日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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戦闘描写はありません。よろしくお願いします。


第22話 世界の驚愕

神聖ミリシアル帝国 港町カルトアルパス とある酒場―――

 

 

今日も酒場では酔っ払いが話をしていた。

 

「おいおい、聞いたか?信じらんねぇよ。」

 

「ああ、聞いた!パーパルディア皇国が属領を1つ失ったらしいじゃねぇか!!」

 

「あの皇国が、第3文明圏の覇者が属領を失うとはな……。」

 

 

「しかも、またあの国が絡んでいるらしいぞ。」

 

 

「日本か?いったいどうなってるんだ。」

 

 

酔っ払い達が騒いでいた時、一人の男が大声で突然話し始める。

 

「パーパルディア皇国は、日本に負けるぞ。奴らは喧嘩をふっかける相手を間違えた。俺は日本に行った事がある!!」

 

この言葉に誰もが注目する。

 

「日本がロウリア王国を倒した後、俺はこの新興国は今後伸びてくると思い、何か交易は出来ないかと、あまり嵩張らないが各国に高く売れる、ムーの機械式の腕時計をもって日本に出かけた。

俺は第3文明圏ネーツ公国の出身で、日本とは国交を結んだばかりだったので、公国の許可証で何とか日本に入国出来る事になった。

日本人は、ムーの機械式時計を見たらさぞかし驚く事だろう、文明圏外国が列強の技術に触れたときの衝撃は相当なものだ、そう思っていたんだ...。だが、日本の玄関口、福岡市に着いた時、俺の考えていた新興国としての日本は、完全に間違っていた事を思い知らされたよ。

空に向かって伸びる建造物、そして街には、神聖ミリシアル帝国の魔導駆動車のようなもので溢れかえっていた。

しかも、そこは首都ではなく、一地方都市に過ぎないのだ。

信じられないかもしれないが、日本の国力は、俺が感じた限りでは神聖ミリシアル帝国をも凌駕するかもしれないんだ!」

 

酒場は笑いに包まれる。

 

「はっはっは!!そんな訳ないだろう!!」

 

「おっさん、酔いすぎだろ!!」

 

これにその商人は鞄から何かを取り出した。

 

「これを見てみろ!!」

 

酔っぱらい達がのぞき込む。

 

 

「魔写か?にしてもすごい都市だ」

 

 

「それは日本の地方都市、福岡市で俺が撮影したものだ。」

 

「何っ!!これが日本!?信じられん。」

 

「これで少しは分かっただろう?」

 

その時、酔っぱらいの集まりの中で、一人だけ雰囲気の違う男がその商人に声をかけた。

 

 

「失礼、それを私にも見せてくれないか?」

 

「ああ、もちろんだ。」彼が魔写を渡すと、彼は食い入るように見つめ、そして少しして商人に向き直る。

 

「この写真をいただけないか?」

 

これに商人は驚いた顔をする。

 

「まあ構わないが、あんた何者だ?」

 

「自己紹介をしていなかったな。私はザマス、帝国情報局の情報官だ。最近日本に関する情報を集めていたところだったんだ。」

 

「なるほど、情報局の方か。そんなら安心だ。ほら。」

 

そう言って魔写を手渡すと、彼は

「どうもありがとう。これはお礼です。」と言って、金を渡し酒場を出て行った。

 

再び酒場に活気が戻る。

 

「お偉いさんも日本が気になるんだなあ」

 

夜は更けていく。

 

 

トーパ王国 王都ベルゲン―――

 

 

 

「.....本当なのか?その報告は」

国王トーパ16世は、部下からの報告の真偽を尋ねる。

 

 

 

「真にございます。

パーパルディア皇国に一時占領されていたアルタラス王国は、日本国の攻撃により在アルタラス皇国軍が全滅、統治機構は降伏し、アルタラス王国は、その統治権を奪い返しました。」

 

 

 

「しかし、アルタラス王国は、パーパルディア皇国の比較的近くにあったはず。 皇国海軍はどうなっておるのだ?

