日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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今回は戦闘描写無しです。


第19話 皇国の驚愕

少し前、パーパルディア皇国 皇都エストシラント

ムー国大使館―――

 

 

ムー国大使、ムーゲは尋ねる。

 

「急な来訪ですが、いったいどうされました?」

 

相手の皇国第一外務局職員ニソールは答える。

 

「現在我が国とフェン王国は戦争状態に入っており、日本も参戦してくる可能性が有ります。」

 

「はい、存じております。我が国も非常に興味を持っております。」

 

「そうですか...ところで今回ムー国は観戦武官を日本に派遣したと聞きましたが、その真意を聞きに参った次第です。」

 

「まず、ムー国が今回日本に観戦武官を派遣したことは間違いありません。」

 

これに思わずニソールは姿勢を正す。事前に聞いていたと言うのに、改めて聞いても驚きの情報だ。

 

「理由をお伺いしても?」

 

 

「詳しいことは専門外ですので分かりませんが、我が国の軍部で分析を行った上、日本に観戦武官を送ることが妥当と判断しました。」

 

「貴国は今まで、勝つと判断した方にのみ武官を派遣してきました。ということは、まさか日本が勝つと予想されているのですか?」

 

「それについては申し訳ありませんが、機密でありますのでお答えできかねます。ですが、ムー国はパーパルディア皇国に対し敵対の意志は一切ありません。」

 

 

「分かりました。」

 

 

「それと...これは国の意志ではなく、あくまでも私個人の発言なのですが...」

 

 

「?何でしょうか...」

 

「パーパルディア皇国は、日本という国をよく分析した上で、勝てるといった結論に至ったからこそ日本人観光客を虐殺し、日本の逆鱗を叩き割る行為に出たと我が国は捉えています。我が国が分析した結果ですが、ムーはとても同じ事は出来ません。ムーは、日本に敵対できるほどの国力を持ち合わせてはおりません。

 

何度も申し上げるように、これはムーの正式意思ではなく、私の個人的な感想なのですが、私は貴国の勇気に敬意を払いたいと思います。」

 

「.......なっ!!!」

 

ニソールの背中から汗がどっと噴き出す。会談は終了し、彼は早急に外務局に戻った。

そして、すぐに緊急報告書の作成に取り掛かった。

 

 

そしてまた時は戻り、福岡県福岡市博多区―――

 

艦船武官のラッサンとマイラスは博多駅で、案内の外務省職員と共に新幹線を待っていた。二人は日本に到着してからというもの、長旅で疲れた様子も見せずずうっと会話を続けていた。

 

「すごいぞラッサン、車がこんなにもたくさんある。」

 

「いやいやマイラス、こっちを見ろよ、凄いぞ。」

とこんな調子だ。案内役の小林は微笑ましいな、といった様子で見守っている。はしゃいでいるようでも、そこはやはり列強の代表、小林の邪魔をしたりはせず節度のある行動は崩れない。

 

 

数分後、滑り込むようにホームに車両がやってくる。またしても驚く二人を案内し、一行は長崎方面へと出発した。数回の乗り換えの後、マイラスとラッサンはようやく佐世保鎮守府の門の前に到着した。

 

 

小林が門番妖精に声をかけ、少しして戻ってくる。そして、二人に声をかける。

 

「私が案内するのはここまでです。もうすぐ佐世保の提督が出てくるので少し待ちましょう。」

 

数十秒後、門が開き一人の男が歩いてくる。そのシルエットにマイラスは見覚えがあった。その男、吉川は彼を見つけると歩幅を広げて、ずんずん近づいてきた。

 

「やあ、マイラスさんじゃないですか!お久しぶりですね。また会えて光栄です。そして、こちらの方は?」

 

「ムー国より観戦武官としてこの度派遣されたラッサンと申します。よろしくお願いします。」

 

「ここの提督をしています、吉川晃輔と申します。よろしくお願いします。小林さん、案内ありがとうございました。ここからは私たちにお任せを。」

 

「はい、吉川さん。よろしくお願いします。」

 

そう言って、小林は帰って行った。

 

 

「では、ここにいてもなんですし、中へ入りましょう。ちょうど昼ご飯の時間なんです、一緒にいかがですか?」

 

すると、待っていたかのように二人の腹が鳴った。そういえば日本に到着してから何も食べていなかったのだが、興奮で忘れていたのだ。

 

「はい、ではいただきましょう。」

 

「ではこちらへどうぞ。行きましょう。」

 

 

三人は建物の中へ入っていった。

 

 

 

 

再びパーパルディア皇国 皇都エストシラント―――

 

