならければ生きていけないのは流石に駄目だろう。彼女らにはその時に俺から卒業してもらわなければならない。
その為にも彼女らには自主性と意志を持ってもらわないと、もしもこの先戦いが激化して俺の指示通りしかできないとなると臨機応変な柔軟性が必要になる。その為にも俺は邪魔になる…。面倒な事だ…。
評価バーに色がつきました。感謝デス。