日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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シエリアら外交官は一応共通語も読めると思っていてください。


第42話 交流 その2

 

その日の夜、福岡市―――

 

 

 

使節団はホテルにてそれぞれ休息をとっていた。そしてシエリアは部屋にある風呂に入っていた。ゆったりと湯船に体を沈めつつ、今日の出来事を振り返る。

 

有意義な会議ができたと思う。少なくとも、自分たちの伝えたいことは全て伝えた。日本の外交官は全員が真摯にこちらの話を聞いてくれた上、対応も非常に丁寧な物だった。

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

浴槽に頭を沈め、少しして上げる。目に付いた水気を払い、彼女は一人考える。

 

(やはり日本の技術はおそらくほとんど全ての面で、帝国を上回っている....。というより、帝国が勝っている面が見つからない、と言った方が正しいか。)

 

彼女が今滞在しているこの部屋だけでも、見たこともない物がいくらでもある。テレビがなぜこれほど薄いのに動くのかも分からないというのに、そのテレビはカラーで画質もきれいだ。リモコンというのはどういう原理なんだろう?実は理系の彼女にとってこういった初めてみる物は非常に興味深いのだ。

 

風呂から上がり、肌触りのよいタオルで体を拭き、「ユカタ」という日本の服に着替える。着方は先ほど教えてもらった。

 

この部屋は地上25階に位置し、窓から繁華街を見下ろすとたくさんの人が行き交うのが見える。

 

「はあ....」

 

ベッドに腰掛け、慣れない手つきでテレビを付けてみる。やはり画質も音質も帝国の物とは段違いだ。現在の時刻は午後8時51分だ。彼女は大陸共通語版の新聞に目を通し、番組表をチェックする。

 

(おっ..『金曜ロードショー』?ということは映画か!)

 

番組表の中に映画があるのを見て、シエリアは一人綻んだ表情になる。それもそのはず、彼女の趣味は映画鑑賞なのだった。

 

(タイトルは...『火垂るの墓』..?ホタルとは何のことだろう。だが、あまり明るいものではなさそうだな。)

 

時計を見ると始まるまで残り5分を切ったところだった。

 

(...そうだ。せっかくだし飲み物をいただこう)

 

部屋の冷蔵庫にストックしてある飲み物は自由に飲んで良いと説明されていた事を思いだし、シエリアは冷蔵庫に手を伸ばす。

 

このコンパクトな冷蔵庫も、帝国では再現できないのだろうか。そんな事を考えながら取っ手を引き、中身を取り出す。

 

「あれ?」

 

てっきり瓶だと思い込んでいたが、出てきたのは缶だった。開け方を説明した紙もある。中にはビールと、カクテルの缶、そしてミネラルウォーターのボトルが2本ずつ収められていた。

 

(缶切りがいらないのか...これくらいなら真似できるかな?)

 

そんなことを考えながらプルタブを引くと、プシュッ、という小気味の良い音がして開いた。

 

グラスによく冷えたビールを注ぎ、ゆっくりと口を付ける。

 

「美味しいな...苦みが心地よい。」

 

ふとテレビに目をやると、どうやら丁度始まるようだった。彼女は姿勢を正し、テレビに見入る。

 

翌朝、なぜか目を赤く腫らして登場したシエリアに部下達はひどく驚いたのだった。

 

 

同じく翌日、佐世保―――

 

 

朝食前に吉川が放送を入れている。

 

『よーし、みんなおはよう。俺と一誠は朝飯食ったら自衛隊の基地に行くから留守番頼む。あー、あと皆ベランダに洗濯物干すのしばらく遠慮しといてくれ。お客さんがいる間は室内干ししといてな。』

 

数十分後、食堂で全員が朝食をとっていた。

 

いち早く食事を終えた赤松と吉川は部屋を出ていこうとする。ところが吉川はあることを思い出し、食堂に一度戻ってきた。

 

「なあ明石。」

 

吉川はピンク色の髪をした艦娘「明石」に声をかける。

 

「はい?なんでしょう?」

 

「今日の午後3時くらいまでに複座のミグ出しといてくれないか?」

 

「乗るんですか?」

 

「ああ、ジェット機に乗せてほしいって言われてな。まあ問題ないしいいかって。昼前には帰ってくるつもりだけど、飯食ってから少し休むから出来ればそのくらいまでに準備しといてくれるとありがたいな。もちろん今日じゃなくても大丈夫だ。」

 

彼女は少し考える様子を見せて、吉川に振り返る。

 