そのままでは、アルタラスはすぐにやられるのではないのか?」

 

 

「その件につきましては、日本の基地がアルタラスに出来るまでの間、日本国の派遣艦隊が交代制でアルタラス海域で拠点防衛の警戒任務に就くそうです。

日本国によれば、パーパルディア皇国軍に対しては、それだけで十分との事です。」

 

 

「なっ、なんと。日本にとっては、あの列強パーパルディア皇国軍でさえ敵では無いというのか。」

 

 

「左様でございます。」

 

 

「うーむ、日本が味方で本当に良かった。これからも敵対するようなことが絶対に起きないようにせねばな。

よし、全軍に、日本の指定した海域及び空域には入らないように指示しろ!

民間船も入らぬよう、商船組合にも伝えておけ」

 

「はっ!」

 

トーパ王国の親日感情は高く、多くの国民が皇国の敗北を予想していた。

 

 

 

パーパルディア皇国 皇都エストシラント―――

 

 

仕事終わりの休息中に突然呼び出されたレミールは機嫌最悪だった。早歩きで第一外務局へ向かう。

 

ドアを開けると中では、第1外務局長エルトをはじめ、幹部が顔をそろえていたが、その全員の顔色が悪い。

 

レミールは皇族専用の席につく。

机上には、紙が数枚置かれていた。

 

 

「レミール様、まずは目をお通し下さい。」

 

彼女はレジュメに目を通す。

 

―――数秒後、その手は、怒りと衝撃のあまり、震え始める。

 

報告書には衝撃的な事実が記されていた。

 

「アルタラス統治機構陥落に関する報告書」とある。

 

 

「いったいこれはどういう事だ!!!」

 

彼女は怒鳴る。

 

パーパルディア皇国の歴史の中で、一度侵略し、統治した国が再独立、もしくは奪還された事は今まで1度も無かった。

 

「概要を説明いたします。」

 

 第1外務局長エルトが説明を始める。

 

 

「本日未明、在アルタラス皇軍は、日本国からの攻撃を受け全滅いたしました。

そして、それに呼応するかのように原住民の反乱が発生、皇国のアルタラス統治機構はこれに降伏しアルタラス王国は独立を宣言、王女ルミエスは皇国の他の属国に独立を呼びかけています。」

 

 

「何故だっ!!何故こうも皇国が文明圏外の蛮国ごときに連敗するのだ!!

皇軍は第3文明圏において無敵ではなかったのか!!」

 

 

レミールの甲高い怒声に耳を痛めつつも、エルトは続ける。

 

 

「今回、アルタラス王国の皇軍に対する攻撃に飛行機械が使用されていると魔信がありました。」

 

 

 

「何っ!飛行機械!?飛行機械だと!!それは...」

 

 

「はい、飛行機械を作れるのは、列強ムー国だけです。 ムーは、今まで自国の重要兵器を決して輸出してこなかった。しかし、今回日本に対しては、何故か輸出しています。日本の背後にはムーがいるのかもしれません」

 

「代理戦争か。小癪な!道理で日本の外交官が、戦争前に自信があった訳だ。真偽を確かめる。ムー大使を召喚しろ!!私が対応する。」

 

 

「はい!」

 

 

こうして、会議は終了した。

 

 

 

第3外務局長 カイオス邸―――

 

「やはり、日本の力は皇国を上回るのか...このままでは皇国は滅ぼされてしまう!」

 

アルタラス陥落の知らせを受け、彼は思わず身震いする。

そそてカイオスは祖国を救うべく、一人動き出すのだった。

 

 

 

 

 

パーパルディア皇国   パラディス城―――

 

 

 

皇帝ルディアスは、静かな怒りをもってその報告を聞いていた。

彼の機嫌が悪い時に現われる癖に気づき、担当者は震えながら報告を続ける。

 

「―――以上、アルタラス王国に進駐する皇国は、日本国による攻撃を受け全滅し、アルタラス王国統治機構は原住民に対し降伏しました。

そして、属領アルタラスは、王女ルミエスの宣言により、世界に向け、独立を宣言いたしました。これにより他の属領もざわつき始めています。」

 

 

属領・属国を恐怖で支配しているパーパルディア皇国にとって、今回の敗北は現在の体制を揺るがしかねない大事件だ。

 

 

