日本国召喚 独立艦隊の奮闘 作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy
第31話 各国の動向
神聖ミリシアル帝国 帝都ルーンポリス
世界中の誰もが認める世界最強の国、神聖ミリシアル帝国、その他とは隔絶した栄え方、そのあまりにも高度な発展を前に人々は「世界の中心」という意味を込め、帝国の存在する大陸付近を中央世界と呼んでいた。
神聖ミリシアル帝国は、
・世界で最も高い魔法技術
・国の基礎を安定して支える高度な政治システム
・広大な国土と優秀な物資の量産化システム
・優秀な学問体系
が高度に入混じり、この世界の文明圏国家や、列強国と比べても国力の優位性を疑いようがないものとしていた。
帝国は、国土の所々に残る、古の魔法帝国の遺跡を解析し、高度な技術を支えてきたため、地球の歴史を基準にすると、軍事技術は歪な発展をしている。
帝都ルーンポリスに位置する外務省、その建物の1室で、2人の男が会談をしていた。
「しかしまさか、第3文明圏唯一の列強国、パーパルディア皇国が、実質的に負けるとはな。
しかも、国土の狭い文明圏外の国にとは。
......未だ信じられないよ。」
外務省統括官リアージュはつづける。
「我が国の魔導船団をもってすれば、パーパルディア皇国など、取るに足らぬ弱軍、とはいえ第3文明圏の技術水準から考えれば、皇国の軍事力は付近の国よりも隔絶していた。日本....興味の沸く国だな。」
机の上には今日発行された新聞が置かれていた。パーパルディア皇国の敗戦について大きく報じられている。見出しを飾るのは10隻の戦艦の写真だった。
「にしても、東方の文明圏外に位置する国が何故ここまでの戦艦を保有しているんだ?これはムーどころか、下手すれば我が国のミスリル級魔導戦艦より大きいかもしれない。」
もう一人の男、アルネウスも返す。
「ええ、全くの謎です。ただ噂によりますと、日本は転移国家を自称しているそうです。これが本当ならば、彼等の技術水準が高い理由になるかもしれません。」
「なるほど、信じられない話だが、確かにここまでの軍事力を持つ国が突然現れたのにも納得がいく。」
アルネウスはまた別の写真をリアージュに見せた。
「リアージュ様、これを見てください。これはエストシラント上空に現れた日本の戦闘機です。」
「これは...天の浮舟?なぜ日本が!?聞いた話だと、日本の飛行機械はムーの戦闘機を更に発展させたようなものだと聞いていたが?」
リアージュはF-2の写真を見て驚きを隠せない。
アルネウスは続ける。
「この写真を技術研究開発局に見てもらいました。資料がこれしかないので100%正しいとは言えませんが、この戦闘機は音速を超える可能性があります。」
「な...なにいっ!!?どういうことだ!!」
アルネウスは写真のある部分を指さす。
「この翼を見てください。これは後退翼と言って、超音速飛行を行う際に必要な設計です。古の魔法帝国の天の浮舟も、本来はこれに近い形の翼を持っています。しかし、我が国の技術では音速を超える飛行機を作ることは不可能であります。」
リアージュは飛び出さんばかりに目を見開いていた。
「そ...そんなバカな。我が国が文明圏外国に後れをとるなんて...」
「ですから是非使節団の早期派遣を......。」
「アルネウス君、情報局長である君が、日本国の情報を集めたいのは解るが、我が国は世界最強の国だよ?
