日本国召喚 独立艦隊の奮闘 作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy
あと一人で、評価バーに色が付くので、もしよければ投票してくださるとうれしいです。
よろしくお願いします。
翌日昼頃 皇都エストシラント
パラディス城と陸軍基地の火はようやく消し止められた。
皇都に住まう誰もが眠ることも出来ず、やつれた顔をしている。無理もない、たった一晩で皇国の象徴たるパラディス城が跡形も無くなってしまったのだから。
彼らは口々に、こう呟くのみだ。
「いったい何だったんだ...」と。
一方、皇宮では帝前会議が行われていた。
陸軍兵が報告する。
「昨夜、皇都陸軍基地は日本の飛行機械による攻撃を受け、大きな被害を出しました。これにより皇都防衛戦力は壊滅しました。また、これも日本によるものだと思われますが、突如パラディス城が大爆発を起こし破壊されました。」
ルディアスは頬杖をつきながら問う。
「ご苦労、座って良いぞ。―――アルデよ、皇軍の戦力は今どれほど残っている?」
「はい。今回想定外の爆撃により基地とワイバーン等は大きな被害を被りましたが、夜だった事もあり、兵士の死傷者は少なくとどまっています。海軍については主力戦力が残っているので、戦闘に支障はありません。」
「そうか......。それで、これからの展開は?日本をどう迎え撃つのだ?」
「はい。昨夜日本が空からばらまいた紙切れによると、日本は艦隊でデュロを襲うと予告しています。そのため、現在偵察の飛竜を多く飛ばし、沖合の監視にあたらせています。連絡が入り次第、即座に主力艦隊が出撃できる状態になっています。日本の艦隊を迎撃し、デュロを守ります。」
「わかった。ご苦労。」
「他に何か報告のある方はいらっしゃいますか?」
進行係が問うと、カイオスが手を挙げた。
「第三外務局より連絡です。アルタラス王国元王女ルミエスが蜂起を呼びかけており、属国・属領がざわついています。これに対し引き続き警戒を強めてまいります。」
その時、ドアがノックされ、若い兵士が入ってきた。
「報告します!先ほどデュロ沖200km地点で偵察をしていた飛竜隊と艦隊の反応が突如消失しました!」
「!!!!!」
部屋に緊張が走り、ルディアスが指示を下す。
「アルデっ!!」
「はいっ!!分かっております!全艦隊出撃、今すぐだ!!」
「はいっ!!」
兵士は通信を入れるために走っていった。
エストシラント海軍基地―――
皇都防衛の要ともいえるエストシラント南方の海軍基地、同基地には戦列艦がひしめき、皇国海軍主力といっても差し支えない。
基地の中にはパーパルディア皇国の海軍本部も設置され、多数の戦列艦の並ぶその姿は圧倒的の一言である。
海将バルスは、海軍本部の自室から外を眺める。
偵察に出ていた艦隊の反応が消失し、基地の海軍に全力出撃を命じた。
有事即応体制にあった戦列艦たちは、迅速に準備をしている。
万全の態勢で敵を迎え撃つ。
個艦同士の展開範囲を広くとり、かつ莫大な量をもって戦うことにより、長射程砲対策を行う。
本作戦に、海将バルスと皇国の頭脳マータルは、自信を見せる。
続々と港を出港する戦列艦、その一隻一隻が、この世界の平均的な戦船に比べ、圧倒的に強く、大きく、そして速い。
第3文明圏最強の海軍、列強パーパルディア皇国主力艦隊は、間もなく来るであろう日本海軍の攻撃に備え、彼らを滅するために出港準備を行うのだった。
その少し前 佐世保―――
当初はデュロを攻撃する艦隊のみの予定だったが、エストシラントに駐留する皇国主力海軍が出てくる可能性が高いため、もう一つの艦隊を編成した。
デュロ攻撃艦隊は森高による指揮、そして対皇国遊撃艦隊は高橋によるものとなっている。
大まかな編成は以下の通りだ。
・デュロ攻撃艦隊
指揮 森高千鶴
旗艦 サラトガ
戦艦
ノースカロライナ級(ノースカロライナ、ワシントン)
フロリダ級(フロリダ)
サウスダコタ級(インディアナ、アラバマ)
ジョージア級(ジョージア)
リヨン級(リヨン、リール、デュケーヌ、トゥールヴィル)
計10隻
航空母艦
レキシントン級(レキシントン、サラトガ)
ヨークタウン級(ヨークタウン、ホーネット)
大鳳型(大鳳)
白龍型(白龍)
計6隻
巡洋艦
デモイン級(デモイン、セーラム)
ウースター級(ウースター、ロアノーク、ヴァレーオ、ゲイリー)
蔵王型(蔵王、剣、真砂、黒金)
計10隻
合計26隻
・対皇国遊撃艦隊
指揮 高橋京介
旗艦 大和
戦艦
