日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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今回は少し番外編っぽい内容かもしれません。


第13話  鎮守府の一日

佐世保鎮守府―――

 

「よし、では次だ。入って良いぞ。」

 

艦娘「那智」がそう言うと、部屋に見慣れない艦娘が4人入ってくる。

 

「失礼しま~す。」と、間延びした、何ともぼんやりとした雰囲気の一番艦らしき女性が答える。

 

 

「よし、座ってくれ。まず貴艦らの名前、そして艦種を教えて貰う。」と那智が問う。

 

今、佐世保では増えすぎた艦娘達の情報を一度整理するため、国を分けて同型艦に集まってもらい、面接のような形で聞き込みを行っていた。面接官には、四人の提督と真面目な性格の艦娘達が選ばれ交代制で数部屋に分かれて行っていた。那智はフランス艦の担当だ。

 

「はぁ~い、私たちはレピュブリク級戦艦で~す。私が一番艦のレピュブリクですわ。」

 

「私は2番艦のシュフランだ。」

 

「3番艦デヴァスタシオンです」

 

「4番艦、パトリーといいます。」

 

と、全員が自己紹介を終える。那智は手にしていた「ジェーン海軍年鑑」をパラパラと捲り、該当するページに目を向ける。

 

「うむ...1957年のフランス海軍最後の戦艦案か。鎮守府での生活で何か困っていることはあるか?」

 

「いえいえ、大丈夫ですよ~。それよりも私たちは早く戦いたくてうずうずしますのよ?」

 

どうやらなかなかの戦闘狂らしい。

 

「そうか、なら良かった。高性能な貴様達なら、戦闘でも重宝されるだろう。演習を怠るなよ。よし、これで終了だ。退室してかまわんぞ。」

 

そう告げると、彼女たちは部屋を出ていった。

 

一人になった所で、那智は一息つく。

 

「ふぅ、やっと終わったか。それにしても何という数の多さだ。これでは他の部屋の連中も苦労しているだろうな。」

 

数十分後、書類の整理を終えた那智は今日の仕事が済んだので、自室へと戻っていった。

 

一方、ソ連艦担当の部屋でも、担当の高橋が呆れたような顔で、彼の前に座る2人を見つめていた。彼女達はレーニン級戦艦「レーニン」と「スターリン」だ。1930年代後半、ソ連の「大艦隊計画」の中の案の一つ、「プロイェークト21」にあたる。イギリスのネルソン級戦艦に影響を受けており、406mm砲を前方に9門集中配置しているのが特徴だ。

 

その名前は当然、ソ連の偉大な指導者二人から取られている。本来ならばこの船が設計されたときに存命だったスターリンの名は付けられるはずもないが、新戦艦の名が敬愛するレーニンだと知ったスターリンが、2番艦の名前は自分の名前にしろと大騒ぎし、特例として決められたらしい。結局この戦艦は計画だけで終わってしまったのだが...。そしてスターリンのレーニン愛は、艦娘となってもなお受け継がれているようだ。スターリンはずっと姉レーニンの側にくっついて離れようとしない。

 

(はは...船の生まれ変わりが女の子で本当に良かった。もし男だったら今俺は怖いオッサンがくっついているところを見るハメになったかもしれない。)

 

そんなことを高橋が思っていると、

 

「おいお前、今何を考えていた?レーニン姉様の下品な妄想をしていたら殺すぞ。」とおっかない言葉をかけてくる。

 

もしそうだったら粛清されそうだ。一方でレーニンは由来の人物の史実を反映してか少し距離を置きたがっているようで、

 

「やめなさい。この方はあなたの上司なのよ。口に気をつけなさい。」と諌める。

 

スターリンも姉には逆らえず、しゅんと肩をすくめた。

 

「よし、君たちのことは覚えたぞ。そのうち君たちにも出番が来るだろうから、よく訓練しておいてくれ。」

 

そう告げるとレーニンは「失礼します。」と頭を下げ出て行く。

 

スターリンは何も言わなかったが、部屋を出ていった直後に大きな舌打ちが聞こえた。高橋は聞こえなかった事にし、作業を終わらせ執務室に戻った。

 

 

 

「入るぞ。」

 

高橋が部屋に戻ると、そこには既に二人の提督がおり、今日の書類を整理していた。

 

「やあお疲れ様、京介。どうだった?ソ連の連中は。」

 

赤松が声をかける。高橋が席に着くと、軽巡洋艦「大井」がお茶を持ってきてくれた。

 

「いやあ、中々パンチの強い奴らばかりだったよ。ソビエツキー・ソユーズ級に、それを発展させたクレムリン級と、すごい戦力だ。大和レベルだな。だが特に面白かったのはレーニン級の二人だな。妹のスターリンなんだが、姉にくっついて離れないんだよ。そんでこっちを睨み殺すってくらいの目つきで威嚇してくるんだ。」