ただ単に国交樹立を目的として、我が国側から打診し、使節団を派遣するなど.......しかも、列強国ですらない、文明圏外国に。」
「リアージュ様、日本国は今後、第3文明圏の列強に代わって、東方大陸国家群の代表的存在であり、列強の1つになると思われます。
我が国の開く先進11ヶ国会議にパーパルディア皇国の代わりに日本を呼び、それらの準備すべき事柄の指導という形で、国交樹立の準備も含め、使節団を派遣するといった形ではいかがですか?」
「うーん、それならば、議員の方々も納得するかもしれないな。検討と根回しをしてみよう。」
後日、神聖ミリシアル帝国は、日本国に使節団の派遣を決定した。
グラ・バルカス帝国 帝都ラグナ―――
戦艦「グレードアトラスター」艦長ラクスタルは、大将カイザルに呼び出されていた。
「失礼します。」
ノックをして、執務室に入る。
そこには、カイザルが応接用のソファに座って待っていた。
ラクスタルは敬礼する。
「ただ今参りました、カイザル大将。」
「やあ、ラクスタル君。まあ座ってくれ。堅苦しい挨拶はいいから。」
「はい、失礼します。」
ラクスタルが向かい側のソファに座り、話が始まった。
「さて、ラクスタル君、今日の議題は何だと思う?」
これにラクスタルは少し黙り、答えた。
「日本...についてでしょうか。」
「正解だ。これを見てほしい。」
カイザルは机の上に2部の新聞と、数枚の写真を並べた。
ラクスタルは少し身を乗り出して、新聞を手に取る。
どうやらムー国と神聖ミリシアル帝国の新聞のようだ。
どちらも、パーパルディア皇国の降伏について大きく報道されていた。
「やはり、パーパルディア皇国とやらは敗北しましたか...まあ当然でしょうね。戦列艦と戦艦では勝負になるはずもありません。」
ラクスタルは一端言葉を切る。
「....それにしても、この10隻の戦艦...この間私がイルネティアで遭遇したものとはどれも違いますね。いったい彼らはどれだけの軍艦を保有しているのでしょうか」
カイザルも写真を指さしながら話し出す。
「うむ。確かに君の言うとおり、どれも前見たものとは違う。この中には比較的旧式の戦艦が多そうだが、それでも脅威には違いない。にしても戦艦の上で調印式とは、小洒落た事をするな...皇国の代表はさぞや恐怖に震えたのだろう。それにしてもこの『ミズーリ』という戦艦もかなり大きそうだな。全長はグレードアトラスターに匹敵するかもしれん。」
「やはり....現時点で最も警戒すべき国家は日本ですね。」
カイザルはふっと息を吐き、新たな写真を取り出した。
何か空を飛ぶ物を写しているが、ピントが合っていないらしくぼやけてしまっている。
「...?これは?」
彼の疑問に、カイザルはゆっくりと答えた。
「これは、降伏調印式が行われたパーパルディア皇国の首都エストシラントで我が国の諜報員が撮影した写真だ。日本の戦闘機を写した...のだが、あまりにも速くうまくフレームに収めることすらできなかったらしい。」
「....!?」
ラクスタルの顔に驚愕の表情が浮かぶ。
カイザルは更に続ける。
「その諜報員によると、その戦闘機は、かなり大きく、そして変わった形の翼を持ち、プロペラは無い。そして、レシプロエンジンとは全く違う爆音を放っていたらしい。
―――恐らくこれは、ジェットエンジンを積んだ戦闘機だ。」
「!!!」
普段はあまり感情を出さないラクスタルもこれには度肝を抜かれた。ジェットエンジン、それはレシプロエンジンに代わる次世代の技術とされているが、グラ・バルカス帝国ではあくまで構想の段階であり、実用化にこぎつけるにはいったいあと何年かかるのかすら分からない。
これが本当なら、日本の技術が帝国を上回ることはもはや疑うべくもない。神聖ミリシアル帝国の戦闘機もどうやらジェットエンジンの様な機構を採用しているらしいが、それにしては遅く、運動性も良くないとの情報があった。
「これは...驚きましたな....」
ラクスタルは気を落ち着かせるために、テーブルに置かれたお茶を一口飲んだ。
一服したところで、カイザルがまた話し始める。
