日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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今まで描いていませんでしたが、登場する航空機は全て国籍マークを日の丸に変更しています。

艦船については、その国の国旗と旭日旗を掲げています。現在ムーに貸し出されている戦艦達にはムー国旗も追加で掲げられています。


第28話 エストシラント沖大海戦 その2

4月6日―――

 

 

 

第三艦隊全滅の報せが入ってきた。

 

沈黙の後、意を決したようにマータルが発言を始める。

 

 

「バルス海将!第1及び第2艦隊は最密集隊形で、日本軍に突入させましょう!!これほど差があるとは思いませんでした。

幸い日本軍は数が少ないようです。奴らを倒すには、数で押しつぶすしかありません。」

 

「.....許可する。」

 

 

 

 海将バルスの命により、皇国主力第1艦隊と、第2艦隊は、密集隊形で日本軍に向かっていった。

 

 

対皇国遊撃艦隊 旗艦「大和」

 

 

 

戦場の刻一刻と変化する状況が、艦橋に伝えられる。

 

現在のところ、作戦は順調に推移しているようだ。しかし、敵国首都の港から続々と出てくる敵艦の量はまるで終わりのない様に感じさせる。

 

敵艦の隊列の報告があがる。

 

「密集隊形をとってきたか...それにしても、進路上に敵が多すぎる。ゴキブリみてえな奴らだな。倒したと思ったらまた湧いて出てきやがる。鬱陶しいことこの上ない。」

 

高橋は文句を垂れる。

 

艦隊はすでに薄い面のように広がった敵に食い込む棒のように突っ込んでおり、どの方向に向かっても敵がいる。

 

気を取り直し、通信機を手に取った。

 

「あー、全艦進路そのまま。先頭の『ポルタヴァ』『ジョージア』『伊賀』は前方の敵に主砲で攻撃、進路をこじ開けろ。他はそれぞれ近づいてくる船に副砲と機銃で攻撃しろ。それだけで十分沈められる」

 

『了解、攻撃開始』

 

それぞれの返事が戻ってくる。そして各艦攻撃を開始した。

 

 

 

―――パーパルディア皇国 海軍本部南方150km先海域

 

 

高橋率いる艦隊は、皇国の艦隊を沈め続けていた。

海上には絶えず発砲音が鳴り響き、着弾音と水柱の数以上に皇国艦は沈んでいく。

敵の射程圏外から攻撃を加え続ける。

 

戦列艦は、副砲弾や、機銃の連射で次々と燃え上がり、沈んでゆく。

 

しかし、彼らは勇敢だった。

 

 

1回の攻撃で数百人が死んでいくにもかかわらず、勇敢に立ち向かっていく。

彼らは正に、列強パーパルディア皇国の守護者にふさわしい、壮絶な最期を遂げる。

 

海上には皇国艦の残骸が多数浮遊し、血で赤く染まる。

 

 

轟音が響きわたる中、高橋は外を見て呟いた。

 

「どことなくこの光景、世界史で習ったアロー戦争を思い出させるな。あの時のイギリス人も、こんな景色を見ていたのか。尤も、今回一方的にやられているのが戦列艦なんだがな。」

 

 

およそ一時間の戦闘の後、健闘虚しく戦列艦は全滅した。

 

そのまま足を止めることなく、高橋達はエストシラントへ向かう。

 

 

 

同じ頃、デュロ沖―――

 

 

「第一次攻撃隊発進」

 

森高が通信を入れた。6隻の空母から次々と爆撃機が発艦する。今回は対地攻撃を目的としている為、雷撃機は載せていなかった。その代わり、見慣れないシルエットの航空機の姿がある。

 

それはソ連の襲撃機、いわゆる「シュトルモヴィーク」として名高いイリューシンIl-2とスホーイSu-2だ。

 

空母を持たなかったソ連の、それも陸軍の航空機である。本来ならば空母に搭載するものではない。

 

 

しかし、その高い対地攻撃能力を見込まれ、特別に改装、艦上でも運用できるようにされていた。

 

艦橋から、森高とサラトガは攻撃隊を見送る。

 

「さあ、敵さんはどうでるかな...」

 

 

 

 

 

エストシラント 海軍本部近くの港―――

 

臨時職員として雇われていたシルガイアは、港で掃除をしていた。

 

「おい貴様!!その地面にゴミが落ちてるじゃないか!!掃除という、簡単な作業が仕事なんだから、それくらいきちんとしろ!!」

 

 

「.......すいません。」

 

 

シルガイアは、海軍の下っ端兵から罵声を浴びながら掃除をする。

 

情けない。今の自分があまりにも情けない。

彼は、パーパルディア皇国海軍本部を見上げて寂しげに呟く。

 

「あいつは出世したな.......。」

 

彼は先日の同窓会を思い出す。

 

そこには、皇国海軍の将であるバルスが出席していた。

 

学生時代、彼とはライバルだった。

成績、運動能力、ほとんど変わらなかったが、少しだけ自分が劣っていた。学生時代のほんの僅かな差、この差の積み重ねが、今の圧倒的な差となって現われていた。

 