 

「ははは、そりゃ面白い。というかその名前で女の子の姿ってだけで面白いな。レーニンとスターリンだなんて。」

 

「その通りだな。にしてもあの姿、なんだか懐かしいと思ってたんだ。今思い出したよ。8年前、出会ったばかりの大井にそっくりだ。あの頃の大井ときたら、いつも北上さ....」

 

高橋の話は途中で中断させられた。大井がお盆を手に彼の後ろに立っていた。

 

「高橋提督。もう結構ですよ?早く仕事をしてください。」

 

口はニコニコとしているが、目が笑っていない。

 

「分かった分かった、悪かったって。」

 

頭をポリポリと掻きながら高橋は謝る。

 

「そういえば千鶴はどこだ?まだおわっていないのか?」と高橋が聞くと、今度は吉川が答える。

 

「ああ、あいつならドックにいるよ。戦艦2隻の改修をするらしい。」

 

 

 

同時刻、戦艦用ドック

 

「こんなところでいいかい?」

と、森高は二人の艦娘に改修設計図を見せる。彼女たちは出雲型戦艦「出雲」と「周防」だ。大和型戦艦案の内の一つ、41cm三連装砲を前方に集中配置した全長270m、排水量50000トンの計画案だ。しかし何故か彼女たちの船体は草案の簡単な図をそのまま形にしたような状態で建造され、不格好で日本艦らしくない艦橋、スカスカの艦上構造物、明らかにおかしい対空機銃の配置など問題が山積みだった。一応公試をしてみたが、主砲の斉射時に対空機銃が爆風で全て壊れてしまった。と、明確な欠点が多く有るため、これらを踏まえ、改装の必要有りと判断された。森高は考えた末、艦橋を大和と同様の物にし、対空兵装も大和に倣い舷側に合理的に大量配置することにした。これには二人も笑顔で頷いた。

 

「よし、これで改装を頼む。」とドック所属の妖精に設計図を渡す。そして二人に向き直り、

 

「改修にはおそらく結構な時間がかかるだろう。それまで演習は出来ないけど、適当に過ごしていてくれ。何か困った事があれば、周りにいる誰にでも相談していいからね。あと、君たちの船体を改修してくれる妖精達にもお礼を言っておくんだよ。」と森高が言うと、二人はこくこくと頷く。

 

「よし、じゃあな。」

頭を軽く撫で、森高は執務室に戻っていった。

 

 

同日、川島防衛大臣宅―――

 

「こんなところかな」

 

そう呟き、彼は煙草に火を付ける。彼はずっと昔から「ピース」しか吸わない。終戦の翌年に発売されたこの煙草は、名前の通り日本の平和を祈って発売された。彼はもちろんこの煙草の味も好きだったし、何よりこの銘柄を吸うことは、防衛大臣としての彼のゲン担ぎでもあった。

 

 

ふうっ、と煙を吐き出し、彼はひとり思いにふける。フェン王国での一連のトラブル、相手は列強の一角、パーパルディア皇国だった。皇国は非常にプライドが高い国らしい。戦争を回避するのはもはや不可能に近いのかもしれない。そこは現在皇国に滞在している外交官の朝田に託されていた。

 

それとはまた別件、鎮守府から艦娘が増えすぎて困っている、との報告があった。そして、皇国の脅威にさらされている国から、日本の軍隊を国においてほしい、という要請が来ていた。有事でもないのに自衛隊を派遣することは難しい。何より彼らは本来日本を守るための組織なのだ。そこで彼は思いついた。各国に小規模な港、そして住居を提供してもらい、艦娘を交代で派遣する、というものだ。

 

現在日本の力はいろいろな国から引く手あまたであり、双方に利のある考えと言えるだろう。これを聞いた諸国と鎮守府は承諾し、各国の港の整備が始まった。日本の建設会社も協力し、設営に携わる事になった。フェン王国での港の整備に派遣された人員の中には、高橋の兄も含まれていた。彼は建設会社の監督として、王国へと出張することになったのだ。フェン王国は、古き良き日本を思い出させる国だと言うこともあり、観光地として賑わいを見せていた。だがこれが、後の悲劇に繋がるとはこの時は誰も思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回登場したレピュブリク級戦艦は、本作二番目の完全な架空艦です。戦艦レピュブリクと調べれば画像を見ることができます。レーニン級戦艦は計画こそ存在しましたが、2番艦スターリンについては作者による完全なでっち上げのストーリーです。

戦艦出雲も、大和級の案の一つです。ネットで戦艦出雲と調べればそのおかしな姿を見ることが出来ます。改装後の姿は、「戦艦出雲 D船体」と調べれば見れます。改装後の姿は個人的にかなり好きです。

見たい組み合わせは?

  • 大和型vsGA級
  • 紀伊vsGA級
  • 長門型vsヘルクレス級
  • 金剛型vsオリオン級
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