日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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第5話です。
次回が初めての戦争描写になります。
会談の会話などは省略しています。


第5話 会談と近づく戦争

翌日、 首相官邸―――

 

日本の現在の首相である増岡清司郎と各大臣が閣議を行っていた。議題は、クワ・トイネ公国との会談についてだ。政府は、日本の転移について今日、正式に発表することとしていた。それに加えて公国との会談についても述べるつもりだ。閣議は既に締めに入っていた。

 

「さて・・・と」増岡が話し始める。

 

「では、公国との会談で求めるのは、国交締結、食料・天然資源の輸入、通商条約の締結といったところか。こちらの見返りとしては技術の提供と行きたいが、どうやら公国の技術レベルは中世レベルのようだから、あまりにもホイホイ技術を売り渡すわけにもいかん。まあそれについては向こう側の要請を聞く形にしよう。派遣する船については、巡視船しきしまを、護衛にすずつきをつけよう。では、これで決定とする。」

 

解散となり、出席者たちが次々と部屋を出ていく。防衛大臣、川島雄一も退室しようとしたところ、総理に呼び止められた。ここ数日以内で空いている時はあるか?話がある、と。予定を伝えると、総理は頷き、川島は部屋を後にした。

 

 

同じ頃、クワ・トイネ公国 蓮の庭園―――

 

 

「日本国との会談には私も出席する」

 

首相カナタの言葉に全員が驚いていた。外務卿が声を荒らげる。

「お待ちください!我が国の領空を侵した国の使者などに、わざわざ首相が会われる必要はありません!!」

 

「落ち着かれよ。外務卿、貴方はこの会談の重要さが分かっていないようだ。私はこの会談にこそ我が国の存亡がかかっていると見ている。」

 

「どういうことですかな?首相。」

 

「結論から言おう。日本と国交を結び、軍事支援の協定を結びたいと考えている。現在我が国とロウリア王国は緊張状態にある。ロウリア王国の思想からして戦争は避けられないのは明白だ。だが、我が国の軍事力はあまりにも貧弱であり、同盟国クイラ王国と合わせてもロウリアの足元にも及ばない。このまま何もしなければ我が国はさしたる抵抗もできず滅ぼされるだろう。」

 

「ふむ・・・なるほど、軍事支援ですか。確かに我が国ではロウリアに勝てないでしょう。しかし日本はそんなに強いのですかね?私はあの国について知らないことが多すぎます。」と軍務大臣が返す。

 

カナタは再び話し出す。

「確かに我々はまだ日本のことをほとんど知らない。だが、皆もあの竜を見ただろう?あれは我々の理解の及ばない、おそらく列強レベルの技術の産物だ。それに、彼らの特使を乗せた巨大な鉄船も、我らはもちろん、ロウリアにも作れないだろう。臨検隊は、見ただけで格の違いを感じたらしい。こんな物をどうやって沈めるのだ、と。にもかかわらず、彼らは他の文明国のように横柄な態度をとらなかったらしい。我が国が差し出せるのは食料くらいのものだが、我らと国民の命がかかっている。なんとしても日本からの支援を受けられるようにしなければならないのだ。」

 

「わかりました。今回の会談には首相も参加していただくことにします。」外務卿が納得したように言った。

 

「では、これで会議は終了だ。皆、明後日に向けて万全の状態に準備しておいてくれ。」カナタの鶴の一声で、公国も会談に向けて動き出すのであった。

 

 

 

そして二日後、迎えた会談の日―――

 

マイハークに来航したしきしまとすずつきを見て、カナタは思わず笑みを浮かべていた。見たこともない大きな船だ。しかも、鉄で出来ているようだ。彼にはどうやって浮かんでいるのかも分からないが、とても強そうに見えた。我が国の船ではおそらく手も足も出ないだろう。そんなことを考えていると、ノックが聞こえ、秘書が入ってくる。

 

「首相、まもなくお時間です。移動をお願いします。」

 

「わかった。」カナタは今までにない緊張と胸の高鳴りを抑えつつ、会議場に向かっていった。

 

 

 

―――結果としては、100%満足とはいかないまでも、おおよそカナタの望んだとおりに事は進んだ。国交の締結に始まり、日本への食料の輸出も決まった。その規模はカナタの予想を大きく上回るものであったが、元々家畜にも美味い食事を与えられるほどに余裕があったので、十分に許容範囲内であった。日本からは見返りとしてインフラの整備を申し出てきた。その内容はとても素晴らしく、最終的には公国の生活水準が第三文明圏を大きく上回ると予想されるほどだった。また、隣国であるクイラ王国とも公国の仲介により国交を締結した。当初クイラ王国は日本への見返りが何も無いと困っていたが、外交官がこぼした「燃える水」という言葉に日本の使者が食いつき調査を行ったところ、莫大な天然資源が存在していることが分かった。これには日本もクイラも大喜びで、双方に利のある会談となった。

 

だが、肝心の軍事支援について切り出したところ、日本の使者はあまり乗り気でないようだった。聞けば彼らは法により最低限の戦力しか持っていないらしい。だが、ここで諦めるわけにはいかない。なにしろこちらは国の存亡がかかっているのだ。ロウリア王国のことについて話すと、日本は本国で一度検討すると伝えてきた。公国の食料輸出が途絶えれば日本も仲良く共倒れになってしまうので、日本としても何もしないわけにはいかなかった。だが軽はずみに自衛隊を動かすと野党やら何やらが大騒ぎする。だが話が進まない内に、ロウリア王国は遂に行動に出てしまった。国境の町ギムが襲われ、大虐殺が行われたらしい。日本の慎重さが裏目に出てしまった。しかも今度はロウリア王国は海から攻めてくるらしい。悩みに悩んだ末、政府は暇を持て余していた鎮守府に援助を要請することとした。彼らは自衛隊ではないので動かしても問題ない、という何ともグレーな考えではあるのだが、なりふり構っていられない状態なのだ。

 

 

政府からの連絡を受けた鎮守府は少しだけ複雑な心境であった、なにしろ今度の相手は人間なのだから。いくら過去の戦争での経験はあれど、当然ながら気の進むものではないのである。

 

しかし同盟国を守らなければ結局犠牲はでてしまう。

 

ひとまず急な用件なので、ロデニウス大陸に最も近い佐世保鎮守府が今回の担当となり、臨時の派遣艦隊が編成された。戦艦「扶桑」を旗艦とする、戦艦3隻、巡洋艦6隻、駆逐艦6隻からなる艦隊は、異世界での初めての戦闘に向け、出港したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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