 

同窓会で戦死の話が出た時の海将バルスの言葉が思い出される。

 

 

『はっはっは!!前線に出る事の無い列強国の海将が戦死する事などありえぬよ。もしも、私が暗殺以外で死に、断末魔をあげるような事があれば、それは列強パーパルディア皇国の滅ぶ時だろう。』

 

 

(すべてを手に入れた者と、何も手に入れられなかった者か...。)

 

 

その時シルガイアはふと違和感に襲われ、海に視線を向ける。

 

水平線ギリギリの辺りに、何か影が見える。

 

よく目を凝らすと、どうやら船のようだ。それもべらぼうに大きい。

 

次の瞬間、その船が煙を吐くのが見えた。

 

シルガイアは本能的に、それが皇国へ向けられた攻撃であると理解する。

 

海将バルスは、シルガイアにとって、ライバルではあったが、良き友であり、誇りでもあった。

 

彼は、海軍本部へ向かうそれを見て、海将の身を案じ、本能的に叫んでいた。

 

 

「バルスうっ!!!!!」

 

 

次の瞬間、放たれた51cm砲弾が連続して海軍本部の至近距離に直撃し、大爆発を起こした。

 

 

装飾が施された海軍本部、威厳と威容を放っていた同建物よりも、遥かに大きな爆炎が吹き上がる。

 

猛烈な爆発に耐え切れず、建物は音を立て跡形も無く崩れ落ちる。

 

他国を恐怖で支配し続けてきた列強パーパルディア皇国、その恐怖、力の象徴であった海軍本部が崩れ落ち、爆発音は再び皇都エストシラントに響きわたる。

 

これによって、パーパルディア皇国は、海軍全体の指揮能力を失った。

 

 

魔導砲に似た爆音が皇都エストシラントを覆う。

 

先日の皇都爆撃の恐怖から、外にでて確認する住民はおらず、誰もが自宅に籠もり、窓と鍵を閉め、ただただ震える。

 

海軍本部のあった港では、崩れ落ちた本部建物を見て、皆唖然としている。

 

臨時職員のシルガイアは海を見る。

 

戦闘音は徐々に、そして確実に港に近づき、その音を出している船がはっきりと見えてくる。

 

灰色でとてつもなく大きく、そして速い。

 

 

「ばっ、化け物かっ!?」

 

 

シルガイアは呆然と立ち尽くす。

 

その傍ら、港の兵は慌しく動き回り、陸上に設置され、海へ向く砲を稼動させる。

彼は敵の脅威を正確に理解し、動かない足を手で叩き、必死に逃げ始める。

 

彼は兵舎、弾薬庫、そして陸上設置砲台等の重要施設から走って離れる。港から離れ、高台に上り、振り返る。

 

敵の攻撃が港の砲台に連続して命中し、噴煙に包まれる。

 

続いて弾薬庫にも命中し、港全体が猛烈な爆発と黒煙で埋め尽くされた。

 

 

「畜生っ!!これではなす術が無いではないか!!!」

 

 

対皇国遊撃艦隊による敵海軍本部のある港に対する砲撃により、港湾施設、武器弾薬貯蔵庫及び兵舎は完全に破壊、さらにパーパルディア皇国主力海軍を全て撃滅した。

 

 

 

―――「撃ち方やめ、撃ち方やめ」

 

高橋は命令し、港の様子を伺う。

 

大火災が発生しており、被害は甚大だろう。

 

もう一度通信機を手に取る。

 

「任務完了だ。俺たちの仕事は終わりだ、皆よくやってくれた。帰投するぞ」

 

通信機を置く。

 

「お疲れさまです、京介さん」

 

大和が声をかけてくれる。

 

「そっちこそお疲れさま、だな。俺はいつも通りふんぞり返って偉そうに指示してただけさ」

 

自嘲するように高橋は笑う。

 

その言葉に彼女は頬を膨らませ、不満げな様子だ。

 

「そんな事を言うのはやめてください!私達はあなたがいないと戦えないんですよ!」

 

「悪かったって。だが端から見ればそんな感じさ。しかしそれだけで人が死ぬ。不思議だよなあ。」

 

彼の表情から何を考えているか想像もつかない。

 

高橋は外に出て、しばらくやめていた煙草に火を付ける。煙を吐き、こう呟いた。

 

「本当は誰も、戦争なんかしたくない。だというのに戦わない俺達には何の価値も無い.....。」

 

 

(千鶴はうまくやってるかな……)

 

艦隊は全艦無傷で佐世保へと舵を切った。

 

 

 

―――同じ頃、デュロでも凄まじい煙が上がっていた。




次で海戦は終わらせるつもりです。

それが終わったら閑話に入るかもしれません。そういうのが書きたくなってきたので。

見たい組み合わせは?

  • 大和型vsGA級
  • 紀伊vsGA級
  • 長門型vsヘルクレス級
  • 金剛型vsオリオン級
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