大和型 (大和、武蔵、伊賀)
出雲型 (出雲、周防)
肥前型 (肥前、石見)
モンタナ級(モンタナ、オハイオ)
コンカラー級(コンカラー、サンダラー)
ポルタヴァ級 (ポルタヴァ)
フリードリヒ・デア・グローセ級 (グロース・ドイッチュラント、ポンメルン)
リシュリュー級(リシュリュー、ジャン・バール、クレマンソー)
ガスコーニュ級(ガスコーニュ、シャンパーニュ)
合計20隻
「準備はいいか、大和。」
艦橋内で高橋は隣に立つ「大和」に声をかける。
「はい、勿論です。京介さん。」
フェン王国の戦いの後、四人の提督達を名前で呼ぶ艦娘が多くなった。以前のように「提督」や「司令官」だと紛らわしい、というのもあるが、やはりこれまで以上に彼らへの信頼感を増していることを表しているのだろう。
「頼もしいな。やはりお前は世界一の戦艦だ。」
「いいえ...日本には紀伊がいますよ。それにこの鎮守府には私より大きい子達が何人もいます。」
「紀伊は先の戦争には間に合わなかった。他の奴らも前の世界では存在しない。実際に産まれて、あの戦争を戦ったことをお前は誇っていいんだ。」
「はい...ありがとうございます。」
「話がそれたな。そろそろ時間だ。」
そう言うと高橋は通信機を手に取った。
「よしお前ら、先ほども確認したがもう一度言うぞ。俺達の仕事はエストシラントの敵主力艦隊を迎撃し、千鶴の艦隊をデュロまで無事に行かせる事だ。今回の作戦で皇国の心を完全に折り、降伏へ向かわせる。以上だ。
―――行くぞ。全艦抜錨」
彼の通信により一斉に錨が上げられ、山のような巨大戦艦達は少しずつ動き出す。
高橋率いる遊撃艦隊は、一足先に出港し、皇国主力艦隊を叩き潰すため出撃した。
戦艦だけを20隻の稀に見る編成、いかに攻撃力に特化しているか分かる。
戦艦「ポルタヴァ」を先頭に、エストシラントへ艦隊は向かう。
そして――
「行こう。これで決着を付けるんだ。」
森高が通信を入れる。これを聞いた艦娘達は一時の沈黙の後、目を見開いた。これが最後の戦いだ。
「全艦抜錨」
もう一度通信を入れ、デュロ攻撃艦隊はゆっくりと出港した。
こちらは先に空母からの攻撃隊で陸軍基地を無力化し、反撃の芽を摘み取った上で、警告の後工場地帯に艦砲射撃を行う。
一応デュロにも戦列艦隊の姿は確認されていたため、迎撃のため戦艦や巡洋艦は多めに選ばれていた。
だがその中には今回が初陣となる艦も多く、慣熟訓練の意味も多少兼ねている。
つまりは彼らにとって皇国の軍など、その程度でしか無い脅威なのだ。
―――あまりにも、技術差がありすぎた。
旗艦「サラトガ」の艦橋内で、森高は明るいとは言えない表情で椅子に腰掛けていた。
彼は戦いの中で多少は感じる高揚感というものがいつの間にか失せていることに気づいていた。
これまでのあまりにも一方的な戦い、いや、戦いといっていいのかすら分からなくなるような結果ばかりだ。
そこにはかつての手に汗握るような激戦、命を張って指揮を執るような場面は皆無に等しい。こちらの見えないところで、皇国の兵士たちは確実にその命を散らしている。
そもそもここまでやられておいて、何故皇国は降伏しない?いい加減、実力差には気づいているだろう。
行き過ぎたプライドと慢心というものはここまで人を狂わせるのだろうか。
そんなことを考えていると、後ろから声をかけられた。
「千鶴さん。戦いの前にそんな表情をされていると戦意に悪影響ですよ。」
艦娘の「サラトガ」だ。外国艦娘の中では古株で、森高の信頼も厚い。
「いや、すまない。実は―――」
彼は今考えていた事を話した。サラトガは少し目を閉じると、彼にもう一度向き直る。
「確かにそう考えてしまうのは今までを振り返れば無理もないかもしれません。ですが、今回それを終わらせる為に私たちは戦うのですよ。気合いを入れてください」
その言葉に森高ははっとしたような顔になる。
「その通りだな、ありがとうサラ。おかげで吹っ切れたよ。」
「それは良かったです、千鶴さん。」
「ああ。今回も無事に勝って、帰ろう。」
「そうですね、みんなで佐世保に帰りましょう。」
―――帰ったら酒でも飲もう。
そう約束して、二人と艦隊は舵を切る。
後に第三文明圏、いやこの世界全体でも指折りの大決戦となるエストシラント沖大海戦はすぐそこまで近づいて来ていたのだった。
ありがとうございました。
感想、評価をお待ちしています。
見たい組み合わせは?
-
大和型vsGA級
-
紀伊vsGA級
-
長門型vsヘルクレス級
-
金剛型vsオリオン級