第一外務局長室では、今後の日本に対する措置について、軍の最高指揮官アルデを交えて話し合いが行われていた。

本来なら、文明圏外の蛮国程度に軍の最高指揮官や、皇族が介入するはずもないが、本件は皇帝陛下の関心が高く、失敗は許されないため、皇国幹部の関心も高くなっていた。

 

アルデが口を開く。

「間もなく皇国陸戦隊がフェン王国の首都アマノキを落とす頃ですね。レミール様、本当に現地の日本人観光客は殺処分してもよろしいのですか?」

 

「良い。今度はもっと多くの日本人を捕虜に出来るだろう。蛮族には、しっかりと教育をしなければ解らないようだ。ニシノミヤコの日本人は、少しばかり楽に殺しすぎた。

アルデよ、今度はもう少し苦しむようにやれ。」

 

「はい、かしこまりました。」

 

 

「で、その後の事だが…。」

 

その時、部屋の扉がノックされ、次長のハンスが入ってくる。

 

「会議中に失礼します!本会合に関係のあるものと思い、文書をお持ちしました。」

 

 

文書には「緊急調査報告書」と書かれていた。

 

ムー国が日本に武官を派遣した事についてだ。

 

その事について話し合っていたとき、またしても外務局の若手幹部が入室してくる。

 

「何だ!!」第一外務局長エルトが怒鳴る。

 

 

「たっ、大変です!フェン王国に派遣していた皇軍は、戦列艦隊、揚陸艦隊、補給艦隊、竜母艦隊、陸戦隊、すべて全滅、そして残ったニシノミヤコ守備隊は、日本国とフェン王国の連合軍に降伏したとの情報が入りました!!」

 

 

「なっ!!何っ!!そんなバカな!!何かの間違いではないのかっ!!」

 

アルデは信じられないといった顔で詰め寄る。

 

 

文明圏外国家に対し、局地戦とはいえ敗れることの意味、そして危険性をレミールは十分理解していた。

 

 

「おのれぇっ!!蛮族め!!」

 

恐怖支配をしている属国に対し、宗主国が弱い姿を見せるとろくな事にはならない。これが恐怖支配の脆弱性である。

 

「殲滅戦だ!!ここまでコケにされて許してはおけん!!エルト!!準備をしておけ!!私は陛下に許可を戴きに行ってくる!!アルデにも伝えろ!!」

 

「はっ、はいっ!!」

 

 

 

そう言ってレミールは退室した。

 

 

その後、日本国に対し、皇国は宣戦布告と殲滅戦の開始を通知した。ついに本格的な戦争状態に入ったのだ。

 

 

結局、独自のルートによってある程度日本の情報を手に入れたカイオスのみが、秘密裏に日本との連絡をとり続ける事となった。

 

 

そして同日、神聖ミリシアル帝国で、フェン王国での皇国の敗北が大々的に報道された。帝国の民はひどく驚いた。まさか列強国が局地戦とはいえ敗れるとは全く思っていなかったのだ。

 

 

さらにこの放送はラジオとしてパーパルディア皇国の属領・属国の民にも一部届いていた。ちょうど少し前、アルタラス王国のルミエス王女による属国の独立を呼びかけるスピーチが来ていたが、殆どの者が無理だと思っていた。だが、日本国は本当に皇国を打ち破ってしまった。彼らのすさんだ心に、一筋の希望が宿る。

 

 

 

その夜、佐世保鎮守府―――

 

 

三人の提督達とムーの二人は酒を酌み交わしていた。

 

「なんでここには女性ばかりしかいないのだと思っていましたが、そういうことだったのですか...信じられない話です。」

 

マイラスがそうつぶやく。昼、彼らが見たのはたくさんの少女達だったのだ。吉川が丁寧に説明してくれたが、本当のことだとは思えない話だ。

 

「鳳翔さん...あなたもなんですよね?」ラッサンがそう聞くと、彼女は少し恥ずかしそうに頷いた。

 

「ええ、私も...空母鳳翔の艦娘です。」

 

「はは...本当に日本は不思議な国だなあ。女の子が船の化身だなんて。」

 

「我々も、彼女たちに会ったばかりのときは同じ事を考えていましたよ。まあ、今もですけどね。」

 

「...まあ、そもそも国が転移していたりする時点で、もはや私たちの理解が及ぶ範囲を軽く超えているのです...何がおきたっておかしくはないのでしょう。」

 

「そうですね....それこそ真相は神のみぞ知る、といったところでしょう。」

 

彼らの話が弾んでいる間にも、夜は更けていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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