「もはや日本とぶつかってはいけないことは明白だ。しかし、最近帝国の力を盲信し、この世界の全てを支配しろと騒ぐ連中が出てきている。私たちは一度頭を冷やさなければいけないようだ。
世界を力で支配することは難しく、いずれは崩れる。パーパルディア皇国が正に良い例だ。むしろ私としてはここらで暴走を止め、この世界に調和することの方が合理的だと感じている。」
「私もそう考えます。恐怖政治は隙があります。」
カイザルは大きく頷いた。
「君がそう考えていてくれて良かった。実は今度陛下にも相談して、秘密裏に日本に一度使節を派遣しようと考えている。その時はよろしく頼むよ、ラクスタル君。」
「了解しました。」
これにて談話は終了した。およそ一ヶ月後カイザルは皇帝グラルークスにその旨を相談し、皇帝はこれを認めた。
そして帝国はまずムー国に外交官を派遣し、日本への使節派遣を仲介してもらうことになった。
これには日本とムーは勿論驚いた。だが無碍にするわけにもいかないため、おっかなびっくり両国は近づくことになる。
第3文明圏内国家 パンドーラ大魔法公国 首都ファンドルフ
「そうか。やはり噂は本当だったのか」
「はい、列強パーパルディア皇国は、日本国との戦闘で大きくダメージを受け、74ヵ国に分裂し、降伏しています。これにより、我が国への圧力は無くなり、我が国は救われました。」
「本当に良かった。もし我が国が列強の侵略を受けたら、おそらく勝てないだろう。
日本は最近何かと話題になるが、本当に転移国家なのか?」
「はい、少なくとも本人たちはそのように述べていますし、そうでなければ新しく出来た新興国に列強が負けるはずがありません。」
「うーむ...日本の国旗はたしか太陽を現していたな?」
「はい。」
「異界の太陽も東から昇る...か。この太陽は、我々の未来を照らす太陽となるのか...それとも、我々を焼く業火となるのか....。」
「いずれにせよ、日本国との国交開設は急務ですね。」
「そうだな。どうやら日本は平和な国家らしいし、応じてくれるだろう。すぐに準備をしよう。」
パンドーラ大魔法公国は、高い魔導技術を持つ国でありながらパーパルディア皇国の属国とされていた。これに国民の不満は多く、日本が皇国を破った事に喜びの声があがった。皇国の傀儡であった学連長はその地位を追われ、その行方は誰も知らない。
列強パーパルディア皇国に勝ったというニュースはあまりにも衝撃が大きく、世界を駆け巡る。
日本国外務省は、皇国戦の後、新規国交開設のため様々な使者が日本を訪れる事となり、地獄のような忙しさになる。
それとは別の日、フェン王国近海―――
パーパルディア皇国の脅威が無くなったフェン王国には平和が戻っていた。日本の協力により街は復興し、その活気を取り戻していた。
王国のある漁師が、小さな船を漕いでいた。今日はいつもの漁場ではいまいちあたりが無く、場所を動こうとしていた。
いつもは寄らない、とある小さな無人島の裏側に回った。だが、今一つ釣れない。
「うーん...今日はダメか。...ん?」あきらめて引き返そうとしたとき、彼は島に違和感を覚えた。島の裏手の切り立った崖に、なんだか不自然にみっしりと蔦で覆われた場所がある。
彼は好奇心に負け、そこに近づいた。やはりその一部分だけなんとも不自然だ。まるで誰かが何かを隠しているような―――
崖に近寄り、蔦を少し剥がした。中を覗くと、かなり暗いが何か人工物のようなものが見える。まるで秘密基地のような光景だ。どうやら金属でできた扉のような物も見える。
「なんじゃあ、こりゃあ?」
ひとまず彼は引き返し、役人にこれを相談した。困った役人は更に上に相談し、巡り巡って日本に調査を依頼した。これをフェン王国に駐留していた艦娘達が請け負う事となり、その島へ向けて出港したのだった。
原作そのままだと面白味に欠けるので展開を異なる物にしています。後々詰まらなければいいのですが....
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