日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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第12話 2度目の海戦と第二列強

フェン王国沖―――

 

「くっ...くそっ!!まさかこれほどの差があるとは!!」

 

フェン王国水軍長クシラは眼の前に起きている光景に耐えられず、思わず叫ぶ。

そう、パーパルディア皇国の戦列艦隊にフェン王国水軍はまるで歯が立たなかったのだ。

 

「これほどまでとは...これが列強かあっ!!ぐあっ!!!」

 

皇国戦列艦の砲弾が旗艦剣神に命中し、クシラは海に放り出された。

 

「畜生!!!このままではアマノキが!!!」

 

その時、アマノキの方から巨大な影が近づいてくる。

 

「......!?あれは!?日本の艦隊!!」

 

クシラの心に希望が宿る。その後クシラと他の生き残り達は先行していたいなさに救助された。いなさはそのまま皇国艦隊に警告を始める。

 

『こちらは、日本国艦隊である。貴艦隊はフェン王国の領海を侵犯している。よって直ちに引き返せ、さもなくば撃沈する。繰り返す、こちら―――』

 

 

「なんだ、あの巨大船は!」

 

見張りが叫ぶとポクトアールも双眼鏡をのぞき込む。

 

(...!?あれは、魔導砲!?間違いない、飛竜隊を滅したのは奴らだ!)

 

「警告は無視し、進路そのまま!!魔導砲の射程に入った船から順に叩き潰せ!!」そう命令し、海を睨む。

 

(あれは...間違いなく皇国の最新鋭戦列艦よりも大きい...だが魔導砲の数は随分と少ないな...)

 

そう考えていたとき、見張りが唐突に叫んだ。

 

「敵艦発砲!」

 

「何ぃっ!?遠すぎるぞ!」

 

「威嚇射撃か?」

 

口々に皆が叫ぶ。まだこちら側の射程距離までかなりの開きがある。だがその時、空から風を切るような音が近づいてくるのをポクトアールは聞き逃さなかった。

 

「!全艦回避行動をとれ!」突然の指示にあわてて舵を切る。だが艦隊が動き出すその前に、「金剛」の放った356mm砲弾は彼らを襲う。とてつもない衝撃、直撃弾こそ無かったものの近くにいた戦列艦は高波にさらわれ転覆し、ポクトアールの乗る旗艦も大きく揺さぶられる。

 

(何という威力だ...!!!直撃でもないというのに戦列艦が沈められている!!)

 

「司令!!このままではこちらの射程距離に入る前に全滅します!!」

 

艦長が悲痛な叫びをあげる。

 

「分かっている!全艦全速前進!!なんとしても敵を射程に捉えろ!!」

 

風神の涙と呼ばれる魔導具を使用し、戦列艦隊は15ノットまで加速する。紛れもない緊急事態であり、ポクトアールはすぐ本国に通信を入れる。

 

「こちら監察軍東洋艦隊!!未知の巨大船に攻撃を受けている!!敵艦はムー国の機械動力艦と類似しているが、白地に赤い丸の見たことがない国旗をつけている!!!!」

 

そう言い終えたとき、彼の乗る80門級戦列艦ファーヘルは、「陸奥」の41cm砲弾により粉々に砕け散った。その後、指揮官を失った東洋艦隊は、降伏する間もなく全滅した。

 

 

「すごい...列強の戦列艦がまるでゴミのようだ...」

 

いなさから戦いを見ていたクシラはそう呟いた。ひとまずこれで危機は去った。彼と救助された生き残りの部下達は無事に国へ送り届けられた。この出来事により日本は皇国への警戒を強めつつも、戦争を起こさないため現在皇国に駐留している外交官達に働いて貰うようにした。

 

 

一方、パーパルディア皇国第三外務局長であるカイオスは怒りに震えていた。未知の艦隊に監察軍艦隊が敗れたようなのだ。通信が途絶えていることから全滅と思われる。だが第三文明圏内外に皇国が勝てないほどの戦力を持つ国など存在しないはずだ。気を取り直し、彼はポクトアールからの通信にあった謎の艦隊の正体を掴むべく動き出すのだった。

 

 

 

そして、第二文明圏 ムー国某所

 

 

「うーん....」

一人の男が2枚の写真を見て唸っていた。彼はマイラス、統括軍所属情報通信部の情報分析課技術士官だ。彼の手にある写真にはそれぞれ一隻ずつ軍艦が写っていた。一方はレイフォリアで撮影されたグラ・バルカス帝国の戦艦グレードアトラスター、そしてもう一方はマイハークで撮影された日本の戦艦リシュリューであった。

 

(何という大きさだ...。恐らく全長は200mを超えている。これを動かすとなると出力も凄まじいものだろう。悔しいが恐らくこの2国は我らの技術を超えている!!)

 

ムー国はこの世界の序列2位の列強国、そして唯一の科学文明国だ。だが、写真を見るにこの船も魔法ではなく科学の力で動いている。我が国の誇る最新鋭戦艦、「ラ・カサミ級」は、全長131m,基準排水量約15000tの船体を持ち、艦首と艦尾に装備された305mm連装砲と多数の副砲による高い攻撃力を誇る画期的な戦艦だった。だが、写真に写る2隻は見たところラ・カサミ級の全長の2倍近くありそうだった。

 

「グラ・バルカス帝国の戦艦は、とてつもない大きさの砲を乗せているな...恐らく40cmを超えているぞ。しかも9門、こちらの倍以上だ。」グラ・バルカス帝国はレイフォルを滅ぼした後、第二文明圏内外の国々に勢力を伸ばしていた。そのうちムーにも仕掛けてくるだろう。だがこの船はとても倒せそうにない。

 

「恐るべき相手だ。そして、こちらは...」

もう一つの写真を手に取る。

 

「4連装砲..」

 

ムー海軍の軍艦では、ラ・カサミ級で初めて連装砲を実用化していた。集弾性や弾詰まりなど問題も多く、やっとの思いで搭載にこぎつけたのだ。四連装砲などいつになったら実用化できるのか想像もつかない。しかも砲身が非常に長い。そしてその四連装砲を艦体前部に集中配置している。後部には副砲が3つあり、側面には対空装備と思われる小型砲と機銃が大量に並んでいた。

 

(成る程、前部に砲を置けば、弱点である舷側を敵に向けずに大火力で攻撃できるのか...面白い案だ。)

 

「しかし...」彼には気になることがあった。

 

現在ムーでは空母と艦載機も運用されているが、「ワイバーンや航空機では戦艦は沈められない」という考えが主流だった。しかし、ここ数年で航空機の性能は著しく上昇しており、いつかは戦艦を脅かす存在になるのではないかとマイラスは考えていたのだ。今見ていた2隻の戦艦はどちらも大量の対空砲と思われる装備を船体に乗せていた。明らかに航空機を脅威とした兵装であり、これはマイラスの考えを裏付けるものだった。彼は写真を封筒にしまい、昼食を取るため部屋を出た。

 

(日本国...興味のわく国だ。どうやら日本はグラ・バルカス帝国と違い平和的な国のようだ。いつか日本を見てみたいな...)日本のことが気になり始めるマイラスであった。

 

 




ありがとうございました。

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