日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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結局11ヶ国会議の時期は原作と同じになりかもです...




第45話 交流 その5

中央暦1940年 11月13日

 

神聖ミリシアル帝国 帝都ルーンポリス 日本国大使館

 

外務省統括官アルネウスと技官ベルーノはルーンポリスにある日本国大使館を訪問していた。彼らは少し前から日本が所有している「アダマン級戦艦」の買い付けの交渉を行っていた。そしてそれは既に終盤に差し掛かっており、あとはどのように運ぶかなどを決めるだけだ。

 

日本国大使の木下とミリシアルの二人は熱心に談義をしている。

 

 

「我が国としましては、できれば来年のうちに引き渡しをお願いしたいです。」

 

 

 

アルネウスがそう告げる。神聖ミリシアル帝国の誇る世界最強の艦隊「第零式魔導艦隊」は、1642年の4月に行われる先進11ヶ国会議には本拠地の港湾都市カルトアルパスを離れ、南西海域に位置するマグドラ群島沖にて大規模な演習を行うことになっている。帝国としてはそれまでにアダマン級を戦力に加えておきたいのだ。

 

 

木下も返す。

 

「移動に関しては問題ないと思われます。おそらく年明けすぐにでも可能です。ただし、こちらへの支払いが円滑に行われれば、の話ですが。」

 

これに帝国の二人は思わず姿勢を正した。世界最強の国家たる神聖ミリシアル帝国の外交官に対し、他の国の大使はいつも一歩引いた姿勢をとることがほとんどだ。例外はエモール王国とムー国くらいのものだったが、日本もそうだった。とはいっても、いちいち怯えた様子で接されてもあまり気分の良いものではない。それに、物怖じしない彼らは帝国の対等な取引相手として見合うだけの国力を持っているのだ。そういうわけで、アルネウスもベルーノも気合いを入れて交渉に務めている。

 

「それにつきましてはおそらく一ヶ月以内に決まると思います。ですので、問題はないかと。」

 

「それは良かったです。なにぶん、金額が膨大ですからね。」

 

「ええ、その通りですね....」

 

実際、戦艦1隻ともなるとその金額はとんでもないものだ。それは、日本円にして脅威のおよそ1兆円。それに輸送費など諸費を追加して合計は1兆7000万円だ。当然、国力の豊かな神聖ミリシアル帝国にとっても安い出費では無い。しかし、これによって手に入る技術等を考慮すれば決して無駄な支払いでは無いだろう。

 

結果的に日本からの引き渡しは4月に決まったのだった。

 

 

同日 午前7時半 福岡空港

 

一機のボーイング777が飛び立ってゆく。そしてそこには4人の提督とグラ・バルカス帝国の2人の軍人が乗り込んでいた。転移後は海外旅行客が増えたこともあってか、国内線はあまり混んでいなかった。

 

 

「なんだ、私たちでも乗れるジェット機があったんだなあ。」

 

「そうですね。とても快適です。」

 

機内ではカイザルがご機嫌な様子でそう呟く。そしてその隣の座席に深く座るラクスタルも答えた。

 

「日本の首都....東京までおよそ一時間半か。速いな。」

 

カイザルは胸から懐中時計を取り出し、時間を確認する。90分後.....つまり午前九時ごろには到着するのだろう。

 

「お飲み物はいかがですか?」

 

飲み物の入ったカートを押してきたキャビンアテンダントの女性が二人に声をかけ、メニューを渡す。

 

「ホットのコーヒーをお願いします。」

 

ラクスタルは迷わずにそう決めたが、カイザルはメニューをなにやら真剣な顔で見つめている。数秒後、彼はこう呟いた。

 

「私はこのオニオンコンソメスープを...」

 

およそ一分後、二人の前には湯気をたてる紙コップがそれぞれ置かれていた。

 

「ふふふ....」

 

それを一口飲むと、カイザルはこう笑った。

 

「カイザル閣下、どうされたのですか?」

 

「私の勘は正しかったようだ...こいつはうまいな。」

 

コップを持ち上げ、彼はにやりと笑う。その通り、このスープは今乗っている航空会社の名物だったのだ。

 

「良かったですね...」  

 

ラクスタルは苦笑いだ。仕事をしているときの上司と今目の前にいる男は別人なのではないか、そう思ってしまうほどにカイザルはリラックスしていた。

 

飛行機は東京へと向かっていく。

 

 

同日昼頃 ムー国領海 マイカル沖20km地点―――

 

「どうだ?」

 

『2発の弾着を確認しました!!』

 

「ほう....!!素晴らしい。」

 

観測機からの報告を受け、艦長のミニラル・オーウェンスは笑みを浮かべる。彼は少し前まで戦艦「ラ・カサミ」の艦長をしていたが、この新鋭艦「ラ・タウンゼント」へと栄転となっていた。そして現在はそのテスト航行―――もとい公試中であった。

 

「その通り。素晴らしい性能だな、ミニラル大佐。」

 

彼の隣に立つ男もうれしそうにそう呟いた。ミニラルはその男、ムー統括海軍機動部隊司令であるアルバート・レイダー少将に振り返る。

 

「レイダー少将はこの日を心待ちになされていたとお聞きしていますが、今日の感想をお聞きしても?」

 

「私は心底感動しているよ...。まさかこんなにも美しい艦に乗れるとは。正直、生きている内に神聖ミリシアル帝国に追いつけるとは思ってもいなかった。」

 

感慨深げにレイダーは言葉を紡ぐ。彼の言うとおり、前までは神聖ミリシアル帝国とムー国では、船の技術においておよそ3~40年ほどの開きがあると見積もられていた。それが日本からの技術支援により一気に近づいた。列強同士、表面上の諍いは無くとも裏では常に技術を争っているものだ。こういったわけで、彼らはいつになく興奮している。