「なんとしてでも、総力を挙げアルタラス王国を再制圧しろ!!独立を宣言した愚か者共がどうなるかを他の属領に見せ付ける必要がある!!アルタラスを取り戻さないと、他の属領も蜂起し始めるぞ!!絶対にアルタラスを再占領するのだ!!!」

 

 

「はっ、はいっ!!」

 

皇帝ルディアスの指示により、パーパルディア皇国はアルタラス王国に再侵攻する事を決定した。

 

 

 

 

佐世保鎮守府―――

 

 

ここでは現在、今後の作戦行動について会議が行われていた。三人の提督といくつかの艦娘が席に座り、ホワイトボードの前には赤松がいる。

 

 

「では、説明を開始する。」

 

プロジェクターに映像が写され、重要部はレーザーポインターを使用し、説明が進む。日本からはやや遠いが、アルタラス王国からは近いパーパルディア皇国、その皇都エストシラントとその周辺の地図が画面に表示される。

 

「アルタラス王国内の飛行場を改良し、我が国の基地が完成した後の話だが、陸上及び航空自衛隊も参戦できるようにはなるらしい。まああくまでも支援だし、主役はこちらだ。目一杯暴れてやろう。さて、本題に入るぞ。

この位置に極めて大きな基地がある。

パーパルディア皇国は幸いな事に、街から少し離れた場所に大規模な要塞や基地を作る性質があるらしい。

武力を集中させすぎるのは、皇国が近代戦を行った事が無いからだと思われる。

同じようなサイズの基地は、パーパルディア皇国に3つあり、これらの部隊は、首都防衛の要となっているようだな。」

 

赤松は続ける。

 

 

「この基地には多数の航空戦力、ワイバーンも確認されている。

また、エストシラントの南方の港には、数百隻の戦列艦が停泊しており、正に第三文明圏の覇者にふさわしく、凄まじい戦力が存在するようだ。

港の船団に対しては、戦艦をメインとした遊撃艦隊を編成し、陸軍基地に対しては連山とB-29を大量に投入、無誘導爆弾を使用した大規模爆撃を行い、これを殲滅する。

そして、皇国周辺の陸軍基地を排除した後、爆撃隊は速やかに基地に帰還させる。次に東の工業都市、デュロの北にある陸軍基地に艦爆隊による攻撃を行う。

基地を滅した後は、デュロに多数ある皇国の武力を支える工場に艦砲射撃を行い、これを使用不能にする。」

 

「.....一般市民に被害が出やしないか?」

 

森高が尋ねる。

 

「残念だが、出ないとは言えないな。だが向こうも日本の一般市民を虐殺しているし、それよりもマシだろう。」

 

「まあ、そうだな。ただ、最小減には留める必要がある。」

 

「ひとまず第一段階はこれで全てだ。皇都爆撃隊の指示は俺、デュロ攻撃艦隊は京介、留守番は千鶴に任せた。前回働いたばかりだしな。」

 

ここで吉川が立ち上がる。

「おい待て、俺は?」

 

これに高橋があきれた顔で言う。

 

「何言ってるんだ。お前は明後日ムーへ戦艦を送り届ける役目があるだろ」

 

 

これに吉川は顔を赤くした。

 

「あっ...いっけねえ、忘れてた。」

 

 

隣に座っていた艦娘「ミズーリ」が思わず笑い出す。

 

「しっかりしてくれよ、全く。ひとまず会議は終了だ。みんな準備しておいてくれよ。」

 

なんとも締まらない空気で解散となった。

 

 

二日後、吉川率いる艦隊は、今回ムーに供与する戦艦二隻を護衛し送り届ける為に第二文明圏へと出発した。

そしてその中には、日本の外交官も乗っていた。

これはなぜかというと、ついでに第二文明圏外の国の一つ、イルネティア王国と国交を結ぶためでもある。王国は、ムーに仲介してもらい接触を求めてきたのだ。文明圏外の国とはいえ国交を結ぶことは日本からしても嬉しいことだ。

二つの大仕事を背負った艦隊は無事出港した。だが、この艦隊は少し後に思いがけないトラブルに巻き込まれる事になる。しかしそれは今のところ誰も知らないのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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