日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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第18話 報復のニシノミヤコ沖海戦

パーパルディア皇国 戦列艦隊―――

 

「哨戒中の飛竜が南に敵騎発見!!」

見張りのワイバーンが高空を飛ぶ敵を見つけた。

 

「...!来たか!!直援隊飛竜は直ちに目標に向かえ!他のワイバーンも準備でき次第直ちに離陸せよ!」

 

陸上基地のワイバーン部隊に向かってシウスは指示を出す。既に警戒態勢に入っていたこともあり、基地から次々とワイバーンロードが飛び去っていった。

 

「頼むぞ...」

 

シウスは一人呟いた。

 

 

数分後、空母より発艦した水平爆撃隊も、飛竜が近づいていることを確認していた。

直援の零戦が増槽を落とし、編隊から離れてゆく。

いくら金属製の九七艦攻でも、火に当てられて無傷で済むことは無い上に、ワイバーンロードは最高時速約350km/hと、艦攻とそこまでの速度の差はない。十分な脅威だ。

 

 

零戦隊は高空から太陽に隠れ、一斉に急降下を開始する。最初の一撃で仕留めるつもりだ。

次の瞬間、夕立のような激しい弾幕が飛竜を襲う。

 

 

(何だ!!どこから攻撃が!!)

 

皇国飛竜隊所属のとある竜騎士は混乱の最中にいた。突然彼の前を飛んでいた仲間達が次々とズタボロにされたのだ。隊長騎も落とされてしまい、編隊はバラバラだ。

 

 

必死に相棒を操り、彼は周りを見渡す。すると、白い奇妙な鉄竜が、味方の飛竜を今まさに落とそうと追いかけていた。こちらに向かってきている、絶好のチャンスだ。

 

急旋回し、凄まじい圧力に耐えながら、まさに一瞬敵機と自分が一直線に並んだ。彼にはまるで時間が止まったように見えた。

 

「くたばりやがれ!!!」

 

導力火炎弾を敵めがけて発射した。必中の距離だ、外しはしない。ところが―――

 

「!?消えた!?」

 

彼の視界から敵はいなくなっていた。

 

(どこだ!?どこにいる!??)

 

そして、後ろから恐ろしい音が聞こえてきた。彼が振り向くと、間違いなく倒した筈の敵機がそこにいた。

 

 

「そんな、そんなばかな―――!?」

 

最後まで言い切る前に、彼は7.7mm機銃によって愛機もろとも蜂の巣になった。最後に彼が見たものは、悠々と飛び去っていく敵機と、その尻尾に描かれた「EII-102」の番号だった。

 

 

『敵機全機撃墜しました。』

 

僚機からの通信に、彼は頷く。最高の練度を誇る彼らにとって、こんなもの、簡単すぎる任務だ。

 

「よくやった。引き続き味方を護衛し、敵基地への攻撃を行うぞ。」

そう返信し、艦攻隊に戻っていった。

 

 

そして、艦攻隊は全機ニシノミヤコに突入した。上がってきた少しのワイバーンは5分もたたずに零戦隊に退けられた。

 

そして、九七艦攻隊は敵艦隊ではなく、地上の基地に向け爆撃を行った。水平爆撃は命中率がどうしても高くならないため、艦隊は狙わなかったのだ。攻撃を終えた艦攻隊は引き返し、零戦隊はアマノキに向かった皇国陸上戦力を叩くべく去っていった。

 

 

 

攻撃の後、将軍シウスの心には怒りと恐怖が渦巻いていた。警戒に上げた飛竜はあっさりと全滅、少しして敵が空高く飛んできた。こちらに攻撃を仕掛けて来るものと思っていた。だが、あろうことか敵は艦隊を無視して陸上基地に攻撃した。完全にこちらを嘗めているとしか思えない行動、だが飛竜が全て落とされてしまっているので何も出来ない。あまりにも小賢しい行動に彼のイライラは限界だった。

 

 

その時だった。

 

「将軍!水平線の向こうに煙が。」

 

副司令が報告する。

 

シウスが双眼鏡をのぞき込むと、確かに遠くに何本もの煙が見える。

 

「何だ?あれは。」

 

少しして彼らはその正体を知った。それはとてつもない大きさの船だった。

 

「何だ!?とんでもない大きさだ!」

 

副司令が思わず叫ぶ。

 

 

一方でシウスは少し冷静だった。改めて敵艦を睨む。

 

「あれは...神聖ミリシアル帝国の魔導戦艦?いや、まさか、それよりも大きい!?ということは!?」

 

あることに彼が気づいたとき、その巨大船は突如火を噴いた。これを見たシウスは大慌てで指示を飛ばす。

 

「まずい、すぐに回避行動を取れ!!」

 

だが、部下達は楽観的な様子だ。

 

「どういうことです?まだ敵とは距離があります、届くわけがありません。」

 

腑抜けた対応にシウスは怒鳴る。

 

 

「馬鹿者っ!!あれは間違いなく神聖ミリシアル帝国の魔導戦艦と同等、いやそれ以上かも知れない敵だ!ということは既に敵の射程に我々は入っている可能性があるのだ!!」

 