 

「仰るとおりです。....おっと、時間です。次は日本が()()を見せてくれるようですね。」

 

ミニラルが腕時計を見てレイダーに告げる。

 

「おお、そうか....。例の『魚雷』というものか。」

 

二人は艦橋から出て、標的艦の方へと視線を向ける。

 

その時、爆音を響かせ、「ラ・タウンゼント」の上を4機の単葉機が通り過ぎていった。そしてそれは低空で一直線に標的艦を目指す。

 

「あれが....日本の雷撃機か。やはり単葉機...それに、とても洗練されているな....。美しい。」

 

その雷撃機は、少し前にムーへやってきていた空母「アーク・ロイヤル」に載せられていた「ブラックバーン・ファイアブランド」だ。"艦上戦闘雷撃機"という非常に珍しい仕様を持つ飛行機である。名前の通り魚雷を積む事が可能で、単座であり戦闘機としても使用できる。ちなみに、かつての戦争には間に合わなかった悲劇の機でもあった。

 

『投下!』

 

4機のファイアブランドは標的艦に向かうと、それぞれの魚雷を投下した。4本の魚雷は航跡を引きながら標的艦に全て命中、巨大な水柱があがる。数分後、大量の浸水が発生していた標的艦は、いともあっさりと海にその姿を消した。

 

「.....!!!なんと!!旧式艦とはいえ、戦艦がこうも簡単に沈むとは.....!!!」

 

「ううむ....!!!これは..!!!」

 

 

その様子を双眼鏡で伺っていた二人には驚愕と感嘆の表情が浮かんでいた。彼らに、いやムーの軍人にとって、"航空機では軍艦は沈められない"というのが常識だった。日本から事前に話を聞いていたとはいえ、いざ目にしてみれば彼らの常識は音を立てて崩れ落ちていった。航空機が軍艦の脅威になるのはもはや間違いないのだろう。

 

レイダーは一呼吸整え、こう呟いた。

 

「恐ろしいものだが、味方であれば心強いことこの上ないな。なるべく速く実用化できるように、開発資金を増やすよう上にかけあってみよう。」

 

ミニラルも返す。

 

「ええ、間違いありません。それに我らは魚雷に対する回避訓練やもし被雷したときの対策を考えねば。」

 

 

後日、ムーでは一刻も早く魚雷を開発、実用化できるように研究者たちが精を出すのだった。

 

 

そして同日、トーパ王国 王都ベルンゲン―――

 

「うむむ...困ったものだ。」

 

国王ラドス16世は頭を悩ませる。以前に日本国陸上自衛隊の活躍によって危機から救われていたこの国だが、最近再び魔物の活動が活発になっているとの報告があった。魔物が少なくなったため、比較的安全だと思われていたグラメウス大陸の鉱山資源等の調査に向かった人間が大型の魔物に襲われかけるという事件も勃発していた。

 

「残念だが、我々に出来ることは少ない...情けない話だが、もう一度日本に助けを求めるべきか.......。」

 

国王の言葉に部下達も同意する。

 

「よろしいかと思われます。日本にとってもグラメウス大陸の資源は気になっているはずです。それに、海魔も出現しており、漁に影響が出ています。こうなると日本への海産物の輸出量が少なくなってしまうと思われます。」

 

「うむ、その通りだな。援助を要請することにしよう......。」

 

後日、年明け頃にトーパ王国は再び日本へ救いを求めることになるのだった。




せっかくなので、本作に登場するグラ・バルカス帝国のオリジナル軍艦の情報を軽くメモしておきます。艦級及び艦名は天体をモチーフにしています。本編に名前が登場したもののみ載せておきます。後々この他にも色々登場させる予定です。

原作にはまだ描写がありませんが、アメリカなみの国力らしい帝国がヘルクレス級とグレードアトラスター級の間に何も作ってない、というのは少し違和感がありまして...仮に軍縮条約とかがあったとしても、アメリカレベルだったならあんまり影響を受けてないんじゃ、とも思いました。

戦艦

・オリオン級戦艦 
 5番艦アル・マーズ

・ヘルクレス級戦艦 
 4番艦デュトワ・デルポルト

・エル・ドラード級戦艦 
 2番艦エル・ヴァーゴ

備考:ヘルクレス級より大きく、砲塔も一つ多いことから、おそらく天城型や加賀型に相当する戦艦だと日本は推測している。同型艦と思われるものは衛星写真によって確認されている限りでは18隻が存在。帝国本土の他に、レイフォルやパガンダにも姿が見られる。

・シグナス級戦艦 
 3番艦ジャコビニ・クレサーク

備考:もともとはグレードアトラスター級の案の一つで、46cm砲の開発に失敗したときのことを考えた物だったが、結局グレードアトラスター級と並行して建造された。41cm三連装砲を4基装備しており、グレードアトラスターと並ぶ優秀な性能を誇る。日本における肥前型戦艦とよく似ている。確認されている限りでは4隻。

・グレードアトラスター級戦艦 
 2番艦ヴォルフ・ハリントン

備考:ご存じ、グラ・バルカス帝国の誇る巨大戦艦。少なくとも5隻の存在を確認。そのうち1隻は連装砲を搭載しており、51cm砲の存在を疑われている。

巡洋艦

・モノセロス級重巡洋艦

備考:グラ・バルカス帝国の最新鋭重巡洋艦。203mm三連装砲を4基装備し、対空戦闘・速度・火力に重きを置く。日本における蔵王型重巡洋艦に類似している。同型艦と思われるものは現時点で3隻。

見たい組み合わせは?

  • 大和型vsGA級
  • 紀伊vsGA級
  • 長門型vsヘルクレス級
  • 金剛型vsオリオン級
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