「了解しました。2時で大丈夫です。」

 

「おう、ありがとう。よろしく頼むよ。」

 

吉川は明石の肩をポン、と叩くと去っていった。

 

 

彼が駐車場に向かうと、赤松とカイザル、ラクスタルが既に愛車の前で待っていた。

 

「お待たせしました。乗ってください。」

 

鍵を開け、愛車のマスタングに乗り込む。

 

「では、行きましょう。自衛隊の佐世保基地まですぐです。」

 

アクセルを踏み込み、4人は鎮守府を出発した。そしておよそ15分後、彼らは自衛隊佐世保基地に到着していた。

 

「お邪魔します、藤島一等海佐。」

 

「ようこそ、吉川提督、赤松提督。それに、グラ・バルカス帝国の方々。私は藤島譲治と申します。階級は一等海佐...つまり、大佐相当ですね。」

 

グラ・バルカス帝国の2人も自己紹介する。

 

「初めまして、藤島大佐。私はラクスタル・マクヘンリーと申します。階級は大佐、戦艦『グレードアトラスター』艦長をしています。」

 

「私はカイザル・ローランドと申します。今回自衛隊の基地を見学させていただけるとのこと、誠にありがとうございます。」

 

カイザルはわざと階級を告げない。何となく意味を察した藤島も聞こうとはしなかった。

 

「ラクスタルさん、カイザルさん、改めて今日は短い時間ですがよろしくお願いします。ではこちらへ....」

 

藤島は彼らを引き連れて中へと向かっていった。

 

そしておよそ一時間後、最後に彼らは護衛艦を見学していた。

 

カイザルらは現在、「いせ」を見学している。全長197mの体躯に全通甲板を備えた姿は軽空母のように見える。

 

「この船は空母ではないのですか?」

 

「はい、この『いせ』はヘリコプター護衛艦です。」

 

「ヘリコプター....。あの回転翼機ですか。帝国では開発中のものです....かなり難航しているとか。自衛隊は空母は持っていないのですか?」

 

「いいえ、一隻のみ所有しています。『おわり』といい、かなりの大型空母です。神奈川県の横須賀にいますね。」

 

「大型とは...どのくらいの大きさなのですか?」

 

「ええと...全長328mですね。排水量は覚えていませんが。」

 

「!!!!!」

 

この情報はカイザルとラクスタルを驚かせた。つまり帝国の主力空母「ペガスス級」よりも80m近く大きいのか、と。

 

「ほう、それは...さぞ搭載量も凄いのでしょうね。」

 

「ええ、およそ70機ほどですね。」

 

「...?思ったより少ないのですね。我々の主力空母よりも少ない...?」

 

「ああ、なぜなら戦闘機がとても大きいからですよ。」

 

「なるほど...」

 

彼らは写真で見たジェット戦闘機を思い出す。機体が大きいのなら搭載数が少なくなるのは当たり前のことだろう。

 

「しかし、あの小さな軍艦...イージス艦?でしたか?が戦艦よりも強い、というのは信じられませんね。現物を見てますます分からなくなりましたよ。」

 

カイザルはいせの甲板から隣に停泊している「あしがら」を見て不思議そうな表情を浮かべている。

 

とても小さい上に、砲が一門しかない。これが強いようにはどうしても見えないのだ。少なくとも見てくれだけなら、グレードアトラスターや日本の戦艦の方がずっと強そうに感じられる。

 

赤松は首をかしげるカイザルに話す。

 

「確かに見た目は貧弱です。ですがあの艦は間違いなく戦艦よりも強い。イージス艦はまさに日本を守る、いわば『神の盾』なのです。機密も多いので詳しくは教えられませんが、少なくともあれがいれば戦艦は正直不必要な代物ともいえるでしょう。」

 

「ほう...私のような頭の固い人間には難しいが、あれが未来の軍艦の姿なのですね。帝国の軍艦もいずれあのようになるのでしょうか....」

 

感慨深げに呟く彼を赤松は黙って見ていた。

 

そして少しして、彼らは佐世保鎮守府に戻っていった。

 

同じ頃、シエリアら使節団は飛行機に乗って首都、東京に向かっていた。

 

 

 




グラ・バルカス帝国との交流は結構長くなるかもしれません。いろいろ詰め込むことがあるので....

見たい組み合わせは?

  • 大和型vsGA級
  • 紀伊vsGA級
  • 長門型vsヘルクレス級
  • 金剛型vsオリオン級
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