それに従い、ようやく艦隊が転進しようとしたその時、彼らのちょうど中央部にとてつもない水柱が上がり、まるで紙屑のように皇国の戦列艦が宙を舞う。これを見れば、流石にシウス以外の者達も危機を理解した。

 

「まとまらず距離をとって敵艦隊に進め!!固まっていては敵の餌食だっ!!」

 

シウスは必死に指示を出すが、これで本当に勝てるのかは誰にも分からなかった。

 

 

日本国艦隊―――

 

『敵艦隊散開し、こちらに接近しています。』

 

駆逐艦「磯波」から通信が入り、高橋は双眼鏡で前方を見据える。おそらく200隻近くの大艦隊だ。砲撃で複数が巻き込まれないように、距離を取っているのだろう。

 

 

「戦艦、巡洋艦全艦に告ぐ。敵艦隊に対し、全力砲撃で片づけろ。今からデータを送るから、各艦割り振られた目標に対し攻撃せよ。ただし―――

 

 

   敵旗艦とその横の2隻は残しておけ

 

 

この指示に艦娘達はよくわからないといった表情に一瞬なったが、直ぐにもとに戻った。何か考えあってのことだろうし、上官命令にけちをつけるなど御法度だ。

 

『『『『了解しました!!』』』』

 

と同時に返事をする。

 

「任せたぞ。射線に入った船から攻撃開始しろ。」

 

そう言って通信を切った。

 

 

そうして、戦艦14隻、巡洋艦11隻、計25隻の軍艦達が砲撃を開始する。完全なアウトレンジ攻撃にパーパルディア皇国戦列艦隊は何の抵抗も出来ず次々にその数を減らしていった。そしてようやく魔導砲の射程内まで近づいた時、211隻いた艦隊は何と3隻にまで数を減らしていた。シウスの乗る旗艦パール、それと左右にいた100門級戦列艦インドラ、フィスタのみ健在だった。

 

 

 

「ぐっ……くそっ!!信じられない!」

 

シウスはぎりぎりと歯軋りする。なんと、ついに艦隊は僅か3隻にまでその数を減らしてしまっていた。ここまでやられるとは思っていなかった。だがついにこちらの魔導砲の範囲に敵を捉える距離まで接近できた。

さらに、それと同時に敵の砲撃は止んでいた。弾切れだろうか。これは敵に一矢報いる千載一遇のチャンスに違いない。彼は魔導通信具に大声で伝える。

 

「全艦一番近くのあの船に砲撃、一隻だけでいい、確実に沈めろ!!」

 

そして、三隻の戦列艦から160発の砲弾が放たれ、敵の巨大船に砲弾が次々と命中した。敵船に爆発が起き、煙に包まれる。

 

 

「よしっ!!やったぞ!!これで―――なにっ!?」

 

しかし、一変して暗い空気に艦内は満たされる。煙が晴れると、そこにはなんと全く姿を変えない敵艦の姿があった。魔導砲の直撃を受けて被害が無いだなんて、こんな化け物を相手にどうしろというのだ。絶望に包まれた顔でシウスは戦艦「スラヴァ」を見上げていた。

 

 

霧島 艦橋内―――

 

『スラヴァ小破、戦闘に支障無し。』

 

「よし、分かった。降伏勧告を出してくれ。」

 

そう言って一度通信を切る。霧島は少し驚いた顔をしていた。

 

「おいおい霧島、何だよその顔は?」

 

苦笑いをしながら高橋は話しかける。おそらく彼女は彼が敵を全滅させるまでやめないと思っていたのだろう。

 

「流石に日本の軍人としてこうしないわけにはいかないさ。さぁ、敵はどうするかな...」

 

 

 

シウスは悩んでいた。もう駄目だと思っていたその時、敵船から透き通った女性の声で降伏勧告が来たのだ。皇国の一員として降伏は憚られることだが、周りを見回すと兵士達の顔は皆青ざめていた。もはや戦意はゼロ、これ以上戦うのは不可能だ。何より彼も初めて明確な死を目の前にし、恐怖で押しつぶされそうであった。

 

 

「降伏しよう..指示通り、白旗を掲げよ。無ければ、布団でもなんでもいい。とにかく意思を伝えるんだ。」

 

彼はそう指示すると、がっくりとうなだれた。

 

降伏の意志を受け取った日本艦隊は、彼らを捕虜とし、無事に海戦を終了した。結果は、誰が見ても分かるとおり日本の圧勝だ。一応スラヴァが小破したものの、すぐ修理できる程度の軽傷だった。

 

 

 

そして、皇国陸上部隊も、零戦隊の機銃掃射により大きな被害を受け、ようやくたどり着いたアマノキでは陸上自衛隊により一瞬で全滅した。

 

 

こうして、フェン王国の脅威は無事に去ったのだった。

 

 

同じ頃、福岡空港に一機の双発機が着陸していた。そこから降りてきたのは今回観戦武官として派遣されていたマイラスとラッサンの二人だった。

 

 

「これは、なんともすごい所に来てしまったなあ。」

 

辺りを見回し、そんなことを言いながら二人は